特表-19186923IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年10月3日
【発行日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
   B62M 7/12 20060101AFI20201204BHJP
   B62M 7/02 20060101ALI20201204BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20201204BHJP
   B62J 45/40 20200101ALI20201204BHJP
   B62J 40/00 20200101ALI20201204BHJP
【FI】
   B62M7/12
   B62M7/02 C
   B62M7/02 W
   B62J45/00
   B62J45/40
   B62M7/02 F
   B62J40/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】特願2020-508725(P2020-508725)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月29日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庄村 卓祥
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祥介
(57)【要約】
スロットル弁やスロットルモータに対する揺動振動の影響が少ない鞍乗り型車両を提供する。
車体フレーム側支持部39にはクロスフレーム38が支持され、クロスフレーム38にエンジン側支持部34bが接続されるエンジン30が配置され、エアクリーナ40と吸気口54とを接続する吸気通路56と、吸気通路56に設けられるスロットル弁83と、スロットル弁83を開閉させるスロットルモータ87とを備え、吸気通路56は上方から下方に湾曲して吸気口54に接続し、スロットル弁83が、平面視において、少なくとも一部がシリンダ35と重なる鞍乗り型車両において、スロットルモータ87は吸気通路56の下方に配置され、車体前後方向でスロットルモータ87のモータ軸90はスロットル弁83の弁軸84より前方に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(12)と、
前記車体フレーム(12)には車体フレーム側支持部(39)が設けられ、
前記車体フレーム側支持部(39)にはクロスフレーム(38)が支持され、
前記クロスフレーム(38)にエンジン側支持部(34b)が接続されるエンジン(30)が配置され、
前記エンジン(30)は、上方に前記車体フレーム側支持部(39)が設けられ、車両の前後方向に延びるシリンダ(35)を有し、吸気口(54)が設けられ、
エアクリーナ(40)と、
前記エアクリーナ(40)と前記吸気口(54)とを接続する吸気通路(56)と、
前記吸気通路(56)に設けられ前記吸気通路(56)を流通する吸気量を調整するスロットル弁(83)と、
前記スロットル弁(83)を開閉させるスロットルモータ(87)と、
前記スロットルモータ(87)を駆動させるモータドライバ(120)と、
操作子の操作量に応じて、前記モータドライバ(120)を介して前記スロットルモータ(87)の駆動を制御する制御装置(121)とを備え、
前記吸気通路(56)の一端部は前記シリンダ(35)の上方から下方に湾曲して前記吸気口(54)に接続し、前記スロットル弁(83)が、車両の平面視において、少なくとも一部が前記シリンダ(35)の上面と重なって配置される鞍乗り型車両において、
前記スロットルモータ(87)は前記吸気通路(56)の下方に配置され、
前記スロットルモータ(87)のスロットルモータ軸(90)は車体前後方向で前記スロットル弁(83)のスロットル弁軸(84)より前方に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
車幅方向で前記クロスフレーム(38)は前記エンジン側支持部(34b)から車体内側に向かうにつれ車体上方に向かって曲がる屈曲部(38d、38e)を有し、
前記屈曲部(38d、38e)より車体内側では車幅方向に延びる連結部(38c)を有し、
平面視で前記連結部(38c)の下方に前記吸気通路(56)が配置され、
側面視で前記スロットル弁軸(84)は前記車体フレーム側支持部(39)と前記エンジン側支持部(34b)を結ぶ線(L1)の略線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
側面視で前記連結部(38c)と、前記車体フレーム側支持部(39)と、前記エンジン側支持部(34b)で構成される三角形(130)の範囲内に前記スロットル弁軸(84)を配置することを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記連結部(38c)は車体前後方向で前記スロットル弁軸(84)より後方に配置し、
前記スロットルモータ(87)はリダクションギア(100)を介して前記スロットル弁(83)を駆動し、
側面視で前記リダクションギア(100)のリダクションギア軸(101)は前記スロットル弁軸(84)と前記スロットルモータ(87)のスロットルモータ軸(90)とを結んだ線(L4)より前方にオフセットして配置していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記スロットル弁(83)と前記リダクションギア(100)と前記スロットルモータ(87)はスロットルユニット(80)に内蔵され、
側面視で前記エンジン(30)はシリンダ軸線(L0)を挟んで前記吸気口(54)が設けられる他方に排気口(55)が設けられ、
前記排気口(55)には排気管(36)が接続され、
前記排気管(36)内には触媒(60)が配置され、
側面視で前記シリンダ軸線(L0)と直交し、前記触媒(60)の前端を通る線(L11)と前記触媒(60)の後端を通る線(L12)の間に
前記スロットルユニット(80)が配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
車体一側方に車体を傾斜状態で維持するサイドスタンド(53)が設けられ、
平面視で前記リダクションギア(100)はスロットル弁(83)の同側方に設けられるギアボックス(107)に設けられ、
前記ギアボックス(107)の下端に換気孔(92b)が構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記スロットルユニット(80)はギアボックス(107)と、センサユニット(105)を備え、
平面視で前記スロットルユニット(80)は前記クロスフレーム(38)の連結部(38e)と重複して配置され、
車幅方向で前記スロットルユニット(80)の一側方に前記ギアボックス(107)が設けられ、
他方には前記センサユニット(105)が設けられ、
前記吸気通路(56)の上流もしくは吸気口(54)には燃料供給装置(65)が配置され、
前記燃料供給装置(65)から車体前後方向で一方に燃料配管(67)が配索され、
前記センサユニット(105)と前記スロットルユニット(80)からは車体前後方向で他方に配線(106、108)が配策されていることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットル弁をスロットルモータで駆動させる鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、エンジン自体が車体に対し揺動するユニットスイングエンジンを搭載した鞍乗り型車両において、スロットル弁をスロットルモータで駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−149277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のようなユニットスイングエンジンでは、エンジンの揺動振動、走行振動などのスロットル弁やスロットルモータのギアに対する影響を考慮した設計を行う必要があり、その振動影響の低減が望まれていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スロットル弁やスロットルモータに対する揺動振動の影響が少ない鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車体フレーム(12)と、前記車体フレーム(12)には車体フレーム側支持部(39)が設けられ、前記車体フレーム側支持部(39)にはクロスフレーム(38)が支持され、前記クロスフレーム(38)にエンジン側支持部(34b)が接続されるエンジン(30)が配置され、前記エンジン(30)は、上方に前記車体フレーム側支持部(39)が設けられ、車両の前後方向に延びるシリンダ(35)を有し、吸気口(54)が設けられ、エアクリーナ(40)と、前記エアクリーナ(40)と前記吸気口(54)とを接続する吸気通路(56)と、前記吸気通路(56)に設けられ前記吸気通路(56)を流通する吸気量を調整するスロットル弁(83)と、前記スロットル弁(83)を開閉させるスロットルモータ(87)と、前記スロットルモータ(87)を駆動させるモータドライバ(120)と、操作子の操作量に応じて、前記モータドライバ(120)を介して前記スロットルモータ(87)の駆動を制御する制御装置(121)とを備え、前記吸気通路(56)の一端部は前記シリンダ(35)の上方から下方に湾曲して前記吸気口(54)に接続し、前記スロットル弁(83)が、車両の平面視において、少なくとも一部が前記シリンダ(35)の上面と重なって配置される鞍乗り型車両において、前記スロットルモータ(87)は前記吸気通路(56)の下方に配置され、前記スロットルモータ(87)のスロットルモータ軸(90)は車体前後方向で前記スロットル弁(83)のスロットル弁軸(84)より前方に配置されていることを特徴とする。
【0006】
上記発明において、車幅方向で前記クロスフレーム(38)は前記エンジン側支持部(34b)から車体内側に向かうにつれ車体上方に向かって曲がる屈曲部(38d、38e)を有し、前記屈曲部(38d、38e)より車体内側では車幅方向に延びる連結部(38c)を有し、平面視で前記連結部(38c)の下方に前記吸気通路(56)が配置され、側面視で前記スロットル弁軸(84)は前記車体フレーム側支持部(39)と前記エンジン側支持部(34b)を結ぶ線(L1)の略線上に配置されていても良い。
【0007】
また、上記発明において、側面視で前記連結部(38c)と、前記車体フレーム側支持部(39)と、前記エンジン側支持部(34b)で構成される三角形(130)の範囲内に前記スロットル弁軸(84)を配置しても良い。
【0008】
また、上記発明において、前記連結部(38c)は車体前後方向で前記スロットル弁軸(84)より後方に配置し、前記スロットルモータ(87)はリダクションギア(100)を介して前記スロットル弁(83)を駆動し、側面視で前記リダクションギア(100)のリダクションギア軸(101)は前記スロットル弁軸(84)と前記スロットルモータ(87)のスロットルモータ軸(90)とを結んだ線(L4)より前方にオフセットして配置していても良い。
【0009】
また、上記発明において、前記スロットル弁(83)と前記リダクションギア(100)と前記スロットルモータ(87)はスロットルユニット(80)に内蔵され、側面視で前記エンジン(30)はシリンダ軸線(L0)を挟んで前記吸気口(54)が設けられる他方に排気口(55)が設けられ、前記排気口(55)には排気管(36)が接続され、前記排気管(36)内には触媒(60)が配置され、側面視で前記シリンダ軸線(L0)と直交し、前記触媒(60)の前端を通る線(L11)と前記触媒(60)の後端を通る線(L12)の間に前記スロットルユニット(80)が配置されていても良い。
【0010】
また、上記発明において、車体一側方に車体を傾斜状態で維持するサイドスタンド(53)が設けられ、平面視で前記リダクションギア(100)はスロットル弁(83)の同側方に設けられるギアボックス(107)に設けられ、前記ギアボックス(107)の下端に換気孔(92b)が構成されていても良い。
【0011】
また、上記発明において、前記スロットルユニット(80)はギアボックス(107)と、センサユニット(105)を備え、平面視で前記スロットルユニット(80)は前記クロスフレーム(38)の連結部(38e)と重複して配置され、車幅方向で前記スロットルユニット(80)の一側方に前記ギアボックス(107)が設けられ、他方には前記センサユニット(105)が設けられ、前記吸気通路(56)の上流もしくは吸気口(54)には燃料供給装置(65)が配置され、前記燃料供給装置(65)から車体前後方向で一方に燃料配管(67)が配索され、前記センサユニット(105)と前記スロットルユニット(80)からは車体前後方向で他方に配線(106、108)が配策されていても良い。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、車体フレーム側支持部と、エンジン側支持部の二点においてエンジンは支持されているため、二点を中心にエンジンは揺動する。スロットルモータ軸を車体前方に配置することでスロットル弁軸を車体フレーム側支持部側に近接して配置することができ、揺動振動の影響を少なくすることが出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、クロスフレームに屈曲部と連結部を設けその下方に吸気通路を配置することで、支持部間にスロットル弁軸を配置することができ、揺動振動による影響を低減できる。また上記配置により、スロットルモータ軸も支持部間に寄せて配置することが出来るため、同様に振動の影響を抑えることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、スロットル弁軸を車体前方に配置することでスロットル弁軸を車体側支持部側に近接して配置することができ、揺動振動の影響を少なくすることが出来る。
【0015】
請求項4の発明によれば、スロットルモータとスロットル弁を繋ぐリダクションギアを前方にオフセットすることで、エンジンとの狭いスペースでクロスフレームに影響を受け辛いエリアにギアボックスを配置しやすくなる。また二点の支持部に近づけやすくなるためより振動影響を低減できる。
【0016】
請求項5の発明によれば、エンジンにおいてシリンダの側方はエンジン全体の中でくびれ状に細く構成されやすい。その側方のスペースに触媒とスロットルユニットを配置することでスペース効率よく、触媒とスロットルユニットを配置できると共に、触媒の熱をスロットルユニットに伝え辛くすることができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、ギアボックスには内圧調整のための換気孔が設けられるが、サイドスタンド側にギアボックスを設けることで、サイドスタンド使用時の車体の傾斜を利用し、内部の水分などを抜くことが容易になる。
【0018】
請求項7の発明によれば、燃料配管と、配線とを離間させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の左側面図である。
図2図2は、ユニットスイングエンジンの支持構造を示している。
図3図3は、吸気通路の周辺部を示す左側面図である。
図4図4は、クロスフレームおよびスロットルユニットを後上方から見た一部断面斜視図である。
図5図5は、スロットルユニットの左側面視である。
図6図6は、スロットルユニットの概要説明図である。
図7図7は、クロスフレームおよびスロットルユニットの一部断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の左側面図である。なお、図1では、左右一対で設けられるものは、左側のものだけが図示されている。
鞍乗り型車両1は、シート10に着座した乗員が足を載せる低床のステップフロア11を有するスクータ型の自動二輪車である。
車体フレーム12の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジン13に軸支されている。
【0022】
鞍乗り型車両1は、車体フレーム12の前端部に軸支されるフロントフォーク14を備え、前輪2は、フロントフォーク14の下端部に軸支される。乗員が操舵するハンドル15は、フロントフォーク14の上端に取り付けられている。鞍乗り型車両1は、車体フレーム12等の車体を覆う車体カバー16を備える。
【0023】
車体フレーム12は、前端に設けられるヘッドパイプ17と、ヘッドパイプ17から後下方に延びるメインフレーム18と、メインフレーム18の下部側面に接続され後方に向けて延びた後、下端から後上方に延びる左右一対のサイドフレーム19,19と、サイドフレーム19,19の上端に接続され後ろ上方に延びる左右一対のシートフレーム20,20とを備える。
【0024】
サイドフレーム19,19及びシートフレーム20,20は、前後方向に延びるパイプ状に形成されている。サイドフレーム19,19は、メインフレーム18から後方に延びる水平部21,21と、水平部21,21の後端から後上がりに延びる傾斜部22,22とを備える。サイドフレーム19,19や、シートフレーム20,20のそれぞれは、図示しないクロスフレームで車幅方向につながれている。
【0025】
車体カバー16は、車体前側上部を覆うフロントカバー43を有する。フロントカバー43の側部には、側面視でL字状の左右一対のフロントサイドカバー44,44が連なり、車体前側の側部はフロントサイドカバー44,44によって覆われている。フロントサイドカバー44,44の後方は、上部インナーカバー45及び下部インナーカバー46によって覆われ、フロントサイドカバー44,44、上部インナーカバー45及び下部インナーカバー46によってフロントフォーク14やヘッドパイプ17などが覆われている。フロントサイドカバー44,44の下部には、ステップフロア11,11を構成する左右一対のロアカバー47,47が連なり、ロアカバー47は、ユニットスイングエンジン13の上方まで延びている。
【0026】
ロアカバー47,47の下方は左右一対のアンダーカウル48,48によって覆われている。ロアカバー47,47とシート10の間の空間は、前端をフロントサイドカバー44,44の後端に連ねて後方に延びる左右一対のリヤサイドカバー49,49によって覆われている。リヤサイドカバー49,49の後部には、上方から順に、同乗者が把持するグラブレール50、コンビネーションランプ51、リヤフェンダ52が取付けられている。また、鞍乗り型車両1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー9を備える。
鞍乗り型車両1の下部の左方(車体一側方)には、サイドスタンド53が設けられている。サイドスタンド53は、停車時に車体を、車体が左側に傾斜した姿勢で支える。
【0027】
図2は、ユニットスイングエンジン13の支持構造を示している。
ユニットスイングエンジン13は、内燃機関である単気筒のエンジン30と後輪3を支持するアーム部31とが一体化されて構成されている。エンジン30は、車幅方向に延びるクランクシャフト33を収容するクランクケース34と、クランクケース34の前面部から前方へ延びるシリンダ35とを備える。
シリンダ35は、クランクケース34側から順に、シリンダブロック35a、シリンダヘッド35b及びヘッドカバー35cを備える。シリンダ35のシリンダボアの軸線(シリンダ軸線)L0は、やや前上がりの姿勢で略水平に延びる。
【0028】
後輪3を支持するアーム部31は中空ケース状であり、アーム部31の内部には、エンジン30の出力を後輪3に伝達するベルト式無段変速機(不図示)が収容されている。後輪3はアーム部31の右側面に支持される。アーム部31には、リアサスペンション42の下端が支持され、リアサスペンション42の上端は、シートフレーム20に連結されている。リアサスペンション42は、ユニットスイングエンジン13の揺動を減衰する。
【0029】
サイドフレーム19,19(図1参照)の傾斜部22,22の後面からは、傾斜部22,22の後ろ方向に突出するように、エンジンブラケット28,28が左右一対設けられている。エンジンブラケット28,28には、車幅方向に延びる左右一対のピボット軸(車体フレーム側支持部)39、39が設けられている(図4参照)。ピボット軸39、39は側面視で同軸上に配置されている。
【0030】
図3は、吸気通路56の周辺部を示す左側面図である。
側面視で、エンジン30はシリンダ軸線L0を挟んで、上方(一方)に吸気口54が設けられ、下方(他方)に排気口55が設けられる。
吸気口54には、エンジン30の吸気装置の吸気通路56が接続される。
エンジン30の吸気装置は、エアクリーナボックス(エアクリーナ)40と、エアクリーナボックス40の下流に接続されるスロットルユニット80と、エアクリーナボックス40とスロットルユニット80を接続するコネクティングチューブ41と、備える。
エアクリーナボックス40は、アーム部31に支持され、アーム部31の上方に位置する。スロットルユニット80は、エアクリーナボックス40の前方且つユニットスイングエンジン13の上方に配置され、その下流側が、吸気管57に接続される。
吸気管57は、シリンダ35の上方から下方に湾曲して、シリンダヘッド35bの上部の吸気口54に接続される。
エアクリーナボックス40、スロットルユニット80、コネクティングチューブ41は、ユニットスイングエンジン13に固定されている。
【0031】
シリンダヘッド35bの下部の排気口55には、エンジン30の排気管36が接続される。排気管36は、前端が、シリンダヘッド35bに接続されている。排気管36は、前端から下後方に延びて、後端が、マフラー37(図1参照)に接続される。マフラー37は、後輪3の右側方に配置されている。排気管36は、排気を浄化する触媒装置60を、その排気通路の途中に備える。
触媒装置60は、排気管36内に設けられ、外形が、車幅方向に延びた円筒状に形成されている。触媒装置60は、少なくとも一部がシリンダブロック35aの下側の側部となるエンジン30のくびれ形状の空間に配置されている。
触媒装置60を含む排気管36は、シリンダ35及びクランクケース34の下方の空間を利用して配置されている。触媒装置60を含む排気管36、及び、マフラー37は、ユニットスイングエンジン13に固定されている。
【0032】
図4は、クロスフレーム38およびスロットルユニット80を後上方から見た一部断面斜視図である。
クロスフレーム38は、一対のサイドフレーム19、19(図1参照)の間に延びるパイプ部(連結部)38cと、パイプ部38cから分岐した、L字形の一対の偏心パイプ部(屈曲部)38d、38eとを備える。
パイプ部38cの両端にはブラケット部38a、38bが固定されている。このブラケット部38a、38bは、ピボット軸39、39を介して、サイドフレーム19、19のエンジンブラケット28,28に回動自在に支持されている。ピボット軸39、39は、パイプ部38cの中心から偏心している。
【0033】
左側のブラケット部38aは、図2に示すように、側面視で、エンジンブラケット28に沿って後上がり方向に傾斜した斜辺を有する三角形状に形成されている。
左側のブラケット部38aには、ピボット軸39を挟んで前後一対のダンパー部38f、38gが設けられている。ダンパー部38f、38gは、円柱状の弾性部材38h、38hを備える。弾性部材38h、38hはエンジンブラケット28に対向して支持されている。ユニットスイングエンジン13が、ピボット軸39を中心に前後方向に揺動した場合に、ダンパー部38f、38gが、エンジンブラケット28に当たって、前後方向の揺動振動を減衰する。
【0034】
偏心パイプ部38d、38eの先端部は、図4に示すように、それぞれパイプ部38cと略平行に延びている。その先端部は、クランクケース34のエンジンハンガ部34a、34aに、エンジン側支持軸(エンジン側支持部)34b、34bを介して、回動自在に支持されている。エンジン側支持軸34b、34bは側面視で同一軸上にあり、ピボット軸39、39の回動中心から偏心している。
【0035】
クロスフレーム38は、ピボット軸39、39を中心に前後方向に回動する。クランクケース34(ユニットスイングエンジン13)は、エンジン側支持軸34b、34bを中心に上下方向に回動する。したがって、ユニットスイングエンジン13は、二点(ピボット軸39、39及び支持軸34b、34b)を中心に回動又は揺動すると言える。
【0036】
クランクケース34の左後部から後方にアーム部31が延びている。このアーム部31は、後輪3の左側方に位置し、後輪3を支持する。
アーム部31の上部には、エアクリーナボックス40が配置されている。エアクリーナボックス40の右前部からはコネクティングチューブ41が延びている。コネクティングチューブ41は右方向に曲がって車幅方向中央部に延びた後、前方に屈曲している。コネクティングチューブ41の前端には、スロットルユニット80が接続される。
【0037】
本実施の形態では、スロットルユニット80は、ユニットスイングエンジン13のシリンダブロック35aと上方のラゲッジボックス58(図3参照)との間において、クロスフレーム38のパイプ部38cと偏心パイプ部38d、38eとで囲まれた空間内に配置されており、クロスフレーム38と前後方向で重複している。
パイプ部38cの下方に吸気通路56を配置することで、図3に示す側面視で、ピボット軸39、39、エンジン側支持軸34b、34b間にスロットルユニット80を配置することができ、スロットルユニット80に対する揺動振動による影響を低減できる。
【0038】
スロットルユニット80の前側の吸気管57の上部には、燃料供給装置65が設置されている。燃料供給装置65は、上下方向に延びる供給部本体66を備える。供給部本体66の先端は吸気管57内に配置されており、上部には、燃料配管67が接続されている。燃料配管67は、燃料タンク68に接続されている。燃料供給装置65は吸気通路56内に燃料を供給する。燃料タンク68は、エンジン30の前方下部に配置されている。
【0039】
ユニットスイングエンジン13は、冷却装置70を備える。冷却装置70は、シリンダヘッド35bの右部に設けられたウォータポンプ71と、クランクケース34の右側に設けられたラジエータ72と、ウォータポンプ71とエンジン30とを接続する複数のホース73を備え、ホース73を介して、ラジエータ72とエンジン30との間で冷却水を循環させる。
【0040】
図5は、スロットルユニット80の左側面視である。
スロットルユニット80は、スロットルモータ87と、スロットルモータ87の回転を減速するリダクションギア100と、リダクションギア100を介してスロットルモータ87から駆動力が伝達されるスロットル弁83とを内蔵する。
側面視では、スロットルモータ87のモータ軸90の軸中心と、スロットル弁83の弁軸84の軸中心と、を結ぶ仮想線L4に対して前方にオフセットした位置に、リダクションギア100のギア軸101が配置されている。
【0041】
図6は、スロットルユニット80の概要説明図である。なお、図6は、スロットルユニット80の概要構成を示す断面図であり、図5とは大小関係などが異なる。
スロットルユニット80は、スロットルボディ本体81を備える。スロットルボディ本体81には、スロットルボディ本体81を前後方向に貫通する吸気流通路82が形成されている。図5に示すように、吸気流通路82の後方の開口部(上流側)にはコネクティングチューブ41が接続され、吸気流通路82の前方の開口部(下流側)には吸気管57が接続される。コネクティングチューブ41内の流路と、吸気流通路82と、吸気管57内の流路とにより、吸気通路56が構成される。
【0042】
吸気流通路82には、吸気流通路82を開閉するスロットル弁83が配置されている。スロットル弁83は弁軸(スロットル弁軸)84に支持されている。弁軸84は、スロットルボディ本体81に軸受85、85を介して回動可能に支持されている。スロットル弁83と弁軸84とは一体的に回転可能である。スロットル弁83は、いわゆる、バタフライ弁であり、吸気流通路82を流通する吸気量を調整する。
【0043】
スロットルボディ本体81の下部には、弁軸84と平行に延びるモータ室86が形成されている。このモータ室86には電動のスロットルモータ87が収容されている。スロットルモータ87は、スロットル弁83を開閉させる。
スロットルモータ87は、柱状のモータ本体88と、このモータ本体88の一端面に固着されるモータ用取付フランジ89と、モータ本体88に回転自在に支持されてその一端面より突出するモータ軸(スロットルモータ軸)90とを備えている。スロットルモータ87は、モータ軸90が弁軸84と平行に配置される。モータ用取付フランジ89は、スロットルボディ本体81にボルト91で締結される。
【0044】
スロットルボディ本体81の左側部外周には、その全周に亘りカバー用取付フランジ81aが外向きに一体に連設されている。カバー用取付フランジ81aには、左カバー92が取り付けられる。左カバー92は、右面を開放させた箱型に形成されている。左カバー92は、その右側の開放面をスロットルボディ本体81の左側面に対向させた状態で、外周部92aが複数のボルト93で着脱可能にスロットルボディ本体81に締結される。
左カバー92の内面とスロットルボディ本体81の左側面との間には、モータ室86と連通する減速機構室94が構成される。減速機構室94は、吸気流通路82よりも左側に形成される。
左カバー92の下端部には、換気孔92bが形成されている(図5参照)。換気孔92bを介して、減速機構室94が換気される。
【0045】
減速機構室94には、スロットルモータ87のモータ軸90及び弁軸84間を連結する減速機構95が収容される。
減速機構95は、モータ軸90の端部に固着されるピニオンギア96を備える。ピニオンギア96には、ピニオンギア96よりも大径の第1中間ギア97が噛み合う。第1中間ギア97は、第1中間ギア97より小径の第2中間ギア98と一体的に回転する。第2中間ギア98には、弁軸84の外端部に固着された出力ギア99が噛み合っている。出力ギア99は、第2中間ギア98よりも大径となっている。
第1中間ギア97及び第2中間ギア98により、ピニオンギア96と出力ギア99との間のリダクションギア100が構成される。リダクションギア100は、ギア軸(リダクションギア軸)101に支持される。ギア軸101は、左端部が、左カバー92に回転自在に支持され、右端部が、スロットルボディ本体81に回転自在に支持される。ギア軸101は、弁軸84と平行に配置されている。
左カバー92と、減速機構95とにより、ギアボックス107が構成される。
【0046】
スロットルボディ本体81の右側部外周には、カバー用取付部81bが設けられている。カバー用取付部81bには、右カバー102が取り付けられる。右カバー102は、左面を開放させた箱型に形成されている。右カバー102は、その左側の開放面をスロットルボディ本体81の右側面に対向させた状態で、外周部102aが複数のボルト103でスロットルボディ本体81に対して着脱可能に締結される。
右カバー102の内面とスロットルボディ本体81の右側面との間には、弁軸84の一端が進入するセンサ室104が構成される。センサ室104は、吸気流通路82よりも右側に形成される。
センサ室104の内部には、弁軸84に連結されてスロットル弁83の開度を検出するスロットルセンサ(センサユニット)105が配置される。
【0047】
スロットルセンサ105は、弁軸84の回転角度を検出することにより、スロットル弁83の開度を検出する。スロットルセンサ105は、電子制御装置(ECU)121(図1参照)に電気的に接続されており、スロットルセンサ105による検出信号(検出値)は、電子制御装置121に出力される。
【0048】
図1に示すように、電子制御装置121は、車幅方向左側に配置されているシートフレーム20の後端側近傍において、シートフレーム20にステー(不図示)を介して取り付けられている。
スロットルモータ87を駆動させるモータドライバ120は、電子制御装置121のやや前方において、車幅方向左側に配置されているシートフレーム20にステー(不図示)を介して取り付けられている。
【0049】
電子制御装置121は、マイクロコンピュータを備えて構成されている。電子制御装置121は、ハンドル15に設けられ且つ運転者が操作する操作子としてのスロットルグリップ(図示せず)の操作量を、センサ(不図示)を介して検出する。そして、電子制御装置121は、モータドライバ120を介してスロットルモータ87の駆動を制御する。スロットルモータ87の出力は、ピニオンギア96及び第1中間ギア97と、第2中間ギア98及び出力ギア99と、により2段階減速されて弁軸84に伝達され、スロットル弁83をきめ細かく開閉制御し、スロットルユニット80の吸気流通路82を通してエンジン30の吸気量を制御することができる。
【0050】
図3を用いて、スロットルユニット80の内蔵部品の位置関係を説明する。
本実施の形態のスロットルユニット80は、クロスフレーム38のパイプ部38cと偏心パイプ部38d、38eと、シリンダブロック35aとで囲まれた空間内に配置されており、クロスフレーム38と前後方向で重複して配置される。
スロットルユニット80のスロットルモータ87は、吸気通路56の下方に配置される。スロットルモータ87のモータ軸90は弁軸84より前方に配置される。
モータ軸90を車体前方に配置することで弁軸84をピボット軸39、39に近接して配置することができる。鞍乗り型車両1では、速度変化や、走行路面の凹凸などにより、ユニットスイングエンジン13は揺動する。モータ軸90がピボット軸39、39に近い場合、揺動の回転中心に近いため、モータ軸90に対する揺動振動の影響を少なくすることができる。
【0051】
側面視において、パイプ部38cの軸中心と、ピボット軸39、39の軸中心と、エンジン側支持軸34b、34bの軸中心を頂点として構成される仮想的な三角形130の範囲内に、弁軸84が配置される。
弁軸84を車体前方に配置することで弁軸84をピボット軸39、39側に近接して配置することができ、弁軸84に対する揺動振動の影響を少なくすることができる。
【0052】
パイプ部38cの軸中心は、弁軸84より後方に配置し、側面視で、ギア軸101は、弁軸84とモータ軸90とを結んだ仮想線L4より前方にオフセットして配置される。スロットルモータ87とスロットル弁83を繋ぐリダクションギア100を前方にオフセットすることで、エンジン30との狭いスペースで、クロスフレーム38に影響を受け辛いエリアに、ギアボックス107(図5参照)を配置しやすくなる。また、ピボット軸39、39とエンジン側支持軸34b、34bの二点に近づけやすくなるため、より振動影響を低減できる。
【0053】
側面視で、スロットルユニット80は、線L11、L12の間に配置される。線L11、L12は、シリンダ軸線L0と直交する線L11、L12である。線L11は、触媒装置60の前側の端を通り、線L12は、触媒装置60の後側の端を通る。
ここで、スロットルユニット80が、線L11、L12の間に配置される意義は、少なくともスロットルユニット80のモータ軸90、ギア軸101、および、弁軸84が配置され、さらに、モータ軸90に支持されたピニオンギア96、ギア軸101に支持されたリダクションギア100、弁軸84に支持された出力ギア99が配置されていればよい。
エンジン30においてシリンダブロック35aの側方はエンジン30全体の中でくびれ状に細く構成されやすい。その側方のくびれ状のスペースに、触媒装置60とスロットルユニット80を配置することで、触媒装置60とスロットルユニット80をスペース効率よく配置できる。また、触媒装置60の熱をスロットルユニット80に伝え辛くすることが出来る。
【0054】
図7は、クロスフレーム38およびスロットルユニット80の一部断面平面図である。
スロットルユニット80がクロスフレーム38の前側に突出してシリンダ35の上面と重なっている。スロットル弁83の一部はシリンダ35の上方に位置する(図3参照)。スロットル弁83が、車両の平面視において、少なくとも一部がシリンダ35の上面と重なって配置される。
コネクティングチューブ41は、エアクリーナボックス40の右前部から右方に延びた後、前方に屈曲する屈曲部41aを有する。コネクティングチューブ41の屈曲部41aは、車幅方向でギアボックス107と逆側方に延びて屈曲しており、屈曲部41aとクロスフレーム38の左側の偏心パイプ部38dとの間のスペースにギアボックス107が配置されている。
【0055】
スロットルユニット80は、平面視で、パイプ部38cと重複しており、パイプ部38cの下方に吸気流通路82が配置されている。
また、図3に示すように、側面視で、弁軸84は、ピボット軸39、39の軸中心とエンジン側支持軸34b、34bの軸中心とを結ぶ仮想線L1の略線上に配置される。ここで、略線上とは、仮想線L1上や仮想線L1に近接していることを意味する。具体的には、側面視で、ピボット軸39の外周部と、エンジン側支持軸34bの外周部との仮想的な共通接線L3に弁軸84が重複する場合も、仮想線L1の略線上にあることを意味する。
弁軸84が、仮想線L1の略線上に配置されることにより、モータ軸90も、ピボット軸39、39と、エンジン側支持軸34b、34bの間に寄せて配置することが出来る。このため、モータ軸90についても、揺動の回転中心に近くなり、揺動振動の影響を抑えることができる。
【0056】
スロットルユニット80は、吸気通路56に対して左側にギアボックス107が配置され、吸気通路56に対して右側にセンサユニット105が配置される。
ギアボックス107の下端には、内圧調整のための換気孔92b(図5参照)が形成されている。ギアボックス107内はエンジン30を停止させた場合などに冷えて結露で水分が残留する場合がある。サイドスタンド53のある左側(サイドスタンド53の同側方)にギアボックス107を設けることで、停車時に車体をサイドスタンド53で傾斜させた場合に、左側に倒れる傾斜を利用して、ギアボックス107内部の水分などを抜くことが容易になる。
【0057】
吸気口54(図3参照)に接続される吸気管57には燃料供給装置65が配置されており、燃料供給装置65から前方に燃料配管67が配索されている。
また、センサユニット105とスロットルユニット80からは後方に配線106、108がコネクティングチューブ41に沿って配策されており、電子制御装置121に配線106が接続されている。すなわち、スロットルユニット80の右側からはセンサ配線106が後方に延び、左側からはスロットルモータ(アクチュエータ)87の電源配線108等が後方に延びる構成となっており、燃料系統の燃料配管67と別け二つの電気系統の配線106、108をまとめて後方へ配策することができる。
燃料系統の燃料配管67と、電気系統の配線106、108とが離間して配設されており、燃料配管67や配線106、108の設置作業が容易になっている。
【0058】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、車体フレーム12と、車体フレーム12にはピボット軸39、39が設けられ、ピボット軸39、39にはクロスフレーム38が支持され、クロスフレーム38にエンジン側支持軸34b、34bが接続されるエンジン30が配置され、エンジン30は、上方にピボット軸39、39が設けられ、車両の前後方向に延びるシリンダ35を有し、吸気口54が設けられ、エアクリーナボックス40と、エアクリーナボックス40と吸気口54とを接続する吸気通路56と、吸気通路56に設けられ吸気通路56を流通する吸気量を調整するスロットル弁83と、スロットル弁83を開閉させるスロットルモータ87と、スロットルモータ87を駆動させるモータドライバ120と、操作子の操作量に応じて、モータドライバ120を介してスロットルモータ87の駆動を制御する電子制御装置121とを備え、吸気通路56の一端部はシリンダ35の上方から下方に湾曲して吸気口54に接続し、スロットル弁83が、車両の平面視において、一部がシリンダ35の上面と重なって配置される鞍乗り型車両1において、スロットルモータ87は吸気通路56の下方に配置され、車体前後方向でスロットルモータ87のモータ軸90はスロットル弁83の弁軸84より前方に配置されている。
【0059】
したがって、ピボット軸39、39と、エンジン側支持軸34b、34bの二点においてエンジン30は支持されているため、それらの二点を中心に回転してエンジン30が揺動する。モータ軸90を車体前方に配置することで弁軸84をピボット軸39、39側に近接して配置することができ、弁軸84に対する揺動振動の影響を少なくすることが出来る。
【0060】
本実施の形態では、車幅方向でクロスフレーム38は、エンジン側支持軸34bから車体内側に向かうにつれ車体上方に向かって曲がる偏心パイプ部38d、38eを有し、偏心パイプ部38d、38eより車体内側では車幅方向に延びるパイプ部38cを有し、平面視でパイプ部38cの下方に吸気通路56が配置され、側面視で弁軸84はピボット軸39、39とエンジン側支持軸34b、34bを結ぶ仮想線L1の略線上に配置されている。したがって、クロスフレーム38に偏心パイプ部38d、38eとパイプ部38cを設け、パイプ部38cの下方に吸気通路56を配置することで、ピボット軸39、39とエンジン側支持軸34b、34bとの間に弁軸84を配置することができ、弁軸84に対する揺動振動による影響を低減できる。また上記配置により、モータ軸90もピボット軸39、39とエンジン側支持軸34b、34bとの間に寄せて配置することが出来るため、同様にモータ軸90に対する振動の影響を抑えることができる。
【0061】
また、本実施の形態では、側面視でパイプ部38cと、ピボット軸39、39と、エンジン側支持軸34b、34bで構成される仮想的な三角形130の範囲内に弁軸84を配置する。したがって、弁軸84を車体前方に配置することで、弁軸84をピボット軸39、39側に近接して配置することができ、弁軸84に対する揺動振動の影響を少なくすることが出来る。
【0062】
また、本実施の形態では、パイプ部38cは車体前後方向で弁軸84より後方に配置し、スロットルモータ87はリダクションギア100を介してスロットル弁83を駆動し、側面視でリダクションギア100のギア軸101は弁軸84とスロットルモータ87のモータ軸90とを結んだ仮想線L4より前方にオフセットして配置している。したがって、スロットルモータ87とスロットル弁83を繋ぐリダクションギア100を前方にオフセットすることで、エンジン30との狭いスペースでクロスフレーム38に影響を受け辛いエリアにギアボックス107を配置しやすくなる。また、ピボット軸39、39とエンジン側支持軸34b、34bの二点に近づけやすくなるため、より振動影響を低減できる。
【0063】
また、本実施の形態では、スロットル弁83とリダクションギア100とスロットルモータ87はスロットルユニット80に内蔵され、側面視でエンジン30はシリンダ軸線L0を挟んで吸気口54が設けられる他方に排気口55が設けられ、排気口55には排気管36が接続され、排気管36内には触媒装置60が配置され、側面視でシリンダ軸線L0と直交し、触媒装置60の前側の端を通る線L11と触媒装置60の後側の端を通る線L12の間にスロットルユニット80が配置されている。この構成によれば、エンジン30においてシリンダ35の側方はエンジン30全体の中でくびれ状に細く構成されやすい。その側方のスペースに触媒装置60とスロットルユニット80を配置することでスペース効率よく、触媒装置60とスロットルユニット80を配置できると共に、触媒装置60の熱をスロットルユニット80に伝え辛くすることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、車体左側方(一側方)に車体を傾斜状態で維持するサイドスタンド53が設けられ、平面視でリダクションギア100はスロットル弁83の同左側方に設けられるギアボックス107に設けられ、ギアボックス107の下端に換気孔92bが構成されている。ギアボックス107には内圧調整のための換気孔が設けられるが、サイドスタンド53側にギアボックス107を設けることで、サイドスタンド53使用時の車体の傾斜を利用し、換気孔92bから減速機構室94内部の水分などを抜くことが容易になる。
【0065】
また、本実施の形態では、スロットルユニット80はギアボックス107と、センサユニット105を備え、平面視でスロットルユニット80はクロスフレーム38のパイプ部38cと重複して配置され、車幅方向でスロットルユニット80の車体左側方(一側方)にギアボックス107が設けられ、車体右側方(他方)にはセンサユニット105が設けられ、吸気通路56の下流部には燃料供給装置65が配置され、燃料供給装置65から車体前後方向で前方(一方)に燃料配管67が配索され、センサユニット105とスロットルユニット80からは車体前後方向で後方(他方)に配線106、108が配策されている。したがって、燃料配管67と、配線106、108とを離間させ易く、配索が容易である。
【0066】
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
燃料供給装置65は吸気管57に設ける構成を説明したが、シリンダヘッド35bの吸気口54に設けても良い。
燃料供給装置65から車体前方に燃料配管67が配索され、センサユニット105とスロットルユニット80からは車体後方に配線106、108が配策された構成を説明したが、燃料供給装置65から車体後方に燃料配管67が配索され、センサユニット105とスロットルユニット80からは車体前方に配線106、108が配策される構成としても良い。前後に配索を振り分けるため、配索の自由度が向上し、組みつけが容易となる。
【符号の説明】
【0067】
12 車体フレーム
30 エンジン
34b エンジン側支持部
35 シリンダ
36 排気管
38 クロスフレーム
38d、38e 屈曲部
38c 連結部
39 車体フレーム側支持部
40 エアクリーナ
53 サイドスタンド
54 吸気口
55 排気口
56 吸気通路
60 触媒
65 燃料供給装置
67 燃料配管
80 スロットルユニット
83 スロットル弁
84 スロットル弁軸
87 スロットルモータ
90 スロットルモータ軸
92b 換気孔
100 リダクションギア
101 リダクションギア軸
105 センサユニット
106 配線
107 ギアボックス
108 配線
120 モータドライバ
121 制御装置
130 三角形
L0 シリンダ軸線
L1 車体フレーム側支持部とエンジン側支持部を結ぶ線
L4 スロットル弁軸とスロットルモータ軸とを結んだ線
L11 触媒の前端を通る線
L12 触媒の後端を通る線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】