特表-20105544IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年5月28日
【発行日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】発光素子、表示装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/22 20060101AFI20210917BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210917BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20210917BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20210917BHJP
   H05B 33/24 20060101ALI20210917BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20210917BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20210917BHJP
【FI】
   H05B33/22 Z
   H05B33/14 A
   H01L27/32
   H05B33/26 Z
   H05B33/24
   H05B33/12 B
   G09F9/30 338
   G09F9/30 365
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2020-558340(P2020-558340)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年11月14日
(31)【優先権主張番号】特願2018-216899(P2018-216899)
(32)【優先日】2018年11月19日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 直也
(72)【発明者】
【氏名】渡部 彰
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC02
3K107CC06
3K107CC14
3K107DD10
3K107DD25
3K107DD89
3K107FF06
3K107FF15
5C094AA08
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA09
5C094HA10
(57)【要約】
本開示の発光素子は、有機EL画素の周縁部に沿って凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う絶縁膜層と、絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL画素の周縁部に沿って凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、
前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う絶縁膜層と、
前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、
前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、
を備えた発光素子。
【請求項2】
前記アノード電極部は、アノード電極本体部と、前記アノード電極本体部とは異なる電極材料で形成されている側壁部と、
を備えた請求項1記載の発光素子。
【請求項3】
前記アノード電極本体部を構成している電極材料は、前記側壁部の電極材料よりも加工選択比が高い材料とされている、
請求項2記載の発光素子。
【請求項4】
前記アノード電極部は、アノード電極本体部と、前記アノード電極本体部とは異なる電極材料で形成された側壁部を有し、前記アノード電極本体部の上層に積層された電極部と、
を備えた請求項1記載の発光素子。
【請求項5】
前記アノード電極部は、前記アノード電極本体部の上層に積層された第1特性層を備えた請求項4記載の発光素子。
【請求項6】
前記アノード電極本体部は、反射率が所定の反射率よりも高い反射率を有する材料で形成され、
前記第1特性層は、キャリア注入性が所定のキャリア注入性の高い材料で形成されている、
請求項5記載の発光素子。
【請求項7】
前記アノード電極部は、アノード電極本体部と、前記アノード電極本体部とは異なる電極材料で形成された側壁部と、前記アノード電極本体部の下層に積層された第2特性層と、
を備えた請求項1記載の発光素子。
【請求項8】
前記第2特性層は、前記アノード電極部が積層される第2絶縁膜との接着性が高い材料が用いられている、
請求項7記載の発光素子。
【請求項9】
有機EL画素の周縁部に沿って凸部を有する第1の絶縁膜層と、
前記第1の絶縁膜層を覆い、前記凸部に沿って、凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、
前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う第2の絶縁膜層と、
前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、
前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、
を備えた発光素子。
【請求項10】
有機EL画素の周縁部に沿って凹部を有する第1の絶縁膜層と、
前記第1の絶縁膜層を覆い、前記凹部の外周部に沿って、凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、
前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う第2の絶縁膜層と、
前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、
前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、
を備えた発光素子。
【請求項11】
前記アノード電極部と前記第2の絶縁膜層との境界上の地点から前記カソード電極部への最短距離で結ぶ直線を引いたときに、前記直線とアノード電極部の上面とのなす角度をθとし、前記アノード電極部と前記カソード電極部との間に、任意の電位差を印加したときに前記境界上の地点において形成される電界ベクトルと前記アノード電極部の上面とのなす角度がθ以下となるように前記側壁部の内側壁部に対向している前記第2の絶縁膜層の厚さが設定されている、
請求項10記載の発光素子。
【請求項12】
マトリックス状に配置され、それぞれ信号線及び走査線が接続された複数の発光素子と、
前記信号線を駆動する信号線駆動回路と、
前記走査線を駆動する走査線駆動回路と、
前記発光素子に電流を供給する電流源と、
を備え、
前記発光素子は、有機EL画素の周縁部に沿って凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う絶縁膜層と、前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、を備えた、
表示装置。
【請求項13】
有機EL画素は、発光部で発生した光を共振させる共振器構造を備えている、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
請求項12記載の表示装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子、表示装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置に用いられる素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)が知られている。
有機EL素子は、自発光型の素子であり、消費電力が低く、コントラスト比も大きいため、照明装置が不要であり、薄型で低消費電力の高精細な表示装置を構成することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−044890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の有機EL素子を用いた表示装置においては、有機EL素子として構成された画素開口端の有機EL薄膜箇所における電流リークが原因となる発光電流効率低下及び異常発光が認められており、輝度の低下、消費電力の増加及び色度制御性が低下する虞があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、高輝度で、消費電力の低減及び色度制御性を向上することが可能な発光素子、表示装置及び電子機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の発光素子は、有機EL画素の周縁部に沿って凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、側壁部の有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うようにアノード電極部の外縁部を覆う絶縁膜層と、絶縁膜層及びアノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の表示装置の概要構成ブロック図である。
図2】有機EL画素素子の駆動回路を2トランジスタ/1コンデンサ駆動回路として構成した場合の等価回路図である。
図3】第1実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図4】実施形態の原理説明図である。
図5】有機EL画素素子におけるアノード電極の製造工程の説明図である。
図6】第2実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図7】第3実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図8】第4実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図9】第5実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図10】第6実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図11】第7実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図12】第8実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
図13】共振器構造の第1例を説明するための模式的な断面図である。
図14】共振器構造の第2例を説明するための模式的な断面図である。
図15】共振器構造の第3例を説明するための模式的な断面図である。
図16】共振器構造の第4例を説明するための模式的な断面図である。
図17】共振器構造の第5例を説明するための模式的な断面図である。
図18】共振器構造の第6例を説明するための模式的な断面図である。
図19】共振器構造の第7例を説明するための模式的な断面図である。
図20】ディスプレイモジュールの外観説明図である。
図21】実施形態の表示装置が適用されるディスプレイ装置の外観説明図である。
図22】上記実施の形態の表示装置が適用されるディジタルカメラの外観説明図である。
図23】実施形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観説明図である。
図24】実施形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観説明図である。
図25】実施形態の表示装置が適用されるヘッドマウントディスプレイの外観説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の表示装置の概要構成ブロック図である。
表示装置10は、赤(R:波長620nm〜750nm)の光をそれぞれ発生する複数の有機EL素子11R、緑(G:波長495nm〜570nm)の光をそれぞれ発生する複数の有機EL素子11G、青(B:波長450nm〜495nm)の光をそれぞれ発生する複数の有機EL素子11Bが所定の順番でマトリックス状に配置されている。
【0009】
また表示装置10は、各有機EL画素素子11R、11G、11Bに接続された信号線DTLを駆動するための信号線駆動回路12、各有機EL画素素子11R、11G、11Bに接続された走査線SCLを駆動するための走査線駆動回路13及び電流供給線CSLを介して電流を供給する電流源14を備えている。
【0010】
上記構成において、全ての有機EL画素素子11R、11G、11Bを含む領域が表示領域15を構成している。
【0011】
図2は、有機EL画素素子の駆動回路を2トランジスタ/1コンデンサ駆動回路として構成した場合の等価回路図である。
【0012】
この2トランジスタ/1コンデンサ駆動回路(以下、2Tr/1C駆動回路という)は、ゲート端子が対応する走査線SCLに接続され、走査線駆動回路13により駆動される映像信号書込トランジスタTSigと、映像信号書込トランジスタTSigによりオン/オフ制御され、誘起EL素子の発光部ELPを駆動する駆動トランジスタTDrv、と、容量部C1と、を備えている。
【0013】
上記構成において、駆動トランジスタTDrv及び映像信号書込みトランジスタTSigは、具体的には、MOSFETとして構成されている。
【0014】
駆動トランジスタTDrvにおいて、ドレイン端子Dは、電流供給線CSLに接続されており、ソース端子Sは、発光部ELPに接続され、且つ、容量部C1の一端に接続されており、第2ノードNDを構成し、ゲート端子Gは、映像信号書込みトランジスタTSigのソース端子Sに接続され、且つ、容量部C1の他端に接続されており、第1ノードNDを構成している。
【0015】
映像信号書込みトランジスタTSigにおいて、ドレイン端子Dは、信号線DTLに接続され、ゲート端子Gは、走査線SCLに接続されている。
【0016】
[1]第1実施形態
図3は、第1実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
有機EL画素素子11R、11G、11Bは、同様の構成であるので、以下においては、有機EL画素素子11Rを例として説明する。
有機EL画素素子11Rは、第1絶縁膜層(半導体基板)21と、第1絶縁膜層21上に周縁部に凸状に形成された側壁部22を有するアノード電極部23と、電極部23の側壁部22の外側壁部22A、上面部22B、内側壁部22Cを覆うように形成された第2絶縁膜層24と、第2絶縁膜層24及び電極部23の上面を覆うように積層された有機EL層25と、有機EL層25の上面に積層され、透明電極として構成されたカソード電極部26と、を備えている。
上記構成において、アノード電極部23を構成する材料としては、アルミ合金、銀合金等が挙げられる。
また、第2絶縁膜層24を構成する材料としては、SiOx,SiON,SiN,AlOx,TaOx,HfOx,ポリイミド等が挙げられる。
【0017】
ここで実施形態の動作原理について説明する。
まず、従来の問題点について説明する。
従来においては、有機EL薄膜箇所にリークパス(リーク電流流路)が形成されており、アノード電極から注入されたホールがリークパスを介して移動することによりリーク電流が流れることとなっていた。
【0018】
このため、アノード電極から注入されてホールが有機EL層の発光に寄与しないこととなり、発光効率が低下することとなっていた。またリーク電流により有機EL層において発光を予定していない箇所で異常発光が生じ、色異常が発生する虞があった。
【0019】
図4は、実施形態の原理説明図である。
このため、本第1実施形態においては、画素側壁、すなわち、側壁部22の内側壁部22Cを覆うように(第2)絶縁膜層24を形成した。これにより、アノード電極部23の側壁部22からのホール注入を絶つことによりリーク電流を遮断する。
【0020】
さらにアノード電極部23の側壁部22において発生する電界によりアノード電極部23から有機EL層25を介してカソード電極部26に向かうホールの運動方向を有機EL層25の発光面25A側に変更する。
この結果、画素側壁部において発生する発光を抑制して発色異常を抑制することが可能となるのである。
【0021】
より詳細には、アノード電極部23と絶縁膜層24との境界上のある地点PPからカソード電極部26への最短距離(最短地点SP)で結ぶ直線SLを引いたときに、この直線SLとアノード電極部23の上面とのなす角度をθとした場合に、アノード電極部23とカソード電極部26との間に、任意の電位差を印加したときに当該地点PPにおいて形成される電界ベクトルEとアノード電極部23の上面とのなす角度がθ以下となるように側壁部22の内側壁部22Cに対向している絶縁膜層24の厚さ(絶縁膜膜厚:図4(a)において、左右方向の厚さ)tinsを設定する。
これにより、電界ベクトルE=(Ex,Ey)とすると、次式が成立するようにする。
arctan(Ey/Ex)≦θ
【0022】
この結果、ホールは、リークパスに向かうこと無く、有機EL層25の本来の発光面25Aに向かうこととなり、発光効率の低下を抑制するとともに、発色異常を抑制することが可能となる。
【0023】
次に有機EL画素素子におけるアノード電極の形成工程について簡単に説明する。
図5は、有機EL画素素子におけるアノード電極の製造工程の説明図である。
まず、第1絶縁膜層(半導体基板)21上に結合層CNTを介しPVD(Plasma Vapor Deposition)法などによりアノード電極部23を形成する(図5(a)参照)。
【0024】
続いて、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより第2絶縁膜層24を形成する(図5(b)参照)。
さらにフォトリソグラフィーにより、第2絶縁膜層24の一部にレジストマスクMSKを形成する(図5(c)参照)。
【0025】
次にエッチングを行い、レジストマスクMSKの形成されていない部分の第2絶縁膜層24をエッチングにより除去し、さらに側壁部22を形成するためにアノード電極部23の一部をエッチングにより除去する(図5(d)参照)。
これにより、アノード電極部23の周縁部には、側壁部22が凸状に形成される(図5(e)参照)。
【0026】
そして、側壁部22の内側壁部22Cを第2絶縁膜層24により覆うように、再びCVD法などにより第2絶縁膜層24を形成する(図5(f)参照)。
続いて、全面エッチバックを行い、アノード電極部23の上面側の第2絶縁膜層24を除去してアノード電極部23の側壁部22を除く上面側を露出させる(図5(g)参照)。
【0027】
以上により、第1絶縁膜層(半導体基板)21上には、側壁部22を有するアノード電極部23が形成されることとなる。
【0028】
この後、真空蒸着法あるいはスピンコート法により有機EL層25を形成し、さらにスプレー法、塗布法、CVD法、真空蒸着法あるいはスパッタ法等により、透明電極としてのカソード電極部26を形成して処理を終了する。
【0029】
以上の説明のように、本第1実施形態の有機EL画素素子によれば、有機EL画素素子開口端における有機EL層25の薄膜箇所における電流リークに起因する発光電流効率低下を抑制できるので、高輝度、低消費電力化を実現することができる。
また、電流リークに起因する異常発光を抑制できるため、色度制御性を向上することが可能となる。
【0030】
[2]第2実施形態
図6は、第2実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第2実施形態の有機EL画素素子が第1実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、アノード電極部23を構成している側壁部22に代えて、アノード電極部23の電極材料とは異なる電極材料で側壁部22−1を形成して、アノード電極部23を構成した点である。
【0031】
この場合において、アノード電極部23の本体部を形成する電極材料(電極材料M1とする)と、側壁部22−1の電極材料(電極材料M2とする)と、の加工選択比を高くして、電極材料M1のみ加工されるようにし、側壁部22−1の形状加工安定性の向上を図った点である。
【0032】
ここで、アノード電極部23を構成する電極材料M1としては、アルミ合金、銀合金等が挙げられる。
また、アノード電極部23の側壁部22−1を構成する電極材料M2としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、チタン酸化物、チタン窒化物、チタン、タンタル窒化物、タンタル等が挙げられる。
【0033】
本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、側壁部22−1の形状加工安定性が向上するため、有機EL画素素子開口端における有機EL層25の薄膜箇所における電流リークをより確実に抑制でき、第1実施形態と同様の効果をより確実に得ることが可能となる。
【0034】
[3]第3実施形態
図7は、第3実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第3実施形態の有機EL画素素子が第1実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、アノード電極部23の上層に形成された電極部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)及び側壁部22をアノード電極部23の本体23Aの電極材料とは異なる電極材料で形成して、アノード電極部23を構成した点である。
【0035】
この場合において、アノード電極部23の本体23Aの電極材料(電極材料M1とする)を反射率の高い材料とし、アノード電極部23の電極部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)及び側壁部22の電極材料(電極材料M3とする)を有機EL層25へのキャリア注入性の高い材料として、有機EL画素素子の駆動電圧及び発光効率を担保する点である。
【0036】
より具体的には、アノード電極部23の本体23Aを構成する電極材料M1としては、アルミ合金、銀合金等が挙げられる。
また、アノード電極部23の上層部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)及び側壁部22を構成する電極材料M3としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等が挙げられる。
【0037】
本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、有機EL画素素子の駆動電圧及び発光効率を担保することができる。
【0038】
[4]第4実施形態
図8は、第4実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第4実施形態の有機EL画素素子が第3実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、側壁部22に代えて、アノード電極部23の電極部(第1特性層)23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)の電極材料とは異なる電極材料で側壁部22−1を形成して、アノード電極部23を構成した点である。
【0039】
この場合において、アノード電極部23の本体部23Aを形成する電極材料M1を反射率の高い材料とする。
また、アノード電極部23の電極部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)の電極材料M2を有機EL層25へのキャリア注入性の高い材料とする。
【0040】
さらに、側壁部22−1の電極材料(電極材料M3とする)を、電極材料M2との加工選択比を高い材料として、電極材料M2のみ加工されるようにし、側壁部22−1の形状加工安定性の向上を図った点である。
この場合において、アノード電極部23を構成する電極材料M1としては、アルミ合金、銀合金等が挙げられる。
【0041】
また、アノード電極部23の上層部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)の電極材料M2としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等が挙げられる。
【0042】
また、側壁部22−1を構成する電極材料M3としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、チタン酸化物、チタン窒化物、チタン、タンタル窒化物、タンタル等が挙げられる。
【0043】
本第4実施形態によれば、第3実施形態の効果に加えて側壁部22−1の形状加工安定性が向上するため、有機EL画素素子開口端における有機EL層25の薄膜箇所における電流リークをより確実に抑制でき、第1実施形態と同様の効果をより確実に得ることが可能となる。
【0044】
[5]第5実施形態
図9は、第5実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第5実施形態の有機EL画素素子が第1実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、アノード電極部23の下層部23C(アノード電極部23/第1絶縁膜層21接合部)を、アノード電極部23の本体部23Dの電極材料とは異なる電極材料で形成して、アノード電極部23を構成した点である。
【0045】
この場合において、アノード電極部23の下層部23C(アノード電極部23/第1絶縁膜層21接合部)を構成する電極材料(電極材料M4という)としては、側壁部22を含むアノード電極部23の本体部を形成する電極材料M1及び第1絶縁膜層21との接着性が高い材料を用いる。
【0046】
例えば、側壁部22を含むアノード電極部23の本体部を形成する電極材料M1としては、アルミ合金、銀合金等が挙げられる。
また、アノード電極部23の下層部23C(アノード電極部23/第1絶縁膜層21接合部)を構成する電極材料M4)としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、チタン酸化物、チタン窒化物、チタン、タンタル窒化物、タンタル等が挙げられる。
【0047】
本第5実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、側壁部22を含むアノード電極部23の本体部を形成する電極材料M1が第1絶縁層21から剥離するのを抑制でき、より信頼性の高い有機EL画素素子を構成することが可能となる。
【0048】
[6]第6実施形態
図10は、第6実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第6実施形態の有機EL画素素子が第1実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、側壁部22に代えて、アノード電極部23の上層部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)の電極材料とは異なる電極材料で側壁部22−2を形成した点、アノード電極部23の上層部23F(有機EL層25/アノード電極部23接合部)をアノード電極部23の本体23Eの電極材料とは異なる電極材料で形成した点、及び、アノード電極部23の下層部23C(アノード電極部23/第1絶縁膜層21接合部)を、アノード電極部23の本体部23Eの電極材料とは異なる電極材料で形成した点である。
【0049】
この場合において、アノード電極部23の本体部23Eを形成する電極材料(電極材料M1とする)と、側壁部22−2の電極材料(電極材料M2とする)と、の加工選択比を高くして、電極材料M1のみ加工されるようにし、側壁部22−2の形状加工安定性の向上が図られている。
【0050】
また、アノード電極部23の上層部23F(有機EL層25/アノード電極部23接合部)の電極材料M3を有機EL層25へのキャリア注入性の高い材料とする。
さらにアノード電極部23の下層部23C(アノード電極部23/第1絶縁膜層21接合部)を構成する電極材料(電極材料M4という)としては、アノード電極部23の本体部23Eを形成する電極材料M1及び第1絶縁膜層21との接着性が高い材料を用いる。
例えば、アノード電極部23の本体部23Eを形成する電極材料M1としては、アルミ合金、銀合金等が挙げられる。
【0051】
また、アノード電極部23の上層部23B(有機EL層25/アノード電極部23接合部)の電極材料M2としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等が挙げられる。
また、側壁部22−1を構成する電極材料M3としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、チタン酸化物、チタン窒化物、チタン、タンタル窒化物、タンタル等が挙げられる。
【0052】
さらにまた、アノード電極部23の下層部23C(アノード電極部23/第1絶縁膜層21接合部)を構成する電極材料M4)としては、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、チタン酸化物、チタン窒化物、チタン、タンタル窒化物、タンタル等が挙げられる。
【0053】
本第6実施形態によれば、第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態及び第5実施形態の効果を得ることが可能となる。
【0054】
[7]第7実施形態
図11は、第7実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第7実施形態の有機EL画素素子が第1実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、第1絶縁膜層21に代えて、側壁部22-3を形成するための凸部21−aを有する第1絶縁膜層21−1を備え、第1絶縁層膜21−1を上面から覆う形状を有するアノード電極部23を形成した点である。
【0055】
本第7実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、比較的加工が容易な第1絶縁膜層21−1に凸部21−aを形成し、この凸部21−aを被覆するように、アノード電極部23を形成しているので、側壁部22−3の加工性御性を向上することができる。
【0056】
[8]第8実施形態
図12は、第8実施形態の有機EL画素素子の基本構成の説明図である。
第8施形態の有機EL画素素子が第1実施形態の有機EL画素素子と異なる点は、第1絶縁膜層21に代えて、側壁部22-3を形成するための凹部を有する第1絶縁膜層21−2を備え、第1絶縁層膜21−1を上面から覆う形状を有するアノード電極部23を形成した点である。
【0057】
本第8実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、比較的加工が容易な第1絶縁膜層21−1に凹部を形成し、この凹部及び凹部周囲を被覆するように、アノード電極部23を形成しているので、第7実施形態の場合と比較してより一層、側壁部22−4の加工性御性を向上することができる。
【0058】
[9]各実施形態に適用される共振器構造の例
上述した本開示に係る表示装置に用いられる有機EL画素素子は、発光部ELPで発生した光を共振させる共振器構造を備えている構成とすることができる。以下、図を参照して、共振器構造について説明する。
【0059】
(共振器構造:第1例)
図13は、共振器構造の第1例を説明するための模式的な断面図である。
【0060】
第1例において、第1電極(アノード電極部)31は、各有機EL画素素子11R、11G、11Bにおいて共通の膜厚で形成されている。第2電極(カソード電極部)61においても同様である。
【0061】
有機EL画素素子11R、11G、11Bの第1電極31の下に、光学調整層72(=72,72,72)を挟んだ状態で、反射板71がそれぞれ配されている。反射板71と第2電極61との間に有機層40(=40,40,40)が発生する光を共振させる共振器構造が形成される。
【0062】
反射板71は、各発光部50において共通の膜厚で形成されている。光学調整層72の膜厚は、画素が表示すべき色に応じて異なっている。光学調整層72,72,72が異なる膜厚を有することにより、表示すべき色に応じた光の波長に最適な共振を生ずる光学的距離を設定することができる。
【0063】
図に示す例では、有機EL画素素子11R、11G、11Bにおける反射板71の上面は揃うように配置されている。上述したように、光学調整層72,72,72の膜厚は、画素が表示すべき色に応じて異なっているので、第2電極61の上面の位置は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて相違する。
【0064】
反射板71は、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属、あるいは、これらを主成分とする合金を用いて形成することができる。
【0065】
光学調整層72,72,72は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiO)などの無機絶縁材料や、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂などといった有機樹脂材料を用いてから構成することができる。光学調整層72は単層でも良いし、これら複数の材料の積層膜であってもよい。また、発光部50の種類に応じて積層数が異なっても良い。
【0066】
第1電極31は、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)などの透明導電材料を用いて形成することができる。
【0067】
第2電極61は、半透過反射膜として機能する必要がある。第2電極61は、マグネシウム(Mg)や銀(Ag)、またはこれらを主成分とするマグネシウム銀合金(MgAg)、さらには、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含んだ合金などを用いて形成することができる。
【0068】
(共振器構造:第2例)
図14は、共振器構造の第2例を説明するための模式的な断面図である。
【0069】
第2例においても、第1電極31や第2電極61は各発光部50において共通の膜厚で形成されている。
【0070】
そして、第2例においても、発光部50の第1電極31の下に、光学調整層72を挟んだ状態で、反射板71が配される。反射板71と第2電極61との間に有機層40が発生する光を共振させる共振器構造が形成される。第1例と同様に、反射板71は各発光部50において共通の膜厚で形成されており、光学調整層72の膜厚は、画素が表示すべき色に応じて異なっている。
【0071】
図13に示す第1例においては、有機EL画素素子11R、11G、11Bにおける反射板71の上面は揃うように配置され、第2電極61の上面の位置は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて相違していた。
【0072】
これに対し、図14に示す第2例において、第2電極61の上面は、発光部50,50,50で揃うように配置されている。第2電極61の上面を揃えるために、有機EL画素素子11R、11G、11Bにおいて反射板71の上面は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて異なるように配置されている。このため、反射板71の下面(換言すれば、図に符号73に示す下地73の面)は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じた階段形状となる。
【0073】
反射板71、光学調整層72、第1電極31および第2電極61を構成する材料などについては、第1例において説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
(共振器構造:第3例)
図15は、共振器構造の第3例を説明するための模式的な断面図である。
【0075】
第3例においても、第1電極31や第2電極61は各有機EL画素素子11R、11G、11Bにおいて共通の膜厚で形成されている。
【0076】
そして、第3例においても、有機EL画素素子11R、11G、11Bの第1電極31の下に、光学調整層72(=72,72,72)を挟んだ状態で、反射板71(=71,71,71)が配される。反射板71と第2電極61との間に、有機層40(=40,40,40)が発生する光を共振させる共振器構造が形成される。第1例や第2例と同様に、光学調整層72,72,72の膜厚は、画素が表示すべき色に応じて異なっている。そして、第2例と同様に、第2電極61の上面の位置は、有機EL画素素子11R、11G、11Bは揃うように配置されている。
【0077】
図14に示す第2例にあっては、第2電極61の上面を揃えるために、反射板71の下面は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じた階段形状であった。
【0078】
これに対し、図15に示す第3例において、反射板71(=71,71,71)の膜厚は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて異なるように設定されている。より具体的には、反射板71,71,71の下面が揃うように膜厚が設定されている。
【0079】
反射板71、光学調整層72、第1電極31および第2電極61を構成する材料などについては、第1例において説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0080】
(共振器構造:第4例)
図16は、共振器構造の第4例を説明するための模式的な断面図である。
【0081】
図13に示す第1例において、各有機EL画素素子11R、11G、11Bの第1電極31や第2電極61は、共通の膜厚で形成されおり、有機EL画素素子11R、11G、11Bの第1電極31の下に、光学調整層72を挟んだ状態で、反射板71が配されていた。
【0082】
これに対し、図16に示す第4例では、光学調整層72を省略し、第1電極31の膜厚を、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて異なるように設定した。
【0083】
反射板71は各有機EL画素素子11R、11G、11Bにおいて共通の膜厚で形成されている。第1電極31,31,31の膜厚は、画素が表示すべき色に応じて異なっている。第1電極31,31,31が異なる膜厚を有することにより、表示すべき色に応じた光の波長に最適な共振を生ずる光学的距離を設定することができる。
【0084】
反射板71、光学調整層72、第1電極31および第2電極61を構成する材料などについては、第1例において説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0085】
(共振器構造:第5例)
図17は、共振器構造の第5例を説明するための模式的な断面図である。
【0086】
図13に示す第1例においては、第1電極31や第2電極61は各発光部50において共通の膜厚で形成されており、有機EL画素素子11R、11G、11Bの第1電極31の下に、光学調整層72(=72,72,72)を挟んだ状態で、反射板71が配されていた。
【0087】
これに対し、図17に示す第5例にあっては、光学調整層72(=72,72,72)を省略し、代わりに、反射板71の表面に酸化膜74(=74,74,74)を形成した。酸化膜74,74,74の膜厚は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて異なるように設定した。
【0088】
酸化膜74の膜厚は、画素が表示すべき色に応じて異なっている。酸化膜74,74,74が異なる膜厚を有することにより、表示すべき色に応じた光の波長に最適な共振を生ずる光学的距離を設定することができる。
【0089】
酸化膜74は、反射板71の表面を酸化した膜であって、例えば、アルミニウム酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物などから構成される。酸化膜74は、反射板71と第2電極61との間の光路長(光学的距離)を調整するための絶縁膜として機能する。
【0090】
有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて膜厚が異なる酸化膜74は、例えば、以下のようにして形成することができる。
【0091】
先ず、容器の中に電解液を充填し、反射板71が形成された基板を電解液の中に浸漬する。また、反射板71と対向するように電極を配置する。
【0092】
そして、電極を基準として正電圧を反射板71に印加して、反射板71を陽極酸化する。陽極酸化による酸化膜の膜厚は、電極に対する電圧値に比例する。そこで、反射板71、71、71のそれぞれに有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じた電圧を印加した状態で陽極酸化を行う。これによって、膜厚の異なる酸化膜74,74,74を一括して形成することができる。
【0093】
反射板71、第1電極31および第2電極61を構成する材料などについては、第1例において説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0094】
(共振器構造:第6例)
図18は、共振器構造の第6例を説明するための模式的な断面図である。
【0095】
第6例において、有機EL画素素子11R、11G、11Bは、第1電極31と有機層40と第2電極61とが積層されて構成されている。但し、第6例において、第1電極31は、電極と反射板の機能を兼ねるように形成されている。このため、第1電極(兼反射板)31(=31,31,31)は、有機EL画素素子11R、11G、11Bの種類に応じて選択された光学定数を有する材料によって形成されている。第1電極(兼反射板)31による位相シフトが異なることによって、表示すべき色に応じた光の波長に最適な共振を生ずる光学的距離を設定することができる。
【0096】
第1電極(兼反射板)31は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)などの単体金属や、これらを主成分とする合金から構成することができる。例えば、有機EL画素素子11Rの第1電極(兼反射板)31を銅(Cu)で形成し、有機EL画素素子11Gの第1電極(兼反射板)31と有機EL画素素子11Bの第1電極(兼反射板)31とをアルミニウムで形成するといった構成とすることができる。
【0097】
第2電極61を構成する材料などについては、第1例において説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0098】
(共振器構造:第7例)
図19は、共振器構造の第7例を説明するための模式的な断面図である。
【0099】
第7例は、基本的には、有機EL画素素子11R、11Gについては第6例と同構成を適用し、有機EL画素素子11Bについては第1例と同構成を適用したといった構成である。この構成においても、表示すべき色に応じた光の波長に最適な共振を生ずる光学的距離を設定することができる。
【0100】
有機EL画素素子11R、11Gに用いられる第1電極(兼反射板)31,31は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)などの単体金属や、これらを主成分とする合金から構成することができる。
【0101】
有機EL画素素子11Bに用いられる、反射板71、光学調整層72および第1電極31を構成する材料などについては、第1例において説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0102】
図20は、ディスプレイモジュールの外観説明図である。
上記各実施形態の表示装置10は、例えば、図20に示すようなディスプレイモジュール30として、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このディスプレイモジュール30は、特にビデオカメラや一眼レフカメラのビューファインダーあるいはヘッドマウント型ディスプレイなど高解像度が要求され、目の近くで拡大して使用されるものに適する。
【0103】
このディスプレイモジュール30は、例えば、封止用基板21の一端側に、表示装置10の信号線駆動回路12および走査線駆動回路13の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成し、外部接続端子に、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)31を設けたものである。なお、フレキシブルプリント配線基板31を設けずに封止用基板21の一端側に設けた外部接続端子に配線を行うようにすることも可能である。
【0104】
(適用例1)
図21は、実施形態の表示装置が適用されるディスプレイ装置の外観説明図である。
ディスプレイ装置(テレビジョン装置を含む)40は、例えば、フロントパネル41およびフィルターガラス42を含む映像表示画面部43を有しており、この映像表示画面部43は、各実施形態に係る表示装置10により構成されている。
【0105】
(適用例2)
図22は、上記実施の形態の表示装置が適用されるディジタルカメラの外観説明図である。
ディジタルカメラ50は、例えば、シャッターボタン51、フラッシュ用の発光部52、表示装置10及びメニュースイッチ53を有している。
【0106】
(適用例3)
図19は、実施形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観説明図である。
ノート型パーソナルコンピュータ60は、例えば、表示部61、文字等の入力操作のためのキーボード62および本体部63を有しており、その表示部61としては、各実施形態に係る表示装置10を備えて構成されている。
【0107】
(適用例4)
図24は、実施形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観説明図である。
ビデオカメラ70は、例えば、表示部71、スタート/ストップスイッチ72、レンズ73及び本体部74を有しており、その表示部71としては、各実施形態に係る表示装置10を備えて構成されている。
【0108】
(適用例5)
図25は、実施形態の表示装置が適用されるヘッドマウントディスプレイの外観説明図である。
ヘッドマウントディスプレイ80は、例えば、眼鏡型の表示部81と、この表示部81の両側に設けられ、ヘッドマウントディスプレイ80を使用者の頭部に装着するための耳かけ部材82、83と、ヘッドマウントディスプレイ80に表示信号を入力するためのケーブル部84とを備えている。
上記構成において、表示部81として、実施形態の表示装置10を用いている。
【0109】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0110】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0111】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
有機EL画素の周縁部に沿って凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、
前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う絶縁膜層と、
前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、
前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、
を備えた発光素子。
(2)
前記アノード電極部は、アノード電極本体部と、前記アノード電極本体部とは異なる電極材料で形成されている側壁部と、
を備えた(1)記載の発光素子。
(3)
前記アノード電極本体部を構成している電極材料は、前記側壁部の電極材料よりも加工選択比が高い材料とされている、
(2)記載の発光素子。
(4)
前記アノード電極部は、アノード電極本体部と、前記アノード電極本体部とは異なる電極材料で形成された側壁部を有し、前記アノード電極本体部の上層に積層された電極部と、
を備えた(1)記載の発光素子。
(5)
前記アノード電極部は、前記アノード電極本体部の上層に積層された第1特性層を備えた(4)記載の発光素子。
(6)
前記アノード電極本体部は、反射率が所定の反射率よりも高い反射率を有する材料で形成され、
前記第1特性層は、キャリア注入性が所定のキャリア注入性の高い材料で形成されている、
(5)記載の発光素子。
(7)
前記アノード電極部は、アノード電極本体部と、前記アノード電極本体部とは異なる電極材料で形成された側壁部と、前記アノード電極本体部の下層に積層された第2特性層と、
を備えた(1)記載の発光素子。
(8)
前記第2特性層は、前記アノード電極部が積層される第2絶縁膜との接着性が高い材料が用いられている、
(7)記載の発光素子。
(9)
有機EL画素の周縁部に沿って凸部を有する第1の絶縁膜層と、
前記第1の絶縁膜層を覆い、前記凸部に沿って、凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、
前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う第2の絶縁膜層と、
前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、
前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、
を備えた発光素子。
(10)
有機EL画素の周縁部に沿って凹部を有する第1の絶縁膜層と、
前記第1の絶縁膜層を覆い、前記凹部の外周部に沿って、凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、
前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う第2の絶縁膜層と、
前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、
前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、
を備えた発光素子。
(11)
前記アノード電極部と前記第2絶縁膜層との境界上の地点から前記カソード電極部への最短距離で結ぶ直線を引いたときに、前記直線とアノード電極部23の上面とのなす角度をθとし、前記アノード電極部と前記カソード電極部との間に、任意の電位差を印加したときに前記境界上の地点において形成される電界ベクトルと前記アノード電極部の上面とのなす角度がθ以下となるように前記側壁部の内側壁部に対向している前記第2絶縁膜層の厚さが設定されている、
(1)〜(10)記載の発光素子。
(12)
マトリックス状に配置され、それぞれ信号線及び走査線が接続された複数の発光素子と、
前記信号線を駆動する信号線駆動回路と、
前記走査線を駆動する走査線駆動回路と、
前記発光素子に電流を供給する電流源と、
を備え、
前記発光素子は、有機EL画素の周縁部に沿って凸状の側壁部が形成されたアノード電極部と、前記側壁部の前記有機EL画素の発光部側の側壁を所定の膜厚で覆うように前記アノード電極部の外縁部を覆う絶縁膜層と、前記絶縁膜層及び前記アノード電極部の上面を覆うように積層された有機EL層と、前記有機EL層の上面に積層されたカソード電極部と、を備えた、
表示装置。
(13)
有機EL画素は、発光部で発生した光を共振させる共振器構造を備えている、
(12)に記載の表示装置。
(14)
(12)記載の表示装置を備えた電子機器。
【符号の説明】
【0112】
10 表示装置
11R、11G、11B 有機EL画素素子
12 信号線駆動回路
13 走査線駆動回路
14 電流源
21 第1絶縁膜層
22 側壁部
22A 外側壁部
22C 内側壁部
23 アノード電極部
24 第2絶縁膜層
25 有機EL層
26 カソード電極部
31,31,31,31 第1電極
40,40,40,40 有機層
61 第2電極
71,71,71,71 反射板
72,72,72 光学調整層
73 下地の面
74,74,74 酸化膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】