特表-20166048IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2020-166048ガス成分のモニタ方法及びその装置並びにそれを用いた処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年8月20日
【発行日】2021年2月18日
(54)【発明の名称】ガス成分のモニタ方法及びその装置並びにそれを用いた処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20210122BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20210122BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20210122BHJP
   G01N 21/73 20060101ALI20210122BHJP
【FI】
   H01L21/302 103
   H01L21/31 C
   C23C16/44 E
   G01N21/73
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2020-512901(P2020-512901)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年2月15日
(11)【特許番号】特許第6807488号(P6807488)
(45)【特許公報発行日】2021年1月6日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小川 芳文
(72)【発明者】
【氏名】高妻 豊
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 勝
【テーマコード(参考)】
2G043
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043AA03
2G043CA02
2G043EA06
2G043EA08
2G043JA01
4K030KA39
4K030KA41
4K030KA45
5F004BB18
5F004BD01
5F004BD04
5F004CB02
5F004CB03
5F004CB15
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA26
5F004DB10
5F045AA08
5F045AC16
5F045AC17
5F045DP03
5F045EG01
5F045GB07
(57)【要約】
被加工物の設置位置より下流側で再励起してプラズマを形成し、その発光をモニタするガス成分モニタ部を備えたガス成分モニタ装置において、ガス成分モニタ部を、導入ガスを供給する導入ガス供給部と、導入ガス供給部から供給された導入ガスを通す孔とこの孔の途中で排気配管部を流れる分析対象のガスの一部を穴の内部に取り込む開口部が形成されたノズル部と、開口部からノズル部の内部に取り込んだ分析対象のガスと孔の内部に供給された導入ガスとを放電させてノズルの内部にプラズマを発生させる放電電極部と、放電電極部によりノズルの内部に発生させたプラズマの発光を検出する発光検出部とを備えて構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置から排気されて排気配管部を流れる分析対象のガスの成分をガス成分モニタ装置を用いてモニタするガス成分モニタ方法であって、
前記ガス成分モニタ装置の導入ガス供給部から前記ガス成分モニタ装置のノズル部を貫通する孔の内部に導入ガスを導入し、
前記排気配管部を流れる前記分析対象のガスの一部を前記ノズル部を貫通する前記孔の途中に設けられた開口部から前記孔の内部に取り込み、
前記ノズル部の前記孔の内部における前記導入ガス供給部から前記導入ガスが導入され前記開口部から前記分析対象のガスが取り込まれた部分を含む領域において前記ガス成分モニタ装置の放電電極により放電してプラズマを発生させ、
発生させた前記プラズマの発光を前記ノズル部の前記孔を通して前記ガス成分モニタ装置の発光検出部で検出し、
前記発光検出部で検出した前記プラズマの発光の情報に基づいて前記分析対象のガスの成分をモニタする
ことを特徴とするガス成分モニタ方法。
【請求項2】
請求項1記載のガス成分モニタ方法であって、前記発光検出部により前記ノズル部の内部で発生した前記プラズマの発光を、光を透過する採光ポートを介して検出することを特徴とするガス成分モニタ方法。
【請求項3】
請求項2記載のガス成分モニタ方法であって、前記導入ガス供給部により前記ノズル部と前記採光ポートとの間から前記ノズル部の内部に前記導入ガスを供給することを特徴とするガス成分モニタ方法。
【請求項4】
請求項2記載のガス成分モニタ方法であって、前記ノズル部の前記孔には、前記採光ポートの側と前記開口部との間に形成された一部が狭くなったオリフィス部が形成されており、前記導入ガス供給部から供給された前記導入ガスを、前記オリフィス部を通して前記開口部が形成された側に供給することを特徴とするガス成分モニタ方法。
【請求項5】
請求項1記載のガス成分モニタ方法であって、前記分析対象のガスを排気ポンプで前記排気配管部から排気しながら前記ノズル部に形成した前記開口部から前記分析対象のガスの一部を前記孔の内部に取り込むことを特徴とするガス成分モニタ方法。
【請求項6】
処理装置から排気された分析対象のガスの一部を流す排気配管部と、
前記排気配管部を流れる前記分析対象のガスの成分をモニタするガス成分モニタ部と
を備えたガス成分モニタ装置であって、
前記ガス成分モニタ部は、
導入ガスを供給する導入ガス供給部と、
前記導入ガス供給部から供給された前記導入ガスを通す孔と前記孔の途中で前記排気配管部を流れる前記分析対象のガスの一部を前記孔の内部に取り込む開口部が形成されたノズル部と、
前記開口部から前記ノズル部の内部に取り込んだ前記分析対象のガスと前記孔の内部に供給された前記導入ガスとを放電させて前記ノズル部の内部にプラズマを発生させる放電電極部と、
前記放電電極部により前記ノズル部の内部に発生させた前記プラズマの発光を検出する発光検出部と
を備えることを特徴とするガス成分モニタ装置。
【請求項7】
請求項6記載のガス成分モニタ装置であって、前記発光検出部は、前記ノズル部の内部で発生した前記プラズマの発光を、光を透過する材料で形成された採光ポートを介して検出することを特徴とするガス成分モニタ装置。
【請求項8】
請求項7記載のガス成分モニタ装置であって、前記導入ガス供給部は、前記ノズル部と前記採光ポートとの間から前記ノズル部の内部に前記導入ガスを供給することを特徴とするガス成分モニタ装置。
【請求項9】
請求項7記載のガス成分モニタ装置であって、前記ノズル部の前記孔は、前記採光ポートの側と前記開口部との間に一部が狭くなったオリフィス部が形成されていることを特徴とするガス成分モニタ装置。
【請求項10】
請求項6記載のガス成分モニタ装置であって、前記排気配管部は前記分析対象のガスを前記排気配管部から排気する排気ポンプを備えることを特徴とするガス成分モニタ装置。
【請求項11】
処理対象に試料を載置する載置台を内部に備えた処理装置本体と、
前記処理装置本体の内部を真空に排気する排気部と、
前記処理装置本体の内部に処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
前記排気部で真空に排気され前記処理ガス供給部から前記処理ガスが供給されている前記処理装置本体の内部で放電して前記処理装置本体の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
前記排気部により前記処理装置本体の内部から排気される前記処理ガス供給部から供給された前記処理ガスの成分をモニタするガス成分モニタ装置と
を備えた処理装置であって、
前記ガス成分モニタ装置は、
分析対象のガスを流す排気配管部と、
前記排気配管部を流れる前記分析対象のガスの成分をモニタするガス成分モニタ部と
を備え、
前記ガス成分モニタ部は、
導入ガスを供給する導入ガス供給部と、
前記導入ガス供給部から供給された前記導入ガスを通す孔と前記孔の途中で前記排気配管部を流れる前記分析対象のガスの一部を前記孔の内部に取り込む開口部が形成されたノズル部と、
前記開口部から前記ノズル部の内部に取り込んだ前記分析対象のガスと前記孔の内部に供給された前記導入ガスとを放電させて前記ノズル部の内部にプラズマを発生させる放電電極部と、
前記放電電極部により前記ノズル部の内部に発生させた前記プラズマの発光を検出する発光検出部と
を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項12】
請求項11記載の処理装置であって、前記発光検出部は、前記ノズル部の内部で発生した前記プラズマの発光を、光を透過する採光ポートを介して検出することを特徴とする処理装置。
【請求項13】
請求項12記載の処理装置であって、前記導入ガス供給部は、前記ノズル部と前記採光ポートとの間から前記ノズル部の内部に前記導入ガスを供給することを特徴とする処理装置。
【請求項14】
請求項12記載の処理装置であって、前記ノズル部の前記孔は、前記採光ポートの側と前記開口部との間に一部が狭くなったオリフィス部が形成されていることを特徴とする処理装置。
【請求項15】
請求項11記載の処理装置であって、前記排気配管部は前記分析対象のガスを前記排気配管部から排気する排気ポンプを備えることを特徴とする処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチングやCVDやアッシング、表面改質などプロセスガスを用いて被処理物を加工する処理装置のガス成分のモニタ、及び処理終了のモニタ(終点検出)するための方法とその装置並びにそれを用いた処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体素子製造や、液晶、太陽電池といった電気素子の製作に、プロセスガスと呼ばれる高純度のさまざまな性質のガスを用いて、ウエハ等の被加工材料に処理をほどこす製造装置は今や欠くことのできない重要な産業機械である。これらプロセスガスは、処理のレシピのステップの情報に従って、マス・フロー・コントローラなどの流量制御器やガスバルブを通して処理室や反応リアクタ(チャンバー)に導入されプロセスガスをプラズマ化したり、高温で反応させたりして、被加工材料にエッチングやCVD、アッシング、表面改質、拡散といった加工を施す。
【0003】
例えば直接被加工材料や壁面にプラズマを接触させるエッチングやクリーニングを実施する場合は、チャンバーからのプラズマ発光を(波長で)分光して、特定ガス成分からの発光の強度の経時的な変化をモニタすることで、エッチング処理の終了(終点)や壁面クリーニングの終了(終点)の時間をモニタできる。このモニタ手法を発光分光分析(OES:Optical Emission Spectroscopy)法という。
【0004】
チャンバー内のガス成分や終点をモニタする他の方法として、イオン質量分析、ガス・クロマトグラフィー、原子(分子)ガス吸光といった異なる原理を元とする手法や、更に被処理物の薄膜干渉光から膜厚計測する干渉膜厚測定(FTM: Film Thickness Monitor)法、さらには水晶振動子に実際の膜を付着させて誘電容量の変化で膜厚計測する水晶式膜厚モニタ用検出器などがプロセス処理の進行状況をモニタする手法として存在する。実際の処理装置では、これらの検出手段の中で前出のOESがその応答性の良さや正確性から、および装置(システム)の簡便さから終点検出用で最も多用されている。
【0005】
ところで、生成されたプラズマからのガスを多数の貫通した開孔を有する緩衝板(石英製やアルミニウム製)を通して被処理材料や壁面に導入することで荷電粒子(イオンおよび電子)を取り除いたラジカルとしての励起ガスを用いて処理したり、触媒化学気相体積(CAT‐CVD:Catalytic Chemical Vapor Deposition, Hot Wire CVD)法やHot Wire Etchingでガス成分をイオン化せず、触媒や熱によってガスを励起して処理したりする、いわゆるラジカル反応を主体とする処理では、ガス成分が発光モニタ波長(通常250〜800nm程度)で十分な輝線スペクトルとして発光しないために、OESでは明確な信号スペクトルが得難い。
【0006】
ラジカル反応では、プラズマ反応と比べて、エネルギーが低く抑制されているために、分子のクラッキングやイオン化等に伴う再結合が積極的に行われてないことによる。再結合で中性分子に戻ったり、電子がより低い安定した準位に戻ったりするときにそれぞれのエネルギー差に対応した、分子(原子)固有の波長の光を発するからである。
【0007】
これを解決する手段として、古くから特開昭58−84431号公報(特許文献1)にみられるような、排気されたガスを別のプラズマ源によって再度プラズマ化して発光分析する方法が提案されている。またこの手法においては、特開昭60−247924号公報(特許文献2)にあるように、より低圧力側で発光スペクトルが際立ちS/N比が良好になることが知られている。
【0008】
更に、最近では特開2013−191875号公報(特許文献3)で示されているように、下流側のガスを同様にプラズマ化するが、そのプラズマの電気特性をモニタして終点を検出する手法もある。
【0009】
一方、米国特許第5,892,364号明細書(特許文献4)には、誘電体バリア放電を利用したプラズマ源を用いて処理ガスを再プラズマ化して、検出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭58−84431号公報
【特許文献2】特開昭60−247924号公報
【特許文献3】特開2013−191875号公報
【特許文献4】米国特許第5,892,364号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】田村 他;プラズマ・触媒ハイブリッドによるパルスCH4/CO2改質と反応機構解明;静電気学会誌 第40巻 第1 号(2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
プロセス処理を行う陰圧下のチャンバーからの排気ガスを新たに別のプラズマ源で励起して発光をモニタする手法において、プロセス処理で未反応のまだ活性なガスが排気ガス中に存在するために、採光用のビューポート(通常材質は石英、もしくは透光性アルミナ)の表面を腐食や反応で曇らせて、またはデポ成分が付着して発光強度が経時的に低下する問題がある。
【0013】
また同様に活性なガスにより放電部の電極を構成する金属部材が変質したり、腐食して削られたりする問題もある。これら電極部の材質は削られにくく、また簡単に交換できるような材料や構成が望ましい。
【0014】
またガス成分をモニタする目的からは、以下の四つの点が重要になる。一つは排気ガスの中の目的とするガス成分をいかに多く再励起したプラズマに取り込めるかが、S/N比の向上や安定な検出を行う上で重要になる。二つ目は、発光するだけの十分な電子温度、プラズマ密度、もしくは真空紫外発光成分を有し、排気ガスの成分が発光するに足る十分なエネルギーを持つプラズマを構築するのが重要である。
【0015】
三つ目は、プラズマ発光部に対してどのように採光するかであり、効率に良くプラズマ光を取り込む必要がある。四つ目はレスポンス、時定数の問題である。終点を検出しようとする再放電部に放電部周辺からの反応生成物のデポからのガス成分が混じるとS/N比が低下するので、放電部にデポ等を発生させない工夫が重要となる。
【0016】
本発明は、これら被加工物の設置位置より下流側で再励起してプラズマを形成し、その発光をモニタする手法において、放電部のメンテナンス性の良い、デポを回避でき、採光が効率よくできる十分な活性化エネルギーを有するプラズマ源の構造を提供し、効率の良いモニタ手段及び装置並びにそれを用いた処理装置を新たに提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記した課題を解決するために、本発明では、処理装置から排気されて排気配管部を流れる分析対象のガスの成分を発光分光分析装置でモニタするガス成分モニタ装置を用いる方法において、ガス成分モニタ装置には外部から新たにガスを供給することにした。ガス成分モニタ装置のノズル部を貫通する孔の内部にガス供給部からこのガスを導入し、排気配管部を流れる分析対象のガスの一部をノズル部の途中に設けられた開口部から孔の内部に取り込む。ノズル部の孔の内部における導入ガスの供給部から分析対象のガスが取り込まれた部分を含む領域において、ガス成分モニタ装置に設けた放電電極により放電させてプラズマを発生させ、発生させたプラズマの発光をノズル部の孔を通してガス成分モニタ装置の発光検出部で検出し、この発光検出部で検出したプラズマの発光の情報に基づいて分析対象のガスの成分をモニタするようにした。
【0018】
また、上記した採光用のビューポートが曇ることに対する課題は、供給ガスにアルゴン(Ar)等の不活性なガスを用いて、採光用のビューポートの接ガス部をこの不活性なガスで覆うことで解決できる。また、上記した放電部の電極の金属部材が変質したり、腐食したりする課題は、電極の金属部材の表面を誘電体で覆った誘電体バリア放電を用いることで、金属部材は清浄に保ったまま、消耗した誘電体のみを交換することで達成できる。また本発明では、処理装置から排気された分析対象のガスをいわゆる真空エジェクタ方式で取り込んでいるため、再励起したプラズマに排気配管部を流れる分析対象のガスの成分をより多く取り込める。ガス成分モニタ装置が取り付けられた排気配管中の圧力を配慮し、誘電体バリア放電に適した圧力となるように、供給ガスの流量やエジェクタ部を形成するノズルや開口部の形状を適正化するのは言うまでもない。
また、上記したプラズマのエネルギーに対する課題は、誘電体バリア放電に供給する導入ガスをアルゴン(Ar)のみでなく、ヘリウム(He)が混入したガスとすることで、より大きな解離エネルギーが得られることで解決できる。
また、プラズマが発生しているノズル内部表面を、端部に設けた採光用のビューポートから観察することで、最も効率よく発光が取り込める。
さらに、上記したレスポンス、時定数に影響を与えるデポの課題は、被加工物の処理がリアクタ(チャンバー)で開始するより前からガス成分モニタ装置でプラズマを発生させて、この間はノズル内のデポのクリーニングにあてることにより解決できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、被処理物より下流側に新たに誘電体バリア放電等で形成にしたプラズマによる排気ガス成分による発光を放電部導入ガスの上流側から採光、モニタすること、およびエジェクタ機能で排気ガスを積極的にプラズマに取り込むことで、ラジカル反応を主体とする被処理物のプロセス処理における反応の進行の状況のモニタ、終点時間を効率よく、タイムラグなしに、S/N比を向上させて検出することができる。
【0020】
また、本発明によれば、1フランジにこれら機能を集約させて構成し、このモニタシステムを品質、性能を管理することで、メンンナンス性の良い、機差を発生させないモニタ方法、モニタシステム(装置)及びそれを用いた処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による処理装置の概略の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の排気経路に設けるガス成分のモニタ装置の構成略図である。
図3】本発明における他の実施例を。示す構成略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ラジカル反応を主体とするいわゆる発光しないプロセス処理においては、処理の終了(終点)の検出が難しい。再度排ガスを励起して終点検出する手法は開示されてきたが、処理装置に組み込むには放電部、受光部それぞれ個別に設けたり、装置が高価で大掛かりであったりする課題があった。
【0023】
本発明では、被加工物を処理したあとの下流の排ガスを、受光部、導入ガス部、電磁界印加部を大気側に、アース電極部を真空側に設けた一体型の発光モニタ装置を排気配管の途中に用い、再度プラズマ化して発光させ、ガスを特定(分光)して処理の終点を検出する。エジェクタ機能で排ガスを取り込んで誘電体バリア放電を絶縁内筒内に発生させ、それを大気圧側から採光する。コンパクトで受光効率の良いガス成分のモニタ方法及びその装置を提供する。
【0024】
また、本発明は、被加工物の設置位置より下流側で再励起してプラズマを形成し、その発光をモニタする手法において、放電部のメンテナンス性の良い、デポを回避でき、採光が効率よくできる十分な活性化エネルギーを有するプラズマ源の構造を提供し、効率の良いモニタ手段及び装置並びそれを用いた処理装置を新たに提供するものである。
【0025】
まず、再励起してプラズマを形成するのに用いるプラズマ源については、特許文献4に記載されている誘電体バリア放電を利用することにした。セルの中でプラズマを形成し、そのプラズマビームを他のガスや材料に触れさせてその励起された発光スペクトルを得てガス成分の分析によって終点を判定する。ただし、この際に、より積極的に排気ガスをプラズマに取り込むために、ノズル構造とガス取り込み口、ガス拡散部を有するいわゆるエジェクタ構造にして、その部分で主に放電させることにした。
【0026】
排気ガスはこの放電部のエジェクタ構造のためにプラズマ中に吸引されて、効率よく発光する。ガスのモニタとしては、特定スペクトル(波長)の発光強度の経時的な変化を追いかけることでもよい。
【0027】
また例えばヘリウム(He)を導入ガスに混入した場合には、Heイオンの輝線スペクトル706.5nm, 587.6nm,および388.9nmのどれかの波長光の発光強度と、目的の排気ガス成分の発光強度(例えばタングステンWの400.9nm, 407.4nm、429.5nm等)の波長光の発光強度の比や強度の差分を指標としてモニタしても効率よくガス濃度の変化(エッチング進行状況)、エッチング終点をモニタすることができる。
【0028】
導入ガスには、特許文献4にも記載されているように「不活性ガスを用いて、アルゴン、ヘリウム、窒素、キセノン、クリプトン、ネオン、またはそれらの混合物を含むことが好ましい」ということは何ら変わるところはない。これら不活性ガス以外にも、酸素を導入ガスにして、放電部常を酸化雰囲気に置くことも、プロセス(例えばレジストのアッシング)によってはデポがより効率よく回避できるので有効である。
【0029】
但し採光部については、エジェクタ構造をした放電部の上流側、すなわちこの不活性ガス導入側の端面に設けることにした。常時不活性ガスを流すことにより採光のビューポートに未反応ガスを含む排気ガスが接触する機会が減じられて、表面荒れや曇り(変質層の形成)更には表面へのデポ物の発生が抑制される。同時に、筒状のセル内で形成された円筒状のプラズマ光を効率良く受光できる。この際放電部を形成している誘電体表面からの反射光も採光の光量増大に貢献する。
【0030】
プラズマ流(プラズマトーチ)としてセルの外に拡散するプラズマで励起された反応ガスの発光もこのセルの先端に形成されるが、この光もセル内の円筒部を通して最上流の採光部で効率良く受光できる。
【0031】
一般的に誘電体バリア放電では電極である金属はプラズマにさらされないので消耗しない。電極を覆った誘電体(石英、アルミナ、イットリア等)は消耗する可能性があり、この放電部表面の誘電体のみを消耗品として運用すれば、運転効率が良い。
【0032】
以上示したように不活性ガス等の導入ガスを用いる誘電体バリア放電に、エジェクタ機能で排気ガスを引き込む機能を設け、その放電光を導入ガス上流側に設けたポートから採光することにより、効率の良いOESのガスモニタ、終点判定方法と装置が実現できる。
【0033】
もちろん本発明では誘電体バリア放電を例にして説明するが、供給ガスをメインにしてその円筒内で長手方向に放電させて、その供給ガスの上流側に設けたポートから採光する手法は誘電体バリア放電に限らず、他の放電方式(CCP(Capacitive Coupled Plasma: 容量結合プラズマ)、ICP(Inductively Coupled Plasma: 誘導結合プラズマ),マイクロ波放電、マグネトロン放電など)でも活用できることは、言うまでもない。
【0034】
以下に、本発明の各実施形態を、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0035】
本発明の第1の実施例として、ガス成分のモニタ方法及びその装置を用いた処理装置について説明する。
【0036】
図1は、本実施例にかかる処理装置の概略の構成を示すブロック図である。本実施例に係る100の処理装置は、エッチングやCVDやアッシング、表面改質などプラズマ中で励起したプロセスガスを用いて被処理物を加工する装置であって、101の処理対象の試料(被加工物)を載置する111の載置台を内部に備えた110の処理装置本体と、処理装置本体の内部を排気して所望の圧力状態を維持させる113の排気ポンプと、110処理装置本体110のガスや反応生成物を排気するための主排気管112を備えている。また主排気管112の途中には、145の圧力調整手段と、146の主配管仕切弁、および本発明の150のガス成分モニタ装置を備えている。主排気管112は、152の排出管を介して113の排気ポンプに接続されている。120のガス供給部から処理ガス(プロセスガス)が供給されて所望の圧力に維持された130のプラズマ発生源に電力を供給してプラズマを発生させると、発生したプラズマは、処理装置本体110の内部に拡散し、載置台111に載置された試料101の処理が開始される。載置台111には温度を制御する140の温度制御部を備えている。
【0037】
本実施例に係る処理装置本体110は、更に、184の導入管仕切弁を備えた151の導入管を介して115の排気手段に接続されている。排気手段115には低圧を形成するためターボ分子ポンプなどのより大排気量を有するポンプが用いられる。導入管仕切弁184のは、単に封止するだけでなく、圧力調整も可能な開度可変の弁体を有している。排気手段115の下流側には150’の第2のガス成分モニタ装置が備えられている。吐出配管153から出たガスは排出管152を介して、排気ポンプ113に接続されている。ガス成分モニタ装置150および150’で採光された光は、それぞれ4および4’の石英ファイバーを介して4−1および4−1’のそれぞれの分光器に導かれて、そこで分光して検出され、電気信号に変換される。
【0038】
本実施例に係る処理装置100は、制御部160で制御される。即ち、ガス供給部120、プラズマ発生源130、試料101の搬送を制御する載置台111、温度制御部140、圧力調整手段145、主配管仕切弁146、導入管仕切弁184、排気手段115、ガス成分モニタ装置150および150’、分光器4−1および4−1’、および排気ポンプ113は、それぞれ160の制御部と直接または間接的に接続されており、制御部160により制御される。図1において、制御部160と各制御先の機器への接続の状態は図示を省略した。制御部160は、更に上位の制御システム(図示せず)と通信回線等を介して接続されていてもよい。
【0039】
図1に示した構成は、一例であって、本特許で規定するのはこの図1の構成に限るものではない。
図1に示した構成の処理装置100において、先ず、処理対象の試料101を減圧下で、システム全体の搬送機構(図示せず)を用いて、載置台111に載置して温度制御部140により試料101を所定の温度への制御を開始する。搬送時に開口させたゲート弁(図示せず)などを閉じて、処理装置本体110の内部を搬送機構と隔絶する。次に、主排気管112の経路で排気するか、導入管151の低真空側の経路で排気するかを設定されたレシピに従って切り替えて使用しない経路側の仕切弁は閉じられる。ガス供給部120から処理ガス(プロセスガス)を処理装置本体110の内部に供給し、同時に、本発明のガス成分モニタ装置150もしくは150’を稼働させて、内部にプラズマを発生させる。処理装置本体110の内部が所望の圧力に維持され、試料101が規定の温度内に制御できたら、プラズマ発生源130に電力(印加装置は図示せず)を供給して作動させてプラズマを形成する。発生したプラズマ成分は処理装置本体110の内部に拡散する。
【0040】
載置台111に載置された試料101の表面は、プラズマで形成されたラジカルやイオン、および気相中の未反応な中性粒子や表面に吸着したガスとの競合反応により、表面がエッチング処理される。この試料101の表面から離脱した処理済のガスは、試料101の構成粒子(元素、分子)を含んでおり表面の状態(エッチング対象膜の表面からの消失等)の状況反映している。また処理ガスの成分(例えば塩素やフッ素といったエッチャント)もまた試料101の表面状態に応じて増減する。処理装置本体110の内部から排気される処理済のガスが、ガス成分モニタ装置150もしくは150’に導かれて、最終的には排気ポンプ113で排出される。
【0041】
このとき、ガス成分モニタ装置150もしくは150’に導かれた処理済のガスの一部は、ガス成分モニタ装置150もしくは150’は、22−2のプラズマ形成用電源をONして電力が印加されて発光し、それぞれの分光器4−1もしくは4−1’により成分が分析され、その分析した結果が制御部160に送られる。
【0042】
制御部160において、ガスの成分分析の経時的な変化を、予め記憶しておいたアルゴリズムに従って処理することによりエッチング処理の終点を検出する。レシピに従った処理が終了したら、プラズマ発生源130への電力の供給を停止させてプラズマを消滅させてから、処理ガス(プロセスガス)の供給を停止させて、試料101の表面の処理を終了させる。本発明のガス成分モニタ装置150もしくは150’のプラズマ形成用電源22−2はこのとき停止させてプラズマを消しても良いし、次の試料の処理までに起動したままでプラズマを形成しておいても良い。試料101が搬送可能な規定温度になったら、処理装置本体110から搬出し、次の試料を搬入する。これらを繰り返して、複数枚の処理を連続して処理できる。
【0043】
本実施例によれば、ガス成分モニタ装置150もしくは150’を用いて処理済のガスを効率よく成分モニタできるようにしたので、試料101の表面のプラズマ処理の終点を精度よく検出することができる。なお本発明のガス成分モニタ装置150もしくは150’をそれぞれの排気系経路に個別に設けたが、2つの経路が合流したあと、すなわち排気ポンプ113の上流にガス成分モニタ装置150を一つ設けることにしても、本発明で説明する機能や得られる効果に対して何ら変わるものではない。
【実施例2】
【0044】
本実施例においては、実施例1で説明したガス成分モニタ装置150もしくは150’の具体的な構成と、それを用いたガス成分のモニタ方法について説明する。
【0045】
図2は、処理装置100(図1参照)の処理装置本体110の内部において、載置台111に載置された被加工物である試料101(図1参照)より下流側の排気経路に設けられた構成を示している。ガス成分モニタ装置150もしくは150’は、大気部155と真空部156を備えて構成されている。
【0046】
処理装置本体110の内部において、未反応のプロセスガスや反応生成物を含んだ処理済みのガスは、図2の右手側のKFフランジ44(Inlet)を介して、主排気管112に接続された導入管151から導入され、下側のKFフランジ45(Outlet)から吸引される。これらのKFフランジ44および45は、それぞれクイックカップラー46、47で主排気管112もしくは吐出配管153(図1参照)の一部を形成している。
【0047】
図2において、41は排気管で、KFフランジ44と45でいわゆるL型のエルボー形状をしたひとつの排気配管部を形成しており、下流側に向かってガス成分モニタ装置150もしくは150’(図1参照)を挿入して取り付けるためのケーシングを形成している。図2においてはこのような取付けにしたが、取り付けるポートをこのL型エルボー形状に限るものではない。
図2において、KFフランジ(Outlet)45の反対側、図2の上部が本発明のガス成分モニタ装置150もしくは150’(図1参照)の取り付けポートである。ガス成分モニタ装置150もしくは150’(図1参照)は、36のグランドヘッドノズルに組み付けられた大気部155が、グランドヘッドノズル36に設けたO−リング33を軸シールとして真空(減圧側)と遮断されて、組み付けられている。
【0048】
大気部155の各構成の要素を以下に説明する。1は受光部ケースで、2はミラーで、3がコリメータ、4が石英ファイバーである。ミラー2とコリメータ3とは、受光部ケース1の内部に納められている。石英ファイバー4は分光器4−1の受光素子(図示せず)に接続されており、各波長の光強度を電気信号として取り出す機能を別途有する。
【0049】
分光器4−1で取り出された各波長の光強度に応じた電気信号は、制御部160へ送られて、処理装置本体110の内部における試料101のプラズマ処理の終点が検出される。
【0050】
9が採光ポートで石英、もしくは透光性アルミナが用いられる。採光ポート9の周囲はOーリング11で軸シールされている。8はポートオサエで、このポートオサエ8にも採光のための貫通孔8−1が設けられている。
【0051】
7はベースガス導入部で、採光ポート9の下部に、フランジ13に形成したガス導入孔7−1を通して導入ガスを供給する。このベースガス導入部7からは、通常はマス・フロー・コントローラ(MFC:図示せず)等を介して一定流量に制限されたヘリウム(He)ガスが混入されたアルゴン(Ar)ガス導入される。本実施例では導入ガスをHe)ガスが混入されたアルゴン(Ar)ガスとしたが、アルゴンガス単独、もしくは窒素、キセノン、クリプトン、ネオン、またはそれらの混合ガス、もしくは酸素ガスであっても何ら問題はない。必要なエネルギーレベルが得られるガスを導入ガスとして選択する。
【0052】
フランジ13は、29の第1ノズルの上部と電極ケース15との間を電気的に絶縁する第1ゼツエン17との間を、Oリング12でシールされている。また、フランジ13とベースガス導入部7との間は、Oリング10でシールされている。
【0053】
ミラー2の光軸中心、ポートオサエ8の貫通孔8−1、これらと同一軸上に貫通孔291を有する第1ノズル29と、更に32の第2ノズルが設けられている。第1ノズル29と第2ノズル32とは、アルミナ、透光性アルミナ、窒化アルミあるいは石英などの誘電体で形成されている。第1ノズル29は、導入ガスオリフィス部29−3を有していて、ベースガス導入部7から供給された導入ガスの流速を増大させるとともに、処理済みのガスやプラズマを構成する粒子が採光ポート9の側に戻りにくくしてある。
【0054】
上部のO−リング18と下部のO−リング33の間の第1ノズル29の外側は大気圧になっており、この部分に上部のセンターリング材27と下部のセンターリング材28を用いて電極26が第1ノズル29の外周に設けられている。電極26の最内側表面と第1ノズル29の内部の貫通孔291の表面が一定の距離を保っていて、電磁界印加電極構成部29−1を形成している。
【0055】
これら上部のセンターリング材27、下部のセンターリング材28には、フッ素樹脂系のOリングを用いたが、プラズマを形成する貫通孔291の表面と第1ノズル29の外周の電極26の金属表面との距離が円周方向でバラルキが出ないように略同心円状に配置するのが目的であり、その目的が達成できるのであれば、このフッ素樹脂の材料に限るものではない。また第1ノズル29の上部で、アースに対するインピーダンスを大きくとるために、第1ゼツエン17、電極26の周囲は第2ゼツエン19と第3ゼツエン20で空間的な距離や沿面距離が大きめに設けられている。
【0056】
電極26には、導電軸25、銅板23、コネクタ22を介して、導入ケーブル22−1とプラズマ形成用電源22−2に接続されている。もちろんこれらコネクタ22より外部に高周波位相調整を目的にマッチング・ネーットワーク回路(図示せず)を設けても良い。プラズマ形成用電源22−2は制御部160と接続されており、制御部160により制御される。
【0057】
導電軸25は、絶縁部材21で電極ケース15と電気的に絶縁されている。また、電極ケース15には、着脱可能な蓋部24が取り付けられており、蓋部24を電極ケース15から取り外した状態で、導電軸25、銅板23の電極ケース15への取り付け、取り外しを行うことができる。
【0058】
次に、真空部156の各構成の要素を以下に説明する。
【0059】
第2ノズル32には大気とのシール部分はなく、全体が真空部156の雰囲気中に設置されるが、グランド電極形成部29−2の先端附近でセンターリング材40によって第1ノズル29と同軸配置になるように位置決めしている。同軸配置の位置決めを気にするのは、第2ノズル32の内壁で、周方向でインピーダンスの差が生じ、特定位置に集中して放電が継続することを避けるのが目的である。センターリング材40にはフッ素樹脂系のOリングを用いたが、このフッ素樹脂の材料に限るものではない。電磁界印加電極構成部29−1から見える最もプラズマインピーダンスの小さいアース電極として、グランド電極形成部29−2を第2ノズル32の先端に設けることはいうまでもない。第1ノズル29の最下部とこれに差し込まれた第2ノズル32の上部と、ゼツエンブッシュ37で、ガス吸引エジェクタ形成部29−4を構成している。ゼツエンブッシュ37は、ヌケドメビス38でグランドヘッドノズル36に固定されている。KFフランジ44から導入された処理済みのガスの一部がゼツエンブッシュ37の開口部37−1からガスの粘性により吸引されて、32−1の吸引空間に引き込まれる。
【0060】
また図2に示した大気部155や真空部156からの電磁的な漏洩を発生させないため、比較的に大面積で密閉しないといけない部分については、第1電磁シールドライン16、第2電磁シールドライン35、第3電磁シールドライン39が設けられている。これらは電気的な密閉性は有するが、通常真空シール材としての機能はない。
【0061】
次に図2を用いて、本実施例のガス成分のモニタ方法及びその装置の動作を説明する。本実施例で使用するガス成分モニタ装置150用のプラズマ形成用電源22−2については、試料101を加工するためにプラズマを形成するプラズマ発生源130に使用する電力(印加装置は図示せず)と同様に、安全および機器の保護の観点から、真空下でないとONできないようにするインターロックを制御部160に設けた。
【0062】
ガス供給部120から供給される可燃性ガスや自燃性ガスの供給量や制御圧力が適切なときでないと、本実施例の誘電体バリア放電用のプラズマ形成用電源22−2がONできないようにして、さらなる安全を担保した。図2には示していないが、このガス成分モニタ装置150やこれを設置する配管の全体を覆って窒素等の不活性ガスで内部をパージするような防爆機能を設けても良い。
【0063】
プラズマ形成用電源22−2には10KHzから1000MHzの高周波電源を設けることが可能であるが、本実施例では400KHzの出力300Wの高周波電源を設けた。ベースガス導入部7から導入するガスを大気圧下換算で5〜1000ml/minの流量で供給しておく。この流量は、処理プロセスのレシピ処理条件ごとに、安定な放電が得られるように適正化しておく。ベースガス導入部7からガス導入孔7−1を通して導入された導入ガスは、第1ノズル29の導入ガスオリフィス部29−3で絞られるために、この導入ガスオリフィス部29−3を通過後に流速が増大する。処理装置本体110内部での被加工物である試料101の処理レシピの開始とともに、もしくは開始より以前に、この本実施例に係るガス成分モニタ装置150のプラズマ形成用電源22−2を起動させる。これにより、電磁界印加電極構成部29−1とグランド電極形成部29−2とのあいだで、いわゆる誘電体バリア放電が発生する。
【0064】
処理装置本体110内部にガス供給部120から供給された処理ガス(プロセスガス)は、プラズマ発生源130に供給された電力により励起されて処理装置本体110内部に拡散し、載置台111に載置された試料101を処理して、処理済のガスは、主排気管112から排気ポンプ113により排出される。あるいはレシピに従って、駆動部Aで駆動されて主配管仕切弁146が閉じられて駆動部Mで駆動されて導入管仕切弁184が開かれて、排気手段115を経由する経路に切り替えられる。排気される処理済のガスのうちの一部は、ガス成分モニタ装置150あるいは150’の開口部37−1から吸引されて、誘電体バリア放電のプラズマに添加される。
【0065】
この放電で形成されたプラズマは高いプラズマ密度とプラズマ電位を持っており、導入ガスのArやHeを励起したりイオン化させたり、またガス吸引エジェクタ形成部29−4から取り込んだ処理装置本体110内部で処理済みのガス分子をクラッキングしたり励起したりする。例えばHeがHeイオンから電子を受け取り中性粒子に戻るときや、 Heラジカルとして励起された軌道からより低い軌道に電子が落ちる場合はその差分のエネルギーを光として放出するが、この光エネルギーも処理済ガスのクラッキングやラジカルへの励起に使用されることになるが、終点を検出する目的ではHeからの励起であってもなんの問題もない。
【0066】
Heやその他のガス分子が再結合や基底状態に戻るときに発せられた光は、第2ノズル32の貫通孔32−1、第1ノズル29の貫通孔291、導入ガスオリフィス部29−3、さらには採光ポート9を介して大気中に取り出され、ポートオサエ8の貫通孔8−1、ミラー2、コリメータ3、石英ファイバー4を介して受光される。採光ポート9の大気側でない下側(第1ノズル29の側)はHeに満たされており、反応生成物や他のガス分子との接触もないので、採光ポート9には透過光量の低下もなく、長期安定して使用することができる。
【0067】
即ち、本実施例では、採光ポート9と導入ガスプラズマ形成域50との間にベースガス導入部7から不活性ガスを導入し、かつ、導入ガスオリフィス部29−3を設けたことにより、導入ガスプラズマ形成域50で発生したプラズマが採光ポート9まで到達しないように構成した。これにより、採光ポート9のプラズマによる劣化を防止することができ、採光ポート9を介して導入ガスプラズマ形成域50でのプラズマの発光にほぼ忠実な光を安定して受光することができるようになった。
【0068】
図2には、導入ガスプラズマ形成域50と、排気ガス吸引域51との模式図も示してある。図示したように、プラズマ形成の条件によっては、グランドヘッドノズル36の先端の第2ノズル32の下方空間部にも導入ガスプラズマ形成域50が拡散され、再結合や基底状態に戻るときにこの導入ガスプラズマ形成域50において発光するが、その際もこれらの貫通孔32−1,291や採光ポート9を介した方向から、貫通孔8−1、ミラー2、コリメータ3、石英ファイバー4を介して効率よく採光し、分光器4−1で検出することができる。
【0069】
また電磁界印加電極構成部29−1とグランド電極形成部29−2の間にプラズマが形成されて、この位置には荷電粒子のイオンや電子が多数存在し、第1ノズル29の貫通孔291と第2ノズル32の貫通孔32−1の内壁を荷電粒子入射や輻射で適度に加温できるので、貫通孔291と32−1の壁面にデポが発生するのを抑制することができる。更に電磁界印加電極構成部29−1の電極26は大気側に配設されているので、適度に熱が逃げて、電極26での極度な熱の上昇を抑制できる。
【0070】
ところで、グランドヘッドノズル36は先端を絞っており、処理済みガスの排気流れを阻害しない構造になっており、通常のL型排気配管(90度湾曲パイプを用いるタイプ)に比べて極端な排気速度の低下を招くこともない。
【0071】
分光器4−1では、石英ファイバー4を介して送られてきた導入ガスプラズマ形成域50における発光を検出して、各波長の光強度に応じた電気信号が取り出され、制御部160へ送られて、処理装置本体110の内部における試料101のプラズマ処理の終点が処理のアルゴリズムに従って検出される。この時、石英ファイバー4を介して送られてくる導入ガスプラズマ形成域50における発光は、ガス成分モニタ装置150を上記に説明したような構成とすることにより、導入ガスプラズマ形成域50から石英ファイバー4で経時変化による信号強度の劣化がほとんど無い。その結果、分光器4−1では、石英ファイバー4から、導入ガスプラズマ形成域50における発光にほぼ忠実な光を受光することができる。
【0072】
このような導入ガスプラズマ形成域50における発光を検出した分光器4−1の出力信号を受けて、制御部160において、特定スペクトル(波長)の発光強度の経時的な変化を追いかけることで、ガス成分をモニタすることができる。また、このガス成分をモニタした結果として、処理装置における処理の終点、例えばエッチング処理の終点を検出することができる。
【0073】
また例えばヘリウム(He)を導入ガスに用いた場合には、Heイオンの輝線スペクトル発光強度と、目的の排気ガス成分の波長光の発光強度の比や強度の差分を指標としてモニタしても効率よくガス成分のモニタ、例えばガス濃度の変化(エッチング進行状況)をモニタすることができる。また、このガス成分をモニタした結果として、プラズマ処理装置におけるプラズマ処理の終点、例えばエッチング処理の終点を検出することができる。
【0074】
これにより、処理装置本体110の内部における試料101のプラズマ処理の終点を、比較的簡素な構成のガス成分モニタ装置を用いて、毎回の処理ごとに精度よく検出することができるようになり、プラズマ処理の品質を一様に維持することができるようになった。
【0075】
本実施例によれば、被処理物より下流側に新たに誘電体バリア放電等で形成にしたプラズマによる排気ガス成分による発光を放電部導入ガスの上流側から採光、モニタすること、およびエジェクタ機能で排気ガスを積極的にプラズマに取り込むことで、ラジカル反応を主体とする被処理物のプロセス処理における反応の進行の状況のモニタ、終点時間を効率よく、タイムラグなしに、S/N比を向上させて検出することができる。
【実施例3】
【0076】
実施例2で説明したガス成分モニタ装置150の大気部155の別の実施例について、図3を用いて説明する。図3に示したガス成分モニタ装置1551は、実施例2において図2で説明したガス成分モニタ装置150の構成及び動作とほぼ同じであるので、図2で説明した大気部155と共通する部分には同じ部品番号を付して、説明を省略する。
【0077】
図2の構成との違いは、図2の第1ノズル29を、図3では、ノズル(1)30とノズル(2)31に分割したことである。図3ではノズル(1)30は石英で、ノズル(2)31は透光性アルミナで形成した。導入ガスオリフィス部31−1を形成するのに、石英の方がアルミナに比べて加工性が良く、複数台製作したときの装置間の発光モニタする上での性能差を縮小することができる。図3では、ノズル(1)30を石英製としたが、全体の機能で図2の装置と何ら変わるところはなく、同様に再励起したプラズマ光の採光ができる。
【0078】
本実施例によれば、実施例2と同等の効果が得られることに加えて、装置間の発光モニタの性能差が小さいガス成分モニタ装置150を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、半導体デバイスの製造工程における、処理ガスを用いて処理装置でウェハを処理する工程において、処理装置による処理の終点を検出することに用いられる。
【符号の説明】
【0080】
1・・・受光部ケース 2・・・ミラー 3・・・コリメータ 4・・・石英ファイバー 4−1・・・分光器 7・・・ベースガス導入部 8・・・ポートオサエ 9・・・採光ポート 13・・・フランジ 15・・・電極ケース 22−2・・・プラズマ形成用電源 25・・・導電軸 26・・・電極 29・・・第1ノズル 29−1・・・電磁界印加電極構成部 29−2・・・グランド電極形成部 29−3・・・導入ガスオリフィス部 29−4・・・ガス吸引エジェクタ形成部 30・・・ノズル(1) 31・・・ノズル(2) 32・・・第2ノズル 36・・・グランドヘッドノズル 41・・・排気管 100・・・処理装置 110・・・処理装置本体 112・・・主排気管 113・・・排気ポンプ 115・・・排気手段 120・・・ガス供給部 130・・・プラズマ発生源 150,150’,1551・・・ガス成分モニタ装置 155・・・大気部 156・・・真空部。
図1
図2
図3
【国際調査報告】