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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年10月15日
【発行日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】フォトマスク
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/40 20120101AFI20210409BHJP
【FI】
   G03F1/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】特願2020-503340(P2020-503340)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年10月31日
(11)【特許番号】特許第6767601号(P6767601)
(45)【特許公報発行日】2020年10月14日
(31)【優先権主張番号】特願2019-74681(P2019-74681)
(32)【優先日】2019年4月10日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502176199
【氏名又は名称】株式会社トピック
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100154759
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100193725
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 幸子
(74)【代理人】
【識別番号】100207240
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 喜弘
(72)【発明者】
【氏名】越後谷 高弘
(72)【発明者】
【氏名】池田 忍
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 雅春
(72)【発明者】
【氏名】片山 嘉則
【テーマコード(参考)】
2H195
【Fターム(参考)】
2H195BA03
2H195BA11
2H195BB31
2H195BC04
2H195BC16
2H195BC17
2H195BC24
(57)【要約】
低コストで容易な製造方法で得られるフォトマスクであって、十分なESD抑制効果を示し、露光用パターンの破壊を生じさせず、さらに露光効率も良好な、耐久性にも露光効率にも優れたフォトマスクを提供する。
フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を、透明基板の表面に有するフォトマスクであって、前記遮光膜が形成された前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が形成されており、前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの表面におけるシート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値である、フォトマスクである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を、透明基板の表面に有するフォトマスクであって、
前記遮光膜が形成された前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が形成されており、
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの表面におけるシート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値である、
ことを特徴とするフォトマスク。
【請求項2】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの365nmの波長の光に対する透過率が80%以上である、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項3】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を有する、請求項1または2のいずれかに記載のフォトマスク。
【請求項4】
透明基板の表面に、フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクに対して、前記遮光膜が形成された前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成する工程を有する、請求項1または2に記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項5】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を形成する工程を有する、請求項4に記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトマスクを用いて露光する工程を有する、電子部品の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトマスクを用いて製造された電子部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電破壊が抑制されたフォトマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等に用いる配線基板を製造する際には転写元となるフォトマスクを製造し、フォトマスクの露光用パターンをフォトレジストに転写することが行われている。
転写する際に、フォトマスクをフォトレジストに接触、あるいは、近接させ、その後、フォトマスクをフォトレジストから引き離そうとすると、剥離時にフォトマスクとフォトレジスト間において、静電気の帯電が発生する。
この静電気に起因して、静電破壊(以下、ESD:Electro-Static Discharge)が発生することがある。帯電した静電気は、露光用パターンのパターン間で、もしくはパターンとレジスト間で放電を起こし、フォトマスクに描画された露光用パターンを破壊する。
露光用パターンが破壊されると、その後正確な転写が行われなくなるため、静電破壊(ESD)を生じさせないフォトマスクの提供が望まれていた。
【0003】
フォトマスクの露光用パターンを静電破壊(ESD)から保護するための方法が提案されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。
特許文献1には、露光用パターンであるマスクパターンの上にポリビニルアルコール樹脂の塗布層が形成されたフォトマスクが記載されている。
また、特許文献2には、マスクパターンの上に接地端に電気的に接続した導電性の透明樹脂膜が形成されたフォトマスクが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−4944号公報
【特許文献2】特開2005−189665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1〜2に記載のフォトマスクでは、ESD抑制効果が十分ではない。また、フォトマスクの光透過性が低下し、露光効率が落ちるという問題があった。
【0006】
本発明は、低コストで容易な製造方法で得られるフォトマスクであって、十分なESD抑制効果を示し、露光用パターンの破壊を生じさせず、さらに露光効率も良好な、耐久性にも露光効率にも優れたフォトマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、遮光膜が形成された透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が形成されたフォトマスクであって、シート抵抗値が特定の値以下であるフォトマスクが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を、透明基板の表面に有するフォトマスクであって、
前記遮光膜が形成された前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が形成されており、
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの表面におけるシート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値である、
ことを特徴とするフォトマスク。
【0009】
[2]前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの365nmの波長の光に対する透過率が80%以上である、前記[1]に記載のフォトマスク。
【0010】
[3]前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を有する、前記[1]または[2]のいずれかに記載のフォトマスク。
【0011】
[4]透明基板の表面に、フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクに対して、前記遮光膜が形成された前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成する工程を有する、前記[1]または[2]に記載のフォトマスクの製造方法。
【0012】
[5]前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を形成する工程を有する、前記[4]に記載のフォトマスクの製造方法。
【0013】
[6]前記[1]から[3]のいずれかに記載のフォトマスクを用いて露光する工程を有する、電子部品の製造方法。
【0014】
[7]前記[1]から[3]のいずれかに記載のフォトマスクを用いて製造された電子部品。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、低コストで容易な製造方法で得られるフォトマスクであって、十分なESD抑制効果を示し、露光用パターンの破壊を生じさせず、さらに露光効率も良好な、耐久性にも露光効率にも優れたフォトマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のフォトマスクの層構成の一態様を示す概略断面図である。
図2】本発明のフォトマスクの層構成の他の一態様を示す概略断面図である。
図3】実施例で用いたフォトマスクにおけるマスクパターン形状を示す概略図である。
図4図3のフォトマスクにおいて、特に観察したマスクパターン箇所を示す概略図である。
図5】静電破壊が起きる前の正常なマスクパターン形状を示す写真である。
図6】静電破壊が起きた後の破壊されたマスクパターン形状を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のフォトマスク、該フォトマスクの製造方法、及び該フォトマスクを用いた電子部品の製造方法について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の一実施態様としての一例であり、これらの内容に特定されるものではない。
【0018】
(フォトマスク)
本発明のフォトマスクは、遮光膜が形成された透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が形成されてなる。
透明基板の表面には、フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜が形成されている。
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有するフォトマスクの表面におけるシート抵抗値は、1011Ω/□より小さい値である。
フォトマスクは、フォトエッチングすべき対象物の表面(感光性層)側に、フォトマスクの遮光膜(パターン形成膜)側を密着させるか、あるいは該対象物の表面側とフォトマスクの遮光膜側との間に微小な間隙を開けて、フォトマスクを該対象物に対向配置させることにより、使用する。
【0019】
<透明基板>
透明基板としては、本発明で規定するシート抵抗値を満足するものであれば、特に透明基板の種類や基板サイズに制限はなく目的に応じて適宜使用することができる。
透明基板の種類として、例えば、ガラス基板が挙げられ、ガラス基板としては、例えば、青板ガラスや石英ガラス等が挙げられる。石英ガラスは高エネルギー波であるUVの透過率が高いため、導電性樹脂の劣化をより防止する観点からは、青板ガラスが好ましい。
透明基板の厚みとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5mm〜30mmの範囲であることが好ましい。
【0020】
<遮光膜>
遮光膜は、透明基板上に形成されており、目的に応じた、パターン模様を有している。
遮光膜の種類としては、クロムを含有する材料からなる遮光膜が挙げられる。
クロム遮光膜の製造方法としては、一般的に知られている真空蒸着法やスパッタ法などを用いることができる。
このような材料として、具体的には、クロム単体、あるいはクロム酸化物(CrO)、クロム窒化物(CrN)、クロム炭化物(CrC)、クロム酸化窒化物(CrON)、クロム酸化炭化物(CrOC)、クロム窒化炭化物(CrNC)、クロム酸化窒化炭化物(CrONC)等のクロム化合物などが挙げられる。
遮光膜の膜厚としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50nm〜250nmの範囲であることが好ましく、90nm〜110nmの範囲であることがより好ましい。
【0021】
透明基板上にパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクを得る方法としては、通常のフォトマスク形成方法を使用することができる。
例えば、ガラス基板の上に、クロムを蒸着させて、透明基板上に遮光膜を形成したフォトマスクブランクスを作製する。次に、該フォトマスクブランクスの表面にレジスト(感光性樹脂)を均一に塗布し、レーザー光、あるいは電子線露光法などによりパターニングし、次に、このレジストパターンをエッチングマスクとして使用して遮光膜をエッチングしてマスクパターンを形成した後、レジストパターンを除去する。このようにして、透明基板上にパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクを得ることができる。
尚、上記製造方法では、レーザー光、あるいは電子ビームによって露光された部分のレジストを除去する場合について説明したが、レジストの種類によっては、露光しなかった部分が除去される場合もあり、いずれの態様により形成されたフォトマスクであっても構わない。
【0022】
<導電性樹脂からなる塗布層>
本発明のフォトマスクは、透明基板上にパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクに対して、さらにチオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が、該遮光膜を有する該透明基板上に形成されている。
チオフェン系導電性樹脂の種類としては、本発明で規定するシート抵抗値を満足するものであれば、特に制限はなく目的に応じて適宜使用することができるが、例えば、PEDOT(ポリ3,4−エチレンジオキチオフェン)にPSS(ポリスチレンスルホン酸)がドーピングされた樹脂を挙げることができる。
チオフェン系導電性樹脂としては、例えば、市販のベラゾール(登録商標)やセプルジーダ(登録商標)などを挙げることができる。
【0023】
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の膜厚としては、本発明で規定するシート抵抗値を満足しさえすれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1nm〜1,000nmの範囲であることが好ましく、10nm〜400nmの範囲であることがより好ましい。
【0024】
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の膜厚の測定方法としては、塗布層をはがし、塗布層をはがしていない部分とはがした部分との厚みの差分を測定してもよいし、はがす前の厚みとはがした後の厚みの差分を測定してもよい。
厚みの測定は、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製 OLS4100)を用いて行うことができる。
【0025】
チオフェン系導電性樹脂を含む塗料を、遮光膜が形成された透明基板上に塗布することにより、該遮光膜が形成された該透明基板上にチオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成することができる。
塗布方法としては、スプレーコートやスピンコートなど塗布方法として一般に知られている方法を用いることができる。
本発明のフォトマスクが所望のシート抵抗値を示すようにするため、塗布の際の条件を適宜調整するとよい。例えば、チオフェン系導電性樹脂を含む塗料におけるチオフェン系導電性樹脂の濃度を調整したり、塗布層の形成条件や乾燥条件を調整したりするとよい。
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層のより詳しい形成方法については、後述する。
【0026】
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層には、チオフェン系導電性樹脂の他に、塗料の粘性を調整する調整剤や、塗布層の強度向上に寄与する補助剤等の各種性能向上剤を含有させることができる。
【0027】
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層は、透明基板上に形成されているパターン模様の遮光膜をすべて覆うとともに、透明基板上の有効領域、すなわち露光時に光が照射される領域をほぼ覆うようにして形成されていることが好ましい。
これによって各マスクパターンを電気的に導通させ、かつマスクパターンが形成されていない部分の透明基板上についても電気的に導通させるものである。
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成することにより、遮光膜間の電位差を効果的に解消することができ、静電気の発生によるマスクパターンの破壊を防止することができる。
但し、本発明は、静電気発生に伴うマスクパターンの破壊を防止するためにチオフェン系導電性樹脂を設けているため、導電性を有する遮光膜に対しては、チオフェン系導電性樹脂を覆わなくても構わない。
【0028】
<フォトマスクの層構成>
本発明のフォトマスクは、遮光膜が形成された透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が形成されている。
本発明のフォトマスクの層構成を示す概略断面図の一例を図1に示す。
図1において、遮光膜2が形成された透明基板1上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層3が形成されている。
【0029】
<フォトマスクの特性>
<<シート抵抗値>>
本発明のフォトマスクは、シート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値を示す。
シート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値を示すことにより、本発明のフォトマスクは、高いESD抑制効果を示し、露光用パターンの破壊を有効に防止できるフォトマスクとなる。
シート抵抗値の測定方法としては、4探針法測定器を用いて、フォトマスクの表面抵抗を測定することができ、例えば、株式会社三菱ケミカルアナリテック製のMCP−T610四探針方式、あるいは株式会社三菱ケミカルアナリテック製のMCP−HT450リング電極方式等の抵抗率計を用いて測定することができる。
フォトマスクの測定対象に対して、抵抗値を測定する4探針法測定器を配置し、シート抵抗の測定を行う。
【0030】
<<光の透過率>>
さらに、本発明のフォトマスクは、365nmの波長の光に対する透過率が、80%以上を示すフォトマスクであることが好ましい。
光透過率が下がると、解像度、転写像の忠実性が低下するおそれがあり、また露光量が増えるという問題が生じる。露光効率を上げるには、光透過率をある一定以上の値にする必要がある。
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する本発明のフォトマスクは、365nmの波長の光に対し、80%以上の透過率を示すことができ、露光効率が良好なフォトマスクを形成することができる。
365nmの波長の光に対するフォトマスクの透過率は、80%以上が好ましく、82%以上がより好ましく、84%以上がさらに好ましく、85%以上が特に好ましい。
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する本発明のフォトマスクは、1011Ω/□より小さい値のシート抵抗値、及び365nmの波長の光に対し80%以上の透過率のいずれの値も満足させることができ、両方の値とも満足するフォトマスクは、静電気破壊の抑制及び露光効率の向上の両方の効果を満足するフォトマスクとなる。
尚、シート抵抗値が低すぎると高い光透過率を確保することができないため、フォトマスクのシート抵抗値は、10Ω/□以上であることが好ましい。
シート抵抗値と透過率とのバランスを図り、静電気破壊の抑制及び露光効率の向上の両方の効果を満足するフォトマスクを提供するという観点からは、フォトマスクのシート抵抗値は、5×10Ω/□以上であることがより好ましい。
また、本発明では、10Ω/□〜10Ω/□付近のシート抵抗値を示すフォトマスクを好ましく用いることができる。
【0031】
透過率は、分光光度計を用いて測定することができる。例えば、日本分光株式会社製の分光光度計V−570を用いて透過率を測定することができる。
本発明のフォトマスクにおいて、マスクパターンが形成されていない部分の透明基板上に導電性樹脂からなる塗布層が形成されている領域に対して透過率の測定を行う。
【0032】
<フォトマスクの他の態様>
本発明のフォトマスクは、上述したチオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層(本明細書において、オーバーコート層ともいう)が形成された態様であってもよい。
該樹脂被覆層が形成された態様の本発明のフォトマスクの層構成を示す概略断面図の一例を図2に示す。
図2において、遮光膜2が形成された透明基板1上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層3が形成されており、そのチオフェン系導電性樹脂からなる塗布層3の上に、樹脂被覆層(オーバーコート層)4が形成されている。
樹脂被覆層を形成することにより、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を保護することができ、より耐久性が向上したフォトマスクを提供することができる。樹脂被覆層が形成されていることにより、フォトマスクを繰り返し使用しても、露光用パターンの破壊をより確実に防止することができる。
樹脂被覆層の種類や膜厚としては、上述した密着性や接着性、あるいは保護性能が確保できれば、特に制限はなく目的に応じて適宜使用することができる。
樹脂被覆層の種類としては、例えば、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂などの透明樹脂が挙げられる。
また、樹脂被覆層の膜厚としては、例えば、0.01μm〜20μmの範囲であることが好ましく、0.5μm〜20μmの範囲であることがより好ましく、1μm〜6μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0033】
<フォトマスクの製造方法>
透明基板上にパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクは、上述したように、通常のフォトマスク形成方法に従い得ることができる。
本発明のフォトマスクは、透明基板の表面に、フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクに対して、遮光膜が形成された透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成することにより、製造される。
チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を、遮光膜を有する透明基板上に形成する方法について、以下説明する。
チオフェン系導電性樹脂を含む塗料を、遮光膜が形成された透明基板上に塗布する。
尚、チオフェン系導電性樹脂を含む塗料を塗布する前に、遮光膜が形成された透明基板に対して、洗浄などの前処理を行ってもよい。前処理として、例えば、アルカリ溶液で洗浄したり、超純水で洗浄したり、ブラシスクラブ洗浄したり、あるいはこれらを適宜組み合わせて洗浄したりすることができる。
【0034】
塗布方法としては、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、カーテンコートなどの塗布方法を用いることができる。
チオフェン系導電性樹脂を含む塗料におけるチオフェン系導電性樹脂の濃度としては、本発明で規定するシート抵抗値を満足しさえすれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、チオフェン系導電性樹脂を含む塗料として、市販のベラゾールやセプルジーダを用いる場合、ベラゾールやセプルジーダに対して、水やアルコールなどで希釈し、該希釈した塗料を用いて塗布層を形成することができる。
市販のベラゾールやセプルジーダは、そのまま(希釈倍率1)で用いても、例えばベラゾールやセプルジーダと同量の水やアルコールを加え、倍量に希釈した溶液(希釈倍率2)で用いても、それ以上の希釈倍率としても、いずれの態様であっても構わない。
【0035】
チオフェン系導電性樹脂を含む塗料を塗布する条件としては、本発明で規定するシート抵抗値を満足しさえすれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、チオフェン系導電性樹脂を含む塗料として、市販のベラゾールやセプルジーダを用いる場合、スピン塗布装置(ミカサ株式会社製 MS−A200)を用いて100〜2,000rpm、15〜60secの条件で塗布することができる。より好ましくは1,000rpm、15secの条件で塗布することができる。また、市販のベラゾールやセプルジーダを用いる場合、スプレー塗布装置(旭サナック株式会社製 rCoater)を用いて、例えば、吐出量1〜10mL/minの条件で塗布することができる。
塗布された塗膜の乾燥条件としては、本発明で規定するシート抵抗値を満足しさえすれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、チオフェン系導電性樹脂を含む塗料として、ベラゾールを用いる場合、80〜100℃で1〜5分間の乾燥条件、より好ましくは90℃で5分間の乾燥条件とすることができ、セプルジーダを用いる場合、100〜150℃で20〜60分間の乾燥条件、より好ましくは120℃で30分間の乾燥条件とすることができる。
【0036】
本発明のフォトマスクが、上述した樹脂被覆層をチオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上に有する場合、係る樹脂被覆層を有する本発明のフォトマスクは、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を形成することにより、製造される。
樹脂被覆層を、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層上に形成する方法としては、樹脂被覆層を構成する樹脂を含む塗料を、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層上に塗布すればよく、塗布方法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、カーテンコートなどの一般的な塗布方法を用いることができる。
【0037】
(電子部品の製造方法)
本発明のフォトマスクは、プリント配線や半導体回路等の電子部品を製造する際に用いる、プリント基板用、半導体用、或いはその他諸々の電子部品用のフォトマスクとして利用することができる。
フォトマスクを使用して、フォトレジストを露光することにより、フォトマスクの露光パターンをフォトレジストに転写することができる。
本発明のフォトマスクを用いて露光工程を経ることにより、プリント配線や半導体回路等における回路パターンを形成することができる。
本発明のフォトマスクを用い、露光工程を経て電子部品を製造する、電子部品の製造方法の好ましい実施態様としては、例えば、下記の製造方法を挙げることができる。
基板にレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に本発明のフォトマスクを介して露光する工程と、露光した上記レジスト膜の現像によりレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンをマスクとして上記基板をエッチングする工程と、上記レジストパターンを除去する工程とを有する電子部品の製造方法。
尚、上述した各工程は、一般に知られている既知の技術を適用することができる。
本発明に係る電子部品の製造方法は、上述したように、本発明のフォトマスクを使用して、電子部品製造用の被加工層上に形成されたレジスト膜に対する露光を行う工程を有する。
露光パターンの破壊が生じない耐久性に優れた本発明のフォトマスクを使用するため、繰り返しフォトマスクを使用しても、良好な電子部品を安定して製造することができる。
本発明のフォトマスクを用いて製造された電子部品は、良好な電子部品となる。
【0038】
本発明のフォトマスクを使用して製造される電子部品としては、例えば、プリント基板や半導体回路等の電子部品が挙げられ、より具体的には、メタルマスク、1次実装パッケージプローバ基板、TAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip on film)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:集積化デバイス)、センサー、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセンス装置(EL)、CPU、MPU(マイクロ・プロセシング・ユニット)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、FPGA(Field−programmable gate array)、システムLSI等が挙げられる。
【0039】
本発明のフォトマスクを用いて露光することにより、フォトマスクの露光パターンをフォトレジストに転写する方法としては、従来使用される転写機等を用いた方法であれば特に制限されるものではなく、例えば、プロジェクション露光装置、プロキシミティ露光装置、ソフト・ハードコンタクト露光装置などを用いて行うことができる。
露光する際に使用する露光装置の照射光としては、特に制限はなく、適宜目的に応じて選択することができるが、例えば、i線、h線、g線のいずれかを含むものが好ましく、このうち複数の波長、より好ましくは、i線、h線、g線のすべてを含む波長域の光源を用いることができる。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
青板ガラス(101.6mm×101.6mm×3mm)の上に、クロム(Cr)の遮光膜が形成されたフォトマスクを用意した。クロム(Cr)の膜厚は、100nmであった。
クロムのパターン模様は、図3で示すとおりである。図3において、黒色で示した部分が、クロムのマスクパターンが形成されている部分を示す。
上述したクロム(Cr)の遮光膜が形成された青板ガラスに対して、アルカリ液洗浄及びブラシスクラブ洗浄を行った。
洗浄後のクロム(Cr)の遮光膜が形成された青板ガラスに対して、セプルジーダの塗料(信越ポリマー株式会社製 ASZ−B03)を希釈倍率1で、スプレーコート法を用いて塗布した。スプレー塗布装置は、旭サナック株式会社製 rCoaterを用いた。セプルジーダの塗料の吐出量は、10mL/minであった。
セプルジーダの塗膜を、120℃で30分間の条件で乾燥させた。
【0042】
<シート抵抗値の測定>
上述のようにして作製したセプルジーダの塗布層が形成されているフォトマスクのクロムのマスクパターンが形成されていない外縁部を用いて、シート抵抗値を測定した。
シート抵抗値は、シート抵抗値が10Ω/□より小さい値を示す場合には株式会社三菱ケミカルアナリテック製のMCP−T610四探針方式を用いて、またシート抵抗値が10Ω/□以上の値を示す場合には株式会社三菱ケミカルアナリテック社製のMCP−HT450リング電極方式を用いて測定した。
測定結果を表1に示す。
【0043】
<透過率の測定>
上述のようにして作製したセプルジーダの塗布層が形成されているフォトマスクに対して、365nmの波長の光に対する透過率を測定した。
透過率(%)は、日本分光株式会社製の分光光度計V−570を用いて測定した。
評価結果を表1に示す。
【0044】
<フォトマスクの破壊度合いの評価>
次に、上述のようにして作製したセプルジーダの塗布層が形成されているフォトマスクに対して、静電気発生装置(株式会社グリーンテクノ社製 GC90)を用いて、コロナ放電で生成した空気イオンを照射することにより10kVの電圧を印加した。
電圧印加後のフォトマスクに対して、フォトマスクの破壊度合いを顕微鏡観察により確認した。
図4のフォトマスクにおいて、〇で囲んだ箇所のCrのマスクパターンの様子を確認した。図4では、9箇所〇で囲んでいるが、同様に外周のCr遮光膜と内側に配置したCr遮光膜との間に配置した、全部で18箇所のCrマスクパターンに対して、観察した。
図4のフォトマスクにおいて、〇で囲んだ箇所のCrのマスクパターンは、図5で示す形状となっている。図5中、マスクパターンのギャップ(丸部と丸部の間の長さ)は、0.005mmである。
電圧印加後のフォトマスクにおいて、Crのマスクパターンに破壊が起きた場合は、例えば、Crのマスクパターンは図6で示すような状態となる。
そこで、静電気発生装置による電圧印加後のフォトマスクに対して、マスクパターンの状態を顕微鏡で観察することにより、マスクパターンに破壊が生じているか否かを確認した。
顕微鏡は、(オリンパス株式会社製 OLS4100)を用いた。
マスクパターンに破壊が発生しているか否かを確認し、破壊が生じていないマスクパターンの割合を求めた。破壊が生じていない場合を100%、破壊が18箇所全て生じている場合を0%とし、破壊が生じていない割合を求めた。小数点以下は切り捨てて表示する。
【0045】
<総合評価>
透過率及び電圧印加によるマスクパターンの破壊の度合いの測定結果から、下記基準により、フォトマスクを評価した。結果を表1に示す。
6 透過率が85%以上を示し、かつCrのマスクパターンに破壊が生じない。
5 透過率が80%以上を示し、かつCrのマスクパターンに破壊が生じない。
4 透過率が80%以上を示めす。Crのマスクパターンに破壊が殆ど生じない。
3 透過率が80%以上を示めす。Crのマスクパターンに破壊が生じる場合がかなりある。
2 透過率が80%より小さいか、またはCrのマスクパターンの全てに破壊が生じる。
1 透過率が80%より小さく、かつCrのマスクパターンの全てに破壊が生じる。
【0046】
(実施例2〜10)
実施例1において、チオフェン系導電性樹脂の種類、チオフェン系導電性樹脂の塗料の希釈倍率、塗布法の種類、塗布条件を表1に示すように変更し、チオフェン系導電性樹脂の塗布層の乾燥条件(温度、時間)を適宜調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜10のフォトマスクを作製した。
実施例5等では、チオフェン系導電性樹脂の塗料として、セプルジーダの塗料(信越ポリマー株式会社製 AS−M04D)を用いた。
実施例10では、チオフェン系導電性樹脂の塗料をスピン塗布装置(ミカサ株式会社製 MS−A200)を用いて、スピン回転数300rpm、液量1.5mLの塗布条件でスピンコートした。
作製したフォトマスクに対して、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
結果を表1に示す。
【0047】
(比較例1〜3)
実施例1において、チオフェン系導電性樹脂の種類、チオフェン系導電性樹脂の塗料の希釈倍率、塗布法の種類、塗布条件を表1に示すように変更し、チオフェン系導電性樹脂の塗布層の乾燥条件(温度、時間)を適宜調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3のフォトマスクを作製した。
尚、比較例3のフォトマスクには、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成させなかった。
作製したフォトマスクに対して、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
結果を表1に示す。
【0048】
(実施例11)
実施例2と同様の条件で、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有するフォトマスクを作製した。該フォトマスクのシート抵抗値を表2に示す。
さらに、該フォトマスクに対して、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらにポリエステル系樹脂からなる樹脂被覆層をスピンコート法により形成した。
ポリエステル系樹脂としては、株式会社トピック社製ポリエステル系樹脂(TOP’S−N)を用いた。
スピン塗布装置(ミカサ株式会社製 MS−A200)を用いて、400rpmの条件で、所望の濃度に設定したポリエステル系樹脂の塗料1.5mLをスピンコートした。
ポリエステル系樹脂の塗膜に対し、加熱条件を調整し、2〜3μmの膜厚のポリエステル系樹脂の被覆層を形成した。
実施例11で作製した被覆樹脂層を有するフォトマスクに対して、実施例1と同様の方法により透過率を測定した。また、実施例1で記載した<フォトマスクの破壊度合いの評価>と同様の方法により、フォトマスクに対して、静電気発生装置(株式会社グリーンテクノ社製 GC90)を用いて、コロナ放電で生成した空気イオンを照射することにより10kVの電圧を印加した。
電圧印加後のフォトマスクに対して、フォトマスクの破壊度合いを顕微鏡観察により確認した。
フォトマスクの破壊度合いの結果を表2に示す。
【0049】
(実施例12)
実施例5と同様の条件で、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有するフォトマスクを作製した。該フォトマスクのシート抵抗値を表2に示す。
さらに、該フォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらにポリエステル系樹脂からなる樹脂被覆層をスピンコート法により形成した。
実施例12で作製した被覆樹脂層を有するフォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、透過率及びフォトマスクの破壊度合いを測定した。
フォトマスクの破壊度合いの結果を表2に示す。
【0050】
(実施例13)
実施例6と同様の条件で、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有するフォトマスクを作製した。該フォトマスクのシート抵抗値を表2に示す。
さらに、該フォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらにポリエステル系樹脂からなる樹脂被覆層をスピンコート法により形成した。
実施例13で作製した被覆樹脂層を有するフォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、透過率及びフォトマスクの破壊度合いを測定した。
フォトマスクの破壊度合いの結果を表2に示す。
【0051】
(比較例4)
比較例1と同様の条件で、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有するフォトマスクを作製した。該フォトマスクのシート抵抗値を表2に示す。
さらに、該フォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらにポリエステル系樹脂からなる樹脂被覆層をスピンコート法により形成した。
比較例4で作製した被覆樹脂層を有するフォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、透過率及びフォトマスクの破壊度合いを測定した。
フォトマスクの破壊度合いの結果を表2に示す。
【0052】
(比較例5)
比較例3と同様の条件で、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有しないフォトマスクを作製した。該フォトマスクのシート抵抗値を表2に示す。
さらに、該フォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、Crの遮光膜が形成された青板ガラス上にさらにポリエステル系樹脂からなる樹脂被覆層をスピンコート法により形成した。
比較例5で作製したフォトマスクに対して、実施例11と同様な方法により、透過率及びフォトマスクの破壊度合いを測定した。
フォトマスクの破壊度合いの結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
実施例で示すように、本発明により、静電気破壊に対し充分な耐久性能を有するフォトマスクを提供することができる。
本発明のフォトマスクを使用すれば、露光用パターンの破壊を生じさせず、マスクパターンの静電気破壊を抑制することができる。
また、本発明のフォトマスクは、優れた光透過率を示す。
したがって、本発明のフォトマスクは、耐久性及び露光効率に優れたフォトマスクとなる。
【符号の説明】
【0056】
1 透明基板
2 遮光膜
3 導電性樹脂からなる塗布層
4 樹脂被覆層(オーバーコート層)

図1
図2
図3
図4
図5
図6

【手続補正書】
【提出日】2020年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を、透明基板の表面に有するフォトマスクであって、
前記フォトマスクにおいて、露光時に光が照射される領域には、パターン模様に形成された遮光膜によって、フォトレジスト膜への露光を遮光するための遮光膜存在部分と、パターン模様形成の際に遮光膜が除去された遮光膜が存在しない遮光膜非存在部分とが、前記透明基板上に存在しており、
遮光膜存在部分と遮光膜存在部分との間に存在する遮光膜非存在部分における前記透明基板上には、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が存在しており、
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの表面におけるシート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値であり、
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの365nmの波長の光に対する透過率が80%以上である、
ことを特徴とするフォトマスク。
【請求項2】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を有する、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項3】
透明基板の表面に、フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクの製造方法であって、
フォトレジスト膜への露光を遮光するための遮光膜存在部分と、遮光膜存在部分と遮光膜存在部分との間に遮光膜を除去することにより遮光膜が存在しない遮光膜非存在部分とを、透明基板上に形成する工程と、
パターン模様に形成された遮光膜を有する前記透明基板上にチオフェン系導電性樹脂を塗布することにより、遮光膜非存在部分における前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成する工程と
を含む、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項4】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を形成する工程を有する、請求項3に記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜2のいずれか一項に記載のフォトマスクを用いて露光する工程を有する、電子部品の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜2のいずれか一項に記載のフォトマスクを用いて製造された電子部品。

【手続補正書】
【提出日】2020年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を、透明基板の表面に有するフォトマスクであって、
前記フォトマスクにおいて、露光時に光が照射される領域には、パターン模様に形成された遮光膜によって、フォトレジスト膜への露光を遮光するための遮光膜存在部分と、パターン模様形成の際に遮光膜が除去された遮光膜が存在しない遮光膜非存在部分とが、前記透明基板上に存在しており、
遮光膜存在部分と遮光膜存在部分との間に存在する遮光膜非存在部分における前記透明基板上には、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層が存在しており、
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの表面におけるシート抵抗値が、1011Ω/□より小さい値であり、
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を有する前記フォトマスクの365nmの波長の光に対する透過率が80%以上である、
ことを特徴とするフォトマスク。
【請求項2】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を有する、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項3】
透明基板の表面に、フォトレジスト膜への露光を遮光するためパターン模様に形成された遮光膜を有するフォトマスクの製造方法であって、
フォトレジスト膜への露光を遮光するための遮光膜存在部分と、遮光膜存在部分と遮光膜存在部分との間に遮光膜を除去することにより遮光膜が存在しない遮光膜非存在部分とを、透明基板上に形成する工程と、
パターン模様に形成された遮光膜を有する前記透明基板上にチオフェン系導電性樹脂を塗布することにより、遮光膜非存在部分における前記透明基板上に、チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層を形成する工程と
を含む、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項4】
前記チオフェン系導電性樹脂からなる塗布層の上にさらに樹脂被覆層を形成する工程を有する、請求項3に記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜2のいずれか一項に記載のフォトマスクを用いて露光する工程を有する、電子部品の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜2のいずれか一項に記載のフォトマスクを用いて電子部品を製造する、電子部品の製造方法。
【国際調査報告】