特表-19203114IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2019-203114シールリング、十字軸継手、中間シャフト組立体及びステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年10月24日
【発行日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】シールリング、十字軸継手、中間シャフト組立体及びステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 3/41 20060101AFI20210402BHJP
   F16C 19/26 20060101ALI20210402BHJP
   F16C 33/78 20060101ALI20210402BHJP
   F16J 15/3232 20160101ALI20210402BHJP
   F16J 15/3276 20160101ALI20210402BHJP
【FI】
   F16D3/41 E
   F16C19/26
   F16C33/78 A
   F16J15/3232 201
   F16J15/3276
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2020-514114(P2020-514114)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年4月11日
(31)【優先権主張番号】特願2018-79753(P2018-79753)
(32)【優先日】2018年4月18日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】森山 誠一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正樹
【テーマコード(参考)】
3J006
3J043
3J216
3J701
【Fターム(参考)】
3J006AE23
3J006AE30
3J006AE41
3J006AE42
3J006AF01
3J006CA01
3J043AA16
3J043CA02
3J043CB13
3J043CB20
3J043DA07
3J043DA20
3J043FB10
3J216AA03
3J216AA12
3J216AB02
3J216BA30
3J216CA01
3J216CA05
3J216CA06
3J216CB07
3J216CB13
3J216CB19
3J216CC03
3J216CC25
3J216CC28
3J216CC33
3J216DA01
3J701AA13
3J701AA14
3J701AA24
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA63
3J701BA73
3J701FA13
3J701GA14
(57)【要約】
中心部(17)と、中心部から4方向に延びる4本の軸部(18a、18b、18c、18d)とを有し、中心部が軸部の基端から軸部の径方向外方に広がる段差面(17a)を形成した十字軸(16)と、軸部の先端部に取り付けられる軸受(21)と共に用いられ、軸部に外嵌して、軸受と段差面との間に配置されるシールリング(26)であって、全周にわたって段差面に接触するシールリップ(34)と、十字軸に取り付けられたときに、シールリップが変形して入り込む凹部(36)を有するものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部と、前記中心部から4方向に延びる4本の軸部とを有し、前記中心部が前記軸部の基端から前記軸部の径方向外方に広がる段差面を形成した十字軸と、
前記軸部に取り付けられる軸受と、ともに用いられ、
前記軸部に外嵌して、前記軸受と前記段差面との間に配置されるシールリングであって、
前記段差面に接触するシールリップと、
前記接触により前記シールリップが変形して入り込む凹部を有することを特徴とするシールリング。
【請求項2】
前記シールリップは、前記段差面に接して径方向内側に変形することを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
【請求項3】
前記段差面と接する着座部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシールリング。
【請求項4】
径方向外側から順に、前記シールリップ、前記凹部、前記着座部の順に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のシールリング。
【請求項5】
他の部分よりも剛性が高い円輪状の芯部材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項6】
前記芯部材の一部が前記着座部を構成することを特徴とする請求項5に記載のシールリング。
【請求項7】
前記芯部材は、前記軸部の径方向外側又は内側に向けて露出した位置決め部を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のシールリング。
【請求項8】
前記芯部材は、全周にわたって径方向に広がる鍔部を有することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項9】
前記鍔部の外周部は、径方向の凹凸を有することを特徴とする請求項8に記載のシールリング。
【請求項10】
前記着座部は、前記鍔部よりも前記段差面側に突出した前記芯部材の部分を有することを特徴とする請求項8又は9に記載のシールリング。
【請求項11】
前記芯部材は、前記鍔部の径方向内側に、全周にわたって前記鍔部よりも中心軸線方向の寸法が大きい補強部を有することを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシールリングを有することを特徴とする十字軸継手。
【請求項13】
請求項12に記載の十字軸継手を有することを特徴とする中間シャフト組立体。
【請求項14】
メッキ加工が施されたことを特徴とする請求項13に記載の中間シャフト組立体。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の中間シャフト組立体を有することを特徴とするステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ステアリング装置の操舵力を伝達する十字軸継手に用いられるシールリング、当該シールリングを備えた十字軸継手、当該十字軸継手を備えた中間シャフト組立体、及び、当該中間シャフト組立体を備えたステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、十字軸継手を構成する十字軸の端部に外嵌する軸受の軸受カップと、十字軸の軸部との間に生じる隙間をシールするシールリングがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3041732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のシールリングは、使用条件が過酷になると、背面ストッパー側から軸受内に水が浸入し、腐食してしまうおそれがある。
【0005】
以上に鑑みて、本願発明は、シール性に優れたシールリング、十字軸継手、中間シャフト組立体及びステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願のシールリングは、中心部と、前記中心部から4方向に延びる4本の軸部とを有し、前記中心部が前記軸部の基端から前記軸部の径方向外方に広がる段差面を形成した十字軸と、
前記軸部に取り付けられる軸受と、ともに用いられ、
前記軸部に外嵌して、前記軸受と前記段差面との間に配置されるシールリングであって、
前記段差面に接触するシールリップと、
前記接触により前記シールリップが変形して入り込む凹部を有する。これによりシールリングのシール性を向上させることができる。
【0007】
好ましくは、前記シールリップは、前記段差面に接して径方向内側に変形する。これにより、段差面を小さくすることができ、十字軸を小型化することができる。
【0008】
また好ましくは、前記段差面と接する着座部を有する。これにより、シールリングの位置決めを容易にし、また、シールリングと段差面との間のシール性を高めることができる。
【0009】
また好ましくは、径方向外側から順に、前記シールリップ、前記凹部、前記着座部の順に配置されている。これにより、着座部と十字軸との摩擦面を大きくして軸受とシールリングとの共回りを防ぎながら、シール性を向上させることができる。
【0010】
また好ましくは、他の部分よりも剛性が高い環状の芯部材を有する。これにより、シールリップの緊迫力が低下するのを抑えることができる。
【0011】
また好ましくは、前記芯部材の一部が前記着座部を構成する。これにより、シールリップの位置決めをより正確に行い、位置のズレによるシール性の低下を防ぐことができる。
【0012】
また好ましくは、前記芯部材は、前記軸部の径方向外側又は内側に向けて露出した位置決め部を有する。これにより、シールリップを成型しやすくなる。
【0013】
また好ましくは、前記芯部材は、全周にわたって径方向に広がる鍔部を有する。これにより、芯部材とシールリップの一体性を高め、シールリップの緊迫力が低下するのを更に防ぐことができる。
【0014】
また好ましくは、前記鍔部の外周部は、径方向の凹凸を有する。これにより、軸受側のシールリップと段差面側のシールリップを一体に形成することができる。
【0015】
また好ましくは、前記着座部は、前記鍔部よりも前記段差面側に突出した前記芯部材の部分を有する。これにより、シールリップが入り込む凹部を形成しながら、シールリップの正確な位置決めを可能とする。
【0016】
また好ましくは、前記芯部材は、前記鍔部の径方向内側に、全周にわたって前記鍔部よりも中心軸線方向の寸法が大きい補強部を有する。これにより、芯部材の剛性を高め、シールリングが軸受と共回りするのを防ぐことができる。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本願の十字軸継手は、上記シールリングを有する。これにより、シール性に優れた十字軸継手を提供することができる。
【0018】
また、上記課題を解決するため、本願の中間シャフト組立体は、上記十字軸継手を有する。これにより、シール性に優れた中間シャフト組立体を提供することができる。
【0019】
好ましくは、上記中間シャフト組立体はメッキ加工が施されている。これにより、更にシール性に優れた中間シャフト組立体を提供することができる。
【0020】
また、上記課題を解決するため、本願のステアリング装置は、上記中間シャフト組立体を有する。これにより、シール性に優れたステアリング装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によれば、シール性に優れたシールリング、十字軸継手、中間シャフト組立体及びステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は本願の第1実施形態に係るステアリング装置を示す側面図である。
図2図2は本願の第1実施形態に係る中間シャフト組立体を示す斜視図である。
図3図3は本願の第1実施形態に係る十字軸、軸受およびシールリングの断面図である。
図4図4は本願の第1実施形態に係るシールリング周辺の拡大断面図である。
図5図5は本願の第1実施形態に係るシールリングの断面図である。
図6図6は本願の第1参考例に係るシールリングの断面図である。
図7図7は本願の第1参考例に係るシールリング周辺の拡大断面図である。
図8図8は本願の第2実施形態に係るシールリングの断面図である。
図9図9は本願の第2参考例に係るシールリングの断面図である。
図10図10は本願の第2参考例に係るシールリングの芯部材の図9に示すX矢視図である。
図11図11は本願の第3実施形態に係るシールリングの断面図である。
図12図12は本願の第3実施形態に係るシールリング周辺の拡大断面図である。
図13図13は本願の第4実施形態に係るシールリングの断面図である。
図14図14は本願の第5実施形態に係るシールリングの断面図である。
図15図15は本願の第5実施形態に係るシールリング周辺の拡大断面図である。
図16図16Aは本願の第5実施形態に係るシールリングの芯部材を示す平面図である。図16B図16Aに示すXVIB−XVIB断面図である。
図17図17Aは本願の第5実施形態に係るシールリングの芯部材の変形例を示す平面図である。図17B図17Aに示すXVIIB−XVIIB断面図である。
図18図18は、本願の第6実施形態に係るシールリングの断面図である。
図19図19は、本願の十字軸継手に適用可能な他の軸受と十字軸の軸部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本願の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本願の第1実施形態に係るステアリング装置100を示す側面図である。
【0024】
図1に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2と、ステアリングコラム3と、車体側ブラケット4と、第1の十字軸継手5と、中間シャフト6と、第2の十字軸継手7と、ピニオンギア8と、ラック軸9とを有している。ステアリングホイール1は、その回転を伝達するステアリングシャフト2の運転者側の端部に固定されている。ステアリングシャフト2は、ステアリングコラム3の内側を通り、中心軸線を中心として回転可能にステアリングコラム3に支持されている。ステアリングコラム3は、車体側ブラケット4により車体200に取り付けられる。ステアリングシャフト2の回転は第1の十字軸継手5によって中間シャフト6に伝達される。中間シャフト6の回転は、第2の十字軸継手7によってピニオンギア8に伝達される。第1の十字軸継手5、中間シャフト6、及び、第2の十字軸継手7は中間シャフト組立体300を構成する。ピニオンギア8は回転してラック軸9を車幅方向に移動させる。ラック軸9は不図示のタイロッドを介して不図示のナックルアームを動かし、車両の不図示の前輪を転舵させる。
【0025】
図2は本願の第1実施形態に係る中間シャフト組立体300を示す斜視図である。
【0026】
第1の十字軸継手5は、第1のヨーク11と、第2のヨーク12とを備えている。第2の十字軸継手7は、第3のヨーク13と、第4のヨーク14とを備えている。第1のヨーク11は二股に形成された一対のアーム11aを有している。第2のヨーク12は二股に形成された一対のアーム12aを有している。第1のヨーク11と第2のヨーク12は、一対のアーム11aと一対のアーム12aに保持された後述の十字軸16を介して連結されている。これと同様に、第3のヨーク13と第4のヨーク14も一対のアーム13aと一対のアーム14aによって保持された後述の十字軸16によって連結されている。
【0027】
図3は本願の第1実施形態に係る十字軸16、軸受21、ピン24およびシールリング26の断面図である。図2に示す中間シャフト6の中心軸線方向に対して垂直な方向に切断した断面を示している。
【0028】
十字軸16は、中心部17と、中心部17からそれぞれ4方向に延びる4本の円柱状の軸部18a、18b、18c、18dとを有している。具体的には、十字軸16は、中心部17から一方向に延びる第1の軸部18aと、第1の軸部18と中心軸線を共通にして中心部17から第1の軸部18aとは反対側に延びる第2の軸部18bと、中心部17から第1、第2の軸部18a、18bに対して垂直な方向に延びる第3の軸部18cと、第3の軸部18cと中心軸線を共通にして中心部17から第3の軸部18cとは反対側に延びる第4の軸部18dとを有している。軸部18a、18b、18c、18d周辺の構成は、4本の軸部18a、18b、18c、18dにおいて共通であるため、軸部18aについてのみ説明し、他の軸部18b、18c、18d周辺の構成の説明は省略する。軸部18aの先端側部分には軸受21が外嵌している。軸受21としては、ニードル軸受などのラジアル軸受を用いることができる。軸受21は、軸受カップ22と、複数のローラ23とを有する。軸受カップ22は、先述のヨーク11乃至14の一対のアーム11a乃至14aに形成された孔部に内嵌する。ローラ23は、軸受カップ22と十字軸16の軸部18aとの間で、軸部18aと略平行な向きで円周方向に複数配置されている。
【0029】
軸部18aには、先端から基部側にかけて挿入孔18eが形成されている。挿入孔18eの内側には合成樹脂製のピン24が挿入されている。軸部18aの基部にはシールリング26が外嵌している。シールリング26は、軸受カップ22と軸部18aの間の隙間から軸受21内に異物が入るのを防ぐ。ピン24は、軸受カップ22と軸部18aとの間に介在して、軸受カップ22が軸部18aの基部側に移動するのを防ぐ。これにより、シールリング26が軸受カップ22により圧縮されてシール性が損なわれるのを防ぐことができる。シールリング26は、図2に示す第1の十字軸継手5のように、車室内に設けられる十字軸継手には設けなくても良い。
【0030】
図4は本願の第1実施形態に係るシールリング26周辺の拡大断面図である。図4に示す部分は全周にわたって同様の断面形状をしている。以降、特に記載が無い限り、「中心軸線方向」は軸部18aの中心軸線方向を意味し、「径方向」は軸部18aの径方向を意味するものとする。
【0031】
シールリング26は、芯部材27と弾性部材28とを有している。芯部材27は、金属、樹脂など、弾性部材28よりも剛性の高い材料からなり、円輪状をしている。弾性部材28は、ニトリルゴム、水酸化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム等のエラストマーから形成することができる。上述のように、中間シャフト組立体300にメッキ加工を施す場合には、弾性部材28をフッ素ゴムから形成することが好ましい。弾性部材28は、芯部材27を埋設固着している。弾性部材28は円輪状をしている。十字軸16の中心部17は、径方向において、軸部18aよりも大きく、軸部18aの基端から径方向外方に広がる段差面17aを形成している。図4において段差面17aは軸部18aの中心軸線に対して略直角に延びているが、中心軸線に対して略直角に限られるものではない。弾性部材28は、軸受カップ22と段差面17aとに接して、軸受カップ22内に泥水などの異物が入り込むのを防ぐ。
【0032】
図5は本願の第1実施形態に係るシールリング26の断面図である。シールリング26は全周にわたって同様の断面形状をしている。
【0033】
芯部材27は、内径側で円筒状をした円筒部27aと、円筒部27aの外周から径方向外側に延びる鍔部27bとを有する。円筒部27aは補強部としての役割を果たし、芯部材27の剛性を高める。これにより、シールリング26が軸部18aに強固に取り付けられ、シールリング26が軸受カップ22と共回りするのを防ぐ。なお、補強部は、円筒状をしている必要はなく、全周にわたって鍔部27bよりも中心軸線方向の寸法が大きければ足りる。
【0034】
弾性部材28は、十字軸16に取り付けられていない状態では、図5に示す断面形状をしている。弾性部材28は、本体29と、軸受21側の第1のシールリップ31と、軸受21側の第2のシールリップ32と、軸受21側の第3のシールリップ33と、段差面17a側のシールリップ34を有している。弾性部材28の本体29は、中心軸線方向で軸受21側と径方向内側で芯部材27に固着している。中心軸線方向で段差面17a側の芯部材27の面は、弾性部材28が固着しておらず、露出している。また、中心軸線方向で軸受21側の一部を除いて、鍔部27bの径方向外側面も露出している。芯部材27の露出面は、弾性部材28を成型する際に、型に接触させて芯部材27の位置決めをするのに用いることができる。特に、鍔部27bの径方向外側面は、弾性部材28の成型時に型に当てることで、芯部材27の調芯に用いることができる位置決め部27cを構成する。
【0035】
弾性部材28の本体29は、芯部材27から、全周にわたって、径方向外側に広がり、中心軸線方向で軸受21側に立ち上がっている。第1のシールリップ31は、中心軸線方向において最も軸受21側に位置する本体29の部分から、全周にわたって径方向内側に突出している。第1のシールリップ31は、図4に示すように、軸受21の軸受カップ22の外周面に押圧接触する。
【0036】
第2のシールリップ32は、芯部材27と第1のシールリップ31の間で、第1のシールリップ31寄りの本体29の部分から、全周にわたって径方向内側に突出している。第2のシールリップ32は、中心軸線方向において軸受21側に向かうにつれて内径及び外径が小さくなるように軸部18aの中心軸線に対して傾斜した円すい面状をしている。第2のシールリップ32は、図4に示すように、軸受21の軸受カップ22の外周面に押圧接触する。
【0037】
第3のシールリップ33は、中心軸線方向において芯部材27の軸受21側に配置された本体29の部分から、全周にわたって、軸受21側に突出している。第3のシールリップ33は、中心軸線方向において軸受21側に向かうにつれて内径及び外径が大きくなるように、軸部18aの中心軸線に対して傾斜した円すい面状をしている。第3のシールリップ33は、図4に示すように、軸受カップ22の内側湾曲部22aに押圧接触する。
【0038】
段差面17a側のシールリップ34は、芯部材27の径方向外側の本体29の部分から、全周にわたって、段差面17a側に突出している。シールリップ34は先端が鋭角な断面形状をしている。シールリップ34は、中心軸線方向において段差面17a側に向かうにつれて内径及び外径が小さくなるように、軸部18aの中心軸線に対して傾斜した円すい面状をしている。シールリング26が十字軸16に取り付けられた際、シールリップ34が径方向内側に変形するようにすることで、シールリップ34と接触する段差面17aを小さくすることができ、十字軸継手5、7を小型化することができる。
【0039】
径方向において、シールリップ34と芯部材27との間には、環状の凹部36が形成されている。凹部36の径方向内側で段差面17aに接触する芯部材27の部分及び弾性部材28の部分は、着座部40を構成する。着座部40は、シールリング26の位置決めに利用することができる。図4に示すように、着座部40が十字軸16の段差面17aに接触するようにシールリング26を十字軸16の軸部18aに外嵌すると、シールリング26を適切な位置に配置することができる。この状態で、シールリップ34は軸部18a側に弾性変形して凹部36内に入り込む。これにより、シールリップ34の締め代を大きくすることができ、安定した高いシール性能を実現することができる。着座部40は、シールリップ34と同様に、段差面17a側から軸受21への異物の侵入を防ぐ役割も果たす。凹部36は、シールリップ34のためのスペースを確保し、着座部40を段差面17aに確実に接触させることで、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0040】
図2に示す中間シャフト組立体300は、組み立てた状態で、メッキ加工が施されても良い。メッキの種類としては電気亜鉛メッキ、亜鉛ニッケルメッキなどを用いることができる。メッキ加工を施す場合、水素を除去するためにベーキング処理が必要となる。ベーキング処理を行うと、弾性部材28が塑性変形し、シールの緊迫力が低下するおそれがあるが、本実施形態においては、芯部材27により、シールの緊迫力の低下を防ぐことができる。また、本実施形態は安定した高いシール性能を有するため、メッキの前処理液が軸受カップ22の内側に浸入するのを防ぐことができる。
【0041】
(第1参考例)
次に、本願の第1参考例を図6および図7を参照して説明する。図6は本第1参考例に係るシールリング226の断面図である。図7は十字軸継手に取り付けたシールリング226周辺の拡大断面図である。
【0042】
本第1参考例は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第1参考例の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「200」を足した数字からなる参照符号を付する。例えば、第1実施形態の芯部材27に対応する本第1参考例の芯部材には「227」の参照符号を付する。
【0043】
本第1参考例においては、上記第1実施形態とは異なり、鍔部227bの径方向外側面に弾性部材228が固着している。また、鍔部227bには、段差面217a側の鍔部227bの面から凹んだ位置決め部227cが形成されている。位置決め部227cは、弾性部材228の成型時に型に当てることで、芯部材227の調芯に用いることができる。位置決め部227cは、芯部材227と同心円状に連続して形成しても良いし、円周方向に断続的に形成しても良い。また、位置決め部227cは、内側に円柱状、半球状、四角柱状などの空間を形成するように凹んだ部分であっても良い。
【0044】
(第2実施形態)
次に、本願の第2実施形態を図8を参照して説明する。図8は本第2実施形態に係るシールリング326の断面図である。
【0045】
本第2実施形態は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第2実施形態の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「300」を足した数字からなる参照符号を付する。例えば、第1実施形態の芯部材27に対応する本第2実施形態の芯部材には「327」の参照符号を付する。
【0046】
本第2実施形態においては、上記第1実施形態とは異なり、環状部327dが、鍔部327bの径方向外側部分と一体に形成されている。環状部327dの径方向外側面には弾性部材328が固着している。環状部327dは、中心軸線方向において、十字軸の段差面側の面が、十字軸の段差面側の鍔部327bの面よりも、軸受側に配置されており、鍔部327bの径方向外側部分に凹部336を形成している。凹部336を構成する鍔部327bの部分は、弾性部材328の成型時に型に当てることで、芯部材327の調芯に用いることができる位置決め部327cを構成する。中心軸線方向において、段差面側の鍔部327bの部分は、十字軸の段差面に接する着座部340を構成する。段差面側のシールリップ334の外径は、中心軸線方向で段差面側に向かうにつれて小さくなる。シールリップ334の内径は、中心軸線方向の全範囲にわたって略均一である。
【0047】
本第2実施形態によれば、シールリング326を十字軸に取り付けた際、凹部336の内側にシールリップ334が入り込む。これにより、シールリップ334の締め代を大きくして、安定した高いシール性能を実現することができる。また、シールリップ334のためのスペースを確保し、着座部340を十字軸の段差面に確実に接触させることで、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0048】
(第2参考例)
次に、本願の第2参考例を図9および図10を参照して説明する。図9は本第2参考例に係るシールリング426の断面図である。図10は本第2参考例に係るシールリング426の芯部材427の図9に示すX矢視図である。図10は弾性部材428が固着する前の芯部材427を示している。
【0049】
本第2参考例は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第2参考例の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「400」を足した数字からなる参照符号を付する。例えば、第1実施形態の芯部材27に対応する本第2参考例の芯部材には「427」の参照符号を付する。
【0050】
本第2参考例においては、上記第1実施形態とは異なり、鍔部427bの径方向外側面に弾性部材428が固着している。また、位置決め部427cとして、鍔部427bに、中心軸線方向に貫通した穴部が形成されている。位置決め部427cは、図10に示すように、円周方向に離隔して複数配置されている。位置決め部427cは、弾性部材428の成型時に型に当てることで、芯部材427の調芯に用いることができる。調芯のためには、径方向外側に向かって露出した位置決め部427cの部分と、径方向内側に向かって露出した位置決め部427cの部分のいずれか、又は、その両方を型に当てても良い。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本願の第3実施形態を図11及び図12を参照して説明する。図11は本第3実施形態に係るシールリング526の断面図である。図12は十字軸継手に取り付けられたシールリング526周辺を示す拡大断面図である。
【0052】
本第3実施形態は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第3実施形態の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「500」を足した数字からなる参照符号を付する。例えば、第1実施形態の芯部材27に対応する本第3実施形態の芯部材には「527」の参照符号を付する。
【0053】
本第3実施形態においては、上記第1実施形態とは異なり、鍔部527bの径方向外側面に弾性部材528が固着している。また、芯部材527に、中心軸線方向で段差面側に凸の湾曲部527fが全周にわたって形成され、湾曲部527fを介して、円筒部527aと鍔部527bが一体に形成されている。湾曲部527fは径方向に切断した断面が概略U字状をしている。中心軸線方向で段差面517a側の湾曲部527fの部分は、段差面517aに接する着座部540を構成する。段差面517a側の鍔部527bの面には、凹状の位置決め部527cが形成されている。位置決め部527cは、弾性部材528を成形する際、型に接触させることで、芯部材527の調芯に用いることができる。図11に示すように、段差面側のシールリップ534の外径は、中心軸線方向で段差面517a側に向かうにつれて小さくなる。シールリップ534の内径は、中心軸線方向の全範囲において略均一である。
【0054】
本第3実施形態によれば、湾曲部527fにより凹部536が形成され、シールリング526を十字軸に取り付けた際、図12に示すように、凹部536にシールリップ534が入り込む。これにより、シールリップ534の締め代を大きくして、安定した高いシール性能を実現することができる。また、シールリップ534のためのスペースを確保し、着座部540を十字軸の段差面に確実に接触させることで、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0055】
(第4実施形態)
次に、本願の第4実施形態を図13を参照して説明する。図13は本第4実施形態に係るシールリング626の断面図である。
【0056】
本第4実施形態は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第4実施形態の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「600」を足した数字からなる参照符合を付する。例えば、第1実施形態の芯部材27に対応する本第4実施形態の芯部材には「627」の参照符号を付する。
【0057】
本第4実施形態においては、上記第1実施形態とは異なり、鍔部627bの径方向外側面に弾性部材628が固着している。また、本第4実施形態においては、中心軸線方向で段差面側に凸の湾曲部627fが全周にわたって形成されている。円筒部627aと鍔部627bは、湾曲部627fを介して一体に形成されている。湾曲部627fは芯部材627の径方向に切断した断面が概略U字状をしている。中心軸線方向において十字軸の段差面側の湾曲部627fの部分は、十字軸の段差面に接する着座部640を構成する。鍔部627bには、中心軸線方向に貫通した位置決め部627cが形成されている。位置決め部627cは、弾性部材628を成型する際、型に当てることで、芯部材627の調芯に用いることができる。
【0058】
本第4実施形態によれば、湾曲部627fにより凹部636が形成され、
シールリング626を十字軸に取り付けた際、上記第3実施形態と同様に、凹部636の内側に段差面側のシールリップ634が入り込む。これにより、シールリップ634の締め代を大きくして、安定した高いシール性能を実現することができる。また、シールリップ634のためのスペースを確保し、着座部640を十字軸の段差面に確実に接触させることで、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0059】
(第5実施形態)
次に、本願の第5実施形態を説明する。図14は本第5実施形態に係るシールリング726の断面図である。図15は十字軸継手に取り付けられたシールリング726周辺を示す拡大断面図である。
【0060】
本第5実施形態は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第5実施形態の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「700」を足した数字からなる参照符合を付する。例えば、第1実施形態の芯部材27に対応する本第5実施形態の芯部材には「727」の参照符号を付する。
【0061】
本第5実施形態においては、上記第1実施形態とは異なり、鍔部727bが径方向外側に向かうにつれて十字軸の段差面717aから離れるように、径方向に対して傾斜している。段差面側のシールリップ734は、全周にわたって、鍔部727bの径方向外側部分から段差面717a側に向かって延びている。図14に示すように、シールリップ734は、中心軸線方向において段差面717a側に近付くにつれて内径及び外径が小さくなる。シールリップ734の径方向内側には凹部736が形成されている。
【0062】
弾性部材728は、鍔部727bの径方向の外端727hと、凹部736を構成する鍔部727bの部分とを除いて、芯部材727の表面に固着している。弾性部材728が固着していない外端727hと凹部736を形成する鍔部727bの部分は、弾性部材728を成型する際に型に当てることで、芯部材727の調芯に使用することができる。
【0063】
図15に示すように、シールリング726が十字軸に取り付けられると、シールリップ734は、段差面717aに接触して軸部718a側に弾性変形し、凹部736の内側に入り込む。これにより、シールリップ734の締め代を大きくして、安定した高いシール性能を実現することができる。また、シールリップ734のためのスペースを確保し、着座部740を十字軸の段差面に確実に接触させることで、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0064】
図16Aは本願の第5実施形態に係るシールリングの芯部材727を示す平面図である。図16B図16Aに示すXVIB−XVIB断面図である。
【0065】
鍔部727bの外周部は、径方向の凹凸を有する。換言すると、鍔部727bは、径方向内側に凹んだ複数の切り欠き部727eを有している。切り欠き部727eは、鍔部727bよりも軸受側に配置される本体729の部分と、鍔部727bよりも段差面717a側に配置されるシールリップ734とを一体にする役割を果たす。本実施形態においては切り欠き部727eの数を8つとしているが、切り欠き部727eの数はこれに限られない。また、切り欠き部727eの大きさ、形状、配置も本実施形態に示すものに限られない。切り欠き部727eは、上記のように本体729と第4のシールリップ734を一体にする役割を果たすものであれば、任意の数、大きさ、形状及び配置とすることができる。
【0066】
図17Aは本願の第5実施形態に係るシールリング726に適用可能な芯部材827を示す平面図である。上記芯部材727に対応する芯部材827の部分には、上記芯部材727に付した参照符号に「100」を足した数字からなる参照符合を付する。
【0067】
芯部材827は、上記第5実施形態で説明した芯部材727の外端727hに代えて、円周方向に略等間隔に離隔した3つの突出部827gの先端を、径方向において中心軸線から最も遠い位置にある外端827hとしている。突出部827gは、鍔部827bの径方向外側部分を、直線状の2辺により中央が突出するように形成している。外端827hは、弾性部材828を成型する際に型に当てることで、芯部材827の位置決めを高い精度で行うことができる。このように、芯部材827の位置決めを行うことができるのであれば、突出部827gの形状はここで説明したものに限られない。例えば、円周方向に略等間隔に離隔した鍔部827bの部分において、径方向外側の端部の曲率を他の部分よりも高くして径方向外方に突出させても良い。また、円周方向に略等間隔に離隔した鍔部827bの部分に突起を設けても良い。
【0068】
(第6実施形態)
次に、本願の第6実施形態を図18を参照して説明する。図18は本願の第6実施形態に係るシールリング926の断面図である。
【0069】
本第6実施形態は、上記第1実施形態と多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する本第6実施形態の部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「900」を足した数字からなる参照符合を付する。例えば、第1実施形態の着座部40に対応する第6実施形態の着座部には「940」の参照符号を付する。
【0070】
本第6実施形態のシールリング926は、上記第1実施形態とは異なり、芯部材を有さず、全ての部分がエラストマーから形成されている。芯部材を設けない場合、シールリング926は軸受カップと共回りしやすくなる。これに対し、本第6実施形態においては、エラストマーの体積を増加させ、かつ、十字軸に対する締め代を大きくしている。これにより、十字軸とシールリング926との間に生じる摩擦力を、軸受カップとシールリング926との間に生じる摩擦力の2倍以上として、共回りを防いでいる。
【0071】
本第6実施形態によれば、シールリング926を十字軸に取り付けた際、凹部936の内側に段差面側のシールリップ934が入り込む。これにより、シールリップ934の締め代を大きくして、安定した高いシール性能を実現することができる。また、シールリップ934のスペースを確保し、着座部940を十字軸の段差面に確実に接触させることで、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0072】
このように、本願のシールリングは、芯部材を全く有しない構成とすることもできるが、上記第1から第6実施形態の芯部材の一部のみを有するものとしても良い。例えば、上記第1実施形態において、芯部材27が円筒部27aを有さない構成や、芯部材27が鍔部27bを有さない構成とすることもできる。
【0073】
次に、図19を参照して本願の十字軸継手に用いることができる他の軸受1021と十字軸の軸部1018aの組合せについて説明する。図19は、本願の十字軸継手に用いることができる軸受1021及び軸部1018aを示す拡大断面図である。
【0074】
軸受1021及び軸部1018aは、上記第1実施形態の軸受21及び軸部18aと多くの点で共通するため、ここでは上記第1実施形態と異なる点について説明する。上記第1実施形態において参照符号を付して説明した部分に対応する部分には、第1実施形態で使用した参照符号に「1000」を足した数字からなる参照符合を付する。例えば、第1実施形態の軸受カップ22に対応する軸受1021の軸受カップには「1022」の参照符号を付する。
【0075】
軸受1021及び軸部1018aにおいては、上記第1実施形態のピン24及び挿入孔18eを設けず、軸受カップ1022の底部中央に軸部1018a側に突出した突部1022bを設けている。軸受1021及び軸部1018aによれば、中心軸線方向の軸受1021の位置決めの精度を高めることができる。これにより、軸受1021がシールリング1026に対して適切な位置に配置されるため、更に安定した高いシール性能を実現することができる。
【0076】
以上の本願実施形態によれば、シール性に優れたシールリング、十字軸継手、中間シャフト組立体及びステアリング装置を提供することができる。
【0077】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、シールリングのシールリップの数は4つに限られず、十字軸の段差面に接触するシールリップと軸受カップに接するシールリップがあれば良く、2つ、3つ、又は、5つ以上であっても良い。
【0078】
また、段差面側のシールリップの径方向外側に凹部を形成し、シールリップが、十字軸に取り付けられた際、径方向外側に弾性変形するものとしても良い。
【0079】
また、段差面側のシールリップが十字軸の段差面と接していれば、シールリングの他の部分が段差面と接しなくても良い。つまり、着座部を有さない構成とすることもできる。
【0080】
また、シールリップ、凹部、着座部の径方向の配置は、上記実施形態のものに限られない。シールリングを十字軸に取り付けた際、シールリップが変形する側に凹部が隣り合っていれば、どのように配置されていても良い。
【0081】
また、着座部は、芯部材の一部により構成されている必要はない。他の弾性部材の一部を着座部としても良い。
【0082】
また、芯部材は、必ずしも位置決め部を有している必要は無い。
【符号の説明】
【0083】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
4 車体側ブラケット
5 第1の十字軸継手
6 中間シャフト
7 第2の十字軸継手
8 ピニオンギア
9 ラック軸
11 第1のヨーク
12 第2のヨーク
13 第3のヨーク
14 第4のヨーク
11a、12a、13a、14a 一対のアーム
16 十字軸
17 中心部
17a、217a、517a、717a 段差面
18a、18b、18c、18d、1018a 軸部
18e 挿入孔
21、1021 軸受
22、1022 軸受カップ
22a 内側湾曲部
1022b 突部
23、1023 ローラ
24 ピン
26、226、326、426、526、626、726、926、1026 シールリング
27、227、327、427、527、627、727、827 芯部材
27a、227a、327a、427a、527a、627a、727a、827a 円筒部
27b、227b、327b、427b、527b、627b、727b、827b 鍔部
27c、227c、327c、427c、527c、627c 位置決め部
327d 環状部
727e、827e 切り欠き部
527f、627f 湾曲部
827g 突出部
727h、827h 外端
28、228、328、428、528、628、728、928 弾性部材
29、229、329、429、529、629、729、929 本体
31、231、331、431、531、631、731、931 第1のシールリップ
32、232、332、432、532、632、732、932 第2のシールリップ
33、233、333、433、533、633、733、933 第3のシールリップ
34、234、334、434、534、634、734、934 シールリップ
36、336、536、636、736、936 凹部
40、340、540、640、740、940 着座部
100 ステアリング装置
200 車体
300 中間シャフト組立体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19

【手続補正書】
【提出日】2020年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部と、前記中心部から4方向に延びる4本の軸部とを有し、前記中心部が前記軸部の基端から前記軸部の径方向外方に広がる段差面を形成した十字軸と、
前記軸部に取り付けられる軸受と、ともに用いられ、
前記軸部に外嵌して、前記軸受と前記段差面との間に配置されるシールリングであって、
前記段差面に接触するシールリップと、
前記接触により前記シールリップが変形して入り込む凹部と、
他の部分よりも剛性が高い円輪状の芯部材を有し、
前記芯部材は、全周にわたって径方向に広がる鍔部を有し、
前記鍔部の外周部は、径方向の凹凸を有することを特徴とするシールリング。
【請求項2】
前記シールリップは、前記段差面に接して径方向内側に変形することを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
【請求項3】
前記段差面と接する着座部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシールリング。
【請求項4】
径方向外側から順に、前記シールリップ、前記凹部、前記着座部の順に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のシールリング。
【請求項5】
前記芯部材の一部が前記着座部を構成することを特徴とする請求項3または4に記載のシールリング。
【請求項6】
前記芯部材は、前記軸部の径方向外側又は内側に向けて露出した位置決め部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項7】
前記着座部は、前記鍔部よりも前記段差面側に突出した前記芯部材の部分を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のシールリング。
【請求項8】
前記芯部材は、前記鍔部の径方向内側に、全周にわたって前記鍔部よりも中心軸線方向の寸法が大きい補強部を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のシールリングを有することを特徴とする十字軸継手。
【請求項10】
請求項9に記載の十字軸継手を有することを特徴とする中間シャフト組立体。
【請求項11】
メッキ加工が施されたことを特徴とする請求項10に記載の中間シャフト組立体。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の中間シャフト組立体を有することを特徴とするステアリング装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するため、本願のシールリングは、中心部と、前記中心部から4方向に延びる4本の軸部とを有し、前記中心部が前記軸部の基端から前記軸部の径方向外方に広がる段差面を形成した十字軸と、
前記軸部に取り付けられる軸受と、ともに用いられ、
前記軸部に外嵌して、前記軸受と前記段差面との間に配置されるシールリングであって、
前記段差面に接触するシールリップと、
前記接触により前記シールリップが変形して入り込む凹部と、
他の部分よりも剛性が高い円輪状の芯部材を有し、
前記芯部材は、全周にわたって径方向に広がる鍔部を有し、
前記鍔部の外周部は、径方向の凹凸を有する。これによりシールリングのシール性を向上させることができる。また、シールリップの緊迫力が低下するのを抑えることができる。また、芯部材とシールリップの一体性を高め、シールリップの緊迫力が低下するのを更に防ぐことができる。また、軸受側のシールリップと段差面側のシールリップを一体に形成することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【国際調査報告】