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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年10月24日
【発行日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】高周波焼入れ装置
(51)【国際特許分類】
   C21D 9/28 20060101AFI20210416BHJP
   C21D 1/10 20060101ALI20210416BHJP
   C21D 1/18 20060101ALI20210416BHJP
   C21D 1/667 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   C21D9/28 B
   C21D1/10 J
   C21D1/18 K
   C21D1/667
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2020-514022(P2020-514022)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年3月19日
(31)【優先権主張番号】特願2018-78264(P2018-78264)
(32)【優先日】2018年4月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】山根 明仁
(72)【発明者】
【氏名】今西 憲治
(72)【発明者】
【氏名】秦 利行
(72)【発明者】
【氏名】小塚 千尋
【テーマコード(参考)】
4K042
【Fターム(参考)】
4K042AA14
4K042BA03
4K042BA04
4K042BA13
4K042DA01
4K042DB01
4K042DD04
4K042DE02
4K042EA01
(57)【要約】
環状に形成されて高周波電流が流され、内部に軸状体(101)が挿通自在とされ、軸状体(101)の軸方向に沿って相対移動可能なコイル部材(12)と、軸状体(101)の表面に冷却液を噴射可能な噴射ノズル(18)を有し、コイル部材(12)の相対移動方向後方に配置され、コイル部材(12)とともに軸状体(101)の軸方向に沿って相対移動可能な冷却部(16)と、コイル部材(12)と冷却部(16)との間に配置され、コイル部材(12)及び冷却部(16)とともに軸状体(101)の軸方向に沿って相対移動可能な遮蔽部(14)とを備え、遮蔽部(14)は、軸状体(101)が挿通可能な開口部(14a)を有する環状基部(14b)と、開口部(14a)に向けて環状基部(14b)から突出し、軸状体(101)の挿通時に軸状体(101)に接触するブラシ部(15)と、を備える高周波焼入れ装置(1)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状体を高周波焼入れする装置であって、
環状に形成されて高周波電流が流され、内部に前記軸状体が挿通自在とされ、前記軸状体の軸方向に沿って相対移動可能なコイル部材と、
前記軸状体の表面に冷却液を噴射可能な噴射ノズルを有し、前記コイル部材の相対移動方向後方に配置され、かつ、前記コイル部材とともに前記軸状体の軸方向に沿って相対移動可能な冷却部と、
前記コイル部材と前記冷却部との間に配置され、前記コイル部材及び前記冷却部とともに前記軸状体の軸方向に沿って相対移動可能な遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部は、前記軸状体が挿通可能な開口部を有する環状基部と、前記開口部に向けて前記環状基部から突出し、前記軸状体の挿通時に前記軸状体に接触するブラシ部と、
を備える
ことを特徴とする高周波焼入れ装置。
【請求項2】
前記ブラシ部が、非磁性かつ弾性変形可能な複数の線状体からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入れ装置。
【請求項3】
前記ブラシ部の前記線状体の長手方向が、前記開口部の中央を向いている
ことを特徴とする、請求項2に記載の高周波焼入れ装置。
【請求項4】
前記ブラシ部の前記線状体の長手方向が、前記開口部の中央を向く方向に対して傾斜した方向を向き、かつ、前記冷却部側に傾斜する方向を向いている
ことを特徴とする、請求項2に記載の高周波焼入れ装置。
【請求項5】
前記ブラシ部の前記線状体が、オーステナイト系ステンレス鋼またはガラス繊維からなる
ことを特徴とする、請求項2から請求項4の何れか一項に記載の高周波焼入れ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波焼入れ装置に関する。
本願は、2018年4月16日に、日本に出願された特願2018−078264号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
長寿命が求められる部品には、種々の表面処理がなされることがある。特に高周波焼入れは、部品表面の表面硬さ、耐摩耗性、耐疲労性を向上させるため、広く利用されている。このため、従来から、種々の高周波焼入れ装置が提案されている。例えば、鋼製の軸状体などの長尺の部材を高周波焼入れする場合は、いわゆる移動焼入れが行われている。移動焼入れ(traverse hardening)とは、軸状体に対して高周波誘導加熱コイル(以下、高周波コイルという)及び冷却手段を軸線方向に相対的に移動させながら焼入れする手法である。
【0003】
移動焼入れでは、高周波コイルによって軸状体の少なくとも表層がオーステナイト相になるまで軸状体を局部的に加熱する。次いで、高周波コイルのあとに追従してきた冷却手段によって、加熱された軸状体の表面に冷却液等を噴射させて短時間で急冷することにより、表層をマルテンサイト組織としている。
【0004】
従来の移動焼入れでは、焼入れ後の軸状体の鋼組織の均一性を保つべく、急速加熱から急冷までの時間を短縮するために、高周波コイルと冷却手段とを近接配置させて設備のコンパクト化を図っている。しかしながら、高周波コイルと冷却手段とを近接配置させると、冷却手段から噴射された冷却液が軸状体表面で跳ね返って高周波コイル付近まで飛散し、軸状体を過剰に冷却してしまう場合がある。特に、軸本体の一部に、軸本体よりも外径が大きな大径部が設けられた軸状体は、軸本体と大径部との間に段差があるため、軸状体に噴射された冷却液がこの段差に衝突すると、高周波コイル側に跳ね返りやすくなり、軸状体の過冷却が頻発する場合がある。
【0005】
そこで、特許文献1では、高周波誘導加熱部と冷却液噴射部との間に、冷却液の飛沫を遮蔽する手段として、圧縮空気を噴射させるノズルを備えた高周波焼入れ装置が提案されている。
また、特許文献2では、焼入れ部位を加熱する加熱手段と、加熱手段によって加熱されている部位に冷却流体を噴出する冷却手段との間に、加熱されている部位への冷却流体の付着を防止するための噴射流体噴出手段を備えた焼入れ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特開2001−32017号公報
【特許文献2】日本国特開2014−214326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2に記載の焼入れ装置では、冷却液などの流体の飛散は防止できるものの、固形物の飛散を防止できないという問題がある。固形物とは、軸状体の表面に生成したスケールが挙げられる。例えば、高周波コイルによって軸状体の表層をオーステナイト領域まで加熱すると、軸状体の表面にスケールが生成するが、このスケールは、冷却手段から噴射された冷却液によって軸状体から剥離されて飛散し、高周波コイルに付着する場合がある。スケールは流体ではなく固形物であるため、特許文献1、2に記載の装置であっても、スケールが飛散して高周波コイルに付着することは防止できない。高周波コイルの巻き線部同士の隙間にスケールが付着すると、高周波コイル内で短絡が起こり、異常加熱等により高周波コイルが破損する場合がある。あるいは、短絡の発生によって高周波コイルに印加される電圧が急変し、電源に異常な負荷がかかり、電源回路が破損するおそれがある。また、加熱コイルや電源回路が故障すると操業を停止せざるを得ず、焼入れ作業の能率が大幅に低下するおそれがある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高周波焼入れ時に軸状体の表面に生成するスケールの飛散を防止可能な、高周波焼入れ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の態様を含む。
[1]本発明の一態様に係る高周波焼入れ装置は、軸状体を高周波焼入れする装置であって、
環状に形成されて高周波電流が流され、内部に前記軸状体が挿通自在とされ、前記軸状体の軸方向に沿って相対移動可能なコイル部材と、
前記軸状体の表面に冷却液を噴射可能な噴射ノズルを有し、前記コイル部材の相対移動方向後方に配置され、かつ、前記コイル部材とともに前記軸状体の軸方向に沿って相対移動可能な冷却部と、
前記コイル部材と前記冷却部との間に配置され、前記コイル部材及び前記冷却部とともに前記軸状体の軸方向に沿って相対移動可能な遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部は、前記軸状体が挿通可能な開口部を有する環状基部と、前記開口部に向けて前記環状基部から突出し、前記軸状体の挿通時に前記軸状体に接触するブラシ部と、を備えることを特徴とする。
上記の態様に係る高周波焼入れ装置によれば、コイル部材と冷却部との間に、環状基部とブラシ部とを有する遮蔽部が備えられ、ブラシ部は軸状体の挿通時に軸状体に接触するように構成されているので、スケールのような固形物が冷却液の噴射によって飛散したとしても、飛散したスケールはブラシ部に衝突し、スケールのコイル部材側への飛散を防止できる。
[2]上記[1]に記載の高周波焼入れ装置では、前記ブラシ部が、非磁性かつ弾性変形可能な複数の線状体からなってもよい。
上記の態様に係る高周波焼入れ装置によれば、ブラシ部が非磁性の線状体からなるので、ブラシ部が高周波焼入れに影響を及ぼすことがない。また、線状体が弾性変形可能なため、ブラシ部が軸状体を通過する際に軸状体の形状に沿ってブラシ部を変形させることができ、ブラシ部と軸状体との間に隙間が生じるおそれがなく、コイル部材へのスケールの飛散を防止できる。
[3]上記[2]に記載の高周波焼入れ装置では、前記ブラシ部の前記線状体の長手方向が、前記開口部の中央を向いていてもよい。
上記の態様に係る高周波焼入れ装置によれば、ブラシ部の線状体の長手方向が、開口部の中央を向いているので、高周波焼入れ装置に軸状体が挿入された際に、ブラシ部によってコイル部材が冷却部から遮蔽されるようになり、飛散したスケールはブラシ部に衝突し、コイル部材側への飛散を防止できる。
[4]上記[2]に記載の高周波焼入れ装置では、前記ブラシ部の前記線状体の長手方向が、前記開口部の中央を向く方向に対して傾斜した方向を向き、かつ、前記冷却部側に傾斜する方向を向いていてもよい。
上記の態様に係る高周波焼入れ装置によれば、ブラシ部の線状体の長手方向が、開口部の中央を向く方向に対して傾斜した方向を向き、かつ、冷却部側に傾斜する方向を向いているので、高周波焼入れ装置に軸状体が挿入された際に、ブラシ部によってコイル部材が冷却部から遮蔽されるようになり、飛散したスケールはブラシ部に衝突し、コイル部材側への飛散を防止することができる。
[5]上記[2]から[4]の何れか一項に記載の高周波焼入れ装置では、前記ブラシ部の前記線状体が、オーステナイト系ステンレス鋼またはガラス繊維からなってもよい。
上記の態様に係る高周波焼入れ装置によれば、ブラシ部の線状体が、オーステナイト系ステンレス鋼またはガラス繊維からなるので、高周波焼入れに影響を及ぼすことがない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記の各態様に係る高周波焼入れ装置によれば、高周波焼入れ時に軸状体の表面に生成するスケールの飛散を防止可能な、高周波焼入れ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施形態である高周波焼入れ装置の一部を破断して示す図であって、同高周波焼入れ装置を模式的に示す側面図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態である高周波焼入れ装置の要部を破断して示す図であって、同高周波焼入れ装置の要部を模式的に示す側面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態である高周波焼入れ装置の要部を破断して示す図であって、同高周波焼入れ装置の要部を模式的に示す側面図である。
図4A図4Aは、本発明の第1の実施形態である高周波焼入れ装置の動作を説明する図であって、軸状体の軸本体が遮蔽部を通過する状態を模式的に示す平面図である。
図4B図4Bは、本発明の第1の実施形態である高周波焼入れ装置の動作を説明する図であって、軸状体の大径部が遮蔽部を通過する状態を模式的に示す平面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態である高周波焼入れ装置の要部を破断して示す図であって、同高周波焼入れ装置の要部を模式的に示す側面図である。
図6図6は、本発明の第2の実施形態である高周波焼入れ装置の要部を模式的に示す平面図である。
図7A図7Aは、本発明の第2の実施形態である高周波焼入れ装置の動作を説明する図であって、軸状体の軸本体が遮蔽部を通過する状態を模式的に示す平面図である。
図7B図7Bは、本発明の第2の実施形態である高周波焼入れ装置の動作を説明する図であって、軸状体の大径部が遮蔽部を通過する状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態である高周波焼入れ装置について、図1図4Bを参照して説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されないことは自明である。また、本発明の範囲において、以下の実施形態の各要素を組み合わせ可能なことは自明である。
図1に示すように、本実施形態の高周波焼入れ装置1は、例えば、鉄道車両用の車軸等の軸状体101に、高周波電流を用いて移動焼入れを行うための装置である。移動焼入れ(traverse hardening)とは、軸状体101に対して高周波誘導加熱コイル(以下、高周波コイルという)及び冷却部を軸線方向に相対的に移動させながら焼入れする手法である。
【0013】
本実施形態の高周波焼入れ装置1に適用可能な軸状体としては、軸本体の一部に大径部が設けられることにより軸本体と大径部との間に段差部がある軸状体でもよいし、軸本体を有し、大径部及び段差部を有しない軸状体でもよい。
【0014】
まず、軸状体101の一例を説明する。本実施形態の高周波焼入れ装置1によって移動焼入れされる軸状体101は、軸本体102と、軸本体102よりも径(外径)が大きい大径部103とを備えている。図1に示す軸状体101には大径部103が4つあり、各大径部103は相互に離間しており、各大径部103の間に軸本体102がある。各大径部103は、互いの外径がほぼ等しくてもよく、相互に異なる外径であってもよい。軸本体102及び各大径部103はそれぞれ円柱状に形成されている。軸本体102及び大径部103のそれぞれの中心軸は、共通軸と同軸に配置されている。以下では、共通軸を軸線Cと言う。
また、軸本体102と大径部103との境界には、軸本体102と大径部103とを接続するための段差部104がある。段差部104は、軸状体101の軸線Cに対して所定の角度で傾斜している。傾斜角度は例えば15°〜90°の範囲である。本実施形態の高周波焼入れ装置1内では、軸状体101は、軸線Cが上下方向に沿うように配置されている。
【0015】
なお、軸状体101が備える大径部103の数は4つに限定されず、1つから3つでもよいし、5つ以上でもよい。
軸状体101は、鋼材で形成されている。
【0016】
図1に示すように、高周波焼入れ装置1は、コイル部材12を有する加熱部11と、冷却部16と、遮蔽部14とを備えている。加熱部11、冷却部16及び遮蔽部14は、移動装置50に接続されており、移動装置50によって移動自在とされている。また、高周波焼入れ装置1には、軸状体101を支持するための支持部材6が備えられている。
【0017】
移動装置50は、ラック部材54と、支え板51と、モータ52とから構成されている。ラック部材54は、上下方向に沿って延在している。支え板51には、加熱部11、冷却部16及び遮蔽部14が固定されている。また、支え板51にはピニオンギヤ51aが設けられており、ピニオンギヤ51aは、ラック部材54に噛み合っている。モータ52を駆動させると、ピニオンギヤ51aが回転し、ラック部材54に対して支え板51が上方又は下方に移動するように構成されている。
【0018】
支持部材6は、下方センター7と、上方センター8と、を備えている。下方センター7は、軸状体101の下端を軸状体101の下方から支持している。上方センター8は、軸状体101の上端を軸状体101の上方から支持している。各センター7,8は、軸線Cが上下方向に沿うように軸状体101を支持している。また、軸状体101は、軸方向を中心にして回転可能とされている。下方センター7及び上方センター8を回転させることにより、移動装置50に対して軸状体101を相対的に回転させてもよい。
本実施形態の高周波焼入れ装置1は、軸状体101に対して、移動装置50を作動させることで加熱部11、冷却部16及び遮蔽部14を上昇させ、軸状体101を移動焼入れする。
【0019】
加熱部11は、高周波コイルであるコイル部材12と、カーレントトランス13と、を備えている。
コイル部材12は、コイルの素線を螺旋状に巻いた環状に形成され、高周波電流が流されるようになっている。コイル部材12の内径は、軸状体101の大径部103の外径よりも大きい。コイル部材12の内部には、軸状体101が挿通自在となっている。
カーレントトランス13は、コイル部材12の各端部に電気的及び機械的に連結されている。カーレントトランス13は、コイル部材12に高周波電流を流す。
カーレントトランス13は、支え板51に取り付けられている。これにより、コイル部材12は、軸状体101の軸方向に沿って相対移動が可能とされている。
【0020】
冷却部16は、本実施形態では環状に形成されている。冷却部16には、上下方向に貫通する貫通孔17が形成されている。冷却部16の貫通孔17内には、軸状体101が挿通可能とされている。冷却部16内には内部空間16aが形成されている。冷却部16のうち貫通孔17側に面する内周面には、複数の噴射ノズル18が周方向に互いに離間して形成されている。各噴射ノズル18は、内部空間16aに連通している。冷却部16は、コイル部材12よりも下方に配置されている。
冷却部16には、ポンプ19が連結されている。ポンプ19は、水等の冷却液Lを冷却部16の内部空間16a内に供給する。内部空間16aに供給された冷却液Lは、複数の噴射ノズル18を通して軸状体101に向かって噴射され、軸状体101を冷却する。
なお、冷却部16の形状は環状に限定されず、円形、楕円形、直方体状等でもよい。
ポンプ19は、支え板51に取り付けられている。これにより、冷却部16は、軸状体101の軸方向に沿って相対移動が可能とされている。
【0021】
次に、図1図3を参照して、遮蔽部14について説明する。遮蔽部14は、コイル部材12と冷却部16との間に配置されている。遮蔽部14には、軸状体101が挿通可能な開口部14aを有する環状基部14bと、ブラシ部15とが備えられている。環状基部14bは、環状に形成された部材であって開口部14aを有している。開口部14aは、軸状体101の大径部103が挿通可能な大きさに形成されている。また、ブラシ部15は、環状基部14bの開口部14aに向けて環状基部14bから突出しており、軸状体101の挿通時に軸状体101に接触する。
遮蔽部14は、支え板51に取り付けられている。これにより、遮蔽部14は、コイル部材12及び冷却部16とともに、軸状体101の軸方向に沿って相対移動可能とされている。
【0022】
ブラシ部15は、複数の線状体115からなる。各線状体115は、長手方向の基端115aが環状基部14bに接続されており、長手方向の先端115bが開口部14a側に突出している。線状体115は、環状基部14bの内周面14cの全周に渡って設けられている。線状体115の密度は、環状基部14bの開口部14aに軸状体101を挿通させた際に、環状基部14bの内周面14cと軸状体101との間に形成される隙間の大きさに応じて、スケールの飛散を防止できる程度の密度に、適宜設定すればよい。また、線状体115は、その長手方向が、開口部14aの中央を向いている。線状体115の長さは、遮蔽部14に軸状体101を挿通させた際に、軸状体101の軸本体102の表面に線状体115の長手方向の先端115bが接触する長さに設定するとよい。
なお、環状基部14bの形状は環状に限定されず、円形、楕円形、直方体状等でもよい。また、開口部14aの形状は限定されず、円形、楕円形、直方体等でもよい。
【0023】
線状体115の材質は、非磁性かつ弾性変形可能なものとすることが好ましく、具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼またはガラス繊維からなることが好ましい。
【0024】
次に、本実施形態の高周波焼入れ装置を用いて軸状体101を移動焼入れする方法について説明する。
まず、図1に示すように、コイル部材12、遮蔽部14及び冷却部16を、軸状体101の下端側に位置させる。次に、カーレントトランス13を駆動させてコイル部材12に高周波電流を流す。また、ポンプ19を駆動させて、冷却部16の複数の噴射ノズル18から冷却液Lを噴出させる。次に、モータ52を駆動して、ラック部材54に対して支え板51を上方に移動させる。これにより、軸状体101に対して、コイル部材12、遮蔽部14及び冷却部16が順に外挿され、上方に移動する。コイル部材12の内部に軸状体101が挿入されると、コイル部材12の電磁誘導により、軸状体101の表面に高周波電流が流れ、軸状体101の電気抵抗によりジュール熱が発生し、軸状体101の表層がオーステナイト相の形成領域まで加熱される。続いて、コイル部材12によって加熱された箇所まで冷却部16が上昇し、軸状体101の加熱箇所に冷却液Lが噴射される。これにより、軸状体101の少なくとも表層が急冷されてマルテンサイト組織が生成する。軸状体101の下端から上端に向けて、コイル部材12及び冷却部16が上昇することで、コイル部材12による加熱と冷却部16による冷却が順次行われ、軸状体101の表面が高周波焼入れされる。軸状体101を均一に加熱し、また、均一に冷却するためには、焼入れ中の軸状体101を軸長方向を中心に回転させるとよい。
【0025】
図4A及び図4Bに、軸状体101と遮蔽部14を模式的に表す平面図を示す。図4A及び図4Bでは、線状体115の変形をわかりやすく示すため、8本の線状体のみ図示し、その他の大部分の線状体の図示を省略している。図4A及び図4Bで図示が省略された線状体は、線状体115と同様に変形する。
【0026】
図4Aに示すように、遮蔽部14に軸状体101の軸本体102が挿入されると、軸本体102の表面102aに、環状基部14bに設けられたブラシ部15が接触する。より詳細には、複数の線状体115の先端115bが軸本体102の表面102aに接触する。このとき、ブラシ部15を構成する線状体115は、ほぼ真っ直ぐに伸びたままである。環状基部14bと軸本体102との間の隙間は、線状体115からなるブラシ部15によってほぼ塞がれた状態になる。
【0027】
軸本体102に続いて遮蔽部14に軸状体101の段差部104が挿入されると、段差部104によって線状体115が徐々に押しのけられ、線状体115は徐々に弾性変形する。軸状体101は回転しているため、線状体115はその先端115bの方向が軸状体101の回転方向に沿った方向になるように変形する。そして、線状体115は、先端115bと基端115aとの間の中間部115cにおいて段差部104の表面に接する。環状基部14bと段差部104との間の隙間は、線状体115からなるブラシ部15によってほぼ塞がれた状態になる。特に、段差部104が遮蔽部14に挿入された場合には、軸本体102が遮蔽部14に挿入された場合に比べて、環状基部14bと段差部104との間の隙間が徐々に狭くなって線状体115の密度が徐々に高まる。
【0028】
更に、段差部104に続いて遮蔽部14に軸状体101の大径部103が挿入されると、図4Bに示すように、大径部103によって線状体115が押しのけられ、線状体115は弾性変形する。軸状体101は回転しているため、線状体115はその先端115bの方向が軸状体101の回転方向に沿った方向になるように変形する。そして、線状体115は、先端115bと基端115aとの間の中間部115cにおいて大径部103の表面に接する。環状基部14bと大径部103との間の隙間は、線状体115からなるブラシ部15によってほぼ塞がれた状態になる。特に、大径部103が遮蔽部14に挿入された場合には、軸本体101が遮蔽部14に挿入された場合に比べて、環状基部14bと大径部103との間の隙間が狭くなり、環状基部14bと大径部103との隙間における線状体115の密度が高められる。
【0029】
移動焼入れ時にコイル部材12によって軸状体101の表面がオーステナイト相の形成領域まで加熱されると、軸状体101の表面にスケールが生成する。その後、冷却部16から噴射された冷却液Lが軸状体101の表面に衝突した際に、その衝撃により、スケールが剥離する。剥離したスケールは直ちに下方に落下する。ただし、軸状体101の軸本体102と大径部103の間の段差部104に付着していたスケールは、冷却液Lの噴射によってコイル部材12側に飛散するおそれがある。これは、段差部104が軸方向に対して傾斜しているため、段差部104に冷却液Lが衝突すると冷却液Lが斜め上方向にはね返され、冷却液Lとともにスケールも斜め上方向に飛散されて、コイル部材12に付着するためである。スケールは導電性を有する場合があり、コイル部材12の巻き線同士の隙間に入り込むと、コイル部材12が内部で短絡するおそれがある。
【0030】
しかしながら、本実施形態の高周波焼入れ装置1には、上述のように、コイル部材12と冷却部16との間に、ブラシ部15を有する遮蔽部14があることで、遮蔽部14を軸状体101が通過する際に、遮蔽部14の環状基部14bと軸状体101との間の隙間が、線状体115からなるブラシ部15によって常に埋められるため、冷却液Lの噴射によって飛散したスケールはブラシ部15に衝突し、コイル部材12へのスケールの付着が防止される。特に、軸状体101に、軸本体102、大径部103、傾斜部104のように外径が異なる部位があっても、ブラシ部15を構成する線状体115が弾性変形可能とされているので、遮蔽部14の環状基部14bと軸状体101との間がブラシ部15によって隙間なく埋められ、コイル部材12側へのスケールの飛散が防止されるようになる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の高周波焼入れ装置1によれば、コイル部材12と冷却部16との間に、環状基部14bとブラシ部15とを有する遮蔽部14が備えられ、ブラシ部15は軸状体101の挿通時に軸状体101に接触するように構成されているので、スケールのような固形物が冷却液Lの噴射によって飛散したとしても、飛散したスケールはブラシ部15に衝突するので、スケールのコイル部材12側への飛散を防止できる。特に、段差部104を有する軸状体101では、段差部104に冷却液Lが衝突することでスケールがコイル部材12側に飛散するおそれがあるところ、ブラシ部15を備えることでスケールの飛散を確実に防止できる。
また、本実施形態の高周波焼入れ装置1によれば、ブラシ部15が非磁性の線状体115からなるので、ブラシ部15が高周波焼入れに影響を及ぼすことがない。また、線状体115が弾性変形可能なため、ブラシ部15が軸状体101の段差部104及び大径部103を通過する際に軸状体101の形状に沿ってブラシ部15を変形させることができ、ブラシ部15と軸状体101との間に隙間が生じるおそれがなく、コイル部材12へのスケールの飛散を防止できる。
更に、本実施形態の高周波焼入れ装置1によれば、ブラシ部15の線状体115の長手方向が、開口部14aの中央を向いているので、高周波焼入れ装置1に軸状体101が挿入された際に、ブラシ部15によってコイル部材12が冷却部16から遮蔽されるようになり、飛散したスケールはブラシ部15に衝突し、コイル部材12側へのスケールの飛散を防止できる。
また、本実施形態の高周波焼入れ装置によれば、ブラシ部15の線状体115が、オーステナイト系ステンレス鋼またはガラス繊維からなるので、高周波焼入れに影響を及ぼすことがない。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態である高周波焼入れ装置について図5図7Bを参照して説明する。なお、図5図7Bに示す構成要素のうち、図1図4Bに示した構成要素と同一の構成要素には、図1図4Bの場合と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0033】
本実施形態の高周波焼入れ装置の遮蔽部214は、図5に示すように、コイル部材12と冷却部16との間に配置されている。遮蔽部214には、軸状体101が挿通可能な開口部14aを有する環状基部14bと、ブラシ部215とが備えられている。
【0034】
本実施形態のブラシ部215は、複数の線状体315からなる。各線状体315は、長手方向の基端315aが環状基部14bに接続されており、長手方向の先端315bが開口部14a側に突出している。線状体315は、環状基部14bの内周面14cの全周に渡って設けられている。線状体315の密度は、環状基部14bの開口部14aに軸状体101を挿通させた際に、環状基部14bの内周面14cと軸状体101との間に形成される隙間の大きさに応じて、スケールの飛散を防止できる程度の密度に、適宜設定すればよい。
【0035】
また、線状体315は、その長手方向が、開口部14aの中央を向く方向に対して傾斜した方向を向き、かつ、冷却部16側に傾斜する方向を向いている。言い換えると、線状体315は、その長手方向が、螺旋を描くように斜め下方向に向けられている。より詳細には、線状体315の先端315bを、開口部の中心に向けるのではなく、軸状体101の回転方向に沿う方向に向けるとよい。また、線状体315の先端315bを、軸状体101に対して遮蔽部214が相対移動する際の後方側、すなわち、本実施形態の場合は冷却部16側に向けるとよい。このような方向に線状体315を向けることで、線状体315が軸状体101の表面を摺動する際に、線状体315が暴れるおそれがない。また、線状体315の長さは、遮蔽部214に軸状体101を挿通させた際に、線状体315の中間部315cが軸状体101の軸本体102の表面に接触する長さに設定するとよい。
【0036】
線状体315の材質は、第1の実施形態と同様に、非磁性かつ弾性変形可能なものとすることが好ましく、具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼またはガラス繊維からなることが好ましい。
【0037】
次に、本実施形態の高周波焼入れ装置を用いて軸状体101を移動焼入れする方法について説明する。
第1の実施形態と同様にして、軸状体101の下端から上端に向けて、コイル部材12及び冷却部16を上昇させて、コイル部材12による加熱と冷却部16による冷却を順次行ない、軸状体101の表面を高周波焼入れする。
【0038】
図7A及び図7Bに、軸状体101と遮蔽部214を模式的に表す平面図を示す。図7A及び図7Bでは、線状体315の変形をわかりやすく示すため、8本の線状体のみ図示し、その他の大部分の線状体の図示を省略している。図7A及び図7Bで図示が省略された線状体は、線状体315と同様に変形する。
【0039】
本実施形態に係る遮蔽部214に軸状体101の軸本体102が挿入されると、図7Aに示すように、軸本体102の表面102aに、環状基部14bに設けられたブラシ部215が接触する。より詳細には、複数の線状体315の中間部315cが軸本体102の表面102aに接触する。このとき、ブラシ部215を構成する線状体315は、ほぼ真っ直ぐに伸びたままである。環状基部14bと軸本体102との間の隙間は、線状体315からなるブラシ部215によってほぼ塞がれた状態になる。なお、線状体315の先端315bは、軸状体101の回転方向に沿う方向に向けられ、かつ、遮蔽部214の移動方後方側に向けられている。
【0040】
軸本体102に続いて遮蔽部214に軸状体101の段差部104が挿入されると、段差部104によって線状体315が徐々に押しのけられ、線状体315は徐々に弾性変形する。線状体315は、特に基端315aが弾性変形し、中間部315cにおいて段差部104の表面に接する。環状基部14bと段差部104との間の隙間は、線状体315からなるブラシ部215によってほぼ塞がれた状態になる。特に、軸本体102が遮蔽部214に挿入された場合に比べて、段差部104が遮蔽部214に挿入された場合には、環状基部14bと段差部104との間の隙間が徐々に狭くなって線状体315の密度が徐々に高まる。
【0041】
更に、段差部104に続いて遮蔽部214に軸状体101の大径部103が挿入されると、図7Bに示すように、大径部103によって線状体315が押しのけられ、線状体315は弾性変形する。線状体315は、特に基端315aが弾性変形し、線状体315は、中間部315cにおいて大径部103の表面に接する。環状基部14bと大径部103との間の隙間は、線状体315からなるブラシ部215によってほぼ塞がれた状態になる。特に、軸本体101が遮蔽部214に挿入された場合に比べて、大径部103が遮蔽部214に挿入された場合には、環状基部14bと大径部103との間の隙間が狭くなり、環状基部14bと大径部103との隙間における線状体315の密度が高められる。
【0042】
本実施形態の高周波焼入れ装置には、上述のように、コイル部材12と冷却部16との間に、ブラシ部215を有する遮蔽部214があることで、遮蔽部214を軸状体101が通過する際に、遮蔽部214の環状基部14bと軸状体101との間の隙間が、線状体315からなるブラシ部215によって常に埋められるため、冷却液Lの噴射によって飛散したスケールはブラシ部215に衝突し、コイル部材12へのスケールの付着が防止される。特に、軸状体101に、軸本体102、大径部103、傾斜部104のように外径が異なる部位があっても、ブラシ部215を構成する線状体315が弾性変形可能とされているので、遮蔽部214の環状基部14bと軸状体101との間がブラシ部215によって隙間なく埋められ、コイル部材12側へのスケールの飛散が防止されるようになる。
【0043】
本実施形態の高周波焼入れ装置によれば、ブラシ部215の線状体315の長手方向が、開口部14aの中央を向く方向に対して傾斜した方向を向き、かつ、冷却部16側に傾斜する方向を向いているので、高周波焼入れ装置に軸状体101が挿入された際に、ブラシ部215によってコイル部材12が冷却部16から遮蔽されるようになり、飛散したスケールはブラシ部215に衝突し、コイル部材12側へのスケールの飛散を防止することができる。
【0044】
また、本実施形態では、線状体315が軸状体101に接触する際に、線状体315の先端315bではなく、線状体315の中間部315cが軸状体101に接するように構成されている。また、線状体315の長手方向が、軸状体101の回転方向に向き、かつ、遮蔽部214の移動方向の反対方向に向いている。これにより、軸状体101が遮蔽部214を通過する際に、線状体315が乱れて隙間が生じることがなく、コイル部材12側へのスケールの飛散を防止できる。
また、本実施形態では、線状体315の先端315bが軸状体101に接触してもよい。
【0045】
なお、図1には移動装置50としてラック及びピニオンギヤを用いた例を示すが、これは例示であり、本発明の移動装置50はこれに限られず、加熱部11、冷却部16及び遮蔽部14を移動できるものであればよい。また、図1には、固定された軸状体101に対して加熱部11、冷却部16及び遮蔽部14が移動する例を示すが、本発明はこの形態に限らず、加熱部11、冷却部16及び遮蔽部14を固定しておき、軸状体101を移動させてもよい。更に、図1では、軸状体101の軸方向を上下方向に向けた例を示すが、本発明はこれに限らず、軸状体101の軸方向を水平方向に向けてもよく、軸状体101の軸方向が上下方向に対して傾いてもよい。
【0046】
また、ブラシ部15、215を遮蔽部14、214の移動方向に複数連ねてもよく、あるいは遮蔽部14、214をその移動方向に複数連ねてもよい。これにより、ブラシ部15、215の線状体の密度が高まり、より確実にスケールの飛散を防止できるようになる。
また、ブラシ部15、215又は遮蔽部14、214を複数連ねる場合、遮蔽部14、214の移動方向から見た場合の、各段のブラシ部15、215の線状体の配置を互いにずらしてもよい。これにより、ブラシ部15、215の線状体の密度がさらに高まり、より確実にスケールの飛散を防止できるようになる。
【0047】
なお、上述の実施形態で説明したように、線状体115の先端115b、あるいは線状体315の中間部315c又は先端315bが、軸状体101の軸本体102の表面102aに接触することが好ましい。しかし、線状体の一部が軸状体に接触せずに、線状体の一部が軸状体に近接するだけであっても、スケールの飛散を軽減させる効果が期待できる。また、一部の線状体が軸状体に接触して、その他の線状体が軸状体に接触せずに近接のみするように構成してもよい。
【0048】
なお、上述の実施形態では、軸本体の一部に大径部が設けられた軸状体を例に挙げて説明をした。しかし、本発明は、上述の実施形態に係る軸状体と同様に冷却液が飛散する課題が生じ得る、大径部を有さないボールねじのような形状にも好ましく適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…高周波焼入れ装置、12…コイル部材、14、214…遮蔽部、14a…開口部、14b…環状基部、15、215…ブラシ部、16…冷却部、18…噴射ノズル101…軸状体、102…軸本体、103…大径部、104…段差部、115、315…線状体、L…冷却液。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】