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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年9月10日
【発行日】2021年3月11日
(54)【発明の名称】吸収性物品の個包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20210212BHJP
   A61F 13/56 20060101ALN20210212BHJP
【FI】
   A61F13/15 220
   A61F13/15 140
   A61F13/56 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】特願2020-542674(P2020-542674)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2020年3月5日
(31)【優先権主張番号】特願2019-41014(P2019-41014)
(32)【優先日】2019年3月6日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】林 俊久
(72)【発明者】
【氏名】山本 なるみ
(72)【発明者】
【氏名】内田 祥平
(72)【発明者】
【氏名】渡子 直紀
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200BB30
3B200DE07
3B200DF08
3B200DF09
(57)【要約】
吸収性物品の個包装体において、一方の手で把持して、他方の手で開封する際にも、開封し易い個包装体を提供する。個包装体Pは、吸収性物品1が個包装シート(43)上に載置され、折り畳まれている。個包装体は、長手方向に沿った第1、第2長手方向折線(F,F)を基点に、幅方向に折り畳まれた第1、第2幅方向折り畳み部(B,B)と、幅方向に沿った第1、第2幅方向折線(F,F)を基点に、長手方向に折り畳まれた第1、第2長手方向折り畳み部(A,A)と、を有し、第1長手方向折り畳み部の表面と、第2長手方向折り畳み部の表面とに接合された粘着テープ(45)を備える。第1長手方向折り畳み部は、粘着テープの幅方向の両側に位置する一対の側部(63、63)と、一対の側部の間に位置する中間部(61)と、を含む。一対の側部の各々の剛性は中間部の剛性よりも高い、又は、一対の側部の各々に補強部材が配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、個包装シートと、吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品が、前記個包装シート上に載置された状態で、前記個包装シートと共に折り畳まれて包装された個包装体であって、
前記幅方向の一端側に設けられ前記長手方向に沿った第1長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第1幅方向折り畳み部と、
前記幅方向の他端側に設けられ前記長手方向に沿った第2長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第2幅方向折り畳み部と、
前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の一端側に設けられ前記幅方向に沿った第1幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第1長手方向折り畳み部と、
前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の他端側に設けられ前記幅方向に沿った第2幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第2長手方向折り畳み部と、
を有し、
前記第1長手方向折り畳み部における前記第1幅方向折線の側の第1端部とは前記長手方向の反対側に位置する第2端部の表面に一端部を接合され、前記第2長手方向折り畳み部の表面に他端部を接合された粘着テープを備え、
前記第1長手方向折り畳み部は、前記幅方向において、
前記粘着テープの両側に位置する一対の側部と、
前記一対の側部の間に位置する中間部と、
を含み、
前記一対の側部の各々の剛性は、前記中間部の剛性よりも高い、
個包装体。
【請求項2】
前記一対の側部の各々に配置された補強部材を更に備える、
請求項1に記載の個包装体。
【請求項3】
互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、個包装シートと、吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品が、前記個包装シート上に載置された状態で、前記個包装シートと共に折り畳まれて包装された個包装体であって、
前記幅方向の一端側に設けられ前記長手方向に沿った第1長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第1幅方向折り畳み部と、
前記幅方向の他端側に設けられ前記長手方向に沿った第2長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第2幅方向折り畳み部と、
前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の一端側に設けられ前記幅方向に沿った第1幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第1長手方向折り畳み部と、
前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の他端側に設けられ前記幅方向に沿った第2幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第2長手方向折り畳み部と、
を有し、
前記第1長手方向折り畳み部における前記第1幅方向折線の側の第1端部とは前記長手方向の反対側に位置する第2端部の表面に一端部を接合され、前記第2長手方向折り畳み部の表面に他端部を接合された粘着テープを備え、
前記第1長手方向折り畳み部は、前記幅方向において、
前記粘着テープの両側に位置する一対の側部と、
前記一対の側部の間に位置し、前記一対の側部の少なくとも一方に接する中間部と、
を含み、
前記一対の側部の各々に配置された補強部材を更に備える、
個包装体。
【請求項4】
前記補強部材の一部は、前記一対の側部の各々から、隣接する前記中間部の前記幅方向の端部まで延出している、
請求項2又は3に記載の個包装体。
【請求項5】
前記吸収性物品は、
吸収体を含む吸収本体と、
前記吸収本体の前記長手方向の一端側に位置し、前記吸収本体よりも前記幅方向の寸法が大きい幅広本体と、
を含み、
前記幅広本体の前記幅方向の両端部は、それぞれ前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部に含まれ、かつ、前記第1長手方向折り畳み部の前記幅方向の両端部に含まれており、
前記一対の側部の各々は、前記補強部材として前記幅広本体の前記幅方向の前記両端部の各々を含む、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の個包装体。
【請求項6】
前記幅広本体の前記幅方向の前記両端部の各々における前記個包装シートの側に位置する、粘着剤を更に備え、
前記一対の側部の各々は、前記補強部材として前記粘着剤を更に含む、
請求項5に記載の個包装体。
【請求項7】
前記粘着剤と前記個包装シートとの間に位置する剥離シートを更に備え、
前記一対の側部の各々は、前記補強部材として前記剥離シートを更に含む、
請求項6に記載の個包装体。
【請求項8】
前記幅広本体の前記幅方向の両端部の各々は、圧搾部を有し、
前記一対の側部の各々は、前記圧搾部を含む、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の個包装体。
【請求項9】
前記幅広本体における前記幅方向の前記両端部の各々を含む領域に、前記補強部材として所定機能を有する機能部材を更に備え、
前記一対の側部の各々は、前記機能部材を含む、
請求項5乃至8のいずれか一項に記載の個包装体。
【請求項10】
前記機能部材は、温感剤を含有する温感シートである、
請求項9に記載の個包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の個包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品を、個包装シート上に配置した状態で、個包装シートと共に複数回折り畳むことにより個別に包装した、吸収性物品の個包装体が知られている。例えば、特許文献1(特許第5922969号)には、吸収性物品と個包装シートとを備える、吸収性物品の個包装体が開示されている。この個包装体は、吸収性物品が、個包装シートと共に、2本の長手方向折線の位置で折り畳まれ、次いで、2本の幅方向折線の位置で折り畳まれた後、長手方向に延びる粘着テープで個包装シートの端部が個包装シートの他の部分に固定された構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5922969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の個包装体を使用者が開封する場合、例えば、以下のような方法で行うと考えられる。まず、一方の手のひらに個包装体を載せ、その手の親指と残りの指とを、それぞれ個包装体の幅方向の両端部の各々に宛がうようにして、個包装体を幅方向に把持する。そして、他方の手の親指及び人差し指で、長手方向に沿って延びる粘着テープの一方の端部を摘まんで、長手方向に引き上げるようにして、粘着テープを個包装シートの他の部分から剥離すると考えられる。
【0005】
このとき、一方の手により個包装体を把持する力、すなわち幅方向の両端部から中央部に向かう力が強過ぎると、個包装体が手のひらの形状に沿って略凹状に変形してしまう状況が生じ得る。そうなると、粘着テープも凹状に変形し、個包装シートの表面に密着してしまうため、他の手で粘着テープの一方の端部を摘まもうとしても、上手に摘まむことが困難になるおそれがある。すなわち個包装体を開封することが困難になるおそれがある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、吸収性物品の個包装体において、一方の手で把持して、他方の手で開封する際にも、開封し易い個包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における吸収性物品の個包装体は、互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、個包装シートと、吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品が、前記個包装シート上に載置された状態で、前記個包装シートと共に折り畳まれて包装された個包装体であって、前記幅方向の一端側に設けられ前記長手方向に沿った第1長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第1幅方向折り畳み部と、前記幅方向の他端側に設けられ前記長手方向に沿った第2長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第2幅方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の一端側に設けられ前記幅方向に沿った第1幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第1長手方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の他端側に設けられ前記幅方向に沿った第2幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第2長手方向折り畳み部と、を有し、前記第1長手方向折り畳み部における前記第1幅方向折線の側の第1端部とは前記長手方向の反対側に位置する第2端部の表面に一端部を接合され、前記第2長手方向折り畳み部の表面に他端部を接合された粘着テープを備え、前記第1長手方向折り畳み部は、前記幅方向において、前記粘着テープの両側に位置する一対の側部と、前記一対の側部の間に位置する中間部と、を含み、前記一対の側部の各々の剛性は、前記中間部の剛性よりも高い、個包装体、である。
【0008】
本発明における吸収性物品の個包装体は、互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、個包装シートと、吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品が、前記個包装シート上に載置された状態で、前記個包装シートと共に折り畳まれて包装された個包装体であって、前記幅方向の一端側に設けられ前記長手方向に沿った第1長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第1幅方向折り畳み部と、前記幅方向の他端側に設けられ前記長手方向に沿った第2長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第2幅方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の一端側に設けられ前記幅方向に沿った第1幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第1長手方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の他端側に設けられ前記幅方向に沿った第2幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第2長手方向折り畳み部と、を有し、前記第1長手方向折り畳み部における前記第1幅方向折線の側の第1端部とは前記長手方向の反対側に位置する第2端部の表面に一端部を接合され、前記第2長手方向折り畳み部の表面に他端部を接合された粘着テープを備え、前記第1長手方向折り畳み部は、前記幅方向において、前記粘着テープの両側に位置する一対の側部と、前記一対の側部の間に位置する中間部と、を含み、前記一対の側部の各々に配置された補強部材を更に備える、個包装体、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、吸収性物品の個包装体において、一方の手で把持して、他方の手で開封する際にも、開封し易い個包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る吸収性物品の個包装体の展開状態での構成例を示す平面図である。
図2図1における長手方向中心線に沿った断面図である。
図3】実施形態に係る吸収性物品の構成例を示す下面図である。
図4】実施形態に係る吸収性物品の個包装体の個包装状態での構成例を示す斜視図である。
図5】実施形態に係る吸収性物品の個包装体の個包装状態での構成例を示す平面図である。
図6】実施形態に係る吸収性物品の個包装方法を示す模式図である。
図7】実施形態に係る吸収性物品の個包装体の作用を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
具体的には、本発明の開示は以下の態様に関する。
[態様1]
互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、個包装シートと、吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品が、前記個包装シート上に載置された状態で、前記個包装シートと共に折り畳まれて包装された個包装体であって、前記幅方向の一端側に設けられ前記長手方向に沿った第1長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第1幅方向折り畳み部と、前記幅方向の他端側に設けられ前記長手方向に沿った第2長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第2幅方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の一端側に設けられ前記幅方向に沿った第1幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第1長手方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の他端側に設けられ前記幅方向に沿った第2幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第2長手方向折り畳み部と、を有し、前記第1長手方向折り畳み部における前記第1幅方向折線の側の第1端部とは前記長手方向の反対側に位置する第2端部の表面に一端部を接合され、前記第2長手方向折り畳み部の表面に他端部を接合された粘着テープを備え、前記第1長手方向折り畳み部は、前記幅方向において、前記粘着テープの両側に位置する一対の側部と、前記一対の側部の間に位置する中間部と、を含み、前記一対の側部の各々の剛性は、前記中間部の剛性よりも高い、個包装体。
【0012】
使用者が一方の手で個包装体を幅方向に把持することで、個包装体に、その幅方向の両端部から中央部に向かう力が加わる場合がある。その場合、加わった力の大きさが強過ぎるときには、個包装体、したがって第1長手方向折り畳み部及び第2長手方向折り畳み部のいずれも手のひらの形状に沿って、略凹状に変形してしまう状況が生じ得る。そうなると、粘着テープを上手に摘まむことが困難になるおそれがある。そこで、本請求項1に記載の吸収性物品では、第1長手方向折り畳み部において、粘着テープの両側に位置する一対の側部の各々の剛性を、一対の側部の間に位置する中間部の剛性よりも高くしている。そのため、第1長手方向折り畳み部に幅方向の両端部から中央部に向かう力が加わったとき、剛性の高い各側部は変形し難く、剛性の低い中間部が変形し易くなる。ただし、中間部は粘着テープで第2長手方向折り畳み部に固定されてやや変形し難いため、一対の側部と中間部との境界付近の部分が主に変形することになる。具体的には、長手方向から見て、第1長手方向折り畳み部のうち、一対の側部と中間部との境界付近の部分が変形することで、中間部を基点として、一対の側部における、個包装体の幅方向の両端部に対応する部分が立ち上がって、略V字の形状が形成される。このとき、第2長手方向折り畳み部は略凹状に変形するが、その幅方向の外側の部分の立ち上がりは少ない。そのため、第2長手方向折り畳み部と一対の側部の各々との間に隙間が生じる。これらの隙間が生じると、使用者は、自然に、いずれかの隙間に指を挿入して、その側部を摘まんで、第2長手方向折り畳み部から引き離すことで、粘着テープを剥離しようとする。ここで、一対の側部の各々は、相対的に剛性が高いので、その引き離そうとする力を粘着テープに容易に伝達することができる。それにより、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
すなわち、吸収性物品の個包装体において、一方の手で把持して、他方の手で開封する際にも、開封し易い個包装体を提供することができる。
【0013】
[態様2]
前記一対の側部の各々に配置された補強部材を更に備える、態様1に記載の個包装体。
本個包装体では、一対の側部の各々の内部に補強部材が配置されているので、一対の側部の剛性を確実に高くすることができる。それにより、一対の側部を確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0014】
[態様3]
互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、個包装シートと、吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品が、前記個包装シート上に載置された状態で、前記個包装シートと共に折り畳まれて包装された個包装体であって、前記幅方向の一端側に設けられ前記長手方向に沿った第1長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第1幅方向折り畳み部と、前記幅方向の他端側に設けられ前記長手方向に沿った第2長手方向折線を基点に、前記幅方向に折り畳まれた第2幅方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の一端側に設けられ前記幅方向に沿った第1幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第1長手方向折り畳み部と、前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部が折り畳まれた状態で、前記長手方向の他端側に設けられ前記幅方向に沿った第2幅方向折線を基点に、前記長手方向に折り畳まれた第2長手方向折り畳み部と、を有し、前記第1長手方向折り畳み部における前記第1幅方向折線の側の第1端部とは前記長手方向の反対側に位置する第2端部の表面に一端部を接合され、前記第2長手方向折り畳み部の表面に他端部を接合された粘着テープを備え、前記第1長手方向折り畳み部は、前記幅方向において、前記粘着テープの両側に位置する一対の側部と、前記一対の側部の間に位置し、前記一対の側部の少なくとも一方に接する中間部と、を含み、前記一対の側部の各々に配置された補強部材を更に備える、個包装体。
【0015】
使用者が一方の手で個包装体を幅方向に把持することで、個包装体に、その幅方向の両端部から中央部に向かう力が加わる場合がある。その場合、加わった力の大きさが強過ぎるときには、個包装体、したがって第1長手方向折り畳み部及び第2長手方向折り畳み部のいずれも手のひらの形状に沿って、略凹状に変形してしまう状況が生じ得る。そうなると、粘着テープを上手に摘まむことが困難になるおそれがある。そこで、本請求項3に記載の吸収性物品では、第1長手方向折り畳み部において、粘着テープの両側に位置する一対の側部の各々に、補強部材を配置している。そのため、第1長手方向折り畳み部に幅方向の両端部から中央部に向かう力が加わったとき、補強部材を含む各側部は変形し難く、補強部材を含まない中間部が変形し易くなる。ただし、中間部は粘着テープで第2長手方向折り畳み部に固定されてやや変形し難いため、一対の側部と中間部との境界付近の部分が主に変形することになる。具体的には、長手方向から見て、第1長手方向折り畳み部のうち、一対の側部と中間部との境界付近の部分が変形することで、中間部を基点として、一対の側部における、個包装体の幅方向の両端部に対応する部分が立ち上がって、略V字の形状が形成される。このとき、第2長手方向折り畳み部は略凹状に変形するが、その幅方向の外側の部分の立ち上がりは少ない。そのため、第2長手方向折り畳み部と一対の側部の各々との間に隙間が生じる。これらの隙間が生じると、使用者は、自然に、いずれかの隙間に指を挿入して、その側部を摘まんで、第2長手方向折り畳み部から引き離すことで、粘着テープを剥離しようとする。ここで、一対の側部の各々は、補強部材を含むので、その引き離そうとする力を粘着テープに容易に伝達することができる。それにより、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
すなわち、吸収性物品の個包装体において、一方の手で把持して、他方の手で開封する際にも、開封し易い個包装体を提供することができる。
【0016】
[態様4]
前記補強部材の一部は、前記一対の側部の各々から、隣接する前記中間部の前記幅方向の端部まで延出している、態様2又は3に記載の個包装体。
本個包装体では、補強部材が側部から、その側部に隣接する中間部の端部まで延出している。そのため、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープにより確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、より容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0017】
[態様5]
前記吸収性物品は、吸収体を含む吸収本体と、前記吸収本体の前記長手方向の一端側に位置し、前記吸収本体よりも前記幅方向の寸法が大きい幅広本体と、を含み、前記幅広本体の前記幅方向の両端部は、それぞれ前記第1幅方向折り畳み部及び前記第2幅方向折り畳み部に含まれ、かつ、前記第1長手方向折り畳み部の前記幅方向の両端部に含まれており、前記一対の側部の各々は、前記補強部材として前記幅広本体の前記幅方向の前記両端部の各々を含む、態様2乃至4のいずれか一項に記載の個包装体。
本個包装体では、一対の側部の各々の内部に、幅広本体の中央部だけでなく、第1長手方向折線及び第2長手方向折線の位置で折り畳まれた幅広本体の両端部の各々が含まれている。そのため、幅広本体の両端部の各々を含む分だけ一対の側部の剛性を確実に高くすることができ、一対の側部の各々を確実に変形し難くすることができる。それにより、一対の側部を確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0018】
[態様6]
前記幅広本体の前記幅方向の前記両端部の各々における前記個包装シートの側に位置する、粘着剤を更に備え、前記一対の側部の各々は、前記補強部材として前記粘着剤を更に含む、態様5に記載の個包装体。
本個包装体では、幅広本体の幅方向の両端部の各々に、したがって一対の側部の各々の内部に粘着剤が更に含まれている。そのため、粘着剤を含む分だけ一対の側部の剛性をより確実に高くすることができ、一対の側部の各々を確実に変形し難くすることができる。それにより、一対の側部をより確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0019】
[態様7]
前記粘着剤と前記個包装シートとの間に位置する剥離シートを更に備え、前記一対の側部の各々は、前記補強部材として前記剥離シートを更に含む、態様6に記載の個包装体。
本個包装体では、幅広本体の幅方向の両端部の各々に、したがって一対の側部の各々の内部に剥離シートが更に含まれている。そのため、剥離シートを含む分だけ一対の側部の剛性をより確実に高くすることができ、一対の側部の各々を確実に変形し難くすることができる。それにより、一対の側部をより確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0020】
[態様8]
前記個包装体は、前記幅広本体の前記幅方向の両端部の各々は、圧搾部を有し、前記一対の側部の各々は、前記圧搾部を含む、態様5乃至7のいずれか一項に記載の個包装体。
本個包装体品では、幅広本体の幅方向の両端部の各々に、したがって一対の側部の各々の内部に圧搾部が更に含まれている。そのため、繊維密度が高い圧搾部を含む分だけ一対の側部の剛性をより確実に高くすることができ、一対の側部の各々を確実に変形し難くすることができる。それにより、一対の側部をより確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に個包装体を開封することができる。
【0021】
[態様9]
前記幅広本体における前記幅方向の前記両端部の各々を含む領域に、前記補強部材として所定機能を有する機能部材を更に備え、前記一対の側部の各々は、前記機能部材を含む、態様5乃至8のいずれか一項に記載の個包装体。
本個包装体では、幅広本体の幅方向の両端部の各々に、したがって一対の側部の各々の内部に、所定機能を有する機能部材が更に含まれている。そのため、機能部材を含む分だけ一対の側部の剛性をより確実に高くすることができ、一対の側部の各々を確実に変形し難くすることができる。それにより、一対の側部をより確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0022】
[態様10]
前記機能部材は、温感剤を含有する温感シートである、態様9に記載の個包装体。
本個包装体では、幅広本体の幅方向の両端部の各々に、したがって一対の側部の各々の内部に温感剤を含有する温感シートが更に含まれている。そのため、温感剤を含有する分だけ一対の側部の剛性をより確実に高くすることができ、一対の側部の各々を確実に変形し難くすることができる。それにより、一対の側部をより確実に立ち上がらせることができると共に、側部を摘んで第2長手方向折り畳み部から引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープに確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、隙間に指を挿入して、側部を摘まんで、粘着テープを剥離させて、容易に、個包装体を開封することが可能となる。
【0023】
以下、実施形態に係る吸収性物品の個包装体について、吸収性物品として生理用ナプキンを例に説明する。ただし、吸収性物品はその例に限定されるのではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、他の吸収性物品であってもよい。他の吸収性物品としては、例えばパンティライナー、失禁パッド、及び使い捨ておむつが挙げられる。また、以下、吸収性物品として、温感機能を追加的に有する吸収性物品を例に説明する。温感機能は、装着者に皮膚を介して温感を知覚させる機能である。ただし、吸収性物品はその例に限定されるのではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、他の機能を追加的に有してもよい。他の機能としては、例えば冷感剤などを用いて装着者に皮膚を介して冷感を知覚させる冷感機能、布帛等で肌を覆うことで温かさを知覚させる保温機能などが挙げられる。あるいは、吸収性物品は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の各機能を有さなくてもよい。
【0024】
本実施形態に係る生理用ナプキン1の個包装体Pの構成例について説明する。
図1図3は本実施形態に係る個包装体P(展開した状態)の構成例を示す図である。図1は、生理用ナプキン1の個包装体P(展開した状態)の構成例を示す平面図である。図2は、図1に示す生理用ナプキン1における長手方向中心線CL(後述)に沿った断面図である。図3は、図1に示す生理用ナプキン1を示す下面図である。個包装体Pは、個包装シート43と、生理用ナプキン1と、を備え、生理用ナプキン1が、個包装シート43上に載置された状態で、個包装シート43と共に折り畳まれて包装された構成を有する。ただし、個包装体Pは、図1に示すように、展開された状態において、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。図1に描かれた生理用ナプキン1又は個包装体Pでは、図の上側を長手方向Lの前側(前方)又は腹側とし、図の下側を長手方向Lの後側(後方)又は背側とする。長手方向L及び幅方向Wを含む平面上に置いた生理用ナプキン1又は個包装体Pを厚さ方向Tの上側から見ることを「平面視」といい、平面視で把握される形状を「平面形状」という。長手方向L及び幅方向Wを含む平面内の任意の方向を「平面方向」という。装着者が生理用ナプキン1を装着したとき、厚さ方向Tにて相対的に装着者の肌面に近い側及び遠い側となる側をそれぞれ「肌側」及び「非肌側」という。これら定義は、展開状態の個包装体Pの各資材にも共通に用いられる。
【0025】
個包装シート43は、長手方向Lの両端部が、生理用ナプキン1の長手方向Lの両端部よりも長手方向Lの外側に長く、かつ幅方向Wの両端部が、生理用ナプキン1の幅方向Wの両端部よりも幅方向Wの外側に長い。すなわち、生理用ナプキン1を個包装シート43上に載置するとき、平面視で、個包装シート43の外側に生理用ナプキン1がはみ出さないようにできる。それにより、生理用ナプキン1が個包装シート43と共に折り畳まれたとき、個包装シート43の外側に生理用ナプキン1がはみ出さず、清潔感を高められる。
【0026】
生理用ナプキン1は、主に液体の排泄物(例示:経血)を吸収する吸収本体3と、吸収本体3の長手方向Lの前側に位置し、肌に温感を知覚させる温感本体(機能本体)5と、を備える。すなわち、生理用ナプキン1は、長手方向Lの後方の吸収本体3と、長手方向Lの前方の温感本体5と、に区画される。吸収本体3の形状は、概ね一般的な生理用ナプキンの形状であり、幅方向Wの両外側に延出する一対のウイング部17、17を備えている。温感本体5の形状は特に限定はなく、例えば、三角形や矩形や多角形(角が丸い場合や辺が曲線の場合を含む)、円形や楕円形、生物の形状、又はそれらの組み合わせが挙げられる。本実施形態では、身体のより広い範囲を温める観点から、温感本体5は、吸収本体3における(一対のウイング部17、17を除いた領域の)幅方向Wの最大幅よりも大きい幅方向Wの寸法を有する。よって、温感本体5は幅広な本体(幅広本体)といえる。
【0027】
生理用ナプキン1は、幅方向Wの中心を通り長手方向Lに延びる長手方向中心線CL(仮想線)と、一対のウイング部17、17の各々の長手方向Lの中心を幅方向Wに結んだ(長手方向Lの中心を通り幅方向Wに延びる)幅方向中心線CW(仮想線)と、を有する。生理用ナプキン1において、長手方向中心線CLに向かう向き及び側をそれぞれ幅方向Wの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ幅方向Wの外向き及び外側とする。一方、幅方向中心線CWに向かう向き及び側をそれぞれ長手方向Lの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ長手方向Lの外向き及び外側とする。なお、一対のウイング部17、17の各々が存在しない場合、幅方向中心線CWは、長手方向Lにおいて、吸収本体3における排泄口当接域21(後述)の中心を通り幅方向Wに延びる線とする。本実施形態では、それらは一致するものとする。あるいは、吸収体11(後述)がいわゆる砂時計型の場合、幅方向中心線CWは、長手方向Lにおいて、吸収体11の幅方向Wの寸法が最小となる位置(両端部を除く)を通り幅方向Wに延びる線とする。
【0028】
生理用ナプキン1は、吸収本体3において、装着時に装着者の肌に当接する液透過性シート7と、装着時に着衣(下着)に当接する液不透過性シート9と、液透過性シート7及び液不透過性シート9の間に配置された吸収体11とを備える。また、生理用ナプキン1は、温感本体5において、装着時に装着者の肌に当接する液透過性シート7と、装着時に着衣に当接する液不透過性シート9と、液透過性シート7及び液不透過性シート9の間に配置された温感剤保持シート13と、を備える。温感剤保持シート13は、吸収体11よりも長手方向Lの前側に位置している。そして、吸収本体3における液透過性シート7と、温感本体5における液透過性シート7とは一体のシートである。また、吸収本体3における液不透過性シート9と、温感本体5における液不透過性シート9とは一体のシートである。ただし、一体のシートとは、資材が一枚のシートである場合だけでなく、複数のシートを結合して一体化させたシートも含む。吸収本体3における吸収体11と、温感本体5における温感剤保持シート13とは、別の部材である。吸収体11の長手方向Lの前側の端部が、温感剤保持シート13の長手方向Lの後側の端部と厚さ方向Tに重複することで、重複部15が形成される。重複部15では、長手方向Lの前方での排泄物の漏れを抑制する観点から、吸収体11の端部が温感剤保持シート13の端部上に配置される。別の実施形態では、温感の機能を重視する観点から、重複部15では、温感剤保持シート13の端部が吸収体11の端部上に配置される。更に別の実施形態では、吸収体11の端部と、温感剤保持シート13の端部とは、互いにが接するか、又は離間している。
【0029】
なお、別の実施形態として、生理用ナプキン1に付与する所定の機能を冷感機能とする場合、温感本体5は同一形状の冷感本体に代替され、温感剤保持シート13は同一形状の冷感剤保持シートに代替される。また、更に別の実施形態として、生理用ナプキン1に付与する所定の機能を保温機能とする場合、温感本体5は同一形状の保温本体に代替され、温感剤保持シート13は同一形状の保温性シートに代替される。
【0030】
生理用ナプキン1では、吸収本体3において、平面視で、長手方向Lの中央やや前方寄りで幅方向Wの中央に排泄口当接域21が位置し、その周囲にそれ以外の領域として非排泄口当接域23が位置する。排泄口当接域21は、生理用ナプキン1の着用時に、着用者の排泄口に対向又は当接する領域である。排泄口当接域21は、吸収性物品の種類や用途に応じて定まる。排泄口当接域21は、例えば長手方向Lにて吸収体11の中央やや前方寄りに、吸収体11の長手方向Lの全長の約1/4〜2/3の長さとされ、幅方向Wにて吸収体11の略中央に、吸収体11の幅方向Wの全長の約1/3〜3/4の幅とされる。
【0031】
液透過性シート7は、表面シート7aと、表面シート7aの幅方向Wの両側に結合された一対のサイドシート7b、7bと、を備えている。表面シート7aの幅方向Wの寸法は、吸収体11の幅方向Wの寸法程度の大きさである。各サイドシート7bは、幅方向Wの内側の端部に位置し、長手方向Lに沿って延びる防漏壁7Wを含んでいる。すなわち、液透過性シート7は、一対の防漏壁7W、7Wを含んでいる。各防漏壁7Wは、幅方向Wにおいて、外側の端縁を固定端とされ、内側の端縁を自由端とされ、表面シート7aの厚さ方向Tの上方に延出されている。一対の防漏壁7W、7Wは、生理用ナプキン1が装着されたとき自由端が肌側へ起立可能である。別の実施形態では、液透過性シート7は一対のサイドシート7b、7bを有さない。更に別の実施形態では、液透過性シート7は一対の防漏壁7W、7Wを有さない。更に別の実施形態では、生理用ナプキン1は、表面シート7aの非肌側に当接された、排泄物を平面方向に拡散させる液拡散シート41を備える。
【0032】
吸収体11は、吸収コア(図示されず)及び、吸収コアを包み込むコアラップ(図示されず)を備えている。吸収体11は、コアラップの肌側の表面から吸収コアの内部へ向かって圧搾することで形成された複数の吸収体圧搾部(図示されず)を有する。それら複数の吸収体圧搾部は、吸収体11の型崩れを抑制する。別の実施形態では、吸収体11はコアラップを用いない。更に別の実施形態では、吸収体11は吸収体圧搾部を有さない。
【0033】
温感剤保持シート13(機能層)は、液体を保持可能な布帛や不織布のような一層又は複数層のシートから構成されており、温感剤50(機能剤)を含んでいる。温感剤保持シート13の形状は、温感剤50の漏れを抑制する、生理用ナプキン1の周縁部27の内側に配置できれば、特に限定はなく、例えば温感本体5の形状を相似的に縮小した形状が挙げられる。本実施形態では、身体のより広い範囲を温める観点から、温感剤保持シート13は、吸収本体3における一対のウイング部17、17を除いた領域の幅方向Wの最大幅よりも大きい幅方向Wの寸法を有する。温感剤50は、生理用ナプキン1の装着者の身体又はその近傍を加熱等することなく、皮膚の温度受容器(温熱知覚受容器)を刺激し、装着者に温感を知覚させる温感成分を含み、温感成分を溶解ないし分散し得る溶媒成分を更に含む。温感剤50は、気体や液体の形態で、温度、気圧、外力などの影響により、配置された場所から移動し得る流体成分又は揮発成分を含み、例えば温感成分及び溶媒成分の少なくとも一方が流体成分又は揮発成分を含む。温感剤保持シート13が液透過性シート7よりも非肌側に配置されていても、温感剤保持シート13の温感剤50が、生理用ナプキン1の着用時において例えば溶出又は揮発等により液透過性シート7を透過し、装着者の下腹部の肌に接触することができる。それにより、温感剤50の温感成分が皮膚の温熱知覚受容器を刺激し、装着者の下腹部に温感を付与することができる。
【0034】
温感剤50は、平面視で温感剤保持シート13における周縁部を含む全体に配置される。それにより、温感剤50の効果が、吸収体11よりも幅方向Wに広い領域に及ぶようになっている。なお、別の実施形態では、温感剤50は、平面視で温感剤保持シート13の幅方向Wの両端部を除く中央部25に配置される。更に別の実施形態では、温感剤50は、温感剤保持シート13の所定の部分、例えば表面シート7aの幅方向Wの範囲で、長手方向Lに延び、幅方向Wに並んだ複数のストライプ状の部分に配置される。更に別の実施形態では、温感剤50は溶媒成分を含まない。更に別の実施形態では、温感本体5は、温感剤保持シート13の非肌側に温感剤保持シート13を支持する支持シートを有する。
【0035】
なお、別の実施形態として、生理用ナプキン1に付与する所定の機能を冷感機能とする場合、冷感剤保持シートは冷感剤(機能剤)を含み、冷感剤は冷感成分と溶媒成分とを含む。更に別の実施形態として、生理用ナプキン1に付与する所定の機能を保温機能とする場合、保温性シートは、機能剤を含まず、例えば保温性の高い不織布や布帛を含む。
【0036】
温感剤保持シート13は、液体を保持可能なシート(例示:不織布)から構成されているので、吸収体11ほどではないが、排泄物を吸収できる。したがって、温感剤保持シート13は、吸収体11よりも低い吸収性能を有する低吸収部と見ることができる。低吸収部は、温感本体5に属しているが、長手方向Lの前方での排泄物の吸収を補助できる。
【0037】
個包装体Pは、吸収本体3及び温感本体5の両方において、液不透過性シート9の非肌側の面に、生理用ナプキン1を装着者の着衣に固定するための粘着部71〜73と、粘着部71〜73を仮固定するための剥離シート81〜83と、剥離シート81〜83を個包装シート43に固定するための粘着部91〜93と、を備えている。粘着部71は、ウイング部17の幅方向Wの略中央部に配置される。粘着部72は、温感本体5の幅方向Wの両端部の各々の領域に配置される。粘着部73は、平面視で、吸収体11と重なる領域に配置される。それらにより、液不透過性シート9の非肌側の面(個包装シート43側の面)は、剥離シート81〜83の肌側の面(個包装シート43と反対側の面)に、粘着部71〜73を介して仮固定される。剥離シート81〜83の非肌側の面は、個包装シート43の肌側の面に、粘着部91〜93を介して固定されている。別の実施形態では、剥離シート81〜83及び粘着部91〜93は存在せず、液不透過性シート9の非肌側の面(個包装シート43側の面)は、個包装シート43の肌側の面に、粘着部71〜73を介して仮固定される。更に別の実施形態では、更に、粘着部71〜73も存在しない。
【0038】
本実施形態では、粘着部72は、平面視で、幅方向Wにおいて、温感剤保持シート13の両端部の各々の領域であって、表面シート7aよりも外側の領域に形成される。その領域は、平面視で、幅方向Wにおいて、温感剤保持シート13における最も外側の両端縁から、温感剤保持シート13の最大寸法の30%の距離だけ内側の位置までの領域である。温感剤保持シート13及び粘着部72は、厚さ方向Tにおいて、互いに重複する。なお、別の実施形態では、温感剤保持シート13及び粘着部72は、厚さ方向Tにおいて、互いに一部分だけ重複するか、又は互いに全く重複しない位置に配置される。温感剤50が粘着部72に達して、粘着部72を劣化させるのを抑制するためである。
【0039】
生理用ナプキン1は、複数の圧搾部31、33、35を有する。複数の圧搾部31は、主に吸収本体3にて、排泄口当接域21を囲むように曲線状で連続的又は間欠的に配置される。複数の圧搾部33は、吸収本体3にて、複数の圧搾部31に囲まれた領域にドット状に分散して配置される。複数の圧搾部35は、主に温感本体5にて、全体を覆うように曲線状やドット状に連続的又は間欠的に配置される。圧搾部31、33、35は、液透過性シート7及び吸収体11又は温感剤保持シート13を肌側から非肌側へ向かって圧搾することで形成される。なお、複数の圧搾部31、33、35の形状及び配置は任意である。別の実施形態では、複数の圧搾部31、33、35の少なくとも一つが存在しない。
【0040】
また、生理用ナプキン1は、シール部29を有する。シール部29は、液透過性シート7と液不透過性シート9とをそれらの周縁部27で、熱シールなどの公知の方法で接合する。液透過性シート7の非肌側の面と吸収体11及び温感剤保持シート13の肌側の面との間、及び、吸収体11及び温感剤保持シート13の非肌側の面と液不透過性シート9の肌側の面との間は接着剤(例示:ホットメルト接着剤)等で接合される。
【0041】
個包装体Pは、図1に示すように、展開された状態において、第1長手方向折線Fと、第2長手方向折線Fと、第1幅方向折線Fと、第2幅方向折線Fと、を有する。第1長手方向折線Fは、個包装体Pにおける幅方向Wの一端側に設けられ、長手方向Lに沿って延びる折線である。第2長手方向折線Fは、個包装体Pにおける幅方向Wの他端側に設けられ、長手方向Lに沿って延びる折線である。両者は、幅方向Wに所定間隔で互いに平行に並んでいる。一方、第1幅方向折線Fは、個包装体Pにおける長手方向Lの一端側に設けられ、幅方向Wに沿って延びる折線である。第2幅方向折線Fは、個包装体Pにおける長手方向Lの他端側に設けられ、幅方向Wに沿って延びる折線である。両者は、長手方向Lに所定間隔で互いに平行に並んでいる。すなわち、幅方向折線は2本、長手方向折線は2本であるから、個包装体Pは、幅方向Wに三つ折りされ、かつ、長手方向Lに三つ折りされる。
【0042】
第1長手方向折線F及び第2長手方向折線Fは、吸収体11の幅方向Wの両端縁のやや外側に、両端縁に沿うように配置される。第1幅方向折線Fは、生理用ナプキン1の前方に配置され、吸収本体3の前側の端部かつ温感本体5の後側の端部(の重複部15)に位置する。第2幅方向折線Fは、生理用ナプキン1の後方に配置される。第1幅方向折線F及び第2幅方向折線Fは、排泄口当接域21を避けるように、それぞれ排泄口当接域21よりも長手方向Lの前側及び後側に位置する。なお、別の実施形態では長手方向折線は存在しない。更に別の実施形態では幅方向折線は1本又は3本以上である。
【0043】
個包装体Pは、幅方向Wにおいて、第1長手方向折線F及び第2長手方向折線Fにより三つの領域に区画される。すなわち、個包装体Pは、幅方向Wに、第1長手方向折線Fよりも外側(一端側)の第1幅方向折り畳み部Bと、第2長手方向折線Fよりも外側(他端側)の第2幅方向折り畳み部Bと、第1長手方向折線Fと第2長手方向折線Fとの間の幅方向中央部Bと、に区画される。なお、それらの部分は、個包装体Pが第1長手方向折線F及び第2長手方向折線Fで折り畳まれた場合でも、同様に第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B及び幅方向中央部Bと称される。
【0044】
個包装体Pは、長手方向Lにおいて、第1幅方向折線F及び第2幅方向折線Fにより三つの領域に区画される。すなわち、個包装体Pは、長手方向Lに、第1幅方向折線Fよりも外側(一端側)の第1長手方向折り畳み部Aと、第2幅方向折線Fよりも外側(他端側)の第2長手方向折り畳み部Aと、第1幅方向折線Fと第2幅方向折線Fとの間の長手方向中央部Aと、に区画される。なお、それらの部分は、個包装体Pが第1幅方向折線F及び第2幅方向折線Fで折り畳まれた場合でも、同様に第1長手方向折り畳み部A、第2長手方向折り畳み部A及び長手方向中央部Aと称される。
【0045】
図4図6は本実施形態に係る個包装体P(個包装の状態)の構成例を示す図である図4は、生理用ナプキン1の個包装体P(個包装の状態)の構成例を示す斜視図である。図5は、生理用ナプキン1の個包装体Pの構成例を示す平面図である。図6は、実施形態に係る生理用ナプキン1の個包装方法(個包装体Pの形成方法)を示す模式図である。個包装体Pでは、図4に示すように、個包装された状態においても、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tが用いられるものとする。ただし、図4図6の個包装された状態の個包装体Pの長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tは、図1図3の展開された状態の個包装体Pの長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tと向きが相違する場合がある。
【0046】
個包装体Pは、図6に示すように、生理用ナプキン1が、個包装シート43上に載置された状態で、個包装シート43と共に折り畳まれて形成される。具体的には、個包装体Pの形成方法、すなわち生理用ナプキン1の個包装方法は、まず、図6(a)に示すように、生理用ナプキン1が個包装シート43上に載置される。次いで、図6(b)に示すように、第2幅方向折り畳み部Bが、第2長手方向折線Fを基点として、幅方向Wの内側に、よって幅方向中央部B上に折り畳まれる。それと共に、第1幅方向折り畳み部Bが、第1長手方向折線Fを基点として、幅方向Wの内側に、よって幅方向中央部B上に折り畳まれる。次いで、図6(c)に示すように、第2長手方向折り畳み部Aが、第2幅方向折線Fを基点として、長手方向Lの内側に、よって長手方向中央部A上に折り畳まれる。次いで、図6(d)に示すように、第1長手方向折り畳み部Aが、第1幅方向折線Fを基点として、長手方向Lの内側に、よって長手方向中央部A上に折り畳まれる。ここで、第1長手方向折り畳み部Aにおける第1幅方向折線Fの側の第1端部E11とは長手方向Lの反対側に位置する第2端部E12の表面Sには、粘着テープ45の一端部が接合されている。そして、粘着テープ45の他端部が、第2長手方向折り畳み部Aの表面Sに接合される。それにより、図4に示すような、生理用ナプキン1の個包装体Pが形成される。なお、生理用ナプキン1が使用されるときには、すなわち個包装体Pが開封されるときには、上記された個包装方法とは逆の手順で開封される。
【0047】
個包装体Pでは、個包装された状態において、図4に示すように、第1長手方向折り畳み部Aが、一対の側部63、63と、中間部61と、を含んでいる。ここで、一対の側部63、63は、第1長手方向折線Fと第2長手方向折線Fとで折り畳まれた第1長手方向折り畳み部Aにおける粘着テープ45の幅方向Wの両側に位置しており、長手方向Lに延在している。本実施形態では、一方の側部63は、第1長手方向折り畳み部Aにおいて、粘着テープ45の幅方向Wの一方の側縁の位置を、側部63の幅方向Wの一方の端縁として、その端縁よりも幅方向Wの外側の部分である。他方の側部63は、粘着テープ45の幅方向Wの他方の側縁を、側部63の幅方向Wの一方の端縁として、その端縁よりも幅方向Wの外側の部分である。別の実施形態では、一対の側部63、63の各々における幅方向Wの内側の端縁は、粘着テープ45の幅方向Wの両端縁よりも、内側又は外側のいずれかである。ただし、内側又は外側は、幅方向Wにおいて、例えば、粘着テープ45の幅方向Wの端縁から粘着テープ45の幅方向Wの寸法の1/2未満の範囲である。
【0048】
中間部61は、幅方向Wにおいて、一対の側部63、63の間に位置しており、長手方向Lに延在している。中間部61は、幅方向Wにおいて、粘着テープ45の寸法と同じ寸法を有し、一対の側部63、63の両方に接している。別の実施形態では、中間部61は、幅方向Wにおいて、粘着テープ45の寸法未満の寸法を有し、一対の側部63、63の間に位置し、一対の側部63、63の一方に接している。更に、別の実施形態では、中間部61は、幅方向Wにおいて、粘着テープ45の寸法未満の寸法を有し、一対の側部63、63の間に位置し、一対の側部63、63の両方に接していない。
【0049】
本実施形態では、一対の側部63、63の各々の剛性は、中間部61の剛性よりも高い。言い換えれば、中間部61は、一対の側部63、63の間の領域のうちの、相対的に剛性が低い領域ということができる。それゆえ、幅方向Wの両外側から個包装体P(の第1長手方向折り畳み部A)に力が加わると、各側部63は変形し難く、中間部61は変形し易い。したがって、上記の幅方向Wの力を、一対の側部63、63を相対的に小さく変形させつつ、中間部61を相対的に大きく変形させて逃がすことができる。なお、中間部61は、一対の側部63、63の間の領域に相対的に剛性が低い領域として存在すればよいので、幅方向Wの全域に亘って存在する必要はなく、幅方向Wの一部の領域に存在していればよい。
【0050】
本実施形態では、一方の側部63には、第1幅方向折り畳み部B及び幅方向中央部Bの幅方向Wの一方側の部分が厚さ方向Tに積層され、他方の側部63には、第2幅方向折り畳み部B及び幅方向中央部Bの幅方向Wの他方側の部分が厚さ方向Tに積層されている。したがって、図5などに示すように、各側部63の大部分は、粘着部72と、剥離シート82と、粘着部92と、2枚分の温感剤保持シート13と、2枚分の液透過性シート7と、2枚分の液不透過性シート9と、2枚分の個包装シート43と、が厚さ方向Tに積層されている。一方、中間部61は、幅方向中央部B並びに第1幅方向折り畳み部B及び第2幅方向折り畳み部Bの幅方向Wの外側の端縁の近傍部分が厚さ方向Tに積層されている。したがって、図5などに示すように、中間部61の大部分は、温感剤保持シート13と、2枚分の液透過性シート7と、2枚分の液不透過性シート9と、3枚分の個包装シート43と、が厚さ方向Tに積層されている。ここで、側部63及び中間部61における液透過性シート7、液不透過性シート9、個包装シート43の剛性に対する効果を同程度と考えると、各側部63は、中間部61と比較して、粘着部72、剥離シート82、粘着部92、及び温感剤保持シート13をより多く含んでいる。よって、各側部63は、中間部61よりも多くの層で形成されている。言い換えれば、中間部61は、一対の側部63、63の間の領域における、相対的に少ない層で形成された領域ということができる。それゆえ、幅方向Wの両外側から個包装体P(の第1長手方向折り畳み部A)に力が加わったとき、各側部63は変形し難く、中間部61は変形し易い。したがって、上記の幅方向Wの力を、一対の側部63、63を相対的に小さく変形させつつ、中間部61を相対的に大きく変形させて逃がすことができる。なお、中間部61としては、一対の側部63、63の間の領域に相対的に少ない層で形成された領域として存在すればよいので、幅方向Wの全域に亘って存在する必要はなく、幅方向Wの一部の領域に存在していればよい。
【0051】
次に、実施形態に係る生理用ナプキン1の個包装体Pの作用を説明する。図7は、個包装体Pの作用を示す模式図である。使用者が一方の手Hで個包装体Pを幅方向Wに把持することで、個包装体Pに、その幅方向Wの両端部から中央部に向かう力Kが加わる場合がある。その場合、加わった力Kの大きさが強過ぎるときには、個包装体P、したがって第1長手方向折り畳み部A及び第2長手方向折り畳み部Aのいずれも手のひらの形状に沿って、略凹状に変形してしまう状況が生じ得る。そうなると、粘着テープ45を上手に摘まむことが困難になるおそれがある。
【0052】
そこで、本生理用ナプキン1では、第1長手方向折り畳み部Aにおいて、粘着テープ45の両側に位置する一対の側部63、63の各々の剛性を、一対の側部63、63の間に位置する中間部61の剛性よりも高くしている。したがって、第1長手方向折り畳み部Aに幅方向Wの両端部から中央部に向かう力Kが加わったとき、剛性の高い各側部63を変形し難くすることができ、剛性の低い中間部61を変形し易くすることができる。
あるいは、本生理用ナプキン1では、第1長手方向折り畳み部Aにおいて、一対の側部63、63の各々の内部に補強部材(例示:温感剤保持シート13、粘着部72、剥離シート82、粘着部92や、他のシート部材)を配置している。したがって、第1長手方向折り畳み部Aに幅方向Wの両端部から中央部に向かう力Kが加わったとき、補強部材を含む各側部を変形し難くすることができ、補強部材を含まない中間部が変形し易くすることができる。
【0053】
ただし、中間部61は粘着テープ45で第2長手方向折り畳み部Aに固定されてやや変形し難い。そのため、第1長手方向折り畳み部Aに幅方向Wの両端部から中央部に向かう力Kが加わったとき、一対の側部63、63と中間部61との境界付近の部分が主に変形することになる。具体的には、長手方向Lから見て、第1長手方向折り畳み部Aのうち、一対の側部63、63と中間部61との境界付近の部分が変形することで、中間部61を基点として、一対の側部63、63における、個包装体Pの幅方向Wの両端部に対応する部分が立ち上がる。すなわち、中間部61を一種の折線(又は基点)として、その両側の側部63、63が立ち上がり、略V字の形状が形成される。このとき、第2長手方向折り畳み部Aは略凹状に変形するが、その幅方向Wの外側の部分の立ち上がりは少ない。そのため、第2長手方向折り畳み部Aと一対の側部63、63の各々との間に隙間Vが生じる。これらの隙間Vが生じると、使用者は、自然に、いずれかの隙間Vに指を挿入して、その側部63を摘まんで、第2長手方向折り畳み部Aから引き離すことで、粘着テープ45を剥離しようとする。ここで、一対の側部63、63の各々は、相対的に剛性が高いので、その引き離そうとする力を粘着テープ45に容易に伝達することができる。それにより、使用者は、隙間Vに指を挿入して、側部63を摘まんで、粘着テープ45を剥離させて、容易に、個包装体Pを開封することが可能となる。すなわち、生理用ナプキン1の個包装体Pにおいて、一方の手Hで把持して、他方の手で開封する際にも、開封し易い個包装体Pを提供できる。
【0054】
ここで、側部63は相対的に剛性が高い(又は変形し難い)が、側部63全体が、高剛性である必要はなく、部分的に高剛性であればよい。平面視で、側部63における剛性の高い(又は変形し難い)領域の面積は、側部63全体の面積の30%以上が挙げられ、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましい、60%以上が更により好ましい。また、平面視において、側部63における剛性が高い(又は変形し難い)領域の長手方向Lの寸法は、力Kを加える指が配置される範囲を考慮して、側部63の長手方向Lの寸法の30%以上が挙げられ、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましい、60%以上が更により好ましい。また、平面視において、側部63における剛性が高い(又は変形し難い)領域の幅方向Wの寸法は、力Kに対する抵抗力の観点から、側部63の幅方向Wの寸法の60%以上が挙げられ、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい、90%以上が更により好ましい。
【0055】
一方、中間部61は剛性の低い(又は変形し易い)が、一対の側部63、63の間の領域全体が、低剛性である必要はなく、部分的に低剛性であればよい。平面視において、一対の側部63、63の間の領域における剛性の低い(又は変形し易い)領域の面積は、一対の側部63、63の間の領域全体の面積の40%以上が挙げられ、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい、70%以上が更により好ましい。また、平面視において、一対の側部63、63の間の領域における剛性の低い(又は変形し易い)領域の長手方向Lの最大寸法は、中間部61が一種の折線として機能する観点から、側部63の長手方向Lの寸法の60%以上が挙げられ、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい、90%以上が更により好ましい。また、平面視において、一対の側部63、63の間の領域における剛性の低い(又は変形し易い)領域の幅方向Wの最大寸法は、中間部61が一種の折線として機能する観点から、一対の側部63、63の間の領域全体の幅方向Wの寸法の10%以上が挙げられ、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい、40%以上が更により好ましい。
【0056】
一対の側部63、63の各々の剛性(又は変形し難さ)を相対的に高める方法としては、上記のように、中間部61が含まない層(例示:粘着部72、剥離シート82、粘着部92)又は含んでも数が少ない層(温感剤保持シート13)を側部63に追加することで、側部63を相対的に多層で形成する方法が挙げられる。このような温感剤保持シート13、粘着部72、剥離シート82及び粘着部92等は、側部63の剛性を補強する補強部材ということができる。あるいは、剛性を相対的に高める方法としては、上記のように、既に含まれているシート部材等の資材を、側部63の剛性が高くなるように、側部63に含まれ、中間部61に含まれないように配置したり、側部63に配置された資材の剛性を高めたりする方法があり得る。資材の剛性を高める方法としては、材質の変更や厚さの変更などの方法があり得る。あるいは、剛性を相対的に高める方法としては、上記の剥離シート以外の、相対的に剛性の高いシート部材などの部材を補強部材として、平面視で、側部63の全体又は一部に挿入する方法があり得る。
【0057】
ただし、側部63と中間部61との間の剛性(又は変形し難さ)の比較は、以下に説明する押込力の測定結果を比較することにより行うことができる。押込力は、略板状の試料に所定の冶具を厚さ方向に所定距離だけ押し込んだときに要する荷重の大きさとして測定される。押込力が大きいほど変形し難い、よって、剛性が高いといえる。押込力を測定する装置は、試料台と、試料台の上面からの内部へ延びる孔部と、試料台の上面に試料を固定する固定具と、試料台の上方に配置され、孔部へ挿通可能な円柱状の冶具と、冶具に掛かる荷重を測定するデジタルフォースゲージと、を備える。測定方法は、測定対象領域が孔部を覆うように試料を試料台の上面に載置して固定具で固定し、試料の上方から孔部へ向かって冶具を下降させたとき、冶具に掛かる荷重を測定する。その測定方法は、具体的には次のように行う。
【0058】
(1)第1長手方向折線F及び第2長手方向折線Fで折り畳まれた第1長手方向折り畳み部Aを切り出して試料とする。試料の第1長手方向折り畳み部Aを、例えば、2mm角の矩形を有する複数の測定対象領域で区画しておく。
(2)試料の平面方向(長手方向L及び幅方向W)と、試料台の上面とが平行になるように、試料を試料台の上面に載置して固定具で固定する。ただし、試料台には、試料台の上面から略垂直に内部へ延びる孔部(直径20mm×深さ10mm)が形成されている。試料を、一つの測定対象領域の中心が孔部の中心に位置するように、固定する。
(3)試料台をスタンド上にセットする(試料台がスタント上に予めセットされていてもよい)。ただし、スタンドは、鉛直方向の上方に延びる柱状部材を備える。柱状部材には測定子の先端に円柱状の冶具(直径2mm×長さ100mm)が連結されたデジタルフォースゲージ(FGP−5:日本電産シンポ株式会社製)が取り付けられている。冶具は、試料台の孔部の鉛直方向の上方に、その先端が試料の測定対象領域に接するように配置される。このとき、冶具は、試料の平面方向に対して垂直に移動して、厚さ方向Tに試料を押し込むことが可能になっている。
(4)冶具を、速度30mm/minで鉛直方向の下方に移動させて、試料の測定対象領域を厚さ方向Tに1mm押込む。そのときのデジタルフォースゲージが計測した最大荷重(N)を記録する。
(5)第1長手方向折り畳み部Aにおいて測定対象領域を順次変更して、(1)〜(4)の測定を繰り返し、第1長手方向折り畳み部A全体を測定する。
(6)異なるN個(Nは3以上の自然数)のサンプルで、(1)〜(5)の測定を繰り返し、それらの平均値を、押込力として採用する。
【0059】
なお、側部と中間部との間の剛性(又は変形し難さ)の比較は、側部及び中間部が含む層の数や種類により行うこともできる。例えば、側部63は、中間部61が含まない層(例示:粘着部72、剥離シート82、粘着部92)及び含んでも数が少ない層(例示:温感剤保持シート13)を含んでいる。したがって、側部63は明らかに中間部61よりも相対的に剛性が高い(又は変形し難い)ということができる。あるいは、側部63が、明らかに剛性が高い(又は変形し難い)補強部材を含んでおり、中間部61が含んでいなければ、側部63は明らかに中間部61よりも相対的に剛性が高い(又は変形し難い)ということができる。
【0060】
別の実施形態では補強部材(例示:温感剤保持シート13、粘着部72、剥離シート82及び粘着部92など)の一部は、一対の側部63、63の各々から、隣接する中間部61の幅方向Wの端部まで延出している。すなわち、補強部材が側部63から、その側部63に隣接する中間部61の端縁を越えて中間部61の内部(ただし、端部の範囲)まで延出している。そのため、側部63を摘んで第2長手方向折り畳み部Aから引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープ45により確実に伝達することができる。すなわち、使用者は、より容易に、個包装体Pを開封することが可能となる。なお、端部とは全体の両端縁から全体の30%の範囲をいう。
【0061】
本実形態の好ましい態様として、第2長手方向折り畳み部Aにおける第2幅方向折線Fの側の第3端部E22とは長手方向Lの反対側に位置する第4端部E21が、第1幅方向折線Fと離間している。そのため、使用者は、開封時に第1長手方向折り畳み部Aと長手方向中央部Aとの間の隙間に指を入れ易く、したがって個包装体Pを開封し易い。
【0062】
本実施形態の好ましい態様として、個包装体Pは、一対の側部63、63の各々の内部に、温感本体(幅広本体)5の中央部(幅方向中央部B)だけでなく、第1長手方向折線F及び第2長手方向折線Fの位置で折り畳まれた温感本体5の幅方向Wの両端部の各々(第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B)が補強部材として含まれている。そのため、温感本体5の両端部の各々を含む分だけ一対の側部63、63の剛性を相対的に確実に高くでき、一対の側部63、63の各々を確実に変形し難くできる。それにより、一対の側部63、63を確実に立ち上がらせることができると共に、側部63を摘んで第2長手方向折り畳み部Aから引き離そうとする力を加えたとき、その力を粘着テープ45に確実に伝達できる。すなわち、使用者は容易に個包装体Pを開封できる。なお、別の実施形態として、温感本体5は、冷感本体、又は、保温本体に代替される。
【0063】
本実施形態の好ましい態様として、個包装体Pでは、温感本体5の幅方向Wの両端部の各々(第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B)に、したがって一対の側部63、63の各々の内部に補強部材として粘着部72が更に含まれている。そのため、粘着部72を含む分だけ一対の側部63、63の各々の剛性をより確実に高くでき、一対の側部63、63の各々を確実に変形し難くできる。それにより、使用者は、容易に個包装体Pを開封できる。
【0064】
本実施形態の好ましい態様として、個包装体Pでは、温感本体5の幅方向Wの両端部の各々(第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B)に、したがって一対の側部63、63の各々の内部に補強部材として剥離シート82が更に含まれている。そのため、剥離シート82を含む分だけ一対の側部63、63の剛性をより確実に高くでき、一対の側部63、63の各々を確実に変形し難くできる。それにより、使用者は、容易に個包装体Pを開封できる。
【0065】
本実施形態の好ましい態様として、個包装体Pでは、温感本体5の幅方向Wの両端部(第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B)の各々に、したがって一対の側部63、63の各々の内部に圧搾部35が更に含まれている。そのため、繊維密度が高い圧搾部35を含む分だけ一対の側部63、63の剛性をより確実に高くでき、一対の側部63、63の各々を確実に変形し難くできる。それにより、使用者は、容易に個包装体Pを開封することが可能となる。
【0066】
本実施形態の好ましい態様として、個包装体Pでは、温感本体5の幅方向Wの両端部(第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B)の各々に、したがって一対の側部63、63の各々の内部に、補強部材として、温感機能(所定機能)を有する温感剤保持シート13(機能部材)が更に含まれている。そのため、温感剤保持シート13を含む分だけ一対の側部63、63の剛性をより確実に高くでき、一対の側部63、63の各々を確実に変形し難くできる。それにより、使用者は、容易に個包装体Pを開封できる。
【0067】
本実施形態の好ましい態様として、個包装体Pでは、温感本体5の幅方向Wの両端部(第1幅方向折り畳み部B、第2幅方向折り畳み部B)の各々に含まれる温感剤保持シート13が、温感剤50を含有している。そのため、温感剤50を含有する分だけ一対の側部63、63の剛性をより確実に高くでき、一対の側部63の各々を確実に変形し難くできる。それにより、使用者は、容易に、個包装体Pを開封することが可能となる。
【0068】
なお、別の実施形態では、液不透過性シート9における長手方向Lの前側の端部かつ幅方向Wの中心部には、非肌側の表面に後処理テープが配置される。後処理テープは、未使用時には、長手方向Lに沿って延びる短冊状に折り畳まれている。後処理テープは、平面視で、長手方向Lにおいて、第1長手方向折り畳み部Aに含まれ、幅方向Wにおいて粘着テープ45と概ね重なっている。したがって、後処理テープは、個包装体Pにおいて、一対の側部63、63の間の領域に含まれている(ただし、中間部61には含まれていない)。使用時には、後処理テープの端部が摘ままれて引っ張られることで、後処理テープ全体が引き伸ばされて、後処理用のテープとして使用される。すなわち、生理用ナプキン1は、使用後に、長手方向Lの後側から前側に向かって小さく丸められ、長手方向Lの前側の端部の後処理テープを全体に巻き付けられ、丸まった状態で固定され、廃棄される。
【0069】
次に、本実施形態に係る生理用ナプキン1の好ましい使用方法について説明する。
装着者が生理用ナプキン1を装着する場合、まず、吸収本体3の吸収体11の排泄口当接域21が装着者の排泄口に対応するように、生理用ナプキン1を着衣(例示:ショーツ)に固定する。それにより、温感本体5の温感剤保持シート13が装着者の下腹部に対応するように生理用ナプキン1が着衣に固定される。そして、温感本体5の肌側の面が装着者の下腹部の肌に接した状態で、生理用ナプキン1が使用される。
【0070】
言い換えると、生理用ナプキン1は、吸収体11の排泄口当接域21が装着者の排泄口に当接するように吸収本体3が着衣に配置されたとき、温感剤保持シート13が装着者の下腹部に対応する位置に配置されるような形状を有している。したがって、吸収本体3の吸収体11の排泄口当接域21と、温感本体5の温感剤保持シート13との距離は、装着者の排泄口と、下腹部との距離(肌面上の距離)とに概ね等しい。
【0071】
本実施形態では、温感剤保持シート13の温感剤50(機能剤)は、TRPチャネルを活性化する温感成分と、溶媒成分とを含んでいる。そのため、生理用ナプキン1が着衣に固定され、使用されると、温感剤保持シート13に含まれる温感剤50が、液透過性シート7を透過して、装着者の肌に接触し、装着者の肌において、温感成分が接触している温感剤接触部分のTRPチャネルを効率よく活性化し、装着者の下腹部に温感を効率よく付与することができる。
【0072】
装着者の下腹部に温感を付与することにより、装着者の下腹部の肌における温感成分に接していた温感剤接触部分のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、温感剤接触部分から熱が生じ、装着者の肌における温感成分の接触部分の温度を上昇させることが期待できる。その結果、装着者の子宮に近い部位を温め、痛み物質プロスタグランジンを排出させ、装着者の生理痛を緩和することが期待される。装着者の子宮に近い部位を温めることにより、装着者の月経前症候群(Premenstrual Syndrome)、冷え性、更年期障害等を軽減することが期待される。血行促進(リンパの流れの促進)により老廃物排出と冷え改善、脂肪燃焼向上、免疫力向上などが期待される。
【0073】
上記各実施形態において、所定の機能を有する機能層(例示:温感剤保持シート13)が有する機能剤(例示:温感剤50)に含まれる機能成分は温感成分である。しかし、本発明はこの例に限定されず、機能成分の種類は他の種類であってもよく、例えば、冷感剤の冷感成分や発熱剤の発熱成分であってもよい。冷感剤を用いる場合、機能層は、例えば、冷感成分と溶媒成分とを含む冷感剤を有するシートである。発熱剤を用いる場合、機能層は、例えば、発熱成分と溶媒成分とを含む発熱剤を有するシートである。また、所定の機能が保温機能の場合、機能層は保温性の高い(例示:温められた空気を保持し易い)不織布のようなシートであり、機能剤は必ずしも含まない。
【0074】
機能剤は、生理用ナプキン1が使用されるまでに揮発したり、他の領域へ移動したりすることを防止するため、水崩壊性の保護材、例えば、マイクロカプセルに保護されていてもよい。マイクロカプセルは、機能剤を内包し、液体(例示:経血、尿、汗)に触れると崩壊し、機能剤を外部に放出させる。放出された機能剤は、着用者の体温等により気化したり、着用者の肌に接触したりすることで、着用者に対して所定の機能を発揮する。
【0075】
マイクロカプセルの素材としては、例えば、糖類、例えば、単糖類(例示:ブドウ糖)、二糖類(例示:ショ糖)及び多糖類(例示:デキストリン、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、水溶性でんぷん)、ゼラチン、水溶性ポリマー(例示:ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル)等が挙げられる。
【0076】
マイクロカプセルは市販されており、例えば、Symrise社から市販される、INCAP(商標)等が挙げられる。また、マイクロカプセルは、例えば、水にマイクロカプセルの素材を溶解させて水溶液を形成し、当該水溶液に機能剤及び界面活性剤を混合し、その水溶液をスプレーしながら減圧乾燥することにより製造することができる。
【0077】
(生理用ナプキン1における各資材等)
次に、各実施形態における生理用ナプキン1における各資材等について説明する。
【0078】
上記の各実施形態における機能層としての温感剤保持シート13は、TRPチャネル(温度受容器(温熱知覚受容器))を活性化する温感成分と溶媒成分とを含む温感剤50を有している。
【0079】
温感剤50は、例えば、TRPチャネルを活性化する温感成分と、溶媒成分とを含んでいる。温感成分としては、TRPチャネルを活性化するものであれば、特に制限されず、例えば、TRPV1レセプターに対するアゴニスト、TRPV3レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPV1に対するアゴニストが好ましい。TRPV1レセプターは、活性化温度閾値が43℃超と高く、装着者に高い温感を付与できるからである。
【0080】
温感成分は、装着者の安心感の観点から、植物由来の化合物が好ましい。温感成分としては、例えば、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド類(ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ノニバミド等)、カプサンチン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノナン酸バニリルアミド、多価アルコール、唐辛子末、唐辛子チンキ、唐辛子エキス、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例示:バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル)、イソバニリルアルコールアルキルエーテル、エチルバニリルアルコールアルキルエーテル、ベラトリアルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコールアルキルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、ジンゲロン、ヘスペリジン、及びピロリドンカルボン酸、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。それらの中でも、温感成分は、装着者が痛さを感じにくい観点から、カプサイシンではないことが好ましく、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例示:バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル)、ショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、及びジンゲロン、並びにそれらの任意の組合わせがより好ましい。
【0081】
冷感剤は、例えば、TRPチャネルを活性化する冷感成分と、溶媒成分とを含んでいる。冷感成分としては、TRPチャネルを活性化するものであれば、特に制限されず、例えば、TRPM8レセプターに対するアゴニスト、TRPA1レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPM8レセプターに対するアゴニストであることが好ましい。装着者に、過度の冷感を付与しないためである。冷感成分としては、例えば、メントール(例示:l−メントール)及びその誘導体(例示:乳酸メンチル、メンチルグリセリルエーテル(例示:l−メンチルグリセリルエーテル))、サリチル酸メチル、カンファー、植物(例示:ミント、ユーカリ)由来の精油等が挙げられる。
【0082】
溶媒成分としては、温感成分及び冷感成分を含むことができるものであれば、特に限定されず、例えば、親油性溶媒及び親水性溶媒が挙げられる。このような溶媒成分は、温感成分及び冷感成分を、溶解、分散等することができる。親油性溶媒としては、例えば、油脂があげられる。油脂としては、例えば、天然油(例示:トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油等)、炭化水素(例示:パラフィン(例示:流動パラフィン))等が挙げられる。親水性溶媒としては、例えば、水及びアルコールが挙げられる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の低級アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。それらの中でも、溶媒成分としては、揮発性を制御しやすい、特に揮発性を下げやすい観点からは、油脂(親油性溶媒)又はアルコール(親水性溶媒)が好ましい。また、生理用ナプキン1では、吸収性を阻害しにくい観点から、上記溶媒成分は親油性溶媒であることが好ましい。
【0083】
温感剤50における温感成分の濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは3〜30質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。一方、冷感剤における冷感成分の濃度は、好ましくは5〜90質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは30〜70質量%である。いずれも、温感又は冷感の効果の観点からである。また、生理用ナプキン1では、温感剤50又は冷感剤における温感成分又は冷感成分の坪量は、好ましくは0.001〜30g/mであり、より好ましくは0.01〜20g/mであり、さらに好ましくは0.1〜10g/mである。装着者に温感又は冷感を付与する観点からである。
【0084】
生理用ナプキン1では、温感剤又は冷感剤は、上述の温感成分又は冷感成分及び溶媒成分以外に、装着者に温感又は冷感を付与する効果を阻害しない範囲で、所望の作用を有する少なくとも一種の他の成分を含むことができる。そのような少なくとも一種の他の成分としては、例えば、抗菌剤や皮膚収斂剤や抗炎症剤のような薬剤、ビタミン、アミノ酸、ゼオライト、ヒアルロン酸、コラーゲン、ワセリン、トレハロース、pH調整剤、保湿剤、香料などが挙げられる。
【0085】
生理用ナプキン1の温感剤は、剤自体が発熱する発熱剤とは異なり、低温やけどを起こし難く、かつ、粘着部72等が軟化し難くので生理用ナプキン1を使用後に下着等から取り外す際に、粘着部72等が下着等に残り難く、好ましい。
【0086】
生理用ナプキン1において、液透過性シート7の素材としては、液透過性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、布帛(例示:不織布、織布、編物)、開孔フィルム等が挙げられる。布帛としては、生理用ナプキン1の製造し易さの観点から不織布が好ましい。不織布としては、例えば、エアレイドパルプ、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例示:SMS)が挙げられる。液透過性シート7は、好ましくは5〜100g/m2、より好ましくは10〜50g/m2の坪量を有する。液透過性シート7は、好ましくは0.001g/cm〜0.6g/cm、より好ましくは0.003g/cm〜0.1g/cmの繊維密度を有する。
【0087】
布帛を構成する繊維としては、例えば、天然繊維、合成繊維、及び半合成繊維が挙げられる。天然繊維としては、例えば、パルプ繊維及び再生セルロース繊維が挙げられる。再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン繊維が挙げられる。半合成繊維としては、例えば、アセテート繊維のような半合成セルロース繊維が挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維が挙げられる。熱可塑性繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレートやポリペンチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミド系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、又はそれらの変性物、あるいはそれらの組み合わせ等から形成された繊維が挙げられる。開孔フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのシートに、複数の開孔部を設けたものが挙げられる。
【0088】
生理用ナプキン1において、液不透過性シート9の素材としては、液不透過性を有するものであれば特に制限はない。ただし、温感剤50の温感の効果で温められた空気を液不透過性シート9と肌との間の領域から散逸し難くする観点から、液不透過性シート9の素材としては非通気性を有するものを用いることが好ましい。液不透過性シート9の素材として、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に合成樹脂フィルムを接合したもの、SMS等の複層不織布等が挙げられ、非通気性を有する合成樹脂フィルムが好ましい。液不透過性シート9は、好ましくは10〜50g/m2、より好ましくは15〜30g/m2の坪量を有する。
【0089】
生理用ナプキン1において、温感剤保持シート13の素材としては、例えば、液透過性シート7の素材として列挙されるものや、スポンジシートのような多孔質樹脂シートなど、温感剤50を含浸可能なものが挙げられる。具体的には、温感剤50の溶媒が親油性溶媒であるときには、合成繊維の布帛、例えば、不織布、織布、編物等が挙げられ、好ましくは合成繊維の不織布が挙げられる。温感剤の溶媒が親水性溶媒であるときには、例えば、セルロース系繊維から構成される布帛、例えば、不織布、織布、編物等が挙げられ、好ましくはパルプ繊維から構成されるティッシュ、エアレイドパルプが挙げられる。なお、別の実施形態として、生理用ナプキン1に付与する所定の機能を保温機能とする場合、温感剤保持シート13に代替される保温性シートの素材は、例えば、温感剤保持シート13の素材として列挙されるものが挙げられ、この場合には温感剤50は含浸させない。
【0090】
生理用ナプキン1において、吸収体11(の吸収コア)の素材としては、例えば、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーが挙げられる。吸収体11がコアラップを有する場合には、コアラップの素材としては、例えばティッシュが挙げられる。吸収体11の坪量は、例えば10〜500g/mが挙げられ、好ましくは100〜400g/mである。
【0091】
生理用ナプキン1において、粘着部71、72、73及び粘着部91、92、93等の素材としては、ホットメルト接着剤、例えば、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のゴム系を主体とした、又は直鎖状低密度ポリエチレン等のオレフィン系を主体とした感圧型接着剤又は感熱型接着剤;水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、ゼラチン等)又は水膨潤性高分子(例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸ナトリウム等)からなる感水性接着剤等が挙げられる。粘着部71、72、73及び粘着部91、92、93の塗布量は、例えば、10〜200g/mが挙げられる。特に、粘着部72及び根着剤92の少なくとも一方の塗布量や塗布面積や塗布位置は、本来の機能に加えて、一対の側部63、63が中間部61と比較して高剛性になる(又は変形し難くなる)点も考慮して設定される。例えば、一対の側部63、63に含まれる粘着部72及び根着剤92の少なくとも一方が相対的に多くなるように設定される。
【0092】
生理用ナプキン1において、剥離シート81、82、83の材料としては、生理用ナプキン1で一般的に使用される公知の材料を用いることができる。その材料としては、例えば、紙や樹脂シートの基材における、少なくとも粘着部71、72、73が塗布される表面に、シリコーン樹脂系の剥離材を塗布したものが挙げられる。特に、剥離シート82の配置面積や配置位置は、本来の機能に加えて、一対の側部63、63が中間部61と比較して高剛性になる(又は変形し難くなる)点も考慮して設定される。例えば、一対の側部63、63に含まれる剥離シート82が相対的に多くなるように設定される。
【0093】
生理用ナプキン1において、個包装シート43の素材としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマーが挙げられる。個包装シート43は、気密性を高める観点から、気密層を含んでもよい。気密層の素材としては、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、例えば、塩化ビニリデンメチルアクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ナイロン、例えば、ナイロン6、アルミ箔、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート等)上にアルミナ、シリカ等が蒸着されたものが挙げられる。
【0094】
生理用ナプキン1では、温感剤50は吸収体11と厚さ方向Tに概ね重複しない位置に配置されているが、吸収体11と厚さ方向Tに重複する位置にも配置することも可能である。具体的には、生理用ナプキン1では、温感剤50は、例えば、液透過性シート7、液拡散シート41、吸収体11における肌側及び/又は非肌側の表面に配置され得る。
【0095】
本発明の吸収性物品(例示:生理用ナプキン)の個包装体Pは、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、各実施形態同士を組合せることや公知技術を適用すること等が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
43 個包装シート
45 粘着テープ
61 中間部
63 側部
第1長手方向折り畳み部
第2長手方向折り畳み部
第1幅方向折り畳み部
第2幅方向折り畳み部
第1長手方向折線
第2長手方向折線
第1幅方向折線
第2幅方向折線
P 個包装体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】