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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年3月7日
【発行日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】半導体モジュール及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20200501BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20200501BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20200501BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   H01L21/60 321E
   H01L23/48 S
   H01L25/04 C
   H01L21/60 321V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
【出願番号】特願2019-538914(P2019-538914)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年9月4日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】碓井 修
(57)【要約】
半導体チップ(2)は表面電極(3)を有する。導電性接合部材(8)は表面電極(3)の上に設けられ、第1及び第2の接合部材(8a,8b)を有する。リード電極(9)は表面電極(3)の一部に第1の接合部材(8a)を介して接合され、第2の接合部材(8b)には接触していない。信号ワイヤ(11)が表面電極(3)に接合されている。第2の接合部材(8b)は第1の接合部材(8a)と信号ワイヤ(11)との間に配置されている。第1の接合部材(8a)の厚さは第2の接合部材(8b)の厚さよりも厚い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面電極を有する半導体チップと、
前記表面電極の上に設けられた第1及び第2の接合部材を有する導電性接合部材と、
前記表面電極の一部に前記第1の接合部材を介して接合され、前記第2の接合部材には接触していないリード電極と、
前記表面電極に接合された信号ワイヤとを備え、
前記第2の接合部材は前記第1の接合部材と前記信号ワイヤとの間に配置され、
前記第1の接合部材の厚さは前記第2の接合部材の厚さよりも厚いことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項2】
前記第1の接合部材の厚さは0.3mm以上であり、
前記第2の接合部材の厚さは0.1mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記半導体チップ、前記導電性接合部材、前記リード電極、及び前記信号ワイヤを封止する封止部材を更に備え、
前記導電性接合部材に金属粒子が混合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記半導体チップ、前記導電性接合部材、前記リード電極、及び前記信号ワイヤを封止する封止部材と、
前記導電性接合部材の表面に塗布され、前記導電性接合部材よりも前記封止部材との密着性が高い高密着性部材とを更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記半導体チップがワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体モジュールを有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
前記主変換回路を制御する制御信号を前記主変換回路に出力する制御回路とを備えることを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュール及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体モジュールの小型化と大電流化が進んでいるため、半導体モジュールを構成する半導体チップと主電極配線に流れる電流密度が著しく増加している。このため、半導体チップ表面への主電極配線として、銅板などからなるリード電極を半導体チップにはんだなどで直接接合するDLB(Direct Lead Bonding)構造が用いられている。
【0003】
また、半導体チップ表面のゲート電極、エミッタ電極、電流センス電極、温度センス電極などに信号ワイヤが超音波接合される。構造上及びプロセス上の制約又は容易性などから、半導体チップ表面への電気配線はDLBによりリード電極を接合した後に信号ワイヤを接合する。従って、信号ワイヤを超音波接合するワイヤボンディングツールが接触しないように、リード電極はワイヤボンド領域から一定の距離を離す必要がある。このため、リード電極は表面電極の一部のみに接合されることになる。
【0004】
表面電極の上においてリード電極との接合部分にだけ導電性接合部材を設けると、リード電極の直下に電流が流れやすくなり、半導体チップ内部に流れる電流が不均一となる。このため、短絡時の耐量が低下し、半導体チップの温度上昇が大きくなる。そこで、表面電極の上においてリード電極と接触しない部分にも導電性接合部材が設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本特開2005−101293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
導電性接合部材の厚さが薄いと、半導体チップと導電性接合部材にかかる熱応力が大きくなる。これを防ぐために導電性接合部材の厚さを厚くすると、ワイヤボンディングツールが導電性接合部材に接触しやすくなる。何れの場合にも製品の信頼性が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は製品の信頼性を向上することができる半導体モジュール及び電力変換装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体モジュールは、表面電極を有する半導体チップと、前記表面電極の上に設けられた第1及び第2の接合部材を有する導電性接合部材と、前記表面電極の一部に前記第1の接合部材を介して接合され、前記第2の接合部材には接触していないリード電極と、前記表面電極に接合された信号ワイヤとを備え、前記第2の接合部材は前記第1の接合部材と前記信号ワイヤとの間に配置され、前記第1の接合部材の厚さは前記第2の接合部材の厚さよりも厚いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、表面電極とリード電極とを接合する第1の接合部材の厚さを厚くすることで、半導体チップと導電性接合部材にかかる熱応力を低減することができる。また、信号ワイヤの近くに配置された第2の接合部材の厚さを薄くすることにより、ワイヤボンディングツールが導電性接合部材に接触することなく、信号ワイヤを接合することができる。この結果、製品の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る半導体モジュールを示す平面図である。
図2図1のI−IIに沿った断面図である。
図3図1のIII−IVに沿った断面図である。
図4】実施の形態2に係る半導体モジュールを示す断面図である。
図5】実施の形態3に係る半導体モジュールを示す断面図である。
図6】実施の形態4に係る半導体モジュールを示す断面図である。
図7】実施の形態5に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る半導体モジュールについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る半導体モジュールを示す平面図である。図2図1のI−IIに沿った断面図である。図3図1のIII−IVに沿った断面図である。銅又はアルミニウムなどの金属からなる電極回路パターン1が、絶縁性を有するセラミック又は樹脂系の絶縁部材(図示せず)上に固着されている。絶縁部材は銅又はアルミニウムなどの金属からなるベース板(図示せず)に固着される。
【0013】
電極回路パターン1の上に半導体チップ2が設けられている。半導体チップ2はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、表面にエミッタ電極3とゲート電極4を有し、裏面にコレクタ電極5を有する。コレクタ電極5は、はんだなどの接合部材を介して電極回路パターン1に接合されている。ただし、半導体チップ2はIGBTに限らず、MOSFETなどでもよい。
【0014】
ワイヤボンディング領域とガードリング近傍を除いてエミッタ電極3の全面に金属膜6が設けられている。ポリイミドなどからなる絶縁物7が金属膜6の外周を覆っている。はんだなどからなる導電性接合部材8が、絶縁物7に囲まれた金属膜6の全面に設けられている。導電性接合部材8は、互いに横並びに配置された第1及び第2の接合部材8a,8bを有する。銅などの金属からなるリード電極9がエミッタ電極3の一部に第1の接合部材8aを介して接合され、第2の接合部材8bには接触していない。
【0015】
アルミニウムなどの金属からなる信号ワイヤ10,11がそれぞれゲート電極4及びエミッタ電極3に超音波接合されている。エポキシ樹脂などの封止部材12が半導体チップ2、導電性接合部材8、リード電極9、及び信号ワイヤ10,11を封止している。
【0016】
ここで、リード電極9と半導体チップ2は線膨張係数が異なるため、半導体チップ2の動作によって金属膜6又は導電性接合部材8に熱応力が発生する。絶縁物7が無いと導電性接合部材8が金属膜6の端部まで広がって、熱応力が導電性接合部材8を介して金属膜6の端部にかかり、剥がれが生じ、クラックが入り易くなり、最終的に半導体チップ2へクラックが進展する。そこで、金属膜6の周囲を絶縁物7で覆うことによって、導電性接合部材8が金属膜6の端部まで広がらないようにしている。これにより、クラックの発生を抑制することができるため、半導体モジュールの動作によって発生する熱応力に対し、半導体チップ2のエミッタ電極3のダメージを低減することができる。
【0017】
また、リード電極9が接合されていない部分にも第2の接合部材8bを設けることにより、この部分の表面電極の厚さが増加するため、表面電極の面方向の電気抵抗が低下する。これにより、半導体チップ2に流れる電流を均等化することができ、更に導電性接合部材8の増加により熱容量が増加するので短絡時の半導体チップ2の耐量が増加し、半導体モジュールの耐量を増加することができる。また、半導体チップ2に流れる電流を均等化することにより、電流が集中していた部分の半導体チップ2の温度を低減することができる。さらに、導電性接合部材8の増加により熱容量が増加するので過渡的な温度上昇も抑制することができる。
【0018】
第2の接合部材8bは第1の接合部材8aと信号ワイヤ11との間に配置され、リード電極9は信号ワイヤ10,11とは一定の距離離れた場所に配置されている。このため、ワイヤボンディングツールは、リード電極9と接触することなく、信号ワイヤ10,11をそれぞれゲート電極4及びエミッタ電極3の所定の場所に超音波接合することができる。
【0019】
本実施の形態では、第1の接合部材8aの厚さは第2の接合部材8bの厚さよりも厚い。このようにエミッタ電極3とリード電極9とを接合する第1の接合部材8aの厚さを厚くすることで、半導体チップ2と導電性接合部材8にかかる熱応力を低減することができる。また、信号ワイヤ10,11の近くに配置された第2の接合部材8bの厚さを薄くすることにより、信号ワイヤ10,11を所定の場所に超音波接合する際にワイヤボンディングツールが導電性接合部材8に接触し難くなる。よって、製品の信頼性を向上することができる。
【0020】
また、第1の接合部材8aの厚さは0.3mm以上であり、第2の接合部材8bの厚さは0.1mm以上であることが好ましい。これにより、半導体モジュールの動作によって発生する熱応力に対し、導電性接合部材8と半導体チップ2の耐久性を増加し、半導体モジュールの温度サイクル耐量を十分確保することができる。また、半導体チップ2の内部に流れる電流を十分均等化して電流アンバランスを大幅に改善することができる。また、短絡時の半導体チップ2の耐量が増加し、半導体モジュールの耐量を増加することができる。
【0021】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る半導体モジュールを示す断面図である。導電性接合部材8の周辺部がフィレット状に形成されている。その周辺部の一部が第2の接合部材8bである。この場合でも実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、第1の接合部材8aの厚さは0.3mm以上であり、第2の接合部材8bの厚さは0.1mm以上であることが好ましい。
【0022】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る半導体モジュールを示す断面図である。導電性接合部材8に、ニッケルなどからなる金属粒子13が混合している。これにより、導電性接合部材8の表面に凹凸が形成され、アンカー効果によって導電性接合部材8と封止部材12の密着性が向上する。よって、半導体モジュールの動作によって繰り返し発生する熱応力に対し、十分な絶縁耐久性を確保することができ、温度サイクルに対する信頼性が向上する。
【0023】
実施の形態4.
図6は、実施の形態4に係る半導体モジュールを示す断面図である。導電性接合部材8の表面にはポリイミドなどからなる高密着性部材14が塗布されている。これにより、導電性接合部材8と封止部材12の密着性が向上する。よって、半導体モジュールの動作によって繰り返し発生する熱応力に対し、十分な絶縁耐久性を確保することができ、温度サイクルに対する信頼性が向上する。なお、高密着性部材14は絶縁物7と同材料でもよく、これにより使用する材料の種類を減らすことができるため、コストを低減することができる。
【0024】
なお、半導体チップ2は、珪素によって形成されたものに限らず、珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成されたものでもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドである。これにより、オン抵抗が小さくても、半導体チップ2の電極全面に接合部材を設けることで、半導体チップ2内部に流れる電流を均等化できる。また、ワイドバンドギャップ半導体によって形成された半導体チップ2は、耐電圧性や許容電流密度が高いため、小型化できる。この小型化された半導体チップ2を用いることで、この半導体チップ2を組み込んだ半導体モジュールも小型化できる。また、半導体チップ2の耐熱性が高いため、ヒートシンクの放熱フィンを小型化でき、水冷部を空冷化できるので、半導体モジュールを更に小型化できる。また、半導体チップ2の電力損失が低く高効率であるため、半導体モジュールを高効率化できる。
【0025】
実施の形態5.
本実施の形態は、上述した実施の形態1〜4にかかる半導体モジュールを電力変換装置に適用したものである。電力変換装置は、例えば、インバータ装置、コンバータ装置、サーボアンプ、電源ユニットなどである。本発明は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、以下、三相のインバータに本発明を適用した場合について説明する。
【0026】
図7は、実施の形態5に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。この電力変換システムは、電源100、電力変換装置200、負荷300を備える。電源100は、直流電源であり、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源100は種々のもので構成することが可能であり、例えば、直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができ、交流系統に接続された整流回路又はAC/DCコンバータで構成してもよい。また、電源100を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成してもよい。
【0027】
電力変換装置200は、電源100と負荷300の間に接続された三相のインバータであり、電源100から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷300に交流電力を供給する。電力変換装置200は、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路201と、主変換回路201を制御する制御信号を主変換回路201に出力する制御回路203とを備えている。
【0028】
負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、鉄道車両、エレベータ、もしくは、空調機器向けの電動機として用いられる。
【0029】
以下、電力変換装置200を詳細に説明する。主変換回路201は、スイッチング素子と還流ダイオードを備えており(図示せず)、スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源100から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷300に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態にかかる主変換回路201は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードから構成することができる。主変換回路201の各スイッチング素子と各還流ダイオードは、上述した実施の形態1〜4の何れかに相当する半導体モジュール202によって構成する。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路のU相、V相、W相を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷300に接続される。
【0030】
また、主変換回路201は、各スイッチング素子を駆動する駆動回路(図示なし)を備えているが、駆動回路は半導体モジュール202に内蔵されていてもよいし、半導体モジュール202とは別に駆動回路を備える構成であってもよい。駆動回路は、主変換回路201のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号であるオン信号であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以下の電圧信号であるオフ信号となる。
【0031】
制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷300に供給すべき電力に基づいて主変換回路201の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、主変換回路201が備える駆動回路に制御信号を出力する。駆動回路は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号又はオフ信号を駆動信号として出力する。
【0032】
本実施の形態に係る電力変換装置では、半導体モジュール202として実施の形態1〜4に係る半導体モジュールを適用するため、製品の信頼性を向上することができる。
【0033】
本実施の形態では、2レベルの三相インバータに本発明を適用する例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置としたが3レベル又はマルチレベルの電力変換装置であっても構わないし、単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに本発明を適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータ又はAC/DCコンバータに本発明を適用することも可能である。
【0034】
また、本発明を適用した電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機、レーザー加工機、又は誘導加熱調理器もしくは非接触給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システム又は蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
【符号の説明】
【0035】
2 半導体チップ、3 エミッタ電極(表面電極)、4 ゲート電極(表面電極)、9 リード電極、8 導電性接合部材、8a 第1の接合部材、8b 第2の接合部材、10,11 信号ワイヤ、12 封止部材、13 金属粒子、14 高密着性部材、200 電力変換装置、201 主変換回路、202 半導体モジュール、203 制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】