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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年10月3日
【発行日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】ヒートシンク
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20210416BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20210416BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20210416BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   H01L23/36 Z
   H01L23/46 B
   H01L23/46 C
   H05K7/20 B
   H05K7/20 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2020-511070(P2020-511070)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年3月29日
(31)【優先権主張番号】特願2018-68298(P2018-68298)
(32)【優先日】2018年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雅人
(72)【発明者】
【氏名】目黒 正大
(72)【発明者】
【氏名】坂井 啓志
(72)【発明者】
【氏名】内村 泰博
(72)【発明者】
【氏名】引地 秀太
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA11
5E322AB11
5E322DB08
5F136BA04
5F136BA15
5F136CA01
5F136CC16
5F136CC17
5F136CC18
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
本発明は、優れた冷却性能を得つつ、冷却風の通風抵抗の増大を防止して圧力損失を低減できるヒートシンクを提供することを目的とする。
受熱部から鉛直方向へ延在した放熱フィンを備え、前記放熱フィンが、主表面側から視て、該放熱フィンの受熱部側の辺と、該受熱部側の辺の両端から該受熱部側の辺に対し直交方向に伸延した第1の辺と、該受熱部側の辺と対向した前記放熱フィンの先端側の辺における直線部を該第1の辺まで延長して形成された第2の辺と、で形成された仮想長方形または仮想正方形よりも、前記放熱フィンの先端側角部が該放熱フィンの主表面方向内側に後退した切り欠き部を有するヒートシンク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受熱部から鉛直方向へ延在した放熱フィンを備え、
前記放熱フィンが、主表面側から視て、該放熱フィンの受熱部側の辺と、該受熱部側の辺の両端から該受熱部側の辺に対し直交方向に伸延した第1の辺と、該受熱部側の辺と対向した前記放熱フィンの先端側の辺における直線部を該第1の辺まで延長して形成された第2の辺と、で形成された仮想長方形または仮想正方形よりも、前記放熱フィンの先端側角部が該放熱フィンの主表面方向内側に後退した切り欠き部を有するヒートシンク。
【請求項2】
前記切り欠き部の形状が、C面取り形状、R面取り形状、またはC面取り形状とR面取り形状の組み合わせである請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】
前記仮想長方形または仮想正方形の第1の辺の長さに対する、前記切り欠き部の前記第1の辺方向の寸法の割合が、30%〜100%である請求項1または2に記載のヒートシンク。
【請求項4】
前記仮想長方形または仮想正方形の面積に対する、前記放熱フィンの主表面の面積割合が、50%〜98%である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記切り欠き部の形状が、R面取り形状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記R面取り形状の曲率半径が、5mm以上である請求項5に記載のヒートシンク。
【請求項7】
前記切り欠き部が、前記放熱フィンの先端側の両角部に設けられている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項8】
前記放熱フィンの先端側の両角部のうち、前記受熱部に熱的に接続される発熱体から遠い方の角部に、前記切り欠き部が設けられている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項9】
さらに、受熱板を備え、該受熱板から前記放熱フィンが鉛直方向へ延在した請求項1乃至8のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項10】
さらに、ヒートパイプを備えた請求項1乃至9のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項11】
前記放熱フィンの先端側の両角部のうち、前記受熱部に熱的に接続される発熱体及び前記ヒートパイプから遠い方の角部に、前記切り欠き部が設けられている請求項10に記載のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等の発熱体を冷却するヒートシンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高機能化に伴い、電子機器内部には、電子部品等の発熱体が高密度に搭載されている。電子部品等の発熱体を冷却する手段としてヒートシンクが使用される場合がある。また、ヒートシンクには通風ファン等による強制空冷が施される、すなわち、ヒートシンクに冷却風が供給されることで、ヒートシンクの冷却性能を発揮させることがある。
【0003】
上記ヒートシンクとしては、例えば、発熱部品の熱を受ける受熱部材と、受熱部材上に設置された複数の放熱フィンと、複数の放熱フィンを覆うカバー部材とを備え、各放熱フィンの間には、気体等の流体を流す流路が形成されているヒートシンクが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、ヒートシンク内に形成された流体を流す流路の長さ方向において温度差を小さくすることで、ヒートシンクの冷却性能を向上させようというものである。
【0004】
しかし、特許文献1では、ヒートシンクの風上側と風下側とで、ヒートシンクに供給される冷却風の圧力差、すなわち、圧力損失が生じてしまう場合がある。冷却風の該圧力差が生じると、ヒートシンクに供給される冷却風の通風抵抗増大の原因となる。冷却風の通風抵抗が増大すると、必要量の冷却風をヒートシンクに供給するために、通風ファンの消費電力を増大させなければならないという問題や、通風ファンを大型化する必要があるので狭小空間にヒートシンクを搭載することができなくなる等の問題が生じる。
【0005】
一方で、ヒートシンクの通風抵抗を低減するために、放熱フィンの設置枚数を減らしたり、幅、高さ、厚さ等、放熱フィンの寸法を小さくすると、ヒートシンクの冷却性能が低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−207928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、優れた冷却性能を得つつ、冷却風の通風抵抗の増大を防止して圧力損失を低減できるヒートシンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、受熱部から鉛直方向へ延在した放熱フィンを備え、前記放熱フィンが、主表面側から視て、該放熱フィンの受熱部側の辺と、該受熱部側の辺の両端から該受熱部側の辺に対し直交方向に伸延した第1の辺と、該受熱部側の辺と対向した前記放熱フィンの先端側の辺における直線部を該第1の辺まで延長して形成された第2の辺と、で形成された仮想長方形または仮想正方形よりも、前記放熱フィンの先端側角部が該放熱フィンの主表面方向内側に後退した切り欠き部を有するヒートシンクである。
【0009】
本発明の態様は、前記切り欠き部の形状が、C面取り形状、R面取り形状、またはC面取り形状とR面取り形状の組み合わせであるヒートシンクである。
【0010】
本発明の態様は、前記仮想長方形または仮想正方形の第1の辺の長さに対する、前記切り欠き部の前記第1の辺方向の寸法の割合が、30%〜100%であるヒートシンクである。
【0011】
本発明の態様は、前記仮想長方形または仮想正方形の面積に対する、前記放熱フィンの主表面の面積割合が、50%〜98%であるヒートシンクである。
【0012】
本発明の態様は、前記切り欠き部の形状が、R面取り形状であるヒートシンクである。
【0013】
本発明の態様は、前記R面取り形状の曲率半径が、5mm以上であるヒートシンクである。
【0014】
本発明の態様は、前記切り欠き部が、前記放熱フィンの先端側の両角部に設けられているヒートシンクである。
【0015】
本発明の態様は、前記放熱フィンの先端側の両角部のうち、前記受熱部に熱的に接続される発熱体から遠い方の角部に、前記切り欠き部が設けられているヒートシンクである。
【0016】
本発明の態様は、さらに、受熱板を備え、該受熱板から前記放熱フィンが鉛直方向へ延在したヒートシンクである。
【0017】
本発明の態様は、さらに、ヒートパイプを備えたヒートシンクである。
【0018】
本発明の態様は、前記放熱フィンの先端側の両角部のうち、前記受熱部に熱的に接続される発熱体及び前記ヒートパイプから遠い方の角部に、前記切り欠き部が設けられているヒートシンクである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、上記仮想長方形または仮想正方形よりも、放熱フィンの先端側角部が該放熱フィンの主表面方向内側に後退した切り欠き部を有することにより、ヒートシンクの放熱フィン間を流通する冷却風の通風抵抗が低下して、冷却風の圧力損失が低減される。従って、通風ファンの消費電力の増大を防止できるので省エネルギーに寄与でき、また、通風ファンを小型化できるので狭小空間でもヒートシンクを搭載することができる。また、本発明の態様によれば、冷却風の圧力損失を低減できるので、優れた冷却性能が得られる。また、放熱フィンの先端側は受熱部に近い基部側と比較して放熱性への寄与が小さいところ、本発明の態様によれば、切り欠き部は放熱フィンの先端側に設けられているので、優れた冷却性能を維持できる。
【0020】
本発明の態様によれば、切り欠き部の形状が、C面取り形状、R面取り形状またはC面取り形状とR面取り形状の組み合わせであることにより、ヒートシンクの放熱フィン間を流通する冷却風の通風抵抗を確実に低下させることができる。
【0021】
本発明の態様によれば、上記仮想長方形または仮想正方形の第1の辺の長さに対する、切り欠き部の第1の辺方向の寸法の割合が、30%〜100%であることにより、より円滑に放熱フィン間に冷却風を流通させることができ、結果、通風抵抗をより確実に低下させることができる。
【0022】
本発明の態様によれば、上記仮想長方形または仮想正方形の面積に対する、放熱フィンの主表面の面積割合が、50%〜98%であることにより、冷却性能の向上と冷却風の圧力損失の低減をバランスよく実現することができる。
【0023】
本発明の態様によれば、切り欠き部の形状が、R面取り形状であることにより、優れた冷却性能を確実に維持しつつ、ヒートシンクの放熱フィン間を流通する冷却風の通風抵抗を確実に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクを説明した側面図である。
図3】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクに発熱体を熱的に接続した状態の正面図である。
図4】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクに発熱体を熱的に接続した状態の底面図である。
図5】本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクの斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクを説明した側面図である。
図7】(a)図は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの底面図、(b)図は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの側面図である。
図8】(a)〜(d)図は、それぞれ、他の実施形態である放熱フィンの切り欠き部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。図1、2に示すように、第1実施形態例に係るヒートシンク1は、平板状の受熱板12と、受熱板12上に立設された複数の放熱フィン11、11、11・・・と、を備えている。放熱フィン11が受熱板12に取り付けられることで、放熱フィン11が受熱板12と熱的に接続されている。放熱フィン11は受熱板12に対して鉛直方向に延在している。放熱フィン11は、薄い平板状であり、両主表面13と、両主表面13を連結する側面14と、を有している。放熱フィン11は、主に、主表面13が放熱フィン11の放熱に寄与する。側面14の幅が、放熱フィン11の厚さを構成する。
【0026】
放熱フィン11は、その主表面13の延在方向に対して略直交方向に並列配置されている。また、放熱フィン11の主表面13が、隣接する他の放熱フィン11の主表面13に対し略平行に並ぶように配置されている。従って、隣接する放熱フィン11の主表面13間には、空間15が形成されている。
【0027】
放熱フィン11の幅(W)は、受熱板12の幅に対応し、また、ヒートシンク1を構成する複数の放熱フィン11、11、11・・・が、受熱板12の一端から他端まで、略等間隔に並列配置されている。また、ヒートシンク1では、放熱フィン11の幅(W)方向の寸法と高さ(H)方向の寸法が異なる態様となっている。
【0028】
送風ファン(図示せず)からヒートシンク1へ冷却風Fが供給されることで、ヒートシンク1は優れた冷却性能を発揮できる。冷却風Fは、受熱板12に沿うように側面14と対向する側からヒートシンク1へ、すなわち、隣接する放熱フィン11の主表面13間に形成された空間15へ供給される。空間15へ供給された冷却風Fが、受熱板12の延在方向に放熱フィン11の主表面13に沿って流通することで、ヒートシンク1を冷却する。
【0029】
図1、2に示すように、ヒートシンク1では、放熱フィン11に切り欠き部16が設けられている。ここで、切り欠き部とは、四角形状の放熱フィンの角部が切り取られて、欠失した部分を意味する。従って、切り欠き部とは、後述するように、仮想長方形Reよりも角部が後退した部位である。図2に示すように、切り欠き部16は、放熱フィン11の受熱部側の辺20と、受熱部側の辺20の両端20a、20bから受熱部側の辺20に対し直交方向に伸延した第1の辺21と、受熱部側の辺20と対向した放熱フィン11の先端17側の辺における直線部22を第1の辺21まで延長して形成された第2の辺23と、で形成された仮想長方形Reよりも、放熱フィン11の先端17側角部が放熱フィン11の主表面13方向内側に後退した態様となっている。
【0030】
ヒートシンク1では、放熱フィン11の先端17側の両角部に、それぞれ、1つの切り欠き部16が設けられている。一方で、放熱フィン11の先端17側の中央部は、受熱部側の辺20に対し略平行な直線部22となっており、切り欠き部は設けられていない。従って、放熱フィン11の先端17側は、切り欠き部16が設けられた両角部よりも、中央部の方が高い位置となっている。
【0031】
切り欠き部16の切り欠き形状は、特に限定されず、例えば、C面取り形状、R面取り形状、C面取り形状とR面取り形状の組み合わせ等が挙げられる。ヒートシンク1では、切り欠き部16の切り欠き形状は、R面取り形状となっている。切り欠き部16の切り欠き形状がR面取り形状であることにより、優れた冷却性能を確実に維持しつつ、ヒートシンク1の放熱フィン11間を流通する冷却風Fの通風抵抗を確実に低下させることができる。なお、C面取り形状とは、側面視直線で形成した切り欠き部の形状を意味し、R面取り形状とは、側面視曲線で形成した切り欠き部の形状を意味する。
【0032】
仮想長方形Reの第1の辺21の長さ(すなわち、放熱フィン11の受熱部側の辺20から放熱フィン11の先端17の中央部までの寸法であり、放熱フィン11の高さ(H)に対応する)に対する、切り欠き部16の第1の辺21方向の寸法の割合は、特に限定されないが、その下限値は、より円滑に放熱フィン11間に冷却風Fを流通させることで通風抵抗をより確実に低下させる点から、30%が好ましく、40%がより好ましく、50%が特に好ましい。一方で、上記寸法の割合の上限値は、通風抵抗をより確実に低下させる点から100%が好ましく、放熱フィン11の面積を確保してより優れた冷却性能を維持する点から90%がより好ましく、80%が特に好ましい。ヒートシンク1では、切り欠き部16の上記寸法の割合は、100%となっている。
【0033】
仮想長方形Reの面積に対する、放熱フィン11の主表面13の面積割合は、特に限定されないが、その下限値は、放熱フィン11の面積を確保してより優れた冷却性能を維持する点から、50%が好ましく、60%がより好ましく、80%がさらに好ましく、85%が特に好ましい。一方で、上記面積割合の上限値は、より円滑に放熱フィン11間に冷却風Fを流通させることで通風抵抗をより確実に低下させる点から98%が好ましく、95%がより好ましく、90%が特に好ましい。ヒートシンク1では、切り欠き部16の上記面積割合は、約90%となっている。
【0034】
切り欠き部16のR面取り形状の曲率半径は、例えば、放熱フィン11の高さ(H)の10%〜100%が好ましく、50%〜100%がより好ましく、80%〜100%が特に好ましい。また、切り欠き部16のR面取り形状の曲率半径の寸法は、特に限定されないが、その下限値は、5mmが好ましく、10mmが特に好ましい。一方で、切り欠き部16のR面取り形状の曲率半径の上限値は、ヒートシンクの大きさに応じて、適宜変更可能である。さらに、切り欠き部16のR面取り形状の曲率半径の寸法の下限値と上限値は、放熱フィン11の高さ(H)に応じて変更できる。放熱フィン11の高さ(H)をαmmとした場合、切り欠き部16のR面取り形状の曲率半径の寸法は、α×0.5以上放熱フィン11の奥行き(幅(W))の寸法以下であることが好ましい。R面取り形状の曲率半径の寸法が上記範囲であれば、冷却風Fの圧力損失の低減を効率よく行うことができる。ここで、フィンの奥行き(幅(W))の寸法とは、冷却風Fの流れる方向に対して平行方向における放熱フィン11の寸法を意味する。
【0035】
ヒートシンク1では、切り欠き部16の形状、寸法は、放熱フィン11の両角部とも、略同じとなっている。また、切り欠き部16の形状、寸法は、各放熱フィン11とも略同じとなっている。
【0036】
切り欠き部16は、放熱フィン11の先端17側の両角部に設けられてもよく、いずれか一方の角部に設けられていてもよい。ただ、放熱フィン11の面積を確保することでより優れた冷却性能を維持する点から、放熱フィン11の先端17側の両角部のうち、受熱部12に熱的に接続される発熱体100から遠い方の角部に、切り欠き部15が設けられていることが好ましい。
【0037】
図3、4に示すように、ヒートシンク1では、発熱体100を冷却するために、受熱板12の中央部に発熱体100が熱的に接続されている。発熱体100は、受熱板12のうち、放熱フィン11が取り付けられていない面12aに熱的に接続されている。発熱体100は受熱板12の中央部に取り付けられているので、各放熱フィン11について、仮想長方形Reにおける放熱フィン11の先端17側の両角部は、発熱体100からの距離がともに略同じとなっている。このように、ヒートシンク1の受熱部中央にて発熱体100を熱的に接続する場合には、放熱フィン11の先端17側の両角部に切り欠き部が設けられることが好ましい。
【0038】
放熱フィン11及び受熱板12は、いずれも熱伝導性のよい金属材料であり、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などで製造されている。
【0039】
ヒートシンク1によれば、仮想長方形Reよりも、放熱フィン11の先端17側角部が該放熱フィン11の主表面13方向内側に後退した切り欠き部15を有することにより、放熱フィン11間を流通する冷却風Fの通風抵抗が低下して、冷却風Fの圧力損失が低減される。従って、通風ファンの消費電力の増大を防止できるので省エネルギーに寄与でき、また、通風ファンを小型化できるので狭小空間でもヒートシンク1を搭載することができる。また、ヒートシンク1は、冷却風Fの圧力損失を低減できるので、優れた冷却性能を発揮できる。また、放熱フィン11の先端17側は受熱板12に近い基部側と比較して放熱性への寄与が小さいところ、ヒートシンク1では、切り欠き部16は放熱フィン11の先端17側に設けられているので、優れた冷却性能を維持できる。
【0040】
また、冷却風Fが流通する幅広の流路にヒートシンク1が設置される場合、ヒートシンク1の放熱フィン11間に供給される冷却風Fの圧力損失が低減されると、放熱フィン11間に、特に円滑に冷却風Fが供給される。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。第1実施形態例に係るヒートシンク1では、仮想長方形Reの第1の辺21の長さに対する、切り欠き部16の第1の辺21方向の寸法の割合は100%となっていたが、これに代えて、図5、6に示すように、第2実施形態例に係るヒートシンク2では、切り欠き部16の上記寸法の割合は約50%となっている。
【0042】
ヒートシンク2では、仮想長方形Reの第1の辺21と放熱フィン11の側面14が、放熱フィン11のうち、受熱板12側の約半分の領域において重なり合っている。従って、放熱フィン11のうち、先端17側の約半分の領域に切り欠き部16が設けられ、受熱板12側の約半分の領域には切り欠き部は設けられていない。
【0043】
このように、仮想長方形Reの第1の辺21の長さに対する、切り欠き部16の第1の辺21方向の寸法の割合は、通風ファンの能力、ヒートシンクに熱的に接続される発熱体の熱量等に応じて、変更してもよい。
【0044】
次に、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。なお、第1、第2実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図7(a)、(b)に示すように、第3実施形態例に係るヒートシンク3では、第1実施形態例に係るヒートシンク1の受熱板12に、さらにヒートパイプ30が設けられた態様となっている。
【0045】
ヒートシンク3では、放熱フィン11が取り付けられた受熱板12平面の延在方向に沿って、長尺の管状ヒートパイプ30が設けられている。従って、ヒートパイプ30の熱輸送方向は、受熱板12の平面の延在方向に対し略平行となっている。また、ヒートシンク3では、ヒートパイプ30は、受熱板12の中央部12−1から一方の縁部12−2まで伸延している。従って、受熱板12の中央部12−1から他方の縁部12−3にかけては、受熱板12にヒートパイプ30は取り付けられていない。なお、ヒートシンク3では、ヒートパイプ30に発熱体100が熱的に接続されている。
【0046】
ヒートパイプ30のコンテナ材料も、放熱フィン及び受熱板12と同様の金属材料、すなわち、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などで製造されている。ヒートパイプ30では、作動流体として、密閉容器であるコンテナに対し適合性を有する流体が減圧状態で封入される。作動流体としては、例えば、水、代替フロン、パーフルオロカーボン、シクロペンタン等を挙げることができる。
【0047】
ヒートシンク3では、放熱フィン11の先端17側の両角部のうち、受熱板12に熱的に接続される発熱体100及びヒートパイプ30から遠い方の角部にのみ、切り欠き部16が設けられている。すなわち、ヒートパイプ3では、放熱フィン11の先端17側の両角部のうち、受熱板12の一方の縁部12−2に近い方の角部には、切り欠き部が設けられておらず、受熱板12の他方の縁部12−3に近い方の角部に切り欠き部16が設けられている。受熱板12に熱的に接続される発熱体100及びヒートパイプ30から遠い方の角部にのみ切り欠き部16が設けられていることにより、発熱体100及びヒートパイプ30に近い部分における放熱フィン11のフィン面積を確保することができる。従って、ヒートシンク3でも、放熱フィン11の優れた放熱特性を維持することができる。また、放熱フィン11の先端17側の両角部のいずれか一方に、切り欠き部16が形成されていても、放熱フィン11間を流通する冷却風Fの通風抵抗が低下して、冷却風Fの圧力損失が低減される。
【0048】
次に、本発明のヒートシンクに用いる放熱フィンについて、切り欠き部の他の実施形態を、図面を用いながら説明する。
【0049】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、放熱フィン11に設けられる切り欠き部16の形状は、R面取り形状であったが、これに代えて、図8(a)に示すように、切り欠き部16の形状は、C面取り形状でもよい。また、図8(b)に示すように、切り欠き部16の形状は、複数(図では、2つ)の異なるC面取り形状の組み合わせでもよい。また、図8(c)に示すように、切り欠き部16の形状は、C面取り形状とR面取り形状とを組み合わせた形状でもよい。図8(c)では、2つの異なるC面取り形状の間に1つのR面取り形状が形成されている。また、 図8(d)に示すように、切り欠き部16の形状は、複数(図では、3つ)の異なるR面取り形状の組み合わせでもよい。
【0050】
図8(a)〜(d)に示す切り欠き部16の形状でも、いずれも、仮想長方形Reの第1の辺21の長さに対する、切り欠き部16の第1の辺21方向の寸法の割合は、特に限定されないが、その下限値は、より円滑に放熱フィン11間に冷却風Fを流通させることで通風抵抗をより確実に低下させる点から、30%が好ましく、40%がより好ましく、50%が特に好ましい。一方で、上記寸法の割合の上限値は、通風抵抗をより確実に低下させる点から100%が好ましく、放熱フィン11の面積を確保してより優れた冷却性能を維持する点から90%がより好ましく、80%が特に好ましい。なお、図8(a)〜(d)では、切り欠き部16の上記寸法の割合は、いずれも、100%となっている。
【0051】
図8(a)〜(d)に示す切り欠き部16の形状でも、いずれも、仮想長方形Reの面積に対する、放熱フィン11の主表面13の面積割合は、特に限定されないが、その下限値は、放熱フィン11の面積を確保してより優れた冷却性能を維持する点から、80%が好ましく、85%が特に好ましい。一方で、上記面積割合の上限値は、より円滑に放熱フィン11間に冷却風Fを流通させることで通風抵抗をより確実に低下させる点から98%が好ましく、95%がより好ましく、90%が特に好ましい。
【0052】
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例のヒートシンクでは、受熱板に薄い平板状の放熱フィンが立設されていたが、ヒートシンクの態様は、特に限定されず、例えば、側面視コ字状の部材を並列配置させて連結させたヒートシンクとしてもよい。この場合、ヒートシンクには、側面視コ字状の部材とは別部材である受熱板は設けられていなくてもよい。
【0053】
上記各実施形態例のヒートシンクでは、放熱フィンの幅方向の寸法と高さ方向の寸法が異なることから、切り欠き部は、放熱フィンの受熱部側の辺と、第1の辺と、第2の辺とで、仮想長方形が形成されていた。これに代えて、放熱フィンの幅方向と高さ方向の寸法が同じであり、第1の辺の長さと受熱部側の辺の長さが等しくなる場合には、仮想長方形ではなく、仮想正方形が形成される。
【0054】
上記各実施形態例のヒートシンクでは、放熱フィンの両角部とも、切り欠き部の形状、寸法が、略同じとなっていたが、これに代えて、切り欠き部の形状、寸法が異なる態様としてもよい。例えば、受熱板のうち、冷却風の上流側周縁部に発熱体が熱的に接続されている場合には、放熱フィンの両角部のうち、発熱体に比較的近い位置にある一方の角部では、フィン面積を確保して優れた放熱特性を維持するために、切り欠き部を小さくし、発熱体に比較的遠い位置にある他方の角部では、冷却風の圧力損失を低減するために、切り欠き部を大きくしてもよい。
【0055】
また、上記各実施形態例のヒートシンクでは、切り欠き部の形状、寸法は、各放熱フィンとも略同じとなっていたが、これに代えて、放熱フィンの立設されている受熱板の位置に応じて、切り欠き部の形状及び/または寸法が異なる態様としてもよい。例えば、受熱板の周縁部に発熱体が熱的に接続されている場合には、発熱体に比較的近い位置の放熱フィンでは、フィン面積を確保して優れた放熱特性を維持するために、切り欠き部を小さくし、発熱体に比較的遠い位置の放熱フィンでは、冷却風の圧力損失を低減するために、切り欠き部を大きくしてもよい。
【実施例】
【0056】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0057】
実施例
実施例のヒートシンクとして、第1実施形態例に係るヒートシンクを使用した。平板状である受熱板(材質:銅)の幅が95mm、受熱板の一端から他端までの寸法が90mmであることに対応して、幅95mmの放熱フィン(材質:銅)を受熱板の一端から他端まで、下記表1に示す放熱フィンピッチにて、下記表1に示す放熱フィンの枚数を取り付けた。なお、受熱板の厚さは3mmとした。また、放熱フィンの高さが25mmであることに対応してR面取り形状である切り欠き部の曲率半径Rを25mmとした。また、冷却対象である発熱体は受熱板の中央部に接続した。
【0058】
比較例
比較例のヒートシンクとして、放熱フィンに切り欠き部が設けられていない点以外は、実施例と同様の構造を有するヒートシンクを使用した。従って、比較例のヒートシンクでは、幅95mm×高さ25mmの長方形の放熱フィンを受熱板に取り付けた。
【0059】
また、実施例、比較例の試験条件は、以下の通りである。
冷却風量:10CFM
冷却風温度:20℃
発熱体からの入熱量:90W
発熱体の上昇温度は、試験後の発熱体の表面温度を、熱電対を用いて測定し、[発熱体の上昇温度=試験後の発熱体の表面温度−雰囲気温度]の式から、算出した。
冷却風の圧力損失は、風向き方向に対して水平な、ヒートシンクから風上方向に30mmの場所を入口圧力として、また、風向き方向に対して水平なヒートシンクから風下方向に30mmの場所を出口圧力として測定して、[入口圧力―出口圧力]の式から算出した。
【0060】
実施例、比較例の試験結果を下記表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
表1から、放熱フィンに切り欠き部が設けられている実施例では、放熱フィンに切り欠き部が設けられていない比較例と同様に、発熱体の温度上昇を抑制できた。また、実施例では、さらに、ヒートシンクを流通する冷却風の圧力損失を低減できた。一方で、放熱フィンに切り欠き部が設けられていない比較例では、ヒートシンクを流通する冷却風の圧力損失を実施例ほど低減することはできなかった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のヒートシンクは、優れた冷却性能を得つつ、冷却風の通風抵抗の増大を防止して圧力損失を低減できるので、特に、通風ファン等による強制空冷が施される分野で利用価値が高い。
【符号の説明】
【0064】
1、2、3 ヒートシンク
11 放熱フィン
13 主表面
16 切り欠き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】