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再表2020-204210カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料及びカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年10月8日
【発行日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料及びカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20210402BHJP
   C09B 47/10 20060101ALI20210402BHJP
   C09B 67/46 20060101ALI20210402BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   G02B5/20 101
   C09B47/10
   C09B67/46 A
   C09B67/20 G
   C09B67/20 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
【出願番号】特願2020-526639(P2020-526639)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2020年4月28日
(11)【特許番号】特許第6744002号(P6744002)
(45)【特許公報発行日】2020年8月19日
(31)【優先権主張番号】特願2019-222361(P2019-222361)
(32)【優先日】2019年12月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】坂本 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】大石 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】浅見 亮介
(72)【発明者】
【氏名】徳岡 真由美
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 勝徳
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 佳右
【テーマコード(参考)】
2H148
【Fターム(参考)】
2H148BE13
2H148BE16
2H148BE23
2H148BF25
2H148BG02
2H148BH03
2H148BH07
(57)【要約】
コントラストが優れ、かつ、輝度が高い、緑色のカラーフィルタを形成できる新規のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を提供する。
カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの716±2.2cm−1のピーク強度が3.0%以上である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの716±2.2cm−1のピーク強度が3.0%以上である、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
【請求項2】
さらに、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの328cm−1の強度が4.5%以上である、請求項1に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
【請求項3】
さらに、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの321±2.2cm−1のピーク強度が12.5%以下である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
【請求項4】
ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの713±2.2cm−1のピーク強度が1.5%以上である、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
【請求項5】
さらに、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの328±2.2cm−1のピーク強度が2.5%以上である、請求項4に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と、分散剤と、を含有する、カラーフィルタ用顔料分散体。
【請求項7】
請求項6に記載のカラーフィルタ用顔料分散体と、硬化性樹脂と、を含有するカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物。
【請求項8】
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を、加圧下で、水中で加熱して顔料化することを含むカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法。
【請求項9】
前記カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の、一次粒子の平均粒子径が10nm〜40nmである請求項8に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法。
【請求項10】
前記加熱における温度が100〜160℃である請求項8又は9に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料と分散剤とを混合することを含む、カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料分散体と硬化性樹脂とを混合してカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を調製し、前記カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を透明基板に塗布することを含む、カラーフィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料及びカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法に関する。
本願は、2019年12月9日に、日本に出願された特願2019−222361号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイに用いるカラーフィルタは、バックライトの白色光を透過させ、赤、緑、青に変換することでディスプレイのカラー表示を実現する部材である。そのうちのカラーフィルタ用緑色着色剤に対しては、高輝度化及び高色再現化が要求されている。
【0003】
緑色のカラーフィルタにおいて高輝度化を達成するためには、バックライト光に対する透過率の高い顔料を選択することが重要であり、ピグメントグリーン58が主顔料として使用されている。現行のディスプレイは、sRGB規格(緑色画素は(x、y)=(0.300,0.600))で輝度が高くなるように設計されており、バックライトとしてLED−YAGが広く使用されている。
【0004】
また、緑色のカラーフィルタにおいて高色再現化を達成するためには、鮮やかな色表示が可能な顔料が選択される。ピグメントグリーン7、ピグメントイエロー185を含有する緑色硬化性樹脂組成物を用いて緑色画素を形成し、高色再現を達成する提案がなされているが、ピグメントグリーン7は透過率が低いため、得られるディスプレイの輝度が低い。新規高色再現顔料としてピグメントグリーン59があり、同じ膜厚のカラーフィルタを作製した場合で比較すると、ピグメントグリーン7よりもピグメントグリーン59を用いた方が高輝度となる(例えば、特許文献1参照。)。高色再現ディスプレイの規格(AdobeRGBや、DCI−P3など)をカバーする為に、カラーフィルタの膜厚を厚くするという設計もあるが、露光工程でカラーフィルタを十分に硬化できないなどの課題が生じるため、鮮やかな色表示が可能な顔料を使用するのが好ましい。
【0005】
以上のことから、高輝度ディスプレイ用の緑色のカラーフィルタにはピグメントグリーン58を使用し、高色再現ディスプレイ用の緑色のカラーフィルタにはピグメントグリーン59を使用するのが良いと認識されている。
【0006】
いずれも既存の緑色のカラーフィルタ用顔料の中で最も輝度の高い顔料であるが、バックライトの白色光を効率的に使用できるようになると、ディスプレイの省エネ化や製造コストダウンが可能となることから、さらなる輝度改良が望まれている。さらに、鮮やかな表示を達成するために高顔料濃度で使用される場合には、ディスプレイの白ボケを起こしやすい為、コントラストの改良も望まれている。
【0007】
なお、高輝度ディスプレイ用のカラーフィルタと高色再現ディスプレイ用のカラーフィルタの大きな違いは、緑色画素を設計する色度と、バックライト(光源)である。
【0008】
現行の高輝度ディスプレイ用の緑色のカラーフィルタでは、色度はsRGB(x、y)=(0.300,0.600)であり、バックライト(光源)はLED−YAGが主流である。ただし、LED−YAGは製造会社によって異なるため、C光源を使用して(x,y)=(0.275,0.570)で、高輝度ディスプレイ用のカラーフィルタの評価を行う場合が多い(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
また、高色再現ディスプレイ用の緑色のカラーフィルタとして予測されるのは、色度がAdobeRGBであり、バックライト(光源)がLED−RGである。ただし、LED−RGも製造会社によって異なるため、C光源を使用して、(x,y)=(0.230,0.670)で、高色再現ディスプレイ用のカラーフィルタの評価を行う場合が多い(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2016−057635号公報
【特許文献2】特開2014−085562号公報
【特許文献3】特開2011−242425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、高輝度ディスプレイ用及び高色再現用ディスプレイ双方の仕様において、さらにコントラストが優れ、かつ、輝度が高い、緑色のカラーフィルタを形成できる新規のカラーフィルタ用顔料が望まれていた。
【0012】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、コントラストが優れ、かつ、輝度が高い、緑色のカラーフィルタを形成できる新規のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料及びカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を、加圧下で、水中で加熱して顔料化することで、コントラストが優れ、かつ、輝度が高い、緑色のカラーフィルタを形成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの716±2.2cm−1のピーク強度が3.0%以上である、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
[2]さらに、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの328cm−1の強度が4.5%以上である、前記[1]に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
[3]さらに、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの321±2.2cm−1のピーク強度が12.5%以下である、前記[1]又は[2]に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
[4]ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの713±2.2cm−1のピーク強度が1.5%以上である、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
[5]さらに、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの328±2.2cm−1のピーク強度が2.5%以上である、前記[4]に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と、分散剤と、を含有する、カラーフィルタ用顔料分散体。
[7]前記[6]に記載のカラーフィルタ用顔料分散体と、硬化性樹脂と、を含有するカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物。
[8]ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を、加圧下で、水中で加熱して顔料化することを含むカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法。
[9]前記カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の、一次粒子の平均粒子径が10〜40nmである前記[8]に記載のカラーフィルタ用顔料の製造方法。
[10]前記加熱における温度が100〜160℃である前記[8]又は[9]に記載のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法。
[11]前記[8]〜[10]のいずれかに記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料と分散剤とを混合することを含むカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法。
[12]前記[11]に記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料分散体と硬化性樹脂とを混合してカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を調製し、前記カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を透明基板に塗布することを含む、カラーフィルタの製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コントラストが優れ、かつ、輝度が高い、緑色のカラーフィルタを形成できる新規のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、カラーフィルタ用顔料分散体、カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法、カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法及びカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係るカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としての第1カラーフィルタ用顔料及び第2カラーフィルタ用顔料のラマンスペクトルの一例を示す図である。
図2図2は、実施例1及び比較例1で得られたラマンスペクトルを示す図である。
図3図3は、図2のラマンシフト700cm−1〜750cm−1でのラマンスペクトルの拡大図である。
図4図4は、図2のラマンシフト300cm−1〜350cm−1でのラマンスペクトルの拡大図である。
図5図5は、実施例7と比較例3で得られたラマンスペクトルを示す図である。
図6図6は、図5のラマンシフト700cm−1〜750cm−1でのラマンスペクトルの拡大図である。
図7図7は、図5のラマンシフト300cm−1〜350cm−1でのラマンスペクトルの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<<カラーフィルタ用顔料>>
本実施形態のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(以下、「カラーフィルタ用顔料」ともいう)は、ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの716±2.2cm−1若しくは713±2.2cm−1のピーク強度が特定の範囲である。ラマンスペクトルは、例えば励起光源としてレーザーを用いたレーザーラマン分光法によって検出することができる。
【0018】
本明細書において、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、次式(1)で表される化合物である。
【0019】
【化1】
【0020】
式中、X〜X16は、いずれも独立に塩素原子、臭素原子または水素原子である。
【0021】
すなわち、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、4つのフタル酸イミドが窒素原子で架橋された構造をもつ環状化合物であり、中心にZn(亜鉛)原子を有し、中心の4つの窒素原子とZn(亜鉛)原子とが化学結合(例えば、共有結合、配位結合等)した構造をもつ化合物である。
【0022】
ハロゲン化亜鉛フタロシアニンとしては、臭素化塩素化亜鉛フタロシアニンであることが好ましい。
【0023】
ハロゲン化亜鉛フタロシアニンが臭素化塩素化亜鉛フタロシアニンである場合、緑色のカラーフィルタの好適な色度に調整できる点から、1分子中ハロゲン原子を平均11個以上16個以下含有することが好ましく、平均12個以上16個以下含有することがより好ましい。1分子中臭素を平均7個以上16個以下含有することが好ましく、平均8個以上15個以下含有することがより好ましい。1分子中塩素を平均0.5個以上4個以下含有することが好ましく、平均1個以上3個以下含有することがより好ましい。
【0024】
ここで、例えばα位にハロゲン原子を5個以上含有するハロゲン化亜鉛フタロシアニンなど、環状化合物の周囲において隣接するハロゲン置換基同士の距離が近い場合(上記式(1)中、XとX、XとXなど)、サドル(Saddle)型やウェーブ(Wave)型等の幾つかの安定配座が存在する。また、ハロゲン原子を平均9個以上含有するカラーフィルタ用顔料は、α位にハロゲン原子を5個以上含有するハロゲン化亜鉛フタロシアニンを多く含有する。
【0025】
ウェーブ型は、フタロシアニンが平面に近い構造を有しているのに対し、サドル型は、全体的に歪んでおり、フタロシアニンがドーム状構造を有している。この構造歪みに因って、接近したπ電子同士の反発を生じ、HOMOの分子軌道が不安定化する。そのため、サドル型の吸収スペクトルは、ウェーブ型の吸収スペクトルよりも長波長側に位置する。
【0026】
緑色のカラーフィルタとしては480nm〜580nmの光を透過しそれ以外の波長の光を吸収する必要があり、通常、480nm未満の短波長の光を別途の黄色顔料で吸収し、580nmよりも大きい長波長の光を緑色顔料で吸収する。上述のようにサドル型の吸収スペクトルは、ウェーブ型の吸収スペクトルよりも長波長側に位置するため、サドル型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンの含有量が多いと、緑色顔料の吸収スペクトルが580nm前後で穏やかに増大し、その結果、サドル型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンの含有量が少ない場合と比較して、580nm付近での光吸収が若干劣る。従って、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンがサドル型とウェーブ型の双方を有している場合、更なる高輝度を発現する観点から、ウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンが、サドル型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンよりも多く含まれるカラーフィルタ用顔料が好ましい。
【0027】
カラーフィルタ用顔料に、ウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンがサドル型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンよりも多く含まれる場合、ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの716cm−1付近のピーク強度が強く表れる。よって、716cm−1付近における特定のピーク強度が所定の範囲内の値であることにより、本実施形態のカラーフィルタ用顔料に含まれるハロゲン化亜鉛フタロシアニンを特定することができる。
【0028】
図1は、第1カラーフィルタ用顔料及び第2カラーフィルタ用顔料のラマンスペクトルの一例を示す図である。同図に示すように、本実施形態の第1カラーフィルタ用顔料では、ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%とした場合に716cm−1付近のピーク強度が特徴的であり、また、328cm−1の強度、321cm−1付近のピーク強度が特徴的である。本実施形態の第2カラーフィルタ用顔料では、ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%とした場合に、713cm−1付近のピーク強度が特徴的であり、また、328cm−1付近のピーク強度等が特徴的である。なお、本明細書のラマンスペクトルのピーク強度の記載において、「付近」とは、記載されたラマンシフトの数値に対して例えば±2.2cm−1を意味し、「ピーク強度」とは、例えば記載されたラマンシフトの数値に対して±2.2cm−1の範囲における強度の最大値を意味する。
【0029】
<第1カラーフィルタ用顔料>
第1カラーフィルタ用顔料は、ラマンスペクトルにおいて650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの716±2.2cm−1のピーク強度が3.0%以上(例えば3.0〜20.0%)であり、4.0%以上であるのが好ましく、4.6%以上であるのがより好ましく、5.0%以上であるのがより好ましい。716±2.2cm−1のピーク強度が3.0%以上であることにより、第1カラーフィルタ用顔料中にウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンが多く含まれていることを正確に判定することができる。この第1カラーフィルタ用顔料を用いることにより、更なる高輝度を発現することができる。
【0030】
また、第1カラーフィルタ用顔料において、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの328cm−1の強度が4.5%以上(例えば4.5〜10.0%)であるのが好ましく、5.0%以上であるのがより好ましく、5.7%以上であるのが更に好ましい。328cm−1の強度が4.5%以上であることにより、第1カラーフィルタ用顔料中にウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンが多く含まれていることを正確に判定することができる。
【0031】
また、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの321±2.2cm−1のピーク強度が12.5%以下(例えば3.0〜12.5%)であるのが好ましく、12.0%以下であるのがより好ましく、11.5%以下であるのが特に好ましい。また、5.0%以上であるのが好ましく、7.0%以上であることがより好ましく、9.0%以上であるのが特に好ましい。321±2.2cm−1のピーク強度は7.0〜12.5%であることが好ましい。321±2.2cm−1のピーク強度が上記範囲であることにより、第1カラーフィルタ用顔料中にウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンが多く含まれていることをより正確に判定することができる。
【0032】
<第2カラーフィルタ用顔料>
本実施形態では、第2カラーフィルタ用顔料は、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの713±2.2cm−1のピーク強度が1.5%以上(例えば1.5〜5.0%)であるのが好ましく、1.8%以上であるのがより好ましい。713±2.2cm−1のピーク強度が1.5%以上であることにより、第2カラーフィルタ用顔料中にウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンが多く含まれており、この第2カラーフィルタ用顔料を用いることにより、更なる高輝度且つ高色再現を発現することができる。
【0033】
また、第2カラーフィルタ用顔料において、650±10cm−1のピーク強度を100%としたときの328±2.2cm−1のピーク強度が2.5%以上(例えば2.5〜5.0%)であるのが好ましく、2.9%以上であるのがより好ましい。328±2.2cm−1のピーク強度が2.5%以上であることにより、第2カラーフィルタ用顔料中にウェーブ型のハロゲン化亜鉛フタロシアニンが多く含まれていることを正確に判定することができる。
【0034】
カラーフィルタ用顔料は、一又は複数の粒子から構成される。カラーフィルタ用顔料の一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は、10nm以上であるのが好ましく、15nm以上であるのがより好ましく、20nm以上であるのが更に好ましい。カラーフィルタ用顔料の平均一次粒子径は、200nm以下であるのが好ましく、100nm以下であるのがより好ましく、70nm以下であるのが更に好ましい。また、カラーフィルタ用顔料の一次粒子の平均粒子径は、10nm以上40nm以下であるのが好ましく、15〜35nmであることがより好ましく、20nm〜30nmであることが更に好ましい。一次粒子の平均粒子径が10〜40nmであることで、顔料凝集も比較的弱く、着色すべき合成樹脂等への分散性がより良好となる。平均一次粒子径は、一次粒子の長径の平均値であり、後述する平均アスペクト比の測定と同様にして一次粒子の長径を測定することにより求めることができる。
【0035】
カラーフィルタ用顔料の一次粒子の平均アスペクト比は、より優れたコントラストが得られる観点から、5.0未満であるのが好ましく、4.0未満であるのがより好ましく、3.0以下であるのが更に好ましく、2.0以下であるのが特に好ましい。また、カラーフィルタ用顔料の一次粒子の平均アスペクト比は、1.0〜3.0であるのが好ましく、1.0〜2.0であるのがより好ましい。
【0036】
一次粒子の平均アスペクト比が1.0〜3.0の範囲にあるカラーフィルタ用顔料は、アスペクト比が5以上の一次粒子を含まないことが好ましく、アスペクト比が4以上の一次粒子を含まないことがより好ましく、アスペクト比が3を超える一次粒子を含まないことが更に好ましい。
【0037】
一次粒子のアスペクト比及び平均アスペクト比は、以下の方法で測定することができる。まず、透過型電子顕微鏡(例えば日本電子株式会社製のJEM−2010)で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上に存在する一次粒子の長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)とを測定し、短径に対する長径の比を一次粒子のアスペクト比とする。また、一次粒子40個につき長径と、短径の平均値を求め、これらの値を用いて短径に対する長径の比を算出し、これを平均アスペクト比とする。この際、試料であるカラーフィルタ用顔料は、これを溶媒(例えばシクロヘキサン)に超音波分散させてから顕微鏡で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
【0038】
カラーフィルタ用顔料における粒度分布の算術標準偏差は、25nm以下であるのが好ましく、20nm以下であるのがより好ましい。粒度分布の算術標準偏差は、上記のように輝度やコントラストの点より小さい方が好ましいが、カラーフィルタ用顔料として一般的に製造可能な顔料の粒度分布の算術標準偏差は10nm以上である。よって、粒度分布の算術標準偏差は、実用上10〜25nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。粒度分布の算術標準偏差は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における粒度分布の算術標準偏差を測定する場合と同様にして、後述する動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができ、後述の方法、条件で測定することができる。
【0039】
<<カラーフィルタ用顔料の製造方法>>
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を、加圧下で、水中で加熱して顔料化することを含む。
【0040】
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を、加圧下で、水中で加熱して顔料化するので、これにより得られるカラーフィルタ用顔料を用いて形成されるカラーフィルタは、コントラスト及び輝度が優れる。
より具体的には、本実施形態の製造方法により得られるカラーフィルタ用顔料を用いて形成されるカラーフィルタは、従来の、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料をニーダー磨砕して顔料化して得られるカラーフィルタ用顔料を用いて得られるカラーフィルタに比べて、コントラスト及び輝度が優れる。
【0041】
これは、合成直後の粗顔料は粒度が整っておらず一次粒子径が非常に小さい粒子や大きい粒子を含んでいるのに対して、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を、加圧下で、水中で加熱して顔料化したものは、一次粒子径の大きさの分布が狭い範囲に調整できることが大きく影響していると推察される。
【0042】
粗顔料をそのまま使用してカラーフィルタを形成すると一次粒子径が非常に小さい粒子が溶剤や樹脂成分に溶解し析出と溶解を繰り返す過程で一次粒子径の大きな粒子へと成長する。その結果、コントラスト及び輝度の低下を引き起こす。これに対し本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法では、溶剤や樹脂成分への溶解を起こさない程度に一次粒子径を成長させることができる為、コントラスト及び輝度の高いカラーフィルタを形成することのできるものと推察される。
【0043】
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法において、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料は、粒度が整っていることを表す指標として粒度分布の算術標準偏差を用いることができる。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における当該算術標準偏差は、好ましくは15nm以上1500nm以下である。算術標準偏差は、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができ、具体的には以下の方法、条件で測定することができる。
【0044】
(方法)
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料2.48gを、ビックケミー社製BYK−LPN6919 1.24g、DIC株式会社製ユニディックZL−295 1.86g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92gと共に0.3〜0.4 mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製ペイントシェーカーで2時間分散して分散体を得る。ジルコンビーズをナイロンメッシュで取り除いた後の分散体0.02gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20gで希釈して粒度分布測定用分散体を得る。
【0045】
(条件)
・測定機器:動的光散乱式粒子径分布測定装置LB−550(株式会社堀場製作所製)
・測定温度:25℃
・測定試料:粒度分布測定用分散体
・データ解析条件:粒子径基準 散乱光強度、分散媒屈折率 1.402
【0046】
また、本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法では、温度に加えて加圧により圧力を制御することで、二次粒子の凝集を解きながら顔料化を進めることが可能となるので、粗大粒子を発生させることなく、一次粒子の平均粒子径をカラーフィルタに適した大きさに制御できる。
【0047】
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法において、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料とは、合成直後の未精製の状態の含溶媒粗顔料を、(1)ろ過、水洗することにより得られる含水粗顔料、(2)各種溶媒等で精製処理をした後の含溶媒粗顔料、(3)該含水粗顔料もしくは該含溶媒粗顔料を乾燥して得られる粗顔料、または、(4)該乾燥後にさらに粉砕を行った粗顔料であって、顔料化を経ていないハロゲン化亜鉛フタロシアニンをいう。合成直後のハロゲン化亜鉛フタロシアニンを水に取り出した後、ろ過、水洗することにより得られた含水粗顔料をハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料として、水中で加熱して顔料化することが好ましい。この含水粗顔料を乾燥して得られた粗顔料をハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料として用いてもよい。
【0048】
本実施形態における前記した好ましいカラーフィルタ用顔料を得るために、100乾燥質量部のハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料に対して、300〜6000質量部の水と共に、加熱することが好ましく、450〜4500質量部の水と共に、加熱することが好ましく、600〜3000質量部の水と共に、加熱することが好ましい。
【0049】
加熱時の温度は、30〜180℃が好ましく、80〜160℃がより好ましく、特に100〜160℃が好ましい。加熱時間は、30分〜30時間が好ましく、1〜10時間がより好ましい。
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法では、上記温度に加えて圧力を制御するために密閉容器を有する装置を用いることが好ましい。
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法は、該装置の密閉容器内の圧力を常圧以上とすることが好ましい。圧力としては常圧から2MPaの範囲が好ましい。圧力の上限としては1MPaがより好ましく、0.6MPaがさらに好ましく、0.3MPaが特に好ましい。なお、密閉容器内に窒素、アルゴンなどの不活性ガスを導入してもよい。
該装置の密閉容器内の水の量は、特に限定されないが、該密閉容器の容器標準容積100体積%に対して、10〜90体積%が好ましく、40〜80体積%がより好ましい。
【0050】
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法では、温度を100〜160℃、圧力を常圧から0.6MPaの範囲とし、100乾燥質量部のハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料に対して450〜4500質量部の水と共に顔料化することが好ましい。
【0051】
加熱時の水素イオン指数は、pH2〜pH12に調整することが好ましく、pH2.5〜pH11.5に調整することがより好ましく、pH3〜pH10に調整することが特に好ましい。上記pHの範囲に調整するためにpH調整剤を用いてもよい。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど公知慣用のものを用いることができる。
【0052】
上記製造方法により、本実施形態に係るカラーフィルタ用顔料が得られるが、必要に応じてハロゲン化亜鉛フタロシアニンを主体とする固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンからなるカラーフィルタ用顔料の粉体を得ることが出来る。
【0053】
本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法で用いる装置が有する密閉容器としては、通常、耐熱耐圧性の反応容器を使用する。このような密閉容器もしくは密閉容器を有する装置としては、オートクレーブが好ましい。また、密閉容器を有する装置には、容器内容物が均一になるように攪拌可能なパドルやプロペラを有していることが好ましい。このような装置としては、撹拌機があり、例えば浅田鉄工社製同心型二軸攪拌機を用いることができる。
【0054】
洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返せばよい。水洗することで容易にpH調整に用いた無機塩を除去することができる。必要であれば、結晶状態を変化させない様に、酸洗浄、アルカリ洗浄、有機溶剤洗浄を行ってもよい。
【0055】
上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水又は脱溶剤のうち少なくともいずれかを行う回分式又は連続式の乾燥等が挙げられる。前記乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。特にスプレードライ乾燥はペースト作成時に易分散であるため好ましい。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくするため、又は一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように、顔料がランプ状等となった際に顔料を解して粉末化するために行うものである。乾燥後に使用する粉砕機としては、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等が挙げられる。こうして、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンを主成分として含むカラーフィルタ用顔料の乾燥粉末が得られる。
【0056】
<第1カラーフィルタ用顔料及び第2カラーフィルタ用顔料の製造方法>
第1カラーフィルタ用顔料は、例えば以下のハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含む第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を用い、加圧下で、水中で加熱して顔料化することにより、製造することができる。
【0057】
第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における、上記式(1)で表される化合物1分子中の臭素原子の数の平均は、例えば13個以上である。顔料化前後でハロゲン数は変化しないため、第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料に含まれるハロゲン化亜鉛フタロシアニンを上記式(1)で表すことができる。このような第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料から得られる第1カラーフィルタ用顔料を緑色顔料として用いる場合、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる。臭素原子の数の平均は、上記観点から、好ましくは14個以上である。臭素原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる観点から、好ましくは15個以下である。
【0058】
臭素原子の数の平均が13個以上である場合、第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における、上記式(1)で表される化合物1分子中のハロゲン原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる観点から、好ましくは13個以上であり、より好ましくは14個以上であり、更に好ましくは15個以上である。ハロゲン原子の数の平均は、16個以下であり、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる観点から、好ましくは15.8個以下である。
【0059】
臭素原子の数の平均が13個以上である場合、第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における、上記式(1)で表される化合物1分子中の塩素原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる観点から、好ましくは0.1個以上であり、より好ましくは1個以上である。塩素原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる観点から、好ましくは5個以下であり、より好ましくは3個以下であり、更に好ましくは2個未満である。
【0060】
ハロゲン原子の数の平均が14個以上16個以下であり、臭素原子の数の平均が13個以上15個以下であり、塩素原子の数の平均が1個以上3個以下であると、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる。
【0061】
また、第2カラーフィルタ用顔料は、例えば以下のハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含む第2ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を用い、加圧下で、水中で加熱して顔料化することにより、製造することができる。
【0062】
第2ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における、上記式(1)で表される化合物1分子中の臭素原子の数の平均は、13個未満である。顔料化前後でハロゲン数は変化しないため、第1ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料に含まれるハロゲン化亜鉛フタロシアニンを上記式(1)で表すことができる。このような第2ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料から得られる第2カラーフィルタ用顔料を緑色顔料として用いる場合、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる。臭素原子の数の平均は、上記観点から、好ましくは12個以下であり、より好ましくは11個以下である。臭素原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる観点から、好ましくは0.1個以上であり、より好ましくは6個以上であり、更に好ましくは8個以上である。上述の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。例えば、臭素原子の数の平均は、0.1個以上13個未満、8〜12個又は8〜11個であってよい。なお、以下の同様の記載においても、個別に記載した上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。
【0063】
臭素原子の数の平均が13個未満である場合、第2ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における、上記式(1)で表される化合物1分子中のハロゲン原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる観点から、好ましくは14個以下であり、より好ましくは13個以下であり、13個未満又は12個以下であってもよい。ハロゲン原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる観点から、好ましくは0.1個以上であり、より好ましくは8個以上であり、更に好ましくは10個以上である。
【0064】
臭素原子の数の平均が13個未満である場合、第2ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料における、上記式(1)で表される化合物1分子中の塩素原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる観点から、好ましくは5個以下であり、より好ましくは3個以下であり、更に好ましくは2.5個以下であり、特に好ましくは2個未満である。塩素原子の数の平均は、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、より一層優れた輝度が得られる観点から、好ましくは0.1個以上であり、より好ましくは0.3個以上であり、更に好ましくは0.6個以上であり、特に好ましくは0.8個以上であり、極めて好ましくは1個以上であり、より一層好ましくは1.3個以上である。また、塩素原子の数の平均は、2個以上であってもよい。
【0065】
ハロゲン原子の数の平均が13個以下であり、臭素原子の数の平均が11個以下であり、塩素原子の数の平均が2個未満であると、より一層優れた輝度が得られる。このような効果が得られる観点では、臭素原子の数の平均が8〜11個であり、塩素原子の数の平均が0.1個以上2個未満であることが好ましい。
【0066】
また、従来公知の黄色顔料との組み合わせにおいて、更なる薄膜化が可能となる観点では、ハロゲン原子の数の平均が10〜14個であり、臭素原子の数の平均が8〜12個であり、塩素原子の数の平均が2〜5個であることが好ましい。
【0067】
ハロゲン化亜鉛フタロシアニンにおける上記臭素原子や塩素原子などのハロゲン原子の数は、質量分析を行うことにより測定することができる。質量分析は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計(例えば、日本電子株式会社製のJMS−S3000)を用いて行うことができる。具体的には、分子量がQであることが既知の化合物の質量分析を行った際に、m/z=Qが検出されるように、各測定パラメータを設定する。本実施形態では、分子量1840の既知化合物の質量分析を行った際に、m/z=1840が検出されるようにJMS−S3000の設定を調節する。
【0068】
(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料の製造方法)
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料は、例えば、クロルスルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法、溶融法等の様な公知の製造方法で製造できる。
【0069】
クロルスルホン酸法としては、例えば、亜鉛フタロシアニンを、クロロスルホン酸等の硫黄酸化物系の溶媒に溶解し、これに塩素ガス、臭素を仕込みハロゲン化する方法等が挙げられる。この際の反応は、温度20〜120℃且つ3〜20時間の範囲で行われる。
【0070】
ハロゲン化フタロニトリル法としては、例えば、芳香環の水素原子の一部又は全部が臭素、塩素等のハロゲン原子で置換されたフタル酸やフタロジニトリルと、亜鉛の金属又は金属塩を適宜出発原料として使用して、対応するハロゲン化亜鉛フタロシアニンを合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いてもよい。この際の反応は、温度100〜300℃且つ7〜35時間の範囲で行われる。
【0071】
溶融法としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムの様なハロゲン化アルミニウム、四塩化チタンの様なハロゲン化チタン、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等の様なアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物(以下、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物と称する場合がある。)、塩化チオニル等、各種のハロゲン化の際に溶媒となる化合物の一種又は二種以上の混合物からなる10〜170℃程度の溶融物中で、亜鉛フタロシアニンをハロゲン化剤にてハロゲン化する方法等が挙げられる。
【0072】
前記ハロゲン化アルミニウムとしては、塩化アルミニウムであることが好ましい。ハロゲン化アルミニウムを用いる上記溶融法における、ハロゲン化アルミニウムの添加量は、亜鉛フタロシアニンに対して、通常は、3倍モル以上であり、好ましくは10〜20倍モルである。
【0073】
ハロゲン化アルミニウムは単独で用いてもよいが、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物をハロゲン化アルミニウムに併用すると溶融温度をより下げることができ操作上有利になる。前記アルカリ(土類)金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウムであることが好ましい。加えるアルカリ(土類)金属ハロゲン化物の量は溶融塩を生成する範囲内でハロゲン化アルミニウム10質量部に対してアルカリ(土類)金属ハロゲン化物が5〜15質量部が好ましい。
【0074】
また、ハロゲン化剤としては、例えば、塩素ガス、塩化スルフリル、臭素等が挙げられる。
【0075】
ハロゲン化の温度は10〜170℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。さらに、反応速度を速くするため、加圧してもよい。反応時間は、5〜100時間であることが好ましく、30〜45時間であることがより好ましい。
【0076】
前記ハロゲン化の際に溶媒となる化合物の二種以上を併用する溶融法は、溶融塩中の塩化物と臭化物とヨウ素化物の比率を調節したり、塩素ガスや臭素やヨウ素の導入量や反応時間を変化させたりすることによって、生成するハロゲン化亜鉛フタロシアニン中における、特定ハロゲン原子組成のハロゲン化亜鉛フタロシアニンの含有比率を任意にコントロールすることができるので好ましい。
【0077】
反応中の原料の分解が少なく原料からの収率がより優れ、強酸を用いず安価な装置にて反応を行えるので、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得る上では、溶融法が好適である。
【0078】
原料仕込方法、触媒種や使用量、反応温度や反応時間の最適化により、好適なハロゲン原子組成のハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得ることができる。
【0079】
上記いずれの製造方法にせよ、反応終了後、得られた混合物を水又は塩酸等の酸性水溶液中に投入すると、生成したハロゲン化亜鉛フタロシアニンが沈殿する。ハロゲン化亜鉛フタロシアニンとしては、これをそのまま用いてもよいが、その後、濾過、又は水、硫酸水素ナトリウム水、炭酸水素ナトリウム水、若しくは水酸化ナトリウム水による洗浄、必要に応じてアセトン、トルエン、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤洗浄を行い、乾燥等の後処理を行ってから用いてもよい。
【0080】
粗顔料を顔料化する際に、カラーフィルタ用顔料を被覆するための樹脂(以下、被覆樹脂ともいう)や界面活性剤を共存させてもよい。顔料化の際にこのような被覆樹脂や界面活性剤を共存させることで、粒子の活性面(活性成長面)が樹脂や界面活性剤によって安定化される場合がある。これにより、粒子成長の方向の偏りが緩和されるため、平均アスペクト比の小さい顔料を容易に得ることができる場合がある。特にカラーフィルタ用顔料に被覆樹脂や界面活性剤を共存させた態様を顔料組成物と言う。顔料組成物において、カラーフィルタ用顔料は被覆樹脂などによって完全に被覆されていることが好ましいが、顔料の一部は、樹脂によって被覆されていなくてもよい。本実施形態のカラーフィルタ用顔料の製造方法では、このような顔料組成物を用いることで、画素部のコントラストを向上させることができる場合がある。
【0081】
被覆樹脂としては、酸性基を有する樹脂、例えば、酸性基を有する重合体を含む樹脂が好ましく用いられる。酸性基が活性面(活性成長面)への相互作用を発現するため、樹脂が酸性基を有することで、一次粒子の平均アスペクト比が小さい顔料を容易に得ることができる。酸性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びそのアンモニウム塩基等が挙げられる。これらの中でも、より優れたコントラストが得られやすくなる観点から、カルボキシル基が好ましい。界面活性剤としては、被覆樹脂と同様に酸性基を有する活性剤が好ましい。
【0082】
顔料組成物中のカラーフィルタ用顔料の含有量は、顔料組成物の全質量を基準として、85質量%以上、90質量%以上又は95質量%以上であってよい。顔料組成物中のカラーフィルタ用顔料の含有量は、顔料組成物の全質量を基準として、99質量%以下、98質量%以下又は96質量%以下であってよい。
【0083】
顔料組成物は、上述したカラーフィルタ用顔料及び被覆樹脂以外にフタロシアニン誘導体を含んでもよい。フタロシアニン誘導体は、例えば、粗顔料を被覆樹脂と共に顔料化する工程で添加されてよく、カラーフィルタ用顔料を得た後に添加されてもよい。なお、顔料組成物に下記カラーフィルタ用顔料分散体にて記載した黄色顔料を加えてもよい。
【0084】
<<カラーフィルタ用顔料分散体及びその製造方法>>
本実施形態に係るカラーフィルタ用顔料分散体は、上述したカラーフィルタ用顔料と、分散剤と、を含有する。
前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料を用いて、公知の製造方法により、カラーフィルタ用顔料分散体を製造することができる。本実施形態のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法は、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料と分散剤とを混合することを含む。
【0085】
カラーフィルタ用顔料分散体を調製するには、例えば、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料(第1カラーフィルタ用顔料、第2カラーフィルタ用顔料)と、分散剤と、有機溶剤とを混合する。また、カラーフィルタ用顔料分散体は、緑色画素を形成するために、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料と共に、少なくとも1以上の黄色顔料を含有させることができる。より具体的には、分散剤と、黄色顔料と、有機溶剤とを混合して調色用組成物と調製してから、そこに、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料と、分散剤と、有機溶剤とを混合して得られたカラーフィルタ用顔料分散体を混合させることで、所望の色度(x,y)に調整することができる。
【0086】
(分散剤)
前記分散剤としては、例えば、ビックケミー社のディスパービック(DISPERBYKTM)130、同161、同162、同163、同170、同LPN−6919、同LPN−21116、BASF社のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用してもよい。
【0087】
(黄色顔料)
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー(PY)1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、126、127、128、129、138、139、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、199、231、又は233等が挙げられるが、輝度が高い、又は、顔料が少量で済み薄膜化に適している点から、PY83、138、139、150、185、231、又は233が好ましく、PY138、150、185、231、又は233が特に好ましい。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0088】
黄色顔料としては、具体的には、以下のキノフタロン二量体(2−1)、(2−2)、(2−3)、(2−4)、(2−5)、(2−6)の一又は複数を挙げることができる。
【0089】
【化2】
【0090】
【化3】
【0091】
【化4】
【0092】
【化5】
【0093】
【化6】
【0094】
【化7】
【0095】
黄色顔料を混合してカラーフィルタ用顔料分散体を調製する場合には、緑色顔料(前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料)と黄色顔料との混合比は、前記緑色顔料100質量部当たり、黄色顔料が10〜400質量部であればよい。
【0096】
また、本実施形態のカラーフィルタ用顔料分散体において、黄色顔料を調色のために併用した場合でも、従来の緑色顔料を用いる場合に比べて、濁りの少ない、色純度、着色力に優れ、かつ明るいカラーフィルタ緑色画素部を作製することができる。
【0097】
(有機溶剤)
前記有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
【0098】
カラーフィルタ用顔料分散体の平均組成は、例えば、蛍光X線分析等から求めることができる。
【0099】
例えば、前記カラーフィルタ用顔料若しくは顔料組成物100質量部当たり、300〜1000質量部の有機溶剤と、必要に応じて0〜100質量部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して分散液としてカラーフィルタ用顔料分散体を得ることができる。
【0100】
<<カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物及びカラーフィルタの製造方法>>
本実施形態のカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物は、上述したカラーフィルタ用顔料分散体と、硬化性樹脂と、を含有する。
前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料、顔料組成物、またはカラーフィルタ用顔料分散体を用いて、公知の方法により、カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を調製することができる。本実施形態のカラーフィルタの製造方法は、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料分散体と硬化性樹脂とを混合してカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を調製し、前記カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を透明基板に塗布することを含む。
【0101】
<カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物の調製方法>
カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物の調製方法としては、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料分散体と有機溶剤とを用いて分散液を調製してから、その分散液に硬化性樹脂等を加える方法が一般的である。
【0102】
カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を調製するには、例えば、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料と、硬化性樹脂と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを混合する。より具体的には、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用顔料分散体と有機溶剤とを用いて分散液を調製してから、その分散液に硬化性樹脂等を加えて調製する方法が一般的である。
【0103】
分散剤としては、前記分散剤を用いることができる。
【0104】
前記カラーフィルタ用顔料若しくは顔料組成物100質量部当たり、3〜20質量部の硬化性樹脂、硬化性樹脂1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を得ることができる。
【0105】
硬化性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
【0106】
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチルベン−2,2'−ジスルホン酸等が挙げられる。
【0107】
有機溶剤としては、前記有機溶剤を用いることができる。
【0108】
<カラーフィルタの製造方法>
前記調製方法により得られたカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を用いて、公知の製造方法により、カラーフィルタを製造することができる。本実施形態のカラーフィルタの製造方法は、前記調整方法により得られたカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を透明基板に塗布することを含む。
【0109】
カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物は、公知の方法でカラーフィルタの緑色画素部のパターンの形成に用いることができる。
【0110】
カラーフィルタの製造方法としては、例えば、硬化性樹脂と光重合開始剤とを含むカラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物を、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を溶剤等で洗浄して緑色パターンを得る、フォトリソグラフィーと呼ばれる方法等が挙げられる。前記カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物は、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカリ水等で洗浄することにより、カラーフィルタを得ることができる。
【0111】
その他の製造方法としては、例えば、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で緑色画素部のパターンを形成して、カラーフィルタを製造する方法等が挙げられる。なお、赤色画素部のパターン及び青色画素部のパターンも公知の顔料を使用して、同様の方法で形成できる。
【0112】
本実施形態のカラーフィルタの製造方法により得られる緑色画素は色再現性が高く、且つ、輝度が高いため、係る緑色画素を備えた表示性能の高いカラーフィルタ及び液晶パネルを用いて、sRGB、AdobeRGB、DCI−P3等のマルチメディアモニタの表示規格、或いは、NTSC、EBU等の表示規格のような色座標の着色力が高い領域(高濃度領域)をも満足し得る液晶表示装置を製造することができる。
【0113】
本実施形態のカラーフィルタの製造方法により得られる緑色画素は、光源の緑の光を良く透過させることができ、且つ緑色の色純度、着色力を最大限に発現することができる。
【0114】
上記光源は、例えば、白色LED(発光ダイオード)光源、白色有機EL光源、白色無機EL光源、白色量子ドット光源等であってよい。光源が白色LED光源である場合、当該白色LED光源は、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED光源、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED光源、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED光源、青色LEDとYAG系蛍光体との混色により白色光を得る白色LED光源、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED光源、赤色レーザーを組み合わせた白色LED光源、量子ドット技術を利用した白色LED光源等であってよい。
【0115】
蛍光体としては、この分野で用いられる蛍光体を適宜選択することができる。例えば、青色LED又は紫外線LEDで励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG:Ce)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG:Ce)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(例えばCaO−Al−SiO:Eu)、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体((Sr,Ba)SiO:Eu)、サイアロン系蛍光体、CASN系蛍光体(CaAlSiN:Eu)、SCASN系蛍光体((Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体等が挙げられる。
【0116】
より具体的には、例えば、サイアロン系蛍光体は、α型サイアロン蛍光体であってよい。α型サイアロン蛍光体は、例えば、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ユーロピウム(Eu)を所定のモル比で混合し、1気圧(0.1MPa)の窒素中において1700℃の温度で1時間保持してホットプレス法により焼成して製造される、Euイオンを固溶したα型サイアロン蛍光体であってよい。このα型サイアロン蛍光体は、450〜500nmの青色光で励起されて550〜600nmの黄色の光を発する蛍光体である。サイアロン系蛍光体は、例えば、β−Si構造を有するβ型サイアロン蛍光体であってもよい。このβ型サイアロン蛍光体は、近紫外〜青色光で励起されることにより、500〜600nmの緑色〜橙色の光を発する蛍光体である。
【0117】
また、例えば、蛍光体は、JEM相からなる酸窒化物蛍光体であってもよい。この酸窒化物蛍光体は、近紫外〜青色光で励起されて、460〜510nmに発光波長ピークを有する光を発する。
【0118】
(その他用途)
本実施形態の製造方法により得られるカラーフィルタ用顔料は、コントラストが優れ、かつ、輝度が高い緑色を発色する。従って、本実施形態の製造方法により得られるカラーフィルタ用顔料及びこれから得られるカラーフィルタ用顔料分散体は、詳述したカラーフィルタ以外にも、イメージセンサ用カラーフィルタ、塗料、プラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子トナー、ジェットインキ、熱転写インキ等の着色に使用することができる。
【実施例】
【0119】
以下、実施例及び比較例等を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。なお、下記表2、4、6、及び8におけるラマンシフトの値は、記載された数値に対して±2.2cm−1の誤差を有する。
【0120】
[緑色顔料の一次粒子の平均粒子径]
試料である緑色顔料をシクロヘキサンに超音波分散させてから、日本電子株式会社製透過電子顕微鏡JEM−2010で撮影した。二次元画像上の凝集体を構成する最小単位の粒子(すなわち、一次粒子)について、その長径(観察される最も長い部分のフェレ径)と短径(その最も長い部分のフェレ径に対して、垂直な向きの短いフェレ径)を計測し、その平均値を一次粒子径として算出し、同様の操作をランダムに選ばれた40個の一次粒子に対して行い、その平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。
【0121】
<粗顔料の合成>
[合成例1](含水粗顔料WC1)
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬試薬)91g、塩化アルミニウム(関東化学試薬)109g、塩化ナトリウム(東京化成工業試薬)15g、DIC株式会社製 亜鉛フタロシアニン30g、臭素(富士フイルム和光純薬試薬)230gを仕込んだ。130℃まで昇温し、130℃で40時間保持した。水に取り出した後、ろ過、水洗することにより含水粗顔料WC1を得た。
含水粗顔料WC1 10gを90℃で14時間乾燥し、粗顔料C1 4gを得た。粗顔料C1について日本電子株式会社製JMS−S3000による質量分析を行い、平均塩素数が1.8個、平均臭素数が13.2個のハロゲン化亜鉛フタロシアニンであることを確認した。なお、質量分析時のDelay Timeは500ns、Laser Intensityは44%、m/z=1820以上1860以下のピークのResolving Power Valueは31804であった。
【0122】
[合成例2](含水粗顔料WC2)
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬試薬)90g、塩化アルミニウム(関東化学試薬)105g、塩化ナトリウム(東京化成工業試薬)14g、DIC株式会社製 亜鉛フタロシアニン27g、臭素(富士フイルム和光純薬試薬)55gを仕込んだ。130℃まで昇温し、130℃で40時間保持した。水に取り出した後、ろ過、水洗することにより含水粗顔料WC2を得た。
含水粗顔料WC2 10gを90℃で14時間乾燥し、粗顔料C2 3gを得た。粗顔料C2について日本電子株式会社製JMS−S3000による質量分析を行い、平均塩素数が2.9個、平均臭素数が9.3個のハロゲン化亜鉛フタロシアニンであることを確認した。なお、質量分析時のDelay Timeは510ns、Laser Intensityは40%、m/z=1820以上1860以下のピークのResolving Power Valueは65086であった。
【0123】
<カラーフィルタ用顔料の製造>
[製造例1:緑色顔料G1の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G1を得た。
緑色顔料G1をシクロヘキサンに超音波分散させてから透過型電子顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は25nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いた上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、19nmであった。
【0124】
[比較製造例1:緑色顔料G3の製造]
粗顔料C1 40g、粉砕した塩化ナトリウム400g、ジエチレングリコール63gを双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G3を得た。
緑色顔料G3をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は34nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、14nmであった。
【0125】
[製造例2:緑色顔料G5の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G5を得た。緑色顔料G5をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は26nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、19nmであった。
【0126】
[製造例3:緑色顔料G6の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH2.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G6を得た。
緑色顔料G6をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は25nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、18nmであった。
【0127】
[製造例4:緑色顔料G7の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH8.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G7を得た。
緑色顔料G7をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は25nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、19nmであった。
【0128】
[製造例5:緑色顔料G8の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の水酸化ナトリウム水溶液を使用して水素イオン指数をpH11.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G8を得た。
緑色顔料G8をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は26nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、18nmであった。
【0129】
[製造例6:緑色顔料G9の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整し、窒素ガスを充填した後、オートクレーブを密閉した。密閉後のオートクレーブ内の圧力は0.80MPaであった。撹拌しながら2時間かけて50℃に昇温し、50℃で5時間保持した。50℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.82MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G9を得た。
緑色顔料G9をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は20nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、15nmであった。
【0130】
[比較製造例2:緑色顔料G10の製造]
緑色顔料G3 30gを水570gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G10を得た。
緑色顔料G10をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は36nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、14nmであった。
【0131】
<調色用黄色組成物の製造>
(調色用黄色組成物(TY1)の製造)
ピグメントイエロー138(大日精化社製クロモファインイエロー6206EC) 1.65gを、DISPERBYKTM−161(ビックケミー社製) 3.85g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 11.00gと共に0.3〜0.4 mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製ペイントシェーカーで2時間分散して分散体を得た。
上記分散体4.0g、ユニディックZL−295 0.98g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することで調色用黄色組成物(TY1)を得た。
【0132】
(調色用黄色組成物(TY2)の製造)
ピグメントイエロー185(BASF社製Paliotol Yellow D1155) 1.65gを、DISPERBYKTM−161(ビックケミー社製) 3.85g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 11.00gと共に0.3〜0.4 mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製ペイントシェーカーで2時間分散して分散体を得た。
上記分散体4.0g、ユニディックZL−295 0.98g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することで調色用黄色組成物(TY2)を得た。
【0133】
<カラーフィルタの製造>
[実施例1]
製造例1で得られた緑色顔料G1 2.48gを、ビックケミー社製BYK−LPN6919 1.24g、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 1.86g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92gと共に0.3〜0.4 mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製ペイントシェーカーで2時間分散してカラーフィルタ用顔料分散体(MG1)を得た。
上記カラーフィルタ用顔料分散体(MG1)4.0g、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.98g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG1)を得た。
【0134】
[比較例1]
実施例1において緑色顔料G1を比較製造例1で得られた緑色顔料G3に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG3)及び評価用組成物(CG3)を得た。
【0135】
[実施例2]
実施例1において緑色顔料G1を製造例2で得られた緑色顔料G5に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG5)及び評価用組成物(CG5)を得た。
【0136】
[実施例3]
実施例1において緑色顔料G1を製造例3で得られた緑色顔料G6に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG6)及び評価用組成物(CG6)を得た。
【0137】
[実施例4]
実施例1において緑色顔料G1を製造例4で得られた緑色顔料G7に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG7)及び評価用組成物(CG7)を得た。
【0138】
[実施例5]
実施例1において緑色顔料G1を製造例5で得られた緑色顔料G8に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG8)及び評価用組成物(CG8)を得た。
【0139】
[実施例6]
実施例1において緑色顔料G1を製造例6で得られた緑色顔料G9に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG9)及び評価用組成物(CG9)を得た。
【0140】
[比較例2]
実施例1において緑色顔料G1を比較製造例2で得られた緑色顔料G10に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG10)及び評価用組成物(CG10)を得た。
【0141】
<輝度測定>
実施例1〜6及び比較例1〜2で作製された評価用組成物(CG1、CG3、CG5〜CG10)と調色用黄色組成物(TY1)を混合して得られる塗液を、ソーダガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分乾燥した後に、230℃で1時間加熱した。これにより、着色膜をソーダガラス基板上に有する、輝度評価用ガラス基板を作製した。なお、調色用黄色組成物(TY1)と評価用組成物(CG1、CG3、CG5〜CG10)の混合比と、スピンコートする際のスピン回転速度を調整することにより、230℃で1時間加熱して得られる着色膜のC光源における色度(x,y)が(0.275,0.570)となる着色膜を作製した。輝度評価用ガラス基板における着色膜の輝度を日立ハイテクサイエンス社製U−3900で測定した。
【0142】
実施例1〜6及び比較例1〜2の輝度の評価結果を表1に示す。表1の輝度は、比較例1における評価用組成物(CG3)の輝度の値を100%とした相対値である。
【0143】
【表1】
【0144】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜6の、含水粗顔料WC1を加圧加熱して顔料化して得られた緑色顔料G1、G5〜G9を用いて作製したカラーフィルタでは、比較例1の、粗顔料C1をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G3を用いて作製したカラーフィルタに比べて、輝度が高いものであった。また、比較例2の、粗顔料C1をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G3を、加圧加熱して再度顔料化して得られた緑色顔料G10を用いて作製したカラーフィルタでは、輝度が比較例1のカラーフィルタと同程度のものであった。加圧加熱時の水素イオン指数としては、pH2.5〜pH8.5に調整した実施例1、3、4のカラーフィルタが、輝度の点でより優れていた。
【0145】
<ラマンスペクトル測定>
実施例1〜6及び比較例1〜2で作製された緑色顔料(G1、G3、G5〜G10)について、顕微ラマン分光装置(日本分光株式会社製、NRS−5500)を用い、以下の条件及びスペクトル処理にてラマンスペクトルを測定した。
【0146】
[装置条件]
顕微鏡の設定:対物レンズ100倍(MPLFLN 100x)、共焦点アパーチャ4000μmφ
分光器関係の設定:焦点距離300mm、回折格子1800Line/mm、スリット幅100μm×1000μm
波数分解能:4.21cm−1(0.67cm−1/pixel)
波数校正:Si結晶を用いて520±1cm−1になるように装置を校正
光源:波長531.98nmのレーザー光源
【0147】
各スペクトルは、内部標準としてNeランプを照射しながら測定し、Neランプの輝線(真空中の波数:18511.447cm−1[Raman Shift=281cm−1])を用いて補正した。
【0148】
[測定条件]
波数範囲1100〜100cm−1、露光時間30sec、積算回数20回
【0149】
[スペクトル処理]
上記装置に付属のソフトウェアを用い、(i)蛍光などによるベースラインの上昇を補正し(ベースライン補正)、(ii)補正後のスペクトルの波数間隔が等間隔(0.5cm−1)になるように補正(等間隔処理)、(iii)微小ノイズを除去する補正(Savitzky−Golayフィルター:11pt)を行った。また、(iv)650±10cm−1のピークを用いて検出強度を規格化した。結果を表2に示す。
【0150】
【表2】
【0151】
表2の結果から明らかなように、実施例1〜6の、含水粗顔料WC1を加圧加熱して顔料化して得られた緑色顔料G1、G5〜G9を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト650±10cm−1のピーク強度を100%としたときのラマンシフト716cm−1付近での相対強度がいずれも4.8%以上であった。
一方、比較例1の、粗顔料C1をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G3を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト716cm−1付近での相対強度が2.4%であり、実施例1〜6の相対強度よりも低くなった。また、比較例2の、粗顔料C1をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G3を、加圧加熱して再度顔料化して得られた緑色顔料G10を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト716cm−1付近での相対強度が1.0%であり、比較例1と同様、実施例1〜6の相対強度よりも低くなった。
【0152】
また、実施例1〜6のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1での相対強度がいずれも5.3%以上であった。一方、比較例1のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1での相対強度が3.8%であり、実施例1〜6の相対強度よりも低くなった。また、比較例2のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1での相対強度が2.9%であり、比較例1と同様、実施例1〜6の相対強度よりも低くなった。
【0153】
更に、実施例1〜6のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト321cm−1付近での相対強度がいずれも9.9%以下であった。一方、比較例1のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト321cm−1付近での相対強度が14.2%であり、実施例1〜6の相対強度よりも高くなった。また、比較例2のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト321cm−1付近での相対強度が13.2%であり、比較例1と同様、実施例1〜6の相対強度よりも高くなった。
【0154】
代表して、実施例1と比較例1で得られたラマンスペクトルを図2に、ラマンシフト700cm−1〜750m−1の拡大図を図3に、ラマンシフト300cm−1〜350cm−1の拡大図を図4に示す。図2図4に示すように、実施例1のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト650±10cm−1のピーク強度を100%としたときのラマンシフト716cm−1付近での相対強度が、比較例1のラマンシフト716cm−1付近での相対強度に対して2.5倍程大きく、また、実施例1のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1での相対強度が、比較例1のラマンシフト328cm−1での相対強度に対して1.7倍程大きいことが分かった。また、実施例1のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト321cm−1付近での相対強度が、比較例1のラマンシフト321cm−1付近での相対強度に対して2/3程であることが分かった。
【0155】
<カラーフィルタ用顔料の製造>
[製造例7:緑色顔料G2の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水 500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G2を得た。
緑色顔料G2をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は28nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、24nmであった。
【0156】
[比較製造例3:緑色顔料G4の製造]
粗顔料C2 40g、粉砕した塩化ナトリウム400g、ジエチレングリコール63gを双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G4を得た。
緑色顔料G4をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は31nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、35nmであった。
【0157】
[製造例8:緑色顔料G11の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水 500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G11を得た。
緑色顔料G11をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は27nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、24nmであった。
【0158】
[製造例9:緑色顔料G12の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水 500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH2.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G12を得た。
緑色顔料G12をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は28nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、21nmであった。
【0159】
[製造例10:緑色顔料G13の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水 500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH8.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G13を得た。
緑色顔料G13をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は27nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、23nmであった。
【0160】
[製造例11:緑色顔料G14の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水 500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の水酸化ナトリウム水溶液を使用して水素イオン指数をpH11.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G14を得た。
緑色顔料G14をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は28nmあった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、21nmであった。
【0161】
[製造例12:緑色顔料G15の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整し、窒素ガスを充填した後、オートクレーブを密閉した。密閉後のオートクレーブ内の圧力は0.80MPaであった。撹拌しながら2時間かけて50℃に昇温し、50℃で5時間保持した。50℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.82MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G15を得た。
緑色顔料G15をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は26nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、20nmであった。
【0162】
[比較製造例4:緑色顔料G16の製造]
緑色顔料G4 30gを水570gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G16を得た。
緑色顔料G16をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は33nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、34nmであった。
【0163】
<カラーフィルタの製造>
[実施例7]
緑色顔料G2 2.48gを、ビックケミー社製BYK−LPN6919 1.24g、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 1.86g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92gと共に0.3〜0.4 mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製ペイントシェーカーで2時間分散して、カラーフィルタ用顔料分散体(MG2)を得た。
カラーフィルタ用顔料分散体(MG2)4.0g、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.98g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG2)を得た。
【0164】
[比較例3]
実施例7において緑色顔料G2を比較製造例3で得られた緑色顔料G4に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG4)及び評価用組成物(CG4)を得た。
【0165】
[実施例8]
実施例7において緑色顔料G2を製造例8で得られた緑色顔料G11に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG11)及び評価用組成物(CG11)を得た。
【0166】
[実施例9]
実施例7において緑色顔料G2を製造例9で得られた緑色顔料G12に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG12)及び評価用組成物(CG12)を得た。
【0167】
[実施例10]
実施例7において緑色顔料G2を製造例10で得られた緑色顔料G13に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG13)及び評価用組成物(CG13)を得た。
【0168】
[実施例11]
実施例7において緑色顔料G2を製造例11で得られた緑色顔料G14に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG14)及び評価用組成物(CG14)を得た。
【0169】
[実施例12]
実施例7おいて緑色顔料G2を製造例12で得られた緑色顔料G15に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG15)及び評価用組成物(CG15)を得た。
【0170】
[比較例4]
実施例7において緑色顔料G2を比較製造例4で得られた緑色顔料G16に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG16)及び評価用組成物(CG16)を得た。
【0171】
<輝度測定>
上記で作製した調色用黄色組成物(TY2)と評価用組成物(CG2、CG4、CG11〜CG16)を混合して得られる塗液を、ソーダガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分乾燥した後に、230℃で1時間加熱した。これにより、着色膜をソーダガラス基板上に有する、輝度評価用ガラス基板を作製した。なお、調色用黄色組成物(TY2)と評価用組成物(CG2、CG4、CG11〜CG16)の混合比と、スピンコートする際のスピン回転速度を調整することにより、230℃で1時間加熱して得られる着色膜のC光源における色度(x,y)が(0.230,0.670)となる着色膜を作製した。輝度評価用ガラス基板における着色膜の輝度を日立ハイテクサイエンス社製U−3900で測定した。
【0172】
実施例7〜12及び比較例3〜4の輝度の評価結果を表3に示す。表3の輝度は、比較例3における評価用組成物(CG4)の輝度の値を100%とした相対値である。
【0173】
【表3】
【0174】
表3の結果から明らかなように、実施例7〜12の、含水粗顔料WC2を加圧加熱して顔料化して得られた緑色顔料G2、G11〜G15を用いて作製したカラーフィルタは、比較例3の、粗顔料C2をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G4を用いて作製したカラーフィルタに比べて、輝度が高いものであった。また、比較例4の、粗顔料C2をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G4を、加圧加熱して再度顔料化して得られた緑色顔料G16を用いて作製したカラーフィルタは、輝度が比較例3のカラーフィルタと同程度のものであった。加圧加熱時の水素イオン指数としては、pH2.5〜pH11.5に調整した実施例7、9、10、11のカラーフィルタが、輝度の点でより優れていた。
【0175】
<ラマンスペクトル測定>
実施例7〜12及び比較例3〜4で作製された緑色顔料(G2、G4、G11〜G16)について、実施例1と同様の方法でラマンスペクトルを測定した。結果を表4に示す。
【0176】
【表4】
【0177】
表4の結果から明らかなように、実施例7〜12の、含水粗顔料WC2を加圧加熱して顔料化して得られた緑色顔料G2、G11〜G15を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト650±10cm−1のピーク強度を100%としたときのラマンシフト713cm−1付近での相対強度がいずれも1.9%以上であった。
一方、比較例3の、粗顔料C2をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G4を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト713cm−1付近での相対強度が1.0%であり、実施例7〜12の相対強度よりも低くなった。また、比較例4の、粗顔料C2をニーダー磨砕して顔料化して得られた緑色顔料G4を、加圧加熱して再度顔料化して得られた緑色顔料G16を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト713cm−1付近での相対強度が0.9%であり、比較例1と同様、実施例7〜12の相対強度よりも低くなった。
【0178】
また、実施例7〜12のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1付近での相対強度がいずれも3.0%以上であった。一方、比較例3のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1付近での相対強度が2.2%であり、実施例7〜12の相対強度よりも低くなった。また、比較例4のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1付近での相対強度が2.0%であり、比較例1と同様、実施例7〜12の相対強度よりも低くなった。
【0179】
代表して、実施例7と比較例3で得られたラマンスペクトルを図5に、ラマンシフト700cm−1〜750cm−1の拡大図を図6に、ラマンシフト300cm−1〜350cm−1の拡大図を図7に示す。図5図7に示すように、実施例7のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト650±10cm−1のピーク強度を100%としたときのラマンシフト713cm−1付近での相対強度が、比較例3のラマンシフト713cm−1付近での相対強度に対して1.9倍程大きく、また、ラマンシフト328cm−1付近での相対強度が、比較例3のラマンシフト328cm−1付近での相対強度に対して1.4倍程大きいことが分かった。
【0180】
<カラーフィルタ用顔料の製造>
[製造例13:緑色顔料G17の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて110℃に昇温し、110℃で5時間保持した。110℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.14MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G17を得た。
緑色顔料G17をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は23nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、17nmであった。
【0181】
[製造例14:緑色顔料G18の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて150℃に昇温し、150℃で5時間保持した。150℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.48MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G18を得た。
緑色顔料G18をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は28nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、17nmであった。
【0182】
[製造例15:緑色顔料G19の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて50℃に昇温し、50℃で5時間保持した。50℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.02MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G19を得た。
緑色顔料G19をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は19nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、16nmであった。
【0183】
[製造例16:緑色顔料G20の製造]
含水粗顔料WC1 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて180℃に昇温し、180℃で5時間保持した。180℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は1.00MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G20を得た。
緑色顔料G20をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は31nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、15nmであった。
【0184】
[参考製造例:緑色顔料G21の製造]
粗顔料C1 30gをエタノール 570gと共に1Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて120℃に昇温し、120℃で5時間保持した。120℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.41MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G21を得た。
緑色顔料G21をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は41nmであった。動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、14nmであった。
【0185】
<カラーフィルタの製造>
[実施例13]
実施例1において緑色顔料G1を製造例13で得られた緑色顔料G17に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG17)及び評価用組成物(CG17)を得た。
【0186】
[実施例14]
実施例1において緑色顔料G1を製造例14で得られた緑色顔料G18に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG18)及び評価用組成物(CG18)を得た。
【0187】
[実施例15]
実施例1において緑色顔料G1を製造例15で得られた緑色顔料G19に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG19)及び評価用組成物(CG19)を得た。
【0188】
[実施例16]
実施例1において緑色顔料G1を製造例16で得られた緑色顔料G20に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG20)及び評価用組成物(CG20)を得た。
【0189】
[参考例]
実施例1において緑色顔料G1を参考製造例で得られた緑色顔料G21に代えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG21)及び評価用組成物(CG21)を得た。
【0190】
<輝度側定>
実施例13〜16及び参考例で作製された評価用組成物(CG17〜CG21)について、実施例1と同様の方法で輝度を測定した。
【0191】
実施例13〜16及び参考例の輝度の評価結果を表5に示す。表5の輝度は、比較例1における評価用組成物(CG3)の輝度の値を100%とした相対値である。
【0192】
【表5】
【0193】
表5から明らかなように、実施例13〜16の、実施例1の130℃とは顔料化時の加熱温度が異なる緑色顔料G17〜20を用いて作製したカラーフィルタは、実施例1と同様に輝度が高いものであった。参考例で用いた緑色顔料G21の製造では、水ではなくエタノール中において加熱を行った。参考例では、実施例13〜16に比べて、輝度が劣るものとなった。
【0194】
<ラマンスペクトル測定>
実施例13〜16及び参考例で作製された緑色顔料(G17〜G21)について、実施例1と同様の方法でラマンスペクトルを測定した。結果を表6に示す。
【0195】
【表6】
【0196】
表6の結果から明らかなように、実施例13〜16の、実施例1の130℃とは顔料化時の加熱温度が異なる緑色顔料G17〜20を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト650±10cm−1のピーク強度を100%としたときのラマンシフト716cm−1付近での相対強度がいずれも5.1%以上であった。
一方、参考例の、エタノール中で加熱を行うことで得られた緑色顔料G21を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト716cm−1付近での相対強度が2.8%であり、実施例13〜16の相対強度よりも低くなった。
【0197】
また、実施例13〜16のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1での相対強度がいずれも5.8%以上であった。一方、参考例のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1での相対強度が3.9%であり、実施例13〜16の相対強度よりも低くなった。
【0198】
更に、実施例13〜16のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト321cm−1付近での相対強度がいずれも10.0%以下であった。一方、参考例のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト321cm−1付近での相対強度が15.0%であり、実施例13〜16の相対強度よりも高くなった。
【0199】
<カラーフィルタ用顔料の製造>
[製造例17:緑色顔料G22の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて110℃に昇温し、110℃で5時間保持した。110℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.14MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G22を得た。
緑色顔料G22をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は26nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、18nmであった。
【0200】
[製造例18:緑色顔料G23の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて150℃に昇温し、150℃で5時間保持した。150℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.48MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G23を得た。
緑色顔料G23をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は27nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、21nmであった。
【0201】
[製造例19:緑色顔料G24の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水 500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて50℃に昇温し、50℃で5時間保持した。50℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.02MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G24を得た。
緑色顔料G24をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は25nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、21nmであった。
【0202】
[製造例20:緑色顔料G25の製造]
含水粗顔料WC2 100gを水500gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用して水素イオン指数をpH5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて180℃に昇温し、180℃で5時間保持した。180℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は1.00MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G25を得た。
緑色顔料G25をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は29nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、19nmであった。
【0203】
[比較製造例5:緑色顔料G26の製造]
粗顔料C2 30gをエタノール570gと共に1Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて120℃に昇温し、120℃で5時間保持した。120℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.41MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G26を得た。
緑色顔料G26をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は100nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、18nmであった。
【0204】
<カラーフィルタの製造>
[実施例17]
実施例7において緑色顔料G2を製造例17で得られた緑色顔料G22に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG22)及び評価用組成物(CG22)を得た。
【0205】
[実施例18]
実施例7において緑色顔料G2を製造例18で得られた緑色顔料G23に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG23)及び評価用組成物(CG23)を得た。
【0206】
[実施例19]
実施例7において緑色顔料G2を製造例19で得られた緑色顔料G24に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG24)及び評価用組成物(CG24)を得た。
【0207】
[実施例20]
実施例7において緑色顔料G2を製造例20で得られた緑色顔料G25に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG25)及び評価用組成物(CG25)を得た。
【0208】
[比較例5]
実施例7において緑色顔料G2を比較製造例5で得られた緑色顔料G26に代えた以外は実施例7と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体(MG26)及び評価用組成物(CG26)を得た。
【0209】
<輝度側定>
実施例17〜20及び比較例5で作製された評価用組成物(CG22〜CG26)について、実施例7と同様の方法で輝度を測定した。
【0210】
実施例17〜20及び比較例5の輝度の評価結果を表7に示す。表7の輝度は、比較例3における評価用組成物(CG4)の輝度の値を100%とした相対値である。
【0211】
【表7】
【0212】
表7から明らかなように、実施例17〜20の、実施例7の130℃とは顔料化時の加熱温度が異なる緑色顔料G17〜20を用いて作製したカラーフィルタは、実施例7と同様に輝度が高いものであった。比較例5で用いた緑色顔料G26の製造では、水ではなくエタノール中において加熱を行った。比較例5では、実施例17〜20に比べて、輝度が劣るものとなった。
【0213】
<ラマンスペクトル測定>
実施例17〜20及び比較例5で作製された緑色顔料(G22〜G26)について、実施例7と同様の方法でラマンスペクトルを測定した。結果を表8に示す。
【0214】
【表8】
【0215】
表8の結果から明らかなように、実施例17〜20の、実施例7の130℃とは顔料化時の加熱温度が異なる緑色顔料G17〜20を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト650±10cm−1のピーク強度を100%としたときのラマンシフト713cm−1付近での相対強度がいずれも1.9%以上であった。
一方、比較例5の、エタノール中で加熱を行うことで得られた緑色顔料G26を用いて作製したカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト713cm−1付近での相対強度が0.9%であり、実施例17〜20の相対強度よりも低くなった。
【0216】
また、実施例17〜20のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1付近での相対強度がいずれも3.0%以上であった。一方、比較例5のカラーフィルタ用顔料では、ラマンシフト328cm−1付近での相対強度が2.0%であり、実施例17〜20の相対強度よりも低くなった。
【0217】
以下、参考のためハロゲン化銅フタロシアニン粗顔料を顔料化した場合の比較例を記載する。
【0218】
<含水粗顔料の合成>
[比較合成例1]
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬試薬)91g、塩化アルミニウム(関東化学試薬)109g、塩化ナトリウム(東京化成工業試薬)15g、DIC株式会社製 銅フタロシアニン30g、臭素(富士フイルム和光純薬試薬)230gを仕込んだ。その後、130℃まで昇温し、水に取り出した後、ろ過、水洗することにより、ハロゲン化銅フタロシアニン粗顔料である含水粗顔料WC3を得た。含水粗顔料WC3 10gを90℃で14時間乾燥し、粗顔料C3 4gを得た。
粗顔料C3について日本電子株式会社製JMS−S3000による質量分析を行い、平均塩素数が2.6個、平均臭素数が13.0個のハロゲン化銅フタロシアニンであることを確認した。なお、質量分析時のDelay Timeは275ns、Laser Intensityは34%、m/z=1820以上1860以下のピークのResolvingPower Valueは42805であった。
【0219】
<緑色顔料の製造>
[比較製造例6]
含水粗顔料WC3 75gを水 525gと共に1Lオートクレーブに仕込んだ。濃度5%の塩酸を使用してpHを5.5に調整した後、オートクレーブを密閉した。撹拌しながら2時間かけて130℃に昇温し、130℃で5時間保持した。130℃到達時におけるオートクレーブ内の圧力は0.25MPaであった。室温まで放冷した後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料G27を得た。
緑色顔料G27をシクロヘキサンに超音波分散させてから顕微鏡で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個の平均値から、一次粒子の平均粒子径を算出した。一次粒子の平均粒子径は25nmであった。また、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて上述の方法及び条件で粒度分布の算術標準偏差を算出した。粒度分布の算術標準偏差は、27nmであった。
【0220】
<カラーフィルタの製造>
[比較例6]
比較製造例6で得られた緑色顔料G27について、実施例1と同様にして、カラーフィルタ用顔料分散体及び評価用組成物の作製を試みた。しかし、評価用組成物を作製する際に分散不良により固化してしまったため、輝度評価用ガラス基板の着色膜を作製することはできなかった。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本実施形態のカラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、カラーフィルタ用顔料分散体、カラーフィルタ緑色画素部用硬化性組成物、カラーフィルタ用ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造方法、カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法及びカラーフィルタの製造方法によれば、コントラストが優れ、かつ、輝度が高い、緑色のカラーフィルタを形成できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】