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再表2019-87599内視鏡洗浄作業支援装置、内視鏡洗浄作業支援装置の作動方法、及び内視鏡洗浄作業支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年5月9日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】内視鏡洗浄作業支援装置、内視鏡洗浄作業支援装置の作動方法、及び内視鏡洗浄作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20191018BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20191018BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   A61B1/12 510
   A61B1/00 640
   A61B1/00 550
   G02B23/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】特願2019-514145(P2019-514145)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年9月18日
(11)【特許番号】特許第6542498号(P6542498)
(45)【特許公報発行日】2019年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2017-211131(P2017-211131)
(32)【優先日】2017年10月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】西 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 光
(72)【発明者】
【氏名】クアン クラリンダ
(72)【発明者】
【氏名】北野 香織
(72)【発明者】
【氏名】池田 佳子
(72)【発明者】
【氏名】西山 武志
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040EA01
4C161GG10
4C161HH51
4C161JJ11
4C161JJ17
4C161JJ18
(57)【要約】
内視鏡洗浄作業支援装置1において、操作受付部50は、洗浄者による入力を受け付ける。表示制御部11は、内視鏡を手洗浄するための手順を工程ごとに表示部31に表示するよう制御する。測定部12は、現工程の手順を表示させるための入力を操作受付部50が受け付けることに起因する前記現工程の手順の開始時刻から、次の工程の手順を表示させるための入力を操作受付部50が受け付けることに起因する現工程の手順の終了時刻までの第1の時間を測定する。比較判定部13は、工程ごとに定められた手順を表示する基準時間と第1の時間とを比較する。表示制御部11は、第1の時間が基準時間よりも短い場合に、洗浄者に対して注意を促す情報を表示部31に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄者による入力を受け付ける操作受付部と、
内視鏡を手洗浄するための手順を工程ごとに表示部に表示するよう制御する表示制御部と、
現工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けることに起因する前記現工程の手順の開始時刻から、次の工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けることに起因する前記現工程の手順の終了時刻までの第1の時間を測定する第1の測定部と、
前記工程ごとに定められた前記手順を表示する基準時間と前記第1の時間とを比較する比較部と、を備え、
前記表示制御部は、前記第1の時間が前記基準時間よりも短い場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示することを特徴とする内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項2】
前記比較部は、前記第1の時間が前記基準時間よりも短い場合に、前記現工程の作業が十分に実施されていないと判定することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第1の時間が前記基準時間と所定の時間とを加算した時間を超過した際に、前記現工程の次の工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けていない場合、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項4】
前記第1の測定部は、前記手順の表示が終了してから経過した第2の時間を測定し、
前記比較部は、所定の時間と前記第2の時間とを比較し、
前記表示制御部は、前記第2の時間が前記所定の時間を超過した際に、前記現工程の次の工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けていない場合、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項5】
洗浄者の顔を撮像するための第1の検知部と、
前記手順を表示している間に、前記洗浄者の顔の向きが前記表示部の方向を向いていない第3の時間を測定する第2の測定部と、をさらに備え、
前記比較部は、所定の時間と前記第3の時間とを比較し、
前記表示制御部は、前記第3の時間が前記所定の時間以上である場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項6】
前記表示部から所定の範囲内における人の存在の有無を検知する第2の検知部と、
前記手順を表示している間に、前記所定の範囲内に前記人が存在しない第4の時間を測定する第3の測定部と、をさらに備え、
前記比較部は、所定の時間と前記第4の時間とを比較し、
前記表示制御部は、前記第4の時間が所定の時間以上である場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項7】
前記比較部は、内視鏡を手洗浄するための複数の工程内の特定の工程について、当該工程を終了させるために必要な所定の時間と、前記第1の時間とを比較し、
前記表示制御部は、前記操作受付部が当該工程の次の工程の手順を表示させるための入力を受け付けた場合でも、前記第1の時間が前記所定の時間を超過するまで、前記次の工程の手順を表示しないよう制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記手順として静止画または動画を表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記内視鏡の種類に応じた手順を表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記洗浄者の内視鏡の洗浄の熟練度に応じた手順を表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記洗浄者が前記内視鏡を洗浄していない期間が長いほど、より詳細な手順を表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記操作受付部が前記手順の表示を一時停止させるための入力を受け付けた際に、前記手順を所定の時間巻き戻す、または、前記手順を開始時点まで巻き戻すよう制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄作業支援装置。
【請求項13】
操作受付部が、洗浄者による入力を受け付けるステップと、
表示制御部が、内視鏡を手洗浄するための手順を工程ごとに表示部に表示するよう制御するステップと、
測定部が、現工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けることに起因する前記現工程の手順の開始時刻から、次の工程の手順を表示させるための入力を受け付けることに起因する前記現工程の手順の終了時刻までの第1の時間を測定するステップと、
比較部が、前記工程ごとに定められた前記手順を表示する基準時間と前記第1の時間とを比較するステップと、
前記表示制御部が、前記第1の時間が前記基準時間よりも短い場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする内視鏡洗浄作業支援装置の作動方法。
【請求項14】
洗浄者による入力を受け付ける処理と、
内視鏡を手洗浄するための手順を工程ごとに表示部に表示するよう制御する処理と、
現工程の手順を表示させるための入力を受け付けることに起因する前記現工程の手順の開始時刻から、次の工程の手順を表示させるための入力を受け付けることに起因する前記現工程の手順の終了時刻までの第1の時間を測定する処理と、
前記工程ごとに定められた前記手順を表示する基準時間と前記第1の時間とを比較する処理と、
前記第1の時間が前記基準時間よりも短い場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする内視鏡洗浄作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄作業者による内視鏡の手洗浄を支援するための内視鏡洗浄作業支援装置、内視鏡洗浄作業支援装置の作動方法、及び内視鏡洗浄作業支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設では、検査で使用された内視鏡を次の検査で使用するために、検査が終了すると、内視鏡を洗浄・消毒している。洗浄・消毒が十分でない場合、感染症を引き起こすおそれがある。これに対して、標準化された洗浄処理の作業手順を所定の端末装置の画面に表示させることにより、洗浄者が作業手順を容易に確認できるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−000441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように洗浄処理の作業手順を画面に表示しても、洗浄の品質が洗浄者によってばらつくことがある。この傾向は、特に手洗浄において発生する。例えば、手洗浄における特定の工程において、必要な時間をかけずに当該工程の作業を終わらせてしまう洗浄者もいる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、内視鏡の手洗浄における洗浄品質を均一化させることを支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の内視鏡洗浄作業支援装置は、洗浄者による入力を受け付ける操作受付部と、内視鏡を手洗浄するための手順を工程ごとに表示部に表示するよう制御する表示制御部と、現工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けることに起因する前記現工程の手順の開始時刻から、次の工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けることに起因する前記現工程の手順の終了時刻までの第1の時間を測定する第1の測定部と、前記工程ごとに定められた前記手順を表示する基準時間と前記第1の時間とを比較する比較部と、を備える。前記表示制御部は、前記第1の時間が前記基準時間よりも短い場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示する。
【0007】
本発明の別の態様は、内視鏡洗浄作業支援装置の作動方法である。この方法は、操作受付部が、洗浄者による入力を受け付けるステップと、表示制御部が、内視鏡を手洗浄するための手順を工程ごとに表示部に表示するよう制御するステップと、測定部が、現工程の手順を表示させるための入力を前記操作受付部が受け付けることに起因する前記現工程の手順の開始時刻から、次の工程の手順を表示させるための入力を受け付けることに起因する前記現工程の手順の終了時刻までの第1の時間を測定するステップと、比較部が、前記工程ごとに定められた前記手順を表示する基準時間と前記第1の時間とを比較するステップと、前記表示制御部が、前記第1の時間が前記基準時間よりも短い場合に、前記洗浄者に対して注意を促す情報を前記表示部に表示するステップと、を有する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内視鏡の手洗浄における洗浄品質を均一化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る内視鏡洗浄作業支援装置の概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る内視鏡洗浄作業支援装置の機能ブロックを示す図である。
図3】内視鏡の手洗浄の工程を分類した図である。
図4図4(a)、(b)は、熟練度情報保持部に構築される熟練度テーブルと、熟練度/コンテンツ紐付け情報保持部に構築される熟練度/コンテンツ紐付けテーブルの一例を示す図である。
図5】実施例1に係る洗浄作業支援処理の流れを示すフローチャートである。
図6】手洗浄工程(狭義)の第1工程のコンテンツの一例を示す図である。
図7】作業時間が不十分なおそれがある場合に表示されるアラート画面の一例を示す図である。
図8】実施例3に係る洗浄作業支援処理の流れを示すフローチャートである。
図9】リークテスト工程の第1工程のコンテンツの一例を示す図である。
図10】実施例4に係る洗浄作業支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】実施例5の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
医療施設では内視鏡検査が終了すると、検査で使用した内視鏡を洗浄・消毒する。検査終了後の内視鏡のリプロセル工程は次のように進行していく。まず看護師または技師などの洗浄を担当する医療従事者(以下、洗浄者という)は、検査室に置かれた使用済みの内視鏡をガーゼや布で拭いて粘液、血液、汚物を十分に落とした後、内視鏡を洗浄室に運ぶ。洗浄室には、洗浄台(シンク)、洗浄装置が設置されている。洗浄室において洗浄者は、まず内視鏡を手洗浄する。次に手洗浄済みの内視鏡を洗浄装置に設置し、内視鏡を機械洗浄する。最後に洗浄済みの内視鏡を保管庫にしまう。本実施の形態では、これらの工程の内、手洗浄工程に焦点を当てる。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る内視鏡洗浄作業支援装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように本実施の形態では、内視鏡洗浄作業支援装置1をタブレット端末装置で構成する例を説明する。内視鏡洗浄作業支援装置1は、内視鏡を手洗浄するための洗浄台(シンク)の近傍に設置される。具体的には内視鏡洗浄作業支援装置1は、洗浄者が内視鏡を手洗浄する際に、タッチパネルディスプレイ30が、洗浄者の視野に入る位置および向きに設置される。
【0013】
内視鏡洗浄作業支援装置1はタグ読取装置2と接続される。内視鏡洗浄作業支援装置1とタグ読取装置2間は例えば、Lightning(登録商標)ケーブルやUSBケーブル等の有線で接続されてもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線で接続されてもよい。図1では有線で接続する例を描いている。
【0014】
各内視鏡には、RFID(Radio Frequency Identifier)等のタグが取り付けられている。また各洗浄者は、RFID等のタグが内蔵されたIDカードを保持している。洗浄者は、内視鏡の洗浄を開始する前に、内視鏡のタグをタグ読取装置2にかざす。タグ読取装置2は、かざされた内視鏡のタグから、当該内視鏡の型式を含む内視鏡情報を読み取り、読み取った内視鏡情報を内視鏡洗浄作業支援装置1に送信する。
【0015】
また洗浄者は、内視鏡の洗浄を開始する前に、自己のIDカードをタグ読取装置2にかざす。タグ読取装置2は、かざされたIDカードのタグから、当該洗浄者の識別情報を含む洗浄者情報を読み取り、読み取った洗浄者情報を内視鏡洗浄作業支援装置1に送信する。
【0016】
内視鏡洗浄作業支援装置1によっては、本体にタグ読取機能が内蔵されている機種もある。その場合、外付けのタグ読取装置2は不要であり、洗浄者は、内視鏡およびIDカードのタグを、内視鏡洗浄作業支援装置1の本体にかざす。
【0017】
一般的に、タブレット端末装置の操作はタッチパネルディスプレイを指で触って行う。しかしながら内視鏡の手洗浄中は基本的に、洗浄者の手が塞がっている。手洗浄作業を一時中断しても手が濡れている。そこでタッチパネルディスプレイ30以外のユーザインタフェースを設置することが望ましい。図1では、タッチパネルディスプレイ30以外の操作入力装置3として、フットペダルを使用する例を描いている。
【0018】
フットペダルは、少なくとも1つのペダルを含み、各ペダルは特定の操作と関連付けられている。例えば、「進む」、「1つ戻る」、「ホームへ戻る」、「確定」といった操作と、各ペダルが関連付けられている。洗浄者は、該当するペダルを踏むことにより所望の操作を実行することができる。
【0019】
なお操作入力装置3として、フットペダルの代わりにヘッドセットを使用してもよい。その場合、洗浄者は音声入力により所望の操作を実行することができる。なお、ヘッドセットを使用する場合より入力精度は低下するが、内視鏡洗浄作業支援装置1の本体に内蔵されたマイクを用いて音声入力を行ってもよい。
【0020】
内視鏡洗浄作業支援装置1と操作入力装置3間は例えば、Lightning(登録商標)ケーブルやUSBケーブル等の有線で接続されてもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線で接続されてもよい。図1ではフットペダルを無線で接続する例を描いている。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態に係る内視鏡洗浄作業支援装置1の機能ブロックを示す図である。内視鏡洗浄作業支援装置1は、制御部10、記憶部20、表示部31、操作部32、撮像部40、操作受付部50及び受信部60を備える。
【0022】
表示部31は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを含み、制御部10から供給される画像信号を画面に表示する。操作部32は、タッチパネル及び/又は物理ボダンを含み、ユーザによる物理的な操作を電気的な操作信号に変換して操作受付部50に出力する。操作受付部50は、操作部32又は操作入力装置3から入力される操作信号を受け付けるI/Oインタフェースであり、受け付けた操作信号を制御部10に出力する。
【0023】
受信部60は、短距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、赤外線通信)の受信部である。図2では、タグ読取装置2の送信部2bから送信される無線信号を受信する。タグ読取装置2は、読取部2a及び送信部2bを含む。読取部2aは、洗浄者によりかざされたタグから内視鏡情報/洗浄者情報を読み取る。送信部2bは、読取部2aにより読み取られた内視鏡情報/洗浄者情報を短距離無線通信を利用して、受信部60に送信する。受信部60は、受信した内視鏡情報/洗浄者情報を制御部10に出力する。
【0024】
撮像部40は、内視鏡洗浄作業支援装置1の筐体の前面(タッチパネルディスプレイ30が設置される面)に設置される撮像部である。撮像部40は基本的に、内視鏡洗浄作業支援装置1のユーザを撮像するための撮像部である。撮像部40は、固体撮像素子(例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ)及び信号処理回路を備える。当該固体撮像素子は、入射光を電気信号に変換する。当該信号処理回路は、当該固体撮像素子により光電変換されて生成された画像信号に対して、A/D変換、ノイズ除去などの信号処理を施して制御部10に出力する。
【0025】
記憶部20は、洗浄マニュアルコンテンツ保持部21、手洗浄履歴保持部22、熟練度情報保持部23、熟練度/コンテンツ紐付け情報保持部24を含む。記憶部20は、不揮発性のメモリ(例えば、NAND型フラッシュメモリ)により構成される。
【0026】
洗浄マニュアルコンテンツ保持部21は、内視鏡の型式ごとに洗浄マニュアルコンテンツを保持する。洗浄マニュアルコンテンツは、洗浄者による内視鏡の手洗浄の手順を、工程ごとに静止画/動画で示したコンテンツである。手洗浄の全ての工程が静止画で示されてもよいし、動画で示されてよい。また複雑な手順を含む工程のみ動画で示され、それ以外の工程は静止画で示されてもよい。また各工程において、静止画/動画に加えて、音声ガイダンスが付加されてもよい。
【0027】
図3は、内視鏡の手洗浄の工程を分類した図である。内視鏡の手洗浄(広義)は大工程として、リークテスト工程と手洗浄工程(狭義)の2つの工程に分類される。リークテスト工程は、内視鏡に孔が空いているか否かを確認する検査工程である。手洗浄工程(狭義)は、内視鏡を洗浄者の手で実際に洗浄する工程である。
【0028】
リークテスト工程と手洗浄工程(狭義)はそれぞれ小工程として、複数の工程を含む。リークテスト工程と手洗浄工程(狭義)に含まれる各小工程の数は、内視鏡の種別に応じて異なる。基本的に高機能な内視鏡ほど工程数が多くなる。手洗浄工程(狭義)には、内視鏡から付属部品(例えば、送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓など)を外して付属部品を洗浄する工程や、チャンネル内をブラシで洗浄する工程を含む。このように手洗浄工程(狭義)の工程数は、付属部品の数やチャンネルの形状によって変わってくる。
【0029】
洗浄マニュアルコンテンツは、同じ型式の内視鏡について、洗浄者の熟練度に応じて複数種類、用意されてもよい。具体的には、熟練度が低いほど、より詳細で丁寧なコンテンツを用意する。例えば、初心者用の洗浄マニュアルコンテンツでは、一連の手順がより細かな工程に分類され、各工程が動画および音声で丁寧に説明される。反対に例えば、上級者用の洗浄マニュアルコンテンツでは、一連の手順が、より大きな単位の工程に分類され、各工程が静止画のみで示される。
【0030】
図4(a)、(b)は、熟練度情報保持部23に構築される熟練度テーブル23aと、熟練度/コンテンツ紐付け情報保持部24に構築される熟練度/コンテンツ紐付けテーブル24aの一例を示す図である。図4(a)に示す熟練度テーブル23aは、洗浄者の熟練度を、内視鏡の型式ごとに規定しているテーブルである。各洗浄者の熟練度は例えば、型式ごとの累積洗浄時間により決定されてもよいし、監督責任者による認定にもとづき決定されてもよい。
【0031】
図4(b)に示す熟練度/コンテンツ紐付けテーブル24aは、内視鏡の型式ごとに熟練度と、使用するコンテンツの関係を規定したテーブルである。なお、熟練度/コンテンツ紐付けテーブル24aは、型式ごとに複数種類のコンテンツが用意されていない場合は不要である。
【0032】
図2に戻る。手洗浄履歴保持部22は、各手洗浄の洗浄履歴を保持する。洗浄履歴には、内視鏡の識別情報、内視鏡の型式、洗浄者の識別情報、手洗浄工程(広義)の開始時刻、終了時刻が少なくとも含まれる。さらに、小工程ごとの作業時間が含まれてもよい。
【0033】
制御部10は、表示制御部11、測定部12、比較判定部13を含む。制御部10は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用できる。プロセッサとしてCPU、GPU等を利用できる。ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
【0034】
表示制御部11は、内視鏡を手洗浄するための手順を示す静止画/動画コンテンツを、工程ごとに表示部31に表示するよう制御する。洗浄者は、表示部31に表示された静止画/動画コンテンツを見ながら各工程の作業を進める。洗浄者は、1つの工程の作業が終了すると、操作入力装置3又はタッチパネルディスプレイ30に工程の更新指示を入力する。
【0035】
測定部12は各工程において、当該工程の手順を示すコンテンツを表示している時間を測定することにより、各工程の作業時間を測定する。具体的には測定部12は、現工程の手順を表示させるための入力を操作受付部50が受け付けることに起因する当該現工程の手順の開始時刻から、当該現工程の手順の終了時刻までの時間を測定する。当該現工程の手順の終了時刻は、操作受付部50が、画面表示を次の工程の手順を示すコンテンツに切り替えるための洗浄者による更新指示入力を受け付けることに起因して決定される。具体的には、現工程の手順の開始時刻として、操作受付部50が更新指示入力を受け付けた時刻を使用してもよいし、操作受付部50が更新指示入力を受け付けた後、当該現工程の手順を示すコンテンツの表示を開始させた時刻を使用してもよい。また、現工程の手順の終了時刻として、操作受付部50が更新指示入力を受け付けた時刻を使用してもよいし、操作受付部50が更新指示入力を受け付けた後、当該現工程の手順を示すコンテンツの表示を終了させた時刻を使用してもよい。
【0036】
比較判定部13は、工程ごとに定められた手順を表示する基準時間と、測定部12により測定された測定時間とを比較する。比較判定部13は、当該工程の測定時間が当該工程の基準時間より短い場合、当該工程の作業が十分に実施されていないと判定する。各工程の基準時間は、内視鏡メーカが設定してもよいし、内視鏡を使用する医療機関が設定してもよい。また各工程の基準時間は、洗浄者の熟練度に応じて異なる複数種類が設定されてもよい。また各工程の基準時間は、ガイドラインの変更や実情に応じて適宜、設定変更可能である。
【0037】
当該工程の測定時間が当該工程の基準時間より短い場合、表示制御部11は、洗浄者に対して注意を促すアラート情報を表示部31に表示する。当該表示とともにスピーカ(不図示)から、当該アラート情報を音声出力してもよい。
【0038】
(実施例1)
図5は、実施例1に係る洗浄作業支援処理の流れを示すフローチャートである。内視鏡洗浄作業支援装置1の制御部10は、手洗浄マニュアルアプリケーションを起動し(S10)、手洗浄マニュアルアプリケーションの初期画面を表示部31に表示させる(S11)。制御部10は、タグ読取装置2で読み取った内視鏡情報に含まれる内視鏡の型式を取得する(S12)。制御部10は、取得した内視鏡の型式に応じた洗浄マニュアルコンテンツを洗浄マニュアルコンテンツ保持部21から読み出す(S13)。制御部10は、読み出した洗浄マニュアルコンテンツの全工程数をパラメータSに設定し、パラメータiに1を初期値として設定する(S14)。
【0039】
なお熟練度に応じて異なる洗浄マニュアルコンテンツが用意されている場合、以下の処理を追加で実行する。制御部10は、タグ読取装置2で読み取った洗浄者情報に含まれる洗浄者IDを取得する。制御部10は、取得した洗浄者IDをもとに熟練度テーブル23aを参照して当該洗浄者の熟練度を取得する。制御部10は、熟練度/コンテンツ紐付けテーブル24aを参照して、当該内視鏡の型式および当該洗浄者の熟練度に応じた洗浄マニュアルコンテンツを読み出す。
【0040】
表示制御部11は、読み出された洗浄マニュアルコンテンツの工程iのコンテンツを表示部31の画面に表示させる(S15)。測定部12は、工程iのコンテンツの表示時間の測定を開始する(S16)。洗浄者により工程iのコンテンツの更新指示が入力されると(S17のY)、表示制御部11は工程iのコンテンツの表示を終了させ、測定部12は工程iのコンテンツの表示時間の測定を終了する(S18)。
【0041】
比較判定部13は、工程iの基準時間と測定時間を比較する(S19)。測定時間が工程iの基準時間より短い場合(S19のN)、比較判定部13は工程iの作業が不十分なおそれがあると判定する(S110)。表示制御部11は、工程iの作業が十分に実施されていない旨を表示部31の画面に表示させる(S111)。ステップS15に遷移し、工程iのコンテンツを始めから表示する(S15)。
【0042】
測定時間が工程iの基準時間以上の場合(S19のY)、パラメータiがインクリメントされる(S112)。パラメータiの値がパラメータSの値以下の間(S113のN)、ステップS15に遷移し、次の工程iのコンテンツを表示する(S15)。パラメータiの値がパラメータSの値を超えると(S113のY)、手洗浄工程(広義)の全工程の作業が終了となる。全工程の作業が終了すると、制御部10は、各工程の作業時間を含む洗浄履歴情報を手洗浄履歴保持部22に記録する。
【0043】
上記ステップS19における測定時間と基準時間との比較は、小工程ごとに実施してもよいし、大工程ごとに実施してもよい。例えば、熟練度が所定レベルより低い場合は、小工程ごとに実施し、熟練度が所定レベル以上の場合は大工程ごとに実施してもよい。
【0044】
図6は、手洗浄工程(狭義)の第1工程のコンテンツの一例を示す図である。図6に示す内視鏡型式Aの手洗浄工程(狭義)は8つの小工程で構成される。図6では第1工程である、内視鏡を洗浄液に浸漬させて、内視鏡の外側をスポンジやガーゼで拭く工程のコンテンツを示している。
【0045】
図7は、作業時間が不十分なおそれがある場合に表示されるアラート画面の一例を示す図である。図7は、図6に示した手洗浄工程(狭義)の第1工程のコンテンツの表示中に、第1工程の基準時間を経過する前に、洗浄者が「進む」のフットペダルを踏んだ際に、表示される画面を示している。この画面を見ることにより洗浄者は、第1工程の作業が不十分なおそれがあることを認識する。アラート画面の表示から所定期間が経過すると、又は洗浄者が「1つ戻る」のフットペダルを踏むと、第1工程のコンテンツが始めから表示され、第1工程の測定時間がリセットされ、測定時間のカウントが再び開始される。
【0046】
以上説明したように実施例1によれば、内視鏡の手洗浄工程(広義)において、工程ごとに定められた手順を表示する基準時間よりも、測定部12が測定した時間が短い場合に、表示制御部11はアラート情報を画面に表示させる。これにより、必要な時間をかけて洗浄するよう洗浄者に促すことができる。洗浄者は当該画面を見ることにより、現工程の作業が不十分なおそれがあることを認識することができ、現工程の作業を再度実施することができる。また各工程における作業が十分であるか否かを時間により判定するため、洗浄者による洗浄品質のばらつきを抑えることができる。
【0047】
(実施例2)
実施例2では、別のスタッフのフォロー等の割り込み作業が発生し、洗浄作業が一時中断する場合を考える。洗浄者は洗浄作業を一時中断する場合、操作入力装置3または操作部32に一時停止指示を入力する。操作受付部50が一時停止指示入力を受け付けた際、表示制御部11は、現工程の手順を表示しているコンテンツを所定の時間、巻き戻した状態で一時停止させ、測定部12は、現工程の作業時間のカウントを所定の時間、戻す。例えば、所定の時間が5秒に設定されている場合において、現工程の作業開始から20秒経過した時点で一時停止入力がなされた場合、表示制御部11はコンテンツの表示を15秒経過時点に戻し、測定部12は作業時間のカウントを20秒から15秒に変更する。このように一時停止入力がなされた際、コンテンツの表示と作業時間のカウントを所定の時間、戻すことにより、実際に洗浄者の作業が止まってから、作業者による一時停止入力までのタイムラグを補償することができる。
【0048】
また操作受付部50が一時停止指示入力を受け付けた際、表示制御部11は、現工程の手順を表示しているコンテンツを、現工程の開始時点に巻き戻した状態で一時停止させ、測定部12は、現工程の作業時間のカウントをゼロにリセットしてもよい。例えば、手洗浄工程(狭義)の第3工程のコンテンツの表示中に一時停止入力がなされると、表示制御部11はコンテンツの表示を第3工程の最初(0秒経過時点)に戻し、測定部12は第3工程の作業時間のカウントを0秒に変更する。
【0049】
このように一時停止入力がなされた際、コンテンツの表示と作業時間のカウントを現工程の初期値に戻すことにより、洗浄者が作業を再開する際、現工程の最初から作業をやり直すことができる。例えば、洗浄者が長期間、洗浄作業から離脱した場合、現工程における作業の進捗状況を忘れている場合が多い。その場合、現工程の最初から作業をやり直した方が、現工程の作業が不十分になるリスクを低下させることができる。
【0050】
以上の例は、洗浄者が洗浄作業を中断した際、洗浄者が一時停止入力をした場合の例である。以下、洗浄者が洗浄作業を中断した際、洗浄者が一時停止入力をしなかった場合の例を説明する。洗浄作業が中断したにも関わらず、洗浄者が一時停止入力をしなかった場合、制御部10は以下の方法で、洗浄作業が中断したことを認識する。
【0051】
制御部10は、現工程の基準時間経過後またはコンテンツの動画再生終了後、一定期間(例えば、30秒)、操作受付部50が次の工程に進むための更新指示入力を受け付けていない場合、現工程が実施されなかったものと判断する。
【0052】
具体的には測定部12は、測定時間が現工程の基準時間に到達した後も測定時間のカウントを継続する。比較判定部13は、測定部12により測定された測定時間と、現工程の基準時間またはコンテンツの再生時間に上記一定時間を加算したトータル時間とを比較する。表示制御部11は、測定時間がトータル時間を超過するまでに、操作受付部50が上記更新指示入力を受け付けていない場合、洗浄者に現工程のやり直しを促す情報を画面に表示させる。
【0053】
または、測定部12は、測定時間が現工程の基準時間に到達した後、新たに超過時間のカウントを開始する。比較判定部13は、測定部12により測定された超過時間と、上記一定時間とを比較する。表示制御部11は、超過時間が一定時間を超過するまでに、操作受付部50が上記更新指示入力を受け付けていない場合、洗浄者に現工程のやり直しを促す情報を画面に表示させる。なお表示制御部11は単純に、「更新操作が入力されていません。」といったメッセージを画面に表示させるだけでもよい。
【0054】
表示制御部11は例えば、現工程をやり直すか否かを選択させるための確認メッセージを画面に表示させる。洗浄者が操作入力装置3または操作部32にやり直しを選択する入力を行い、操作受付部50が当該入力を受け付けると、表示制御部11は現工程の手順を表示しているコンテンツを、現工程の開始時点に巻き戻し、測定部12は現工程の作業時間(測定時間)のカウントをゼロにリセットする。洗浄者が操作入力装置3または操作部32にやり直しを選択する入力を行わなかった場合、表示制御部11は現工程のコンテンツの表示を継続し、測定部12は現工程の作業時間(測定時間)のカウントを継続する。
【0055】
洗浄作業が中断したにも関わらず、洗浄者が一時停止入力をしなかった場合、制御部10は、撮像部40で撮像された画像をもとに洗浄作業が中断したか否かを判定してもよい。この例では、内視鏡洗浄作業支援装置1の設置位置が固定されている必要がある。例えば、洗浄台を挟んで、洗浄者と対向する位置に設置される。
【0056】
撮像部40は事前に、内視鏡を洗浄中の洗浄者の顔を1人につき複数枚、撮像する。制御部10内の画像認識部(不図示)は、撮像された複数枚の画像をもとに各洗浄者の顔識別器を生成する。内視鏡洗浄作業支援装置1が洗浄者と対向する位置に設置されている場合、正面顔の識別器が生成される。内視鏡洗浄作業支援装置1が洗浄台の側方に設置されている場合、横顔の識別器が生成される。なお、特定の洗浄者の顔識別器ではなく、一般顔の顔識別器を用いてもよい。この場合、どの洗浄者が洗浄しているかは識別できない。
【0057】
撮像部40は、表示制御部11によるコンテンツの表示中、撮像を継続する。画像認識部は、撮像部40により撮像された画像内から、上記顔識別器を用いて洗浄者の顔を検出する。制御部10は、洗浄者の顔が一定期間(例えば、30秒)、表示部31の方を向いていない場合、洗浄作業が中断したと判定する。
【0058】
具体的には測定部12は、表示制御部11によるコンテンツの表示中に、撮像された画像をもとに、洗浄者の顔が表示部31の方を向いていない非検出時間を測定する。より具体的には測定部12は、撮像された画像内において、上記顔識別器で顔を検出できなくなったときから、上記顔識別器で顔を検出できるようになったときまでの時間を測定する。比較判定部13は、測定部12により測定された非検出時間と、上記一定時間とを比較する。表示制御部11は、非検出時間が一定時間以上になると、洗浄者に現工程のやり直しを促す情報を画面に表示させる。
【0059】
表示制御部11は例えば、現工程をやり直すか否かを選択させるための確認メッセージを画面に表示させる。洗浄者が操作入力装置3または操作部32にやり直しを選択する入力を行い、操作受付部50が当該入力を受け付けると、表示制御部11は現工程の手順を表示しているコンテンツを、洗浄者の顔が表示部31の方を向いていないことを検出した時点まで巻き戻し、測定部12は現工程の作業時間のカウントを、洗浄者の顔が表示部31の方を向いていないことを検出した時点まで戻す。洗浄者が操作入力装置3または操作部32にやり直しを選択する入力を行わなかった場合、表示制御部11は現工程のコンテンツの表示を継続し、測定部12は現工程の作業時間のカウントを継続する。
【0060】
撮像部40の代わりに人感センサを用いて、洗浄作業が中断したか否かを判定してもよい。この例では、内視鏡洗浄作業支援装置1が人感センサを備えている必要がある(不図示)。人感センサは、表示部31から所定の範囲内における人の存在の有無を検知して、制御部10に出力する。制御部10は、一定期間(例えば、30秒)、表示部31から所定の範囲内に人が存在しない場合、洗浄作業が中断したと判定する。
【0061】
具体的には測定部12は、表示制御部11によるコンテンツの表示中に、表示部31から所定の範囲内に人が存在しない非検出時間を測定する。より具体的には測定部12は、人感センサの検出結果をもとに、表示部31から所定の範囲内に人が存在しなくなったときから、人が存在するようになったときまでの時間を測定する。比較判定部13は、測定部12により測定された非検出時間と、上記一定時間とを比較する。表示制御部11は、非検出時間が一定時間以上になると、洗浄者に現工程のやり直しを促す情報を画面に表示させる。
【0062】
表示制御部11は例えば、現工程をやり直すか否かを選択させるための確認メッセージを画面に表示させる。洗浄者が操作入力装置3または操作部32にやり直しを選択する入力を行い、操作受付部50が当該入力を受け付けると、表示制御部11は現工程の手順を表示しているコンテンツを、所定の範囲内に人が存在しなくなったことを検出した時点まで巻き戻し、測定部12は現工程の作業時間のカウントを、所定の範囲内に人が存在しなくなったことを検出した時点まで戻す。洗浄者が操作入力装置3または操作部32にやり直しを選択する入力を行わなかった場合、表示制御部11は現工程のコンテンツの表示を継続し、測定部12は現工程の作業時間のカウントを継続する。
【0063】
以上説明したように実施例2によれば、別のスタッフのフォロー等の割り込み作業が発生し、洗浄作業が一時中断した場合でも、中断した工程の最初または中断した位置から、コンテンツの再生を再開することにより、洗浄者はガイド表示に従って正確に手洗浄工程(広義)を実施することができる。また中断した工程の最初または中断した位置から、作業時間のカウントを再開することにより、各工程の正確な作業時間を記録することができる。
【0064】
(実施例3)
実施例3では、表示制御部11によるコンテンツの表示を開始してから、当該工程を終了させるために必要な所定の時間が経過するまで、洗浄者による更新指示入力を受け付けない工程を設ける。比較判定部13は、手洗浄工程(広義)に含まれる特定の工程について、当該工程を終了させるために必要な所定の時間と、測定部12により測定された測定時間とを比較する。表示制御部11は、操作受付部50が当該工程の次の工程の手順を表示させるための入力を受け付けた場合でも、測定時間が上記所定の時間を超過するまで、次の工程のコンテンツを表示しないように制御する。
【0065】
上記特定の工程には、重要性の高いクリティカルな工程が指定される。例えば、リークテスト工程が、上記特定の工程に指定される。内視鏡に孔が空いているか否かを検査するリークテスト工程では、内視鏡を30秒間水中に浸漬し、内視鏡から連続的に気泡が発生するか否かを確認する。表示制御部11がリークテスト工程のコンテンツの表示を開始すると、表示制御部11は30秒のカウントダウンを開始する。制御部10は、当該カウントダウンが終了するまで、洗浄者による更新指示入力を無効とする。
【0066】
図8は、実施例3に係る洗浄作業支援処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す実施例3に係るフローチャートは、図5に示した実施例1に係るフローチャートに、ステップS21−S24の処理が追加されたものである。以下、追加された処理について説明し、図5と重複する処理の説明は適宜省略する。制御部10は、洗浄マニュアルコンテンツ保持部21から洗浄マニュアルコンテンツを読み出し(S13)、読み出した洗浄マニュアルコンテンツの全工程数をパラメータSに設定し、パラメータiに1を初期値として設定する(S14)。
【0067】
制御部10は、工程iが重要な工程であるか否か判定する。工程iが重要な工程でない場合(S20のN)、図5に示したステップS15以降の処理と同じ処理が実行される。工程iが重要な工程である場合(S20のY)、表示制御部11は、工程iのコンテンツと、工程iの指定されたカウントダウンを表示部31の画面に表示させる(S25)。当該表示の開始とともに、制御部10は、洗浄者による更新指示入力の受付を禁止する。
【0068】
測定部12は、工程iのコンテンツの表示時間の測定を開始する(S22)。比較判定部13は、当該カウントダウンが終了したか否か判定する(S23)。カウントダウンが終了すると(S23のY)、制御部10は、洗浄者による更新指示入力の受付禁止を解除する(S24)。ステップS17に遷移し、洗浄者による工程iのコンテンツの更新指示入力を待つ。その他の処理は、図5に示したフローチャートの処理と同じである。
【0069】
図9は、リークテスト工程の第1工程のコンテンツの一例を示す図である。図9に示す内視鏡型式Bのリークテスト工程は2つの小工程で構成される。図9ではリークテスト工程の第1工程である、内視鏡を水中に浸漬させて、気泡が発生するか否かを観察する工程のコンテンツを示している。この画面には、工程の作業内容を示すオブジェクトに加えて、指定値(例えば、30秒)から0秒にカウントダウンするオブジェクトが重畳的に表示される。時間のオブジェクトが0秒になるまで、洗浄者による更新指示入力は受け付けられない。
【0070】
以上説明したように実施例3によれば、重要な工程について、コンテンツの表示を開始してから指定時間、洗浄者による更新指示入力を禁止することにより、重要な工程について洗浄者に、より確実な作業を促すことができる。
【0071】
(実施例4)
実施例4では、洗浄者が内視鏡を洗浄していない期間が長いほど、より詳細な手順を表示する洗浄マニュアルコンテンツを選択する。表示制御部11は当該マニュアルコンテンツを画面に表示させるよう制御する。例えば、洗浄者が対象の型式の内視鏡を基準期間よりも長い期間洗浄していない場合、当該洗浄者の当該型式の熟練度よりも低い熟練度の洗浄マニュアルコンテンツを表示する。
【0072】
図10は、実施例4に係る洗浄作業支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。内視鏡洗浄作業支援装置1の制御部10は、手洗浄マニュアルアプリケーションを起動し(S30)、手洗浄マニュアルアプリケーションの初期画面を表示部31に表示させる(S31)。制御部10は、タグ読取装置2で読み取った洗浄者情報に含まれる洗浄者の識別情報を取得する(S32)。制御部10は、タグ読取装置2で読み取った内視鏡情報に含まれる内視鏡の型式を取得する(S33)。
【0073】
制御部10は、取得した洗浄者の識別情報と内視鏡の型式をもとに手洗浄履歴保持部22を参照して、当該洗浄者が当該型式の内視鏡を最後に洗浄した日時を読み出す(S34)。制御部10は、読み出した日時から基準期間(例えば、半年)が経過しているか否かを判定する(S35)。基準期間が経過していない場合(S35のN)、制御部10は、当該内視鏡の型式および当該洗浄者の熟練度に応じた洗浄マニュアルコンテンツを読み出す(S36)。以下、図5のステップS15以降の処理を実行する。
【0074】
基準期間が経過している場合(S35のY)、制御部10は、当該内視鏡の型式に対応する初心者レベルの洗浄マニュアルコンテンツを読み出す(S37)。以下、図5のステップS15以降の処理を実行する。
【0075】
以上説明したように実施例4によれば、最後に洗浄してから長期間経過している型式の内視鏡を洗浄する場合、より詳細な手順が示されているコンテンツを表示させる。これにより、記憶が曖昧になっていることにより、洗浄作業中にミスが発生することを防止することができる。
【0076】
(実施例5)
図11は、実施例5の全体構成を示すブロック図である。実施例5では、洗浄者の監督責任者が、洗浄室に設置されたタブレット端末装置1aと同様のタブレット端末装置1bを保持する。監督責任者は通常、ナースステーションにいる。各タブレット端末装置1a、1bは、クラウドデータセンタに設置されたサーバ5に無線によりアクセスすることができる。この構成では、内視鏡の洗浄履歴情報をサーバ5の記録装置に記録することができる。なおサーバ5は、医療施設内に設置されているサーバであってもよい。
【0077】
洗浄室に設置されたタブレット端末装置1aは、ある工程の作業時間が不十分であると判定した場合、自己の表示部31にアラート情報を表示させるとともに、アラート情報をサーバ5に送信する。サーバ5は、洗浄室に設置されたタブレット端末装置1aからアラート情報を受信すると、監督責任者が保持するタブレット端末装置bに当該アラート情報を転送する。当該アラート情報には、洗浄者の名前を含める。
【0078】
監督責任者が保持するタブレット端末装置1bは、当該アラート情報を受信すると、自己の表示部31に洗浄者の名前を含むアラート情報を表示する。表示部31の画面を見た監督責任者は、表示内容をもとに該当する洗浄者を特定し、即時に指導を行うことができる。
【0079】
実施例5によれば、手洗浄において洗浄者が不十分な作業を行った場合、監督責任者から即座に指導を受けることができる。これにより、洗浄者の技量が向上するとともに、不十分な洗浄作業が見過ごされるリスクを低減することができる。実施例5は、複数の洗浄台が設置された大規模な医療施設において特に有効である。
【0080】
以上、本発明を複数の実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0081】
上記の実施の形態では、内視鏡洗浄作業支援装置1としてタブレット端末装置を使用する例を説明した。この点、タブレット端末装置の代わりに、スマートフォン端末、ファブレット端末、ウェアラブル端末、ノート型PC、デスクトップPCを使用してもよい。デスクトップPCを使用する場合、洗浄台の近傍には表示部31、操作入力装置3、タグ読取装置2が設置され、本体は離れた場所に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 内視鏡洗浄作業支援装置、 2 タグ読取装置、 2a 読取部、 2b 送信部、 3 操作入力装置、 5 サーバ、 10 制御部、 11 表示制御部、 12 測定部、 13 比較判定部、 20 記憶部、 21 洗浄マニュアルコンテンツ保持部、 22 手洗浄履歴保持部、 23 熟練度情報保持部、 24 熟練度/コンテンツ紐付け情報保持部、 30 タッチパネルディスプレイ、 31 表示部、 32 操作部、 40 撮像部、 50 操作受付部、 60 受信部。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、洗浄作業者による内視鏡の手洗浄を支援する分野に利用できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】