特表2018-502840(P2018-502840A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-502840(P2018-502840A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(54)【発明の名称】血液脳関門受容体抗体及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/68 20170101AFI20180105BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20180105BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20180105BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20180105BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20180105BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20180105BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20180105BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20180105BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20180105BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180105BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20180105BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20180105BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20180105BHJP
【FI】
   A61K47/68ZNA
   C07K16/28
   C12N15/00 A
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   C12P21/08
   A61P25/28
   A61P9/10
   A61P21/04
   A61P25/16
   A61P17/02
   A61P35/00
   A61P9/00
   A61P25/00
   A61K45/00
   A61K45/06
   A61K49/00
   A61K39/395 D
   A61K39/395 N
   A61K39/395 C
   A61K39/395 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】152
(21)【出願番号】特願2017-531213(P2017-531213)
(86)(22)【出願日】2015年12月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月31日
(86)【国際出願番号】US2015064805
(87)【国際公開番号】WO2016094566
(87)【国際公開日】20160616
(31)【優先権主張番号】62/090,295
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/251,983
(32)【優先日】2015年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】タン, クリスティーン
(72)【発明者】
【氏名】ワッツ, ライアン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ズッケロ, ジョイ ユイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, シャオチョン
(72)【発明者】
【氏名】デニス, マーク エス.
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CA20
4B064CC24
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA91X
4B065AA92Y
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BD25
4B065BD39
4B065CA25
4B065CA44
4C076AA95
4C076CC01
4C076CC11
4C076CC27
4C076CC50
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA17
4C084AA20
4C084MA02
4C084NA13
4C084ZA011
4C084ZA021
4C084ZA151
4C084ZA161
4C084ZA361
4C084ZA421
4C084ZA891
4C084ZA941
4C084ZB261
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085AA21
4C085BB11
4C085BB22
4C085DD23
4C085EE01
4C085EE03
4C085HH01
4C085KA03
4C085KA04
4C085KA05
4C085LL13
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA21
4H045FA72
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、血液脳関門上で発現される受容体に結合する抗体、及びその使用方法に関する。
【選択図】図6N
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液脳関門を越える薬剤の輸送方法であって、前記方法が、前記血液脳関門を、(i)血液脳関門受容体(BBB−R)に結合し、かつ(ii)前記薬剤にカップリングされた抗体に曝露することを含み、
前記抗体が、前記BBB−Rに結合すると、それにカップリングされた前記薬剤を、前記血液脳関門を越えて輸送し、
前記BBB−Rが、CD98重鎖(CD98hc)、ベイシジン、及びグルコース輸送体1型(Glut1)からなる群から選択されるメンバーである、前記方法。
【請求項2】
前記血液脳関門が、哺乳動物にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記哺乳動物が、神経疾患または障害を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
哺乳動物における神経疾患または障害の治療方法であって、(i)CD98hc、ベイシジン、及びGlut1からなる群から選択されるBBB−Rに結合し、かつ(ii)前記神経疾患または障害を治療するために有効な治療剤にカップリングされた抗体を、前記哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
前記神経疾患または障害が、アルツハイマー病(AD)、脳卒中、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パーキンソン病、ピック病、ページェット病、癌、及び外傷性脳損傷からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記薬剤が、造影剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記薬剤が、神経障害薬である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体の、前記BBB−Rへの結合が、前記BBB−Rの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱しない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記BBB−Rの、前記抗体の存在下におけるその天然リガンドのうちの1つ以上への結合が、前記抗体の非存在下における結合の量の少なくとも80%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体の、前記BBB−Rへの結合が、前記血液脳関門を越える、前記BBB−Rの前記天然リガンドのうちの1つ以上の輸送を減弱しない、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記血液脳関門を越える、前記BBB−Rの前記天然リガンドのうちの1つ以上の輸送が、前記抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも80%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記抗体が、低い結合親和性を有するように操作されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体が、細胞増殖及び/または細胞分裂及び/または細胞接着を阻害しない、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が、細胞死を誘導しない、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記抗体が、約1nM〜約100μMの前記BBB−Rに対するIC50を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記IC50が、約1nM〜約10nMである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記IC50が、約5nM〜約100μMである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記IC50が、約50nM〜約100μMである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記IC50が、約100nM〜約100μMである、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体が、約1nM〜約10μMの前記BBB−Rへの親和性を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体が、約1nM〜約1μMの前記BBB−Rへの親和性を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記抗体が、約1nM〜約500nMの前記BBB−Rへの親和性を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記抗体が、約1nM〜約50nMの前記BBB−Rへの親和性を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記抗体が、約1nM〜約100μMの前記BBB−Rへの親和性を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記抗体が、治療用量で前記哺乳動物に投与される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記治療用量が、BBB−Rを飽和させる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体が、多重特異性であり、それにカップリングされた前記薬剤が、脳抗原に結合する前記多重特異性抗体の抗原結合部位を含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記多重特異性抗体が、二重特異性である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記脳抗原が、ベータ−セクレターゼ1(BACE1)、Abeta、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、Tau、アポリポタンパク質(例えば、アポリポタンパク質E4(ApoE4))、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、プリオンタンパク質(PrP)、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、細胞死受容体6(DR6)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、p75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)、及びカスパーゼ6からなる群から選択される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記多重特異性抗体が、CD98hc及びBACEIの両方に結合する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項32】
前記多重特異性抗体が、CD98hc及びAbetaの両方に結合する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項33】
前記多重特異性抗体が、ベイシジン及びBACEIの両方に結合する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項34】
前記多重特異性抗体が、ベイシジン及びAbetaの両方に結合する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項35】
前記多重特異性抗体が、Glut1及びBACEIの両方に結合する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項36】
前記多重特異性抗体が、Glut1及びAbetaの両方に結合する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項37】
前記BBB−Rが、CD98hcである、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記BBB−Rが、ベイシジンである、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記抗体が、
(a)配列番号6、7、及び8それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号3、4、及び5それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記抗体が、
(a)配列番号9の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号10の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号11の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号12の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記抗体が、
(a)配列番号13の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号14の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号15の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号16の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記抗体が、
(a)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)配列、
(b)配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記抗体が、配列番号2のVH配列及び配列番号1のVL配列を含む、請求項38〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体が、
(a)配列番号22、23、及び24それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号19、20、及び21それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記抗体が、
(a)配列番号25の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号26の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号27の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号28の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記抗体が、
(a)配列番号29の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号30の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号31の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号32の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記抗体が、(a)配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、(b)配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項38及び44〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記抗体が、配列番号18のVH配列及び配列番号17のVL配列を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記抗体が、
(a)配列番号38、39、及び40それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号35、36、及び37それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
前記抗体が、
(a)配列番号41の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号42の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号43の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号44の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記抗体が、
(a)配列番号45の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号46の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号47の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号48の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記抗体が、
(a)配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、または
(b)配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項38及び49〜51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記抗体が、配列番号34のVH配列及び配列番号33のVL配列を含む、請求項38及び49〜51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記抗体が、
(a)配列番号54、55、及び56それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号51、52、及び53それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体が、
(a)配列番号57の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号58の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号59の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号60の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記抗体が、
(a)配列番号61の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号62の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号63の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号64の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項54または55に記載の方法。
【請求項57】
前記抗体が、
(a)配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、または
(b)配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項38及び54〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記抗体が、配列番号50のVH配列及び配列番号49のVL配列を含む、請求項38及び54〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記抗体が、
(a)配列番号70、71、及び72それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号67、68、及び69それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項60】
前記抗体が、
(a)配列番号73の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号74の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号75の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号76の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記抗体が、
(a)配列番号77の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号78の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号79の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号80の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
前記抗体が、
(a)配列番号66のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、または
(b)配列番号65のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項38及び59〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記抗体が、配列番号66のVH配列及び配列番号65のVL配列を含む、請求項38及び59〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記BBB−Rが、Glut1である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記抗体が、
(a)配列番号86、87、及び88それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号83、84、及び85それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記抗体が、
(a)配列番号89の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号90の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号91の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号92の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列を含む、請求項64または65に記載の方法。
【請求項67】
前記抗体が、
(a)配列番号93の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号94の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号95の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号96の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列を含む、請求項64〜66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記抗体が、
(a)配列番号82のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、
(b)配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項64〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記抗体が、配列番号82のVH配列及び配列番号81のVL配列を含む、請求項64〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
ベイシジンに結合する、単離された抗体であって、
(a)配列番号6、7、及び8それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号3、4、及び5それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、前記抗体。
【請求項71】
(a)配列番号9の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号10の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号11の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び
(d)配列番号12の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列のうちの1つ以上をさらに含む、請求項70に記載の抗体。
【請求項72】
(a)配列番号13の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号14の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号15の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び
(d)配列番号16の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列のうちの1つ以上をさらに含む、請求項70または71に記載の抗体。
【請求項73】
(a)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、
(b)配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項70〜72のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項74】
配列番号2のVH配列及び配列番号1のVL配列を含む、請求項70〜73のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項75】
ベイシジンに結合する、単離された抗体であって、
(a)配列番号22、23、及び24それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号19、20、及び21それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、前記抗体。
【請求項76】
(a)配列番号25の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号26の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号27の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び
(d)配列番号28の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列のうちの1つ以上をさらに含む、請求項75に記載の抗体。
【請求項77】
(a)配列番号29の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号30の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号31の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び
(d)配列番号32の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列のうちの1つ以上をさらに含む、請求項75または76に記載の抗体。
【請求項78】
(a)配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、
(b)配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項75〜77のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項79】
配列番号18のVH配列及び配列番号17のVL配列を含む、請求項75〜77のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項80】
ベイシジンに結合する、単離された抗体であって、
(a)配列番号38、39、及び40それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号35、36、及び37それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、前記抗体。
【請求項81】
(a)配列番号41の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号42の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号43の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号44の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項80に記載の抗体。
【請求項82】
(a)配列番号45の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号46の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号47の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号48の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項80または81に記載の抗体。
【請求項83】
(a)配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、または
(b)配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項80〜82のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項84】
配列番号34のVH配列及び配列番号33のVL配列を含む、請求項80〜82のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項85】
ベイシジンに結合する、単離された抗体であって、
(a)配列番号54、55、及び56それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号51、52、及び53それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、前記抗体。
【請求項86】
(a)配列番号57の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号58の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号59の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号60の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項85に記載の抗体。
【請求項87】
(a)配列番号61の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号62の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号63の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号64の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項85または86に記載の抗体。
【請求項88】
(a)配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、または
(b)配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項85〜87のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項89】
配列番号50のVH配列及び配列番号49のVL配列を含む、請求項85〜87のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項90】
ベイシジンに結合する、単離された抗体であって、
(a)配列番号70、71、及び72それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号67、68、及び69それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、前記抗体。
【請求項91】
(a)配列番号73の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号74の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号75の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号76の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項90に記載の抗体。
【請求項92】
(a)配列番号77の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号78の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号79の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び/または
(d)配列番号80の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項90または91に記載の抗体。
【請求項93】
(a)配列番号66のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、または
(b)配列番号65のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項90〜92のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項94】
配列番号66のVH配列及び配列番号65のVL配列を含む、請求項90〜92のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項95】
Glut1に結合する、単離された抗体であって、
(a)配列番号86、87、及び88それぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上、ならびに/または
(b)配列番号83、84、及び85それぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、2、及び3配列のうちの1つ以上を含む、前記抗体。
【請求項96】
(a)配列番号89の軽鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号90の軽鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号91の軽鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び
(d)配列番号92の軽鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列のうちの1つ以上をさらに含む、請求項95に記載の抗体。
【請求項97】
(a)配列番号93の重鎖可変ドメインフレームワークFR1アミノ酸配列、
(b)配列番号94の重鎖可変ドメインフレームワークFR2アミノ酸配列、
(c)配列番号95の重鎖可変ドメインフレームワークFR3アミノ酸配列、及び
(d)配列番号96の重鎖可変ドメインフレームワークFR4アミノ酸配列のうちの1つ以上をさらに含む、請求項95または96に記載の抗体。
【請求項98】
(a)配列番号82のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列、
(b)配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列、または
(c)(a)にあるようなVH配列及び(b)にあるようなVL配列を含む、請求項95〜97のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項99】
配列番号82のVH配列及び配列番号81のVL配列を含む、請求項95〜97のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項100】
モノクローナル抗体である、請求項1〜99のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項101】
ヒト、ヒト化、またはキメラ抗体である、請求項1〜100のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項102】
全長IgG1またはIgG4抗体である、請求項1〜101のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項103】
Fab断片である、請求項1〜101のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項104】
請求項1〜103のいずれか1項に記載の抗体をコードする、単離された核酸。
【請求項105】
請求項104に記載の核酸を含む、宿主細胞。
【請求項106】
前記抗体が産生されるように、請求項105に記載の宿主細胞を培養することを含む、抗体の産生方法。
【請求項107】
請求項70〜103のいずれか1項に記載の抗体と、細胞傷害性薬剤と、を含む、免疫複合体。
【請求項108】
請求項70〜103のいずれか1項に記載の抗体の抗原結合部位を含む第1のアームを含む、多重特異性抗体。
【請求項109】
脳抗原に結合する抗原結合部位を含む第2のアームをさらに含む、請求項108に記載の多重特異性抗体。
【請求項110】
前記脳抗原が、BACE1、Abeta、EGFR、HER2、Tau、アポリポタンパク質(例えば、ApoE4)、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、PrP、LRRK2、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、DR6、APP、p75NTR、及びカスパーゼ6からなる群から選択される、請求項109に記載の多重特異性抗体。
【請求項111】
前記脳抗原が、BACE1である、請求項110に記載の多重特異性抗体。
【請求項112】
前記脳抗原が、Abetaである、請求項110に記載の多重特異性抗体。
【請求項113】
請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的製剤。
【請求項114】
追加の治療剤をさらに含む、請求項113に記載の薬学的製剤。
【請求項115】
医薬品として使用するための、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項116】
神経疾患または障害の治療に使用するための、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項117】
前記血液脳関門を越える薬剤の輸送における使用であって、前記血液脳関門を前記抗体に曝露することを含む、前記使用のための、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項118】
神経疾患または障害の治療用の医薬品の製造における、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体の使用。
【請求項119】
前記神経疾患または障害が、AD、脳卒中、認知症、MD、MS、ALS、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パーキンソン病、ピック病、ページェット病、癌、及び外傷性脳損傷からなる群から選択される、請求項70〜112のいずれか1項に記載の使用。
【請求項120】
BBB−Rへの結合を介した、前記血液脳関門を越える薬剤の輸送に使用するための、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項121】
前記BBB−Rが、ヒトBBB−Rである、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項122】
神経障害薬とカップリングされた、請求項70〜112のいずれか1項に記載の抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2014年12月10日に出願された米国仮出願第62/090295号、及び2015年11月6日に出願された仮出願第62/251983号の利益を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、血液脳関門上で発現される受容体に結合する抗体、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大分子薬の脳浸透は、主に不透過性の血液脳関門(BBB)によって厳しく制限される。この難関を克服するための1つの戦略は、脳毛細血管内皮において発現された内在性受容体のトランスサイトーシス輸送経路を用いることである。モノクローナル抗体等の組み換えタンパク質は、脳への大分子の受容体介在型送達を可能にするように、これらの受容体に対して設計されてきた。これらの受容体は、必須アミノ酸、グルコース、及び脳内で必要とされる他の資源の輸送等の重要な生物機能を実行するため、それらの分子の輸送は、かかる標的抗体によって遮断されないことが重要である。さらに、BBB上で発現される受容体は、多くの場合、他の区画内でも発現されるため、かかる抗体が、危険なオフターゲット効果を有しないことも重要である。
【発明の概要】
【0004】
受容体介在型輸送(RMT)に基づく二重特異性標的技術は、CNS疾患のための広範囲の潜在的治療法に関して扉を開く可能性を有する。過去の研究は、トランスフェリン受容体に対する抗体が、抗体及び小分子を含む治療薬を、BBBを越えて、微小用量及び治療上関連する用量の両方で、マウスにおける単一全身注入後に送達できることを示してきた(例えば、WO2012/075037を参照されたい)。上述されるように、これらの技術を設計するときに重要な考慮には、標的BBB受容体(BBB−R)の輸送機能の保存、及び安全性プロファイルが含まれる。本開示は、RMTに基づく標的技術の新たな標的、ならびにそれらの標的に特異的な抗体を提供する。
【0005】
例えば、以下の実施例に実証されるように、BBBにおける高レベルの発現、及び標的に特異的な抗体を、BBBを越えて輸送する能力に基づいて新規のBBB−R標的が特定された。さらに、これらのBBB−R標的に対する単一特異性抗体及び多重特異性抗体が生成された。それらの抗体、ベイシジン、Glut1、及びCD98hcは、薬剤(例えば、治療剤及び/または造影剤)を、BBBを越えて輸送するためのBBB上の候補標的であることが示された。
【0006】
本開示の一態様において、血液脳関門を越える薬剤の輸送方法が本明細書に提供される。この方法は、血液脳関門を、(i)血液脳関門受容体(BBB−R)に結合し、かつ(ii)薬剤にカップリングされた抗体に曝露することを含み得、抗体は、BBB−Rに結合すると、それにカップリングされた薬剤を、血液脳関門を越えて輸送する。一部の態様において、BBB−Rは、CD98重鎖(CD98hc)である。一部の態様において、BBB−Rは、ベイシジンである。本方法の一部の態様において、BBB−Rは、グルコース輸送体1型(Glut1)である。本方法の一部の態様において、血液脳関門は、哺乳動物にある。本方法の一部の態様において、哺乳動物は、神経疾患または障害を有する。
【0007】
本開示の別の態様において、哺乳動物における神経疾患または障害の治療方法が本明細書に提供される。この方法は、(i)BBB−Rに結合し、かつ(ii)神経疾患または障害を治療するために有効な治療剤にカップリングされた抗体を、哺乳動物に投与することを含み得る。治療方法の一部の態様において、BBB−Rは、CD98hcである。治療方法の一部の態様において、BBB−Rは、ベイシジンである。治療方法の一部の態様において、BBB−Rは、Glut1である。治療方法の一部の態様において、神経疾患または障害は、アルツハイマー病(AD)、脳卒中、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パーキンソン病、ピック病、ページェット病、癌、及び外傷性脳損傷からなる群から選択される。
【0008】
上記方法のある特定の態様において、哺乳動物は、ヒトであり得る。上記方法のある特定の態様において、薬剤は、造影剤であり得る。上記態様のうちのいずれかにおいて、薬剤は、神経障害薬である。上記方法のある特定の態様において、抗体の、BBB−Rへの結合は、BBB−Rの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱しない。上記方法のある特定の態様において、抗体の存在下における、BBB−Rの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合は、抗体の非存在下における結合の量の少なくとも80%である。上記方法のある特定の態様において、抗体の、BBB−Rへの結合は、血液脳関門を越える、BBB−Rの天然リガンドのうちのいずれの輸送も減弱しない。上記方法のある特定の態様において、血液脳関門を越える、BBB−Rの天然リガンドのうちのいずれかの輸送は、抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも80%である。
【0009】
上記方法のある特定の態様において、抗体は、低い結合親和性を有するように操作されている。
【0010】
上記方法のある特定の態様において、抗体は、細胞増殖、細胞分裂、及び/または細胞接着を阻害しない。上記方法のある特定の態様において、抗体は、細胞死を誘導しない。上記方法のある特定の態様において、抗体は、約1nM〜約100μM、約1nM〜約10nM、約5nM〜約100μM、約50nM〜約100μM、または約100nM〜約100μMのBBB−Rに対するIC50を有する。
【0011】
上記方法のある特定の態様において、抗体は、約1nM〜約10μM、約1nM〜約1μM、約1nM〜約500nM、約1nM〜約50nM、約1nM〜約100μMのBBB−Rへの親和性を有する。
【0012】
上記方法のある特定の態様において、抗体は、治療用量で哺乳動物に投与される。一部の態様において、治療用量は、BBB−Rを飽和させる。
【0013】
上記方法のある特定の態様において、抗体は、多重特異性であり、それにカップリングされた薬剤は、脳抗原に結合する多重特異性抗体の抗原結合部位を含む。一部の態様において、多重特異性抗体は、二重特異性である。一部の態様において、脳抗原は、ベータ−セクレターゼ1(BACE1)、Abeta、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、Tau、アポリポタンパク質(例えば、アポリポタンパク質E4(ApoE4))、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、プリオンタンパク質(PrP)、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、細胞死受容体6(DR6)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、p75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)、及びカスパーゼ6からなる群から選択される。一部の態様において、多重特異性抗体は、CD98hc及びBACEIの両方に結合する。一部の態様において、多重特異性抗体は、CD98hc及びAbetaの両方に結合する。一部の態様において、多重特異性抗体は、ベイシジン及びBACEIの両方に結合する。一部の態様において、多重特異性抗体は、ベイシジン及びAbetaの両方に結合する。一部の態様において、多重特異性抗体は、Glut1及びBACEIの両方に結合する。一部の態様において、多重特異性抗体は、Glut1及びAbetaの両方に結合する。一部の態様において、BBB−Rは、CD98hcである。一部の態様において、BBB−Rは、ベイシジンである。
【0014】
一態様において、本開示は、本明細書に提供される血液脳関門を越える薬剤の輸送方法での使用に適した抗ベイシジン(抗Bsg)抗体を提供する。一部の実施形態において、抗体の、Bsgへの結合が、ベイシジンの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱しない、抗Bsg抗体が提供される。ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Bsgの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合の量が、抗体の非存在下における、Bsgの、1つ以上の天然リガンドへの結合の量の少なくとも80%である、抗Bsg抗体が提供される。
【0015】
一部の実施形態において、抗体の、Bsgへの結合が、Bsgの天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送を減弱しない、抗Bsg抗体が提供される。ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Bsgの天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送の量が、抗体の非存在下における、天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送の量の少なくとも80%である、抗Bsg抗体が提供される。
【0016】
一部の実施形態において、本開示の抗Bsg抗体は、1つ以上の種からのベイシジンに特異的である。一部の実施形態において、本明細書に提供される抗Bsg抗体は、マウスBsg(mBsg)に特異的に結合する。一部の実施形態において、本明細書に提供される抗Bsg抗体は、ヒトBsg(hBsg)に特異的に結合する。一部の実施形態において、本明細書に提供される抗Bsg抗体は、hBsg及びmBsgに特異的に結合することができる。
【0017】
さらに後述されるように、既知のBsgの複数のアイソフォームが存在する。したがって、一部の実施形態において、本開示の抗Bsg抗体は、アイソフォーム特異的である。一部の実施形態において、本開示の抗Bsg抗体は、hBsgのアイソフォーム、例えば、hBsgアイソフォーム1(hBsg1)、hBsgアイソフォーム2(hBsg2)に特異的に結合する。例えば、本開示の抗Bsg抗体は、抗hBsg2抗体である。一部の実施形態において、本開示の抗Bsg抗体は、mBsgのアイソフォームに特異的に結合する。ある特定の実施形態において、本開示の抗Bsg抗体は、Bsgの細胞外ドメイン内のエピトープに結合する。
【0018】
一部の態様において、本開示は、相補性決定領域(CDR)、フレームワーク領域(FR)、ならびに/または本明細書に記載されるアミノ酸を有する軽鎖及び重鎖可変ドメインを含む抗Bsg抗体を提供する。一部の実施形態において、
【0019】
ある特定の実施形態において、本開示の抗Bsg抗体は、配列番号3、19、35、51、及び67から選択される軽鎖CDR1アミノ酸配列と、配列番号4、20、36、52、及び68から選択される軽鎖CDR2アミノ酸配列と、配列番号5、21、37、53、及び69から選択される軽鎖CDR3アミノ酸配列とを含む。
【0020】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号6、22、38、54、及び70から選択される重鎖CDR1アミノ酸配列と、配列番号7、23、39、55、及び71から選択される重鎖CDR2アミノ酸配列と、配列番号8、24、40、56、及び72から選択される重鎖CDR3アミノ酸配列とを含む。
【0021】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、FR1に関して配列番号9、25、41、57、及び73から選択されるアミノ酸配列、FR2に関して配列番号10、26、42、58、及び74から選択されるアミノ酸配列、FR3に関して配列番号11、27、43、59、及び75から選択されるアミノ酸配列、ならびにFR4に関して配列番号12、28、44、60、及び76から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変ドメインフレームワーク領域をさらに含む。
【0022】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、FR1に関して配列番号13、29、45、61、及び77から選択されるアミノ酸配列、FR2に関して配列番号14、30、46、62、及び78から選択されるアミノ酸配列、FR3に関して配列番号15、31、47、63、及び79から選択されるアミノ酸配列、ならびにFR4に関して配列番号16、32、48、64、及び80から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインフレームワーク領域をさらに含む。
【0023】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1、17、33、49、及び65から選択されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む軽鎖を含む。
【0024】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1、17、33、49、及び65から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0025】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号2、18、34、50、及び66から選択されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む重鎖を含む。
【0026】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号2、18、34、50、及び66から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0027】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1、17、33、49、及び65から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号2、18、34、50、及び66から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインとを含む。
【0028】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号2に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗BsgAである。
【0029】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号17に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号18に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗BsgBである。
【0030】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号33に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号34に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗BsgCである。
【0031】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号49に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号50に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗BsgDである。
【0032】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号65に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号66に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗BsgEである。
【0033】
一態様において、本開示は、本明細書に提供される血液脳関門を越える薬剤の輸送方法での使用に適した抗Glut1抗体を提供する。一部の実施形態において、抗体の、Glut1への結合が、Glut1の、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱しない、抗Glut1抗体が提供される。ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Glut1の、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合の量が、抗体の非存在下における、Glut1の、1つ以上の天然リガンドへの結合の量の少なくとも80%である、抗Glut1抗体が提供される。
【0034】
一部の実施形態において、抗体の、Glut1への結合が、Glut1の天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送を減弱しない、抗Glut1抗体が提供される。ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Glut1の天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送の量が、抗体の非存在下における、天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送の量の少なくとも80%である、抗Glut1抗体が提供される。
【0035】
一部の実施形態において、本開示の抗Glut1抗体は、1つ以上の種からのベイシジンに特異的である。一部の実施形態において、本明細書に提供される抗Glut1抗体は、マウスGlut1(mGlut1)に特異的に結合する。一部の実施形態において、本明細書に提供される抗Glut1抗体は、ヒトGlut1(hGlut1)に特異的に結合する。一部の実施形態において、本明細書に提供される抗Glut1抗体は、hGlut1及びmGlut1に特異的に結合することができる。
【0036】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号83を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号84を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号85を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに/または配列番号86を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号87を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号88を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0037】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、FR1に関して配列番号89、FR2に関して配列番号90、FR3に関して配列番号91、及びFR4に関して配列番号92に対応するアミノ酸配列を含むフレームワーク領域を含む、軽鎖可変ドメインを含む。
【0038】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、FR1に関して配列番号93、FR2に関して配列番号94、FR3に関して配列番号95、及びFR4に関して配列番号96に対応するアミノ酸配列を含むフレームワーク領域を含む、重鎖可変ドメインを含む。
【0039】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号81に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、及び配列番号82に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0040】
ある特定の態様において、本開示は、BBB−Rに結合することができる多重特異性抗体を提供する。一部の実施形態において、多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。一部の実施形態において、多重特異性抗体は、本明細書に開示される抗BBB−R抗体のうちのいずれかからの第1の抗原結合部位を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される多重特異性抗体は、本明細書に開示されるように、脳抗原に結合することができる第2の抗原結合部位をさらに含む。ある特定の実施形態において、脳抗原は、BASCE1、Abeta、EGFR、HER2、Tau、アポリポタンパク質(例えば、ApoE4)、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、PrP、LRRK2、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、DR6、APP、p75NTR、及びカスパーゼからなる群から選択される。
【0041】
別の態様において、本開示は、提供される抗体のうちのいずれかを含む、本明細書に開示されるポリペプチドのうちのいずれかをコードする核酸を提供する。
【0042】
別の態様において、本開示は、かかる核酸を含む宿主細胞、及び本明細書に開示される抗体の産生方法を提供する。したがって、本開示の抗体を産生するように宿主細胞を培養することを含む、抗体の産生方法が本明細書に提供される。
【0043】
別の態様において、本開示は、本明細書に開示される抗体のうちの1つ以上を含む薬学的組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1A】潜在的な受容体介在性輸送標的の成功を決定するために使用されるスクリーニングカスケードを描く。
図1B】ナイーブファージライブラリ由来の抗Lrp1及び抗インスリン受容体(InsR)抗体の、フローサイトメトリーによりHEK293細胞内で形質移入されたそれらの対応するマウス受容体への結合を描く(各ヒストグラムの左側のピークは、対照抗体(「第2のAb−PE」)であり、右側のピークは、抗Lrp1(左ヒストグラム)または抗InsR(右ヒストグラム)抗体である)。
図1C】脳組織の1グラム当たりの注入用量の平均±SEMパーセントとして定量化された(n=3/群及び時点)、野生型マウスにおける静脈内投与後の投薬後の様々な時点での微小用量のI125標識抗体(抗トランスフェリン受容体(TfR)、抗Lrp1、及び抗InsR)の、脳取り込みを定量化する線グラフである。
図1D】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内抗体濃度を定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;*P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001、****P≦0.0001)。
図1E】免疫組織化学染色に続くマウス皮質組織切片の写真を含み、示された抗体の5mg/kg静脈内注入の1時間後の抗体局在化を描く。スケールバー、50μm。
図2A】野生型マウスからのFACS精製されたBBB及び肝臓/肺内皮細胞のマイクロアレイ発現プロファイリングを使用して決定される、BBBにおいて富化された遺伝子を描く(Tam et al.,Dev Cell.2012 Feb 14;22(2):403−17に記載される)。
図2B】抗Lrp8、抗Ldlrad3、及び抗CD320抗体のフローサイトメトリー解析を描き、抗体の、HEK293細胞内で発現されたそれらの対応する抗原への結合を示す。各ヒストグラムの左側のピークは、対照抗体に対応し、右側のピークは、抗Lrp8、抗Ldlrad3、及び抗CD320抗体に対応する(ヒストグラムの左から右)。
図2C】示された抗体の、野生型マウスにおける静脈内投与後の投薬後の様々な時点での微小用量のI125標識抗体の脳取り込みを定量化する線グラフである。脳組織の1グラム当たりの注入用量の平均±SEMパーセントとしてデータを定量化する(n=3/群及び時点)。
図2D】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内抗体濃度を定量化する棒グラフを示す。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;****P≦0.001、*P≦0.05);「n.s.」統計的に有意でない。
図2E】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内抗体濃度を定量化する棒グラフを示す。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;****P≦0.001、*P≦0.05);「n.s.」統計的に有意でない。
図2F】免疫組織化学染色に続くマウス皮質組織切片の写真を含み、示された抗体の5mg/kg静脈内注入の1時間後の抗体局在化を描く。スケールバー、50μm。
図2G】RMT(すなわち、Tfrc、Lrp1、Insr)及びマイクロアレイにより特定されたBBB富化遺伝子(すなわち、Lrp8、Ldlrad3、CD320)の一般に研究されている受容体に関して、精製された内皮細胞のRNA配列データから生成された平均RPKM値(遺伝子発現)を定量化する棒グラフである。データセットは、脳内皮細胞上のLrp8、Ldlrad3、及びCD320の低い絶対mRNA発現を明らかにした。
図3A】CD31陽性及びCD45陰性脳内皮細胞(BEC)を、前述されるように、FACSによって野生型マウスから単離するために使用される方法を描く(Tam et al.,2012,上記)。単離されたBECを、質量分光法(MS)によって解析し、結果を図3B及び3Cに示す。
図3B】非BECと比較して、脳内皮細胞(BEC)内の他の脳細胞特異性タンパク質(Fasn、Aldoc、Glul、Plp1)と比較して、各内皮細胞タンパク質(PgP、Glut1、ZO−1、Esam、Claudin5)に関してMSにより決定される、上位3つの最も豊富なペプチドヒットの統合強度を定量化する棒グラフである。
図3C】示されたRMT標的に関する上位3つの最も豊富なペプチドヒットの統合強度を定量化する棒グラフである。
図3D】文献、マイクロアレイ、RNA配列、及び質量分光法によって特定された潜在的RMT標的を要約する表である。
図4A】マウスベイシジンで形質移入されたHEK293細胞への抗Bsg及び抗Bsg結合のフローサイトメトリー解析によって決定される、結合を定量化するヒストグラムを含む。各ヒストグラムにおいて、左ピークは、対照抗体に対応し、右ピークは、抗ベイシジン抗体に対応する。
図4B】免疫組織化学染色に続くマウス皮質組織の写真を含み、抗Bsgまたは抗Bsgの5mg/kg静脈内注入の1時間後の抗体局在化を描く。スケールバー、50μm。
図4C】脳組織の1グラム当たりの注入用量の平均±SEMパーセントとして定量化された(n=3/群及び時点)、静脈内投与後の投薬後の示された時点(時間(hr))での微小用量の示されたI125標識抗ベイシジン抗体の、脳取り込みを定量化する線グラフである。
図4D】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内及び血漿内それぞれの示された抗体のレベルを定量化する棒グラフを示す。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;*P≦0.05、**P≦0.01、****P≦0.0001)。
図4E】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内及び血漿内それぞれの示された抗体のレベルを定量化する棒グラフを示す。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;*P≦0.05、**P≦0.01、****P≦0.0001)。
図4F】マウスベイシジンへの二価(単一特異性)抗Bsg(実線)対二重特異性(一価抗Bsg)抗Bsg/BACE1抗体(破線)結合の競合ELISA比較の結果を描く(IC50:抗Bsg−7.1nM、抗Bsg/BACE1−105.5nM、抗Bsg−17.5nM、抗Bsg/BACE1−126.6nM)。
図4G】抗Bsg/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の24時間後の、脳抗体濃度(nM)、脳Aβ濃度(pg/g)、及び血漿抗体濃度(μM)をそれぞれ定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;**P≦0.01、****P≦0.0001)、「n.s.」統計的に有意でない。
図4H】抗Bsg/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の24時間後の、脳抗体濃度(nM)、脳Aβ濃度(pg/g)、及び血漿抗体濃度(μM)をそれぞれ定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;**P≦0.01、****P≦0.0001)、「n.s.」統計的に有意でない。
図4I】抗Bsg/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の24時間後の、脳抗体濃度(nM)、脳Aβ濃度(pg/g)、及び血漿抗体濃度(μM)をそれぞれ定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;**P≦0.01、****P≦0.0001)、「n.s.」統計的に有意でない。
図5A】Glut1を安定して発現するHEK293細胞に結合する抗Glut1の結合を描くフローサイトメトリーヒストグラムである。左端のピークは、対照抗体に対応する。
図5B】免疫組織化学染色に続くマウス皮質組織切片の写真であり、抗Glut1抗体の5mg/kg静脈内注入の1時間後の抗体局在化を描く。スケールバー、50μm。
図5C】脳組織の1グラム当たりの注入用量の平均±SEMパーセントとして定量化された(n=3/群及び時点)、野生型マウスにおける静脈内投与後の投薬後の様々な時点での微小用量のI125標識抗Glut1の、脳取り込みを定量化する線グラフである。
図5D】20mg/kg用量の示された抗体の数日後の、脳内及び血漿内それぞれの抗体レベルを定量化する線グラフである。
図5E】20mg/kg用量の示された抗体の数日後の、脳内及び血漿内それぞれの抗体レベルを定量化する線グラフである。
図5F】Glut1を安定して発現するHEK293細胞に結合する二価(単一特異的)抗Glut1(実線)対二重特異性(一価抗Glut1)抗Glut1/BACE1(破線)のフローサイトメトリー解析によって決定される、平均蛍光強度(MFI)を定量化する線グラフである。(EC50:抗Glut1−0.6μg/mL、抗Glut1/BACE1−>10μg/mL)。
図5G】抗Glut1/BACE1または対照IgGの単一50mg/kg静脈内投与の数日後に、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化する線グラフである。
図5H】抗Glut1/BACE1または対照IgGの単一50mg/kg静脈内投与の数日後に、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化する線グラフである。
図5I】抗Glut1/BACE1または対照IgGの単一50mg/kg静脈内投与の数日後に、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化する線グラフである。
図5J】抗Glut1/BACE1または対照IgGの単一50mg/kg静脈内投与の数日後に、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化する線グラフである。
図5K】示された抗体の20mg/kg用量の1時間及び24時間後の脳における脳1グラム当たりの注入用量のパーセント(%)(図5K)、または脳抗体濃度(図5L)として表された抗体の量を定量化する棒グラフを含む。同時点における対照IgGと比較して*P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001、****P≦0.0001)。
図5L】示された抗体の20mg/kg用量の1時間及び24時間後の脳における脳1グラム当たりの注入用量のパーセント(%)(図5K)、または脳抗体濃度(図5L)として表された抗体の量を定量化する棒グラフを含む。同時点における対照IgGと比較して*P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001、****P≦0.0001)。
図6A】CD98hcを安定して発現するHEK293細胞に結合する抗CD98hc抗体のフローサイトメトリー解析である。各ヒストグラムにおいて、対照抗体(第2のAb−PE)は、左端のピークに対応し、抗CD98hc抗体は、右端のピークに対応する。
図6B】免疫組織化学染色に続くマウス皮質組織の写真を含み、抗CD98hcまたは抗CD98hcの5mg/kg静脈内注入の1時間後の抗体局在化を描く。スケールバー、50μm。
図6C】脳組織の1グラム当たりの注入用量の平均±SEMパーセントとして定量化された(n=3/群及び時点)、野生型マウスにおける静脈内投与後の投薬後の様々な時点での微小用量のI125標識抗CD98hc抗体の、脳取り込み(脳1グラム当たりの注入用量%)を定量化する線グラフである。
図6D】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内抗体レベル(脳1グラム当たりの注入用量%)及び脳対血漿比をそれぞれ定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;****P≦0.0001)、「n.s.」統計的に有意でない。
図6E】20mg/kg用量の示された抗体の1時間後及び24時間後の、脳内抗体レベル(脳1グラム当たりの注入用量%)及び脳対血漿比をそれぞれ定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=6/群及び時点;****P≦0.0001)、「n.s.」統計的に有意でない。
図6F】マウスCD98hcを発現するHEK293細胞を用いるHEK293細胞を用いてフローサイトメトリーによって測定される、抗CD98hc/BACE1二重特異性抗体と比較して、親二価(単一特異性)抗CD98hc抗体の親和性(正規化されたOD650として表される)を定量化する線グラフである(IC50:抗体CD98hc−1.5nM、抗CD98hc/BACE1−4.0nM、抗CD98hc−4.6nM、抗CD98hc/BACE1−164.4nM)。
図6G】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された日数における、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化するグラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点;**P≦0.01、***P≦0.001)、****P≦0.0001;「n.s.」統計的に有意でない)。
図6H】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された日数における、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化するグラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点;**P≦0.01、***P≦0.001)、****P≦0.0001;「n.s.」統計的に有意でない)。
図6I】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された日数における、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化するグラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点;**P≦0.01、***P≦0.001)、****P≦0.0001;「n.s.」統計的に有意でない)。図6Iにおいて、各時点における列(投与後1日及び4日)は、左から右の順に、対照IgG、抗CD98hc/BACE1、及び抗CD98hc/BACE1に対応する。
図6J】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された日数における、血漿抗体濃度、脳抗体濃度、脳Aβレベル、及び血漿Aβレベルをそれぞれ定量化するグラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点;**P≦0.01、***P≦0.001)、****P≦0.0001;「n.s.」統計的に有意でない)。
図6K】脳組織の1グラム当たりの注入用量の平均±SEMパーセントとして定量化された(n=3/群及び時点)、野生型マウスにおける静脈内投与後の投薬後の様々な時点(時間(hr))での微小用量の示されたI125標識抗体の、脳取り込みを示す線グラフである。
図6L】抗CD98hc/BACE1抗体、抗TfR抗体、または対照IgGの50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された時点(1時間または24時間)における脳抗体濃度を定量化する棒グラフである。棒グラフは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点;**P≦0.01、***P≦0.001)、****P≦0.0001;「n.s.」統計的に有意でない)。
図6M】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの単一50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された日数において、対照IgG(図6M)及び脳内のAβx−40濃度(図6N)と比較して、Aβx−40低下のパーセント(%)を定量化するグラフである。
図6N】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの単一50mg/kg静脈内投与の投薬後の示された日数において、対照IgG(図6M)及び脳内のAβx−40濃度(図6N)と比較して、Aβx−40低下のパーセント(%)を定量化するグラフである。
図6O】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与後の投薬後の示された日数における、血漿抗体濃度(図6O)及び脳抗体濃度(図6P)を定量化するグラフである。エラーバーは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点)。
図6P】示された抗CD98hc/BACE1抗体または対照IgGの50mg/kg静脈内投与後の投薬後の示された日数における、血漿抗体濃度(図6O)及び脳抗体濃度(図6P)を定量化するグラフである。エラーバーは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点)。
図7A】ウェスタンブロットの写真である。野生型IMCD3細胞を、示された抗体及び濃度(μM)で24時間処置した。溶解物を、負荷対照としての内在性CD98hc及びアクチンに関して調べた。
図7B図7Aに表されるウェスタンブロットデータを定量化する棒グラフである。ウェスタンブロットデータは、各々が3回行われる、3つの独立した実験から平均される。バーは、平均±SEM(n=3)を表す。
図7C】1μMの示された抗体で1時間、37Cで処置されたマウスCD98hcを安定して過剰発現するIMCD3細胞の写真を含む。細胞を固定し、ヒトIgG、マウスCD98hc、及びリソソームマーカー、Lamp1に関して染色した。これらの画像は、対照IgG、抗CD98hc/BACE1、及びLamp1で共染色された抗CD98hc/BACE1の細胞取り込みの典型である。スケールバー=5μm。
図7D】CD98hc斑点を定量化する棒グラフである。これらの斑点を解析し、Lamp1との共局在化に関して定量化した。バーは、平均±SEM(n=5)を表す。
図7E】ウェスタンブロット結果の写真である。これらのブロットを、投薬後の様々な日数における、示された抗体の単一50mg/kg投与後の脳溶解物中のCD98hc発現に関して解析した(n=5/群及び時点)。
図7F】ウェスタンブロット結果の写真である。これらのブロットを、投薬後の様々な日数における、示された抗体の単一50mg/kg投与後の脳溶解物中のCD98hc発現に関して解析した(n=5/群及び時点)。
図7G】ウェスタンブロット結果の写真である。これらのブロットを、投薬後の様々な日数における、示された抗体の単一50mg/kg投与後の脳溶解物中のCD98hc発現に関して解析した(n=5/群及び時点)。
図7H】ウェスタンブロット結果の写真である。これらのブロットを、投薬後の様々な日数における、示された抗体の単一50mg/kg投与後の脳溶解物中のCD98hc発現に関して解析した(n=5/群及び時点)。
図7I図7E〜7Hに示されるウェスタンブロットにおけるCD98hcレベルを定量化する棒グラフである。全てのグラフは、平均±SEMを表す(n=5/群及び時点)。
図7J】アミノ酸取り込み活性のパーセント(%)を定量化する棒グラフである。マウスCD98hc細胞を安定して過剰発現するIMCD3細胞を、1μMの示された抗体で24時間処置し、内在化HPG、メチオニン類似体の総量によってアミノ酸取り込み活性を評価した。BCH(2−アミノ−2−ノルボルナン−カルボン酸)、L系アミノ酸輸送体の阻害剤を、正の対照として使用した。メチオニン取り込みを、対照IgGのパーセンテージとして表し、各データ点に対してプロットした。バーは、平均±SEM(n=12)を表す。
図8】示された抗体を注入したマウスの脳内の総タンパク質の1mg当たりの実質抗体濃度(ng/mL)を定量化する棒グラフである。実質溶解物からの抗体濃度を、ヒトIgG ELISAによって評価し、総タンパク質濃度に正規化した。n=5/群、示される棒グラフは、平均±SEMである。対照IgGに対するANOVAにより(Dunnettの事後検定により)**p<0.01及び****P<0.0001。
図9】示されたRMT抗体の親和性を要約する表である。全ての親和性は、抗Glut1抗体を除いてBiacoreにより決定し、これをFACS解析を使用して評価した。
図10】CD98hc細胞下局在化及び輸送を評価するために撮られた顕微鏡画像を含む。マウス一次脳内皮細胞を固定し、細胞下小胞性マーカー(左パネル)及び抗マウスCD98hc(中央パネル)で染色した。内在性CD98hcは、形質膜(矢印)に局在化され、細胞内斑点においても認められた(矢印の先)。抗カベオリン1(A)、抗TfR(B)、または抗EEA1(C)での共染色による共局在化を調べた。形質膜上で、CD98hcのサブセットが、カベオリン1で共局在化される(マージしたパネルA中の矢印)。いくつかの細胞内斑点が、カベオリン1で共局在化される(パネルA中の矢印の先)。(B)及びマージした画像に示されるように、極わずかな斑点がTfRで共局在化される。いくつかのCD98hc細胞内斑点が、EEA1で共局在化される(マージしたパネルC中の矢印の先)。スケールバー=5μm。
【発明を実施するための形態】
【0045】
I.定義
「血液脳関門」または「BBB」は、末梢循環と、脳及び脊髄(すなわち、CNS)との間の生理学的関門を指す。この関門は脳毛細血管内皮形質膜内の密着結合によって形成され、尿素等の非常に小さい分子(60ダルトン)でさえも脳内への分子の輸送が制限される厳しい関門を作る。脳内の血液脳関門、脊髄内の血液脊髄関門、及び網膜内の血液網膜関門は、CNS内の近接した毛細血管関門であり、集団的に血液脳関門またはBBBと称される。BBBは、血液CSF関門(脈絡叢)も包含し、この関門は、毛細血管内皮細胞ではなく上衣細胞で構成される。
【0046】
「血液脳関門受容体」(本明細書では「BBB−R」と省略される)は、血液脳関門を越えて分子を輸送することができる、脳内皮細胞上で発現される膜貫通受容体タンパク質である。上述の通り、大分子薬の脳浸透を増加させる1つの戦略は、BBB−Rのトランスサイトーシス輸送経路を用いること、例えば、それらの受容体を標的とする抗体を使用することである。本開示は、新規のBBB−R標的、及びそれらのBBB−Rに対してモノクローナル抗体を使用する、BBBを越える脳内への薬剤の輸送方法を提供する。かかるBBB−Rには、CD98重鎖(CD989hc)、グルコース輸送体1(Glut1)、及びベイシジン(Bsg)が含まれる。
【0047】
「個体」または「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト、及びサル等の非ヒト霊長類)、ウサギ、ならびに齧歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、個体または対象は、ヒトである。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体を投与され得る、及び/またはそれで処置され得る個体は、癌と診断されていない個体である。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体を投与され得る、及び/またはそれで処置され得る個体は、脳癌と診断されていない個体である。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体を投与され得る、及び/またはそれで処置され得る個体は、癌を有していない個体である。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体で処置され得る、及び/またはそれを投与され得る個体は、脳癌を有していない個体である。「中枢神経系」または「CNS」は、身体機能を制御する神経組織の複合体を指し、脳及び脊髄が含まれる。
【0048】
本明細書で互換的に使用される「アミロイドベータ」、「ベータ−アミロイド」、「Abeta」、「アミロイドβ」、及び「Aβ」という用語は、APPのβ−セクレターゼ1(「BACE1」)切断時に産生される、アミロイド前駆体タンパク質(「APP」)の断片、ならびにその修飾、断片、及び任意の機能的等価物を指し、Aβ1〜40及びAβ1〜42を含むが、これらに限定されない。Aβは、モノマー形態で存在すること、ならびにオリゴマー及びフィブリル構造を形成するように連係することが知られ、アミロイド斑の構成部材として見出され得る。かかるAβペプチドの構造及び配列は、当業者には周知であり、当該ペプチドを産生する、または脳及び他の組織からそれらを抽出する方法は、例えば、Glenner and Wong,Biochem Biophys Res.Comm.129:885−890(1984)に記載されている。さらに、Aβペプチドはまた、様々な形態で商業的に入手可能である。
【0049】
「脳血管原性浮腫」という用語は、脳の細胞内または細胞外空間内の血管内液またはタンパク質の過剰蓄積を指す。脳血管原性浮腫は、例えば、FLAIR MRIが含まれるが、これに限定されない脳MRIによって検出可能であり、無症候性であり得るか(「無症候性血管原性浮腫」)、または混乱、眩暈、嘔吐、及び無気力等の神経学的症状と関連付けられ得る(「症候性血管原性浮腫」)(Sperling et al.Alzheimer‘s&Dementia,7:367,2011を参照されたい)。
【0050】
「脳微小出血」という用語は、頭蓋内出血、または脳内の、直径約1cm未満の領域の出血を指す。脳微小出血は、例えば、T2*重み付けGRE MRIが含まれるが、これに限定されない脳MRIによって検出可能であり、無症候性であり得るか(「無症候性微小出血」)、または一過性もしくは永続性限局性運動もしくは感覚障害、運動失調症、失語症、及び構音障害等の神経学的症状と関連付けられ得る(「症候性微小出血」)。例えば、Greenberg,et al.,2009,Lancet Neurol.8:165−74を参照されたい。
【0051】
「溝滲出」という用語は、脳の畝または溝内の液体の滲出を指す。溝滲出は、例えば、FLAIR MRIが含まれるが、これに限定されない脳MRIによって検出可能である。Sperling et al.Alzheimer’s&Dementia,7:367,2011を参照されたい。
【0052】
「中枢神経系の表面鉄沈着」という用語は、脳のクモ膜下腔への出血または血液流出を指し、例えば、T2*重み付けGRE MRIが含まれるが、これに限定されない脳MRIによって検出可能である。中枢神経系の表面鉄沈着を示す症状には、感音性難聴、小脳性運動失調症、及び錐体路徴候が含まれる。Kumara−N,Am J Neuroradiol.31:5,2010を参照されたい。
【0053】
本明細書で使用される場合、「アミロイドーシス」という用語は、アミロイドまたはアミロイド様タンパク質によって引き起こされるか、または関連付けられる疾患及び障害の群を指し、モノマー、フィブリル、もしくはポリマー状態、またはそれら3つの任意の組み合わせの、アミロイド様タンパク質の存在または活性によって引き起こされる疾患及び障害が含まれるが、これらに限定されず、アミロイド斑によるものを含む。かかる疾患には、続発性アミロイドーシス及び加齢性アミロイドーシス、例えば、アルツハイマー病(「AD」)等の神経障害が含まれるが、これらに限定されない疾患、例えば、軽度認知障害(MCI)、レヴィー小体認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(ダッチ型)、グアムパーキンソン認知症複合等の認知記憶能力の喪失によって特徴付けられる疾患または病態、及びアミロイド様タンパク質に基づく、または関連付けられる他の疾患、例えば、進行性核上性麻痺、多発性硬化症、クロイツフェルド・ヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、封入体筋炎(IBM)、成人発症性糖尿病、内分泌腫瘍及び老人性心臓アミロイド、ならびに黄斑変性、ドルーゼン関連視神経症、緑内障、及びベータ−アミロイド沈着に起因する白内障等の様々な眼疾患が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
緑内障は、特徴的パターンの視神経症における、網膜神経節細胞(RGC)の喪失を伴う視神経の疾患の群である。RGCは、視覚シグナルを眼から脳へと伝達する神経細胞である。アポトーシス過程における2つの主要酵素である、カスパーゼ3及びカスパーゼ8は、その過程において活性化され、RGCのアポトーシスにつながる。カスパーゼ3は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)を切断して、Abetaを含む神経傷害性断片を産生する。APPの保護効果がなければ、網膜神経節細胞層内のAbeta蓄積は、RGCの死及び不可逆的視力喪失をもたらす。
【0055】
緑内障は、常にではないが、多くの場合、増加した眼圧を付随し、これは、水の循環またはその排水の遮断の結果であり得る。上昇した眼圧は、緑内障を発達させる重要な危険因子であるが、緑内障を確定的に引き起こし得るような眼圧の閾値を定義することはできない。重大な視神経線維への血液供給不足、神経構造の脆弱性、及び/または神経線維自体の健康問題によっても損傷が引き起こされ得る。未治療の緑内障は、視神経の永久損傷につながり、結果として視野喪失をもたらし、全盲へと進行し得る。
【0056】
本明細書で使用される場合、「軽度アルツハイマー病」または「軽度AD」という用語(例えば、「軽度ADと診断された患者」)は、20〜26のMMSEスコアによって特徴付けられるADの段階を指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、「軽度から中度のアルツハイマー病」または「軽度から中度のAD」という用語は、軽度AD及び中度ADの両方を包含し、18〜26のMMSEスコアによって特徴付けられる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「中度アルツハイマー病」または「中度AD」という用語(例えば、「中度ADと診断された患者」)は、18〜19のMMSEスコアによって特徴付けられるADの段階を指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「神経障害」は、CNSに影響を及ぼす、及び/またはCNSに病因を有する疾患または障害を指す。例示的なCNS疾患または障害には、ニューロパシー、アミロイドーシス、癌、眼疾患または障害、ウイルスまたは細菌感染、炎症、虚血、神経変性疾患、発作、行動障害、及びリソソーム蓄積症が含まれるが、これらに限定されない。本出願の目的のために、CNSは、血液網膜関門によって身体の残りから正常に隔離される、眼を含むことが理解されるであろう。神経障害の特定の例には、神経変性疾患(レヴィー小体病が含まれるが、これに限定されない)、ポリオ後症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症、線条体黒質変性症、タウオパシー(アルツハイマー病及び核上性麻痺が含まれるが、これらに限定されない)、プリオン病(ウシ海綿状脳症、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、慢性消耗性疾患、及び致死性家族性不眠症が含まれるが、これらに限定されない)、球麻痺、運動ニューロン病、及び神経系ヘテロ変性障害(カナバン病、ハンチントン病、神経セロイドリポフスチン症、アレクサンダー病、トゥレット症候群、メンケス症候群、コケイン症候群、ハラーホルデン・スパッツ症候群、ラフォラ病、レット症候群、肝レンズ核変性、レッシュ・ナイハン症候群、及びウンフェルリヒト・ルントボルク症候群が含まれるが、これらに限定されない)、認知症(ピック病、及び脊髄小脳失調症が含まれるが、これらに限定されない)、癌(例えば、体内の他の場所から生じる脳転移を含む、CNSの癌)が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
「神経障害薬」は、1つ以上の神経障害(複数可)を治療する薬物または治療剤である。本発明の神経障害薬には、抗体、ペプチド、タンパク質、1つ以上のCNS標的(複数可)の天然リガンド、1つ以上のCNS標的(複数可)の天然リガンドの修飾バージョン、アプタマー、干渉核酸(例えば、低分子干渉RNA(siRNA)及び短ヘアピンRNA(shRNA)、リボザイム、及び小分子、または前述のうちのいずれかの活性断片が含まれるが、これらに限定されない。本発明の例示的な神経障害薬が本明細書に記載され、抗体、アプタマー、タンパク質、ペプチド、干渉核酸及び小分子、ならびにそれ自体であるか、またはCNS抗原または標的分子(アミロイド前駆体タンパク質もしくはその部分、アミロイドベータ、ベータ−セクレターゼ、ガンマ−セクレターゼ、タウ、アルファ−シヌクレイン、パーキン、ハンチンチン、DR6、プレセニリン、ApoE、グリオーマ、もしくは他のCNS癌マーカー、及びニュートロフィンであるが、これらに限定されない)を特異的に認識及び/または作用(例えば、阻害、活性化、もしくは検出)する、前述のうちのいずれかの活性断片が挙げられるが、これらに限定されない。神経障害薬及びそれらが治療に使用され得る障害の非限定例が、以下の表Aに提供される。
表A:神経障害薬及びそれらが治療に使用され得る対応する障害の非限定例
【0061】
本明細書で使用される場合、「薬剤」、例えば、本明細書に開示されるBBB−R特異性抗体(例えば、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体)によって血液脳関門を越えて送達される薬剤は、治療剤または造影剤である。ある特定の態様において、治療剤は、抗体(例えば、CNSまたは脳抗原に特異的)である。ある特定の態様において、治療剤は、例えば上記の通り、薬物、例えば、神経障害薬である。ある特定の態様において、治療剤は、細胞傷害性薬剤である。ある特定の態様において、治療剤は、抗体である(例えば、薬剤(抗体)は、多重特異性抗体の1つのアームである)。
【0062】
本明細書で使用される場合、「造影剤」は、その存在及び/または場所が直接または間接的に検出されるのを可能にする1つ以上の特性を有する化合物である。かかる造影剤の例には、検出を許容する標識部分を組み込むタンパク質及び小分子化合物が含まれる。
【0063】
「CNS抗原」または「脳抗原」は、脳を含むCNS内で発現される抗原であり、抗体または小分子で標的とされ得る。かかる抗原の例には、制限なく、ベータ−セクレターゼ1(BACE1)、アミロイドベータ(Abeta)、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、Tau、アポリポタンパク質、例えば、アポリポタンパク質E4(ApoE4)、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、プリオンタンパク質(PrP)、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、細胞死受容体6(DR6)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、p75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)、インターロイキン6受容体(IL6R)、TNF受容体1(TNFR1)、インターロイキン1ベータ(IL1β)、及びカスパーゼ6が含まれる。特定の実施形態において、抗原は、BACE1である。
【0064】
「抗体」という用語は、本明細書で最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含むが、これらに限定されない、種々の抗体構造を包含する。
【0065】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」または「に特異的に結合する」は、選択的または優先的に抗原に結合する抗体を指す。結合親和性は、一般に、スキャチャード解析等の標準アッセイまたは表面プラズモン共鳴技法(例えば、BIACORE(登録商標)を使用する)を使用して決定される。
【0066】
「抗体断片」は、無傷抗体が結合する抗原に結合する、無傷抗体の一部を含む無傷抗体以外の分子を指す。抗体断片の例は、当該技術分野において周知であり(例えば、Nelson,MAbs(2010)2(1):77−83を参照されたい)、Fab、Fab′、Fab′−SH、F(ab′)、及びFv;ダイアボディ;直鎖抗体;一本鎖可変断片(scFv)、リンカーの有無を問わない(かつ任意選択で縦列の)軽鎖及び/または重鎖抗原結合ドメインの融合、が含まれるが、これらに限定されない一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される単一特異性または多重特異性抗原結合分子(Fc領域を欠いている複数の可変ドメインから構成される多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体を指す、すなわち、その集団に含まれる個々の抗体は同一であり、かつ/または同じエピトープに結合するが、例えば、天然に存在する突然変異を含むか、またはモノクローナル抗体の産生中に生じ得る、可能性のある変異形抗体は例外であり、かかる変異形は、通常少量で存在している。異なる決定基(エピトープ)を対象とする異なる抗体を典型的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られるという抗体の特徴を示すものであり、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されないものとする。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、多様な技法によって作製されてもよく、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler et al.,Nature,256:495(1975)を参照されたい)、組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)、ファージ提示法(例えば、Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)に記載される技法を使用する)、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含むトランスジェニック動物を用いる方法、本明細書に記載されるモノクローナル抗体を作製するための、このような方法及び他の例示的な方法が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書におけるモノクローナル抗体の特定例には、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びヒト抗体が含まれ、それらの抗原結合断片を含む。
【0068】
本明細書におけるモノクローナル抗体には、特に、重鎖及び/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来するかまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または同種であり、一方で鎖(複数可)の残りが別の種に由来するかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または同種である、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびにそのような抗体の断片が含まれるが、これは、それらが所望される生物学的活性を呈する限りにおいてである(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))。
【0069】
「多重特異性抗体」という用語は、最も広義に使用され、多重エピトープ特異性を有する(すなわち、1つの生物分子上の2つもしくはそれ以上の異なるエピトープに特異的に結合することができるか、または2つもしくはそれ以上の異なる分子上のエピトープに特異的に結合することができる)抗原結合ドメインを含む抗体を具体的に包含する。
【0070】
「二重特異性抗体」という用語は、1つの生物分子上の2つの異なるエピトープに特異的に結合可能であるか、または2つの異なる生物分子上のエピトープに特異的に結合可能である抗原結合ドメインを含む、多重特異性抗体である。本明細書において、二重特異性抗体はまた、「デュアル特異性(dual specificity)」を有するもの、または「デュアル特異性である(dual specific)」とも称される場合がある。
【0071】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて、参照抗体とその抗原との結合を50%以上遮断する抗体、また逆に、競合アッセイにおいて、抗体とその抗原との結合を50%以上遮断する参照抗体を指す。例示的な競合アッセイは、本明細書に提供されている。
【0072】
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りの部分が異なる源または種に由来する抗体を指す。
【0073】
本明細書における目的では、「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に定義される、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する、軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含んでもよく、またはそれはアミノ酸配列変化を含有してもよい。一部の実施形態において、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。一部の実施形態において、VLアクセプターヒトフレームワークの配列は、VLヒト免役グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と同一である。
【0074】
本明細書で使用される「細胞傷害性薬剤」という用語は、細胞機能を阻害するもしくは阻止する、かつ/または細胞死もしくは破壊を引き起こす、物質を指す。細胞傷害性薬剤には、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位体);化学療法剤または化学療法薬(例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン、もしくは他のインターカレート剤);成長阻害剤;核酸分解酵素等の酵素及びそれらの断片;抗生物質;細菌、真菌、植物、または動物起源の小分子毒素または酵素活性毒素(それらの断片及び/もしくは変異形を含む)等の毒素;ならびに下に開示される種々の抗腫瘍または抗癌薬剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
「エフェクター機能」は、抗体アイソタイプにより多様である抗体のFc領域に帰属する生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害作用(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害作用(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。
【0076】
薬剤、例えば、薬学的製剤の「有効量」は、必要な投薬量及び期間で、所望される治療的または予防的結果を達成するのに有効な量を指す。
【0077】
本明細書における「天然配列」タンパク質は、タンパク質の天然に存在する変異形を含む、天然に見出されるタンパク質のアミノ酸配列を含むタンパク質を指す。本明細書で使用される用語は、タンパク質を、その天然源から単離されたもの、または組み換え的に産生されたものとして含む。
【0078】
本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義して使用される。この用語は、天然配列Fc領域及び変異形Fc領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあれば、しない場合もある。本明細書で別途明記されない限り、Fc領域または定常領域におけるアミノ酸残基の付番は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載される、EUインデックスとも呼ばれる、EU付番方式に従う。
【0079】
本明細書で使用される「FcRn受容体」または「FcRn」という用語は、ヒトもしくは霊長類胎盤、または卵黄嚢(ウサギ)を通じた胎児への、及び小腸を通じた初乳から新生児への母体IgGの輸送に関与することが知られているFc受容体を指す(「n」は新生児を示す)。FcRnが、IgG分子に結合すること、及びそれらを血清中に再循環させることによって、一定の血清IgGレベルの維持に関与することも知られている。「FcRn結合領域」または「FcRn受容体結合領域」は、FcRn受容体と相互作用する抗体の当該部分を指す。抗体のFcRn結合領域内のある特定の修飾は、FcRnに関して、抗体またはその断片の親和性を増加させ、分子のインビボ半減期も増加させる。以下のアミノ酸位置251、256、285、290、308、314、385、428、434、及び436のうちの1つ以上におけるアミノ酸置換は、抗体の、FcRn受容体との相互作用を増加させる。以下の位置、238、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424または434における置換、例えば、(米国特許第7,371,826号)の置換もまた、抗体の、FcRn受容体との相互作用を増加させる。
【0080】
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメインFR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。したがって、HVR及びFRの配列は、一般に、VH(またはVL)では次の配列で現れる:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4。
【0081】
「全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書で、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように互換的に使用される。
【0082】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は、互換的に使用され、外来性の核酸が導入された細胞を指し、これにはかかる細胞の子孫が含まれる。宿主細胞には、初代形質転換細胞及び継代の数に関わらずそれに由来する子孫を含む、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれる。子孫の核酸含量は、親細胞と完全に同一でない場合があるが、変異を含有し得る。元々形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物活性を有する変異体子孫が、本明細書に含まれる。組み換え抗体を産生するための「宿主細胞」の例には、(1)哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、COS、骨髄腫細胞(Y0及びNS0細胞を含む)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、Hela及びVero細胞;(2)昆虫細胞、例えば、sf9、sf21、及びTn5;(3)植物細胞、例えば、タバコ属に属する植物(例えば、Nicotiana tabacum);(4)酵母細胞、例えば、サッカロマイセス属(例えば、Saccharomyces cerevisiae)またはコウジカビ属(例えば、Aspergillus niger)に属するもの;(5)細菌細胞、例えば、Escherichia coliまたはBacillus subtilis細胞等が含まれる。
【0083】
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生された、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する、抗体のアミノ酸配列、または他のヒト抗体コード配列に対応する、アミノ酸配列を保有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。
【0084】
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を代表する、フレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列の下位群から行われる。一般に、配列の下位群は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,NIH Publication 91−3242,Bethesda MD(1991),vols.1〜3にあるような下位群である。一実施形態において、VLについて、下位群は、上記のKabat et al.にあるような下位群カッパIである。一実施形態において、VHについて、下位群は、上記のKabat et al.にあるような下位群IIIである。
【0085】
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含む、キメラ抗体を指す。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、そのHVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、そのFRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は任意で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の、「ヒト化型」は、ヒト化を経た抗体を指す。
【0086】
「ヒト化」型の非ヒト(例えば、マウス)抗体は、非ヒト抗体に由来する最小限の配列を含むキメラ抗体である。ヒト化抗体は、概ねヒト抗体(レシピエント抗体)であり、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望される特異性、親和性、及び機能性を有するマウス、ラット、ウサギ、もしくは非ヒト霊長類等の非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基で置き換えられている。例えば、ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、そのHVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、そのフレームワーク領域(FR)の全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。一部の例においては、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体中で見出されない残基を含んでもよい。これらの修飾を行って、抗体の性能をさらに改良する。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、その超可変領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、上記のFR置換(複数可)を除いて、そのFRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、場合によっては、抗体定常領域の少なくとも一部分、典型的にはヒト抗体のものも含まれるであろう。抗体、例えば非ヒト抗体の、「ヒト化型」は、ヒト化を経た抗体を指す。さらなる詳細については、Jones et al.,Nature 321:522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323−329(1988)、及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)を参照されたい。
【0087】
本明細書における「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生された、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を利用する非ヒト源に由来する、抗体のアミノ酸配列構造に対応する、アミノ酸配列を含む抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。かかる抗体は、免疫付与時に、内在性免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体を産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)による産生(例えば、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993)、Jakobovits et al.,Nature,362:255−258(1993)、Bruggermann et al.,Year in Immuno.,7:33(1993)、及び米国特許第5,591,669号、同第5,589,369号、及び同第5,545,807号を参照されたい);ヒト抗体またはヒト抗体断片を発現するファージ提示ライブラリからの選択(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−553(1990)、Johnson et al.,Current Opinion in Structural Biology 3:564−571(1993)、Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1991)、Griffith et al.,EMBO J.12:725−734(1993)、米国特許第5,565,332号及び同第5,573,905号を参照されたい);インビトロ活性化B細胞を介した生成(米国特許第5,567,610号及び同第5,229,275号を参照されたい);ならびにヒト抗体産生ハイブリドーマからの単離が含まれるが、これらに限定されない種々の技法によって特定または作製され得る。
【0088】
本明細書における抗体には、変化した抗原結合または生物活性を持つ「アミノ酸配列変異形」が含まれる。かかるアミノ酸変化の例には、抗原に対する強化された親和性を持つ抗体(例えば、「親和性成熟」抗体)、及び存在する場合、変化したFc領域を持つ、例えば、変化した(増加もしくは減少した)抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び/または補体依存性細胞傷害(CDC)を持つ抗体(例えば、WO00/42072、Presta,L.、及びWO99/51642、Iduosogie et al.を参照されたい)、ならびに/または増加もしくは減少した血清半減期を持つ抗体(例えば、WO00/42072、Presta,L.を参照されたい)が含まれる。
【0089】
「親和性修飾変異形」は、親和性を変化(増加または低下)する親抗体(例えば、親キメラ、ヒト化、またはヒト抗体)の1つ以上の置換超可変領域またはフレームワーク残基を有する。かかる置換型変異形を生成するための便利な方法は、ファージ提示を使用する。簡潔に述べると、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7部位)を突然変異させ、各部位において全ての可能なアミノ置換を生成する。そのようにして生成された抗体変異形は、各粒子内で被包されたM13の遺伝子III産物への融合として、繊維状ファージ粒子から一価様式で提示される。次いで、ファージ提示された変異形を、それらの生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。修飾のための候補となる超可変領域部位を特定するために、アラニン走査突然変異誘発を行い、抗原結合に著しく寄与する超可変領域残基を特定することができる。代替的に、または追加的に、抗体とその標的との間の接触点を特定するための抗原−抗体複合体の結晶構造を解析することが有益であり得る。かかる接触残基及び隣接する残基は、本明細書で詳述される技法に従う置換の候補である。一旦かかる変異形が生成されると、変異形の集団は、スクリーニングに供され、変化した親和性を持つ抗体は、さらなる発達のために選択され得る。
【0090】
本明細書における抗体は、「異種性分子」と複合され、例えば、半減期もしくは安定性を増加させるか、または他の方法で抗体を改善することができる。例えば、抗体は、様々な非タンパク質性ポリマーのうちの1つ、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのコポリマーに結合され得る。1つ以上のPEG分子に結合されるFab′等の抗体断片は、本発明の例示的な実施形態である。別の実施例において、異種性分子は、治療化合物または可視化剤(例えば、検出可能な標識)であり、抗体は、かかる異種性分子を、BBBを越えて輸送するために使用されている。異種性分子の例には、化学化合物、ペプチド、ポリマー、脂質、核酸、及びタンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
本明細書における抗体は、「グリコシル化変異形」であってもよく、それにより、Fc領域に結合した任意の炭水化物は、存在する場合、変化し、存在/非存在が修飾されるか、またはタイプが修飾されるかのいずれかである。例えば、抗体のFc領域に結合したフコースを欠いている成熟炭水化物構造を持つ抗体は、米国特許出願第2003/0157108号(Presta,L.)に記載されている。US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)も参照されたい。抗体のFc領域に結合した炭水化物中に二等分N−アセチルグルコサミン(GlcNac)を持つ抗体は、WO2003/011878(Jean−Mairet et al.)及び米国特許第6,602,684号(Umana et al.)において参照されている。抗体のFc領域に結合したオリゴ糖中の少なくとも1つのガラクトース残基を持つ抗体は、WO1997/30087(Patel et al.)において報告されている。そのFc領域に結合した炭水化物が変化した抗体に関しては、WO1998/58964(Raju,S.)及びWO1999/22764(Raju,S.)も参照されたい。修飾されたグリコシル化を持つ抗体を説明しているUS2005/0123546(Umana et al.)も参照されたい。例えば、この配列のAsnを任意の他のアミノ酸に突然変異させることによるか、Proを298位に配置することによるか、または299位をSerまたはThr以外の任意のアミノ酸に修飾することによる、Fc領域内のコンセンサスグリコシル化配列の突然変異(297〜299位におけるAsn−X−Ser/Thr、Xはプロリンではあり得ない)は、その位置でのグリコシル化を廃止するはずである(例えば、Fares Al−Ejeh et al.,Clin.Cancer Res.(2007)13:5519s−5527s、Imperiali and Shannon,Biochemistry(1991)30(18):4374−4380、Katsuri,Biochem J.(1997)323(Pt 2):415−419、Shakin−Eshleman et al.,J.Biol.Chem.(1996)271:6363−6366を参照されたい。)
【0092】
用語「超可変領域」または「HVR」は、本明細書で使用される場合、配列中で超可変(「相補性決定領域」もしくは「CDR」)であり、かつ/または構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成し、かつ/もしくは抗原接触残基(「抗原接触体」)を含有する、抗体可変ドメインの領域の各々を指す。概して、抗体は、3つはVH(H1、H2、H3)にあり、3つはVL(L1、L2、L3)にある、6つのHVRを含む。本明細書における例示的なHVRには、
(a)アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(H3)において起こる超可変ループ(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987))、
(b)アミノ酸残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、89〜97(L3)、31〜35b(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3)において起こるCDR(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991))、
(c)アミノ酸残基27c〜36(L1)、46〜55(L2)、89〜96(L3)、30〜35b(H1)、47〜58(H2)、及び93〜101(H3)において起こる抗原接触(MacCallum et al.J.Mol.Biol.262:732−745(1996))、ならびに
(d)HVRアミノ酸残基46〜56(L2)、47〜56(L2)、48〜56(L2)、49〜56(L2)、26〜35(H1)、26〜35b(H1)、49〜65(H2)、93〜102(H3)、及び94〜102(H3)を含む、(a)、(b)、及び/または(c)の組み合わせが含まれる。
【0093】
一部の実施形態において、HVR残基は、下記の表Bにおいて配列番号により特定されるものを含む(各列は、別個のクローンである)。
表B:HVR配列
「LC」、軽鎖;「HC」、重鎖;「BSG」、ベイシジン
【0094】
別途指定されない限り、可変ドメインにおけるHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)は、本明細書において上記のKabatらに従って付番される。
【0095】
「免疫複合体」は、標識または細胞傷害性薬剤を含むが、これらに限定されない1個以上の異種性分子(複数可)に複合される抗体である。場合によっては、かかる複合は、リンカーを介してである。
【0096】
本明細書で使用される「リンカー」は、抗体を異種性分子に共役的または非共役的に接続する構造である。ある特定の実施形態において、リンカーは、ペプチドである。他の実施形態において、リンカーは、化学リンカーである。
【0097】
「標識」は、本明細書における抗体とカップリングされたマーカーであり、検出または撮像に使用される。かかる標識の例には、放射標識、発蛍光団、発色団、または親和性タグが含まれる。一実施形態において、標識は、医療用撮像に使用される放射標識、例えばtc99mもしくはI123、または核磁気共鳴(NMR)画像法(磁気共鳴画像法、もしくはMRIとしても知られる)のためのスピン標識、例えば、限定されないが、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン、及び鉄である。
【0098】
「単離された」抗体は、その自然環境の構成成分から分離されているものである。一部の実施形態において、抗体は、例えば、電気泳動法(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフ法(例えば、イオン交換または逆相HPLC)によって決定される、95%超または99%超の純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の概説については、例えば、Flatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79−87(2007)を参照されたい。
【0099】
本明細書で使用される場合、「BACE1」という用語は、別途指示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源からの任意の天然β−セクレターゼ1(β部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1、膜関連アスパラギン酸プロテアーゼ2、メマプシン2、アスパルチルプロテアーゼ2またはAsp2)とも呼ばれる)を指す。この用語は、「全長」のプロセシングされていないBACE1、ならびに細胞内でのプロセシングから生じるBACE1の任意の形態を包含する。この用語は、BACE1の天然に存在する変異形、例えば、スプライス変異形または対立遺伝子変異形も包含する。例示的なBACE1ポリペプチドのアミノ酸配列は、下記の配列番号111に示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Vassar et al.,Science 286:735−741(1999)において報告されている、ヒトBACE1、アイソフォームAの配列である:
MAQALPWLLLWMGAGVLPAHGTQHGIRLPLRSGLGGAPLGLRLPRETDEEPEEPGRRGSFVEMVDNLRGKSGQGYYVEMTVGSPPQTLNILVDTGSSNFAVGAAPHPFLHRYYQRQLSSTYRDLRKGVYVPYTQGKWEGELGTDLVSIPHGPNVTVRANIAAITESDKFFINGSNWEGILGLAYAEIARPDDSLEPFFDSLVKQTHVPNLFSLQLCGAGFPLNQSEVLASVGGSMIIGGIDHSLYTGSLWYTPIRREWYYEVIIVRVEINGQDLKMDCKEYNYDKSIVDSGTTNLRLPKKVFEAAVKSIKAASSTEKFPDGFWLGEQLVCWQAGTTPWNIFPVISLYLMGEVTNQSFRITILPQQYLRPVEDVATSQDDCYKFAISQSSTGTVMGAVIMEGFYVVFDRARKRIGFAVSACHVHDEFRTAAVEGPFVTLDMEDCGYNIPQTDESTLMTIAYVMAAICALFMLPLCLMVCQWCCLRCLRQQHDDFADDISLLK(配列番号111)。
【0100】
アイソフォームB、C、及びDを含む、ヒトBACE1のいくつかの他のアイソフォームが存在する。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、UniProtKB/Swiss−Prot Entry P56817を参照されたい。アイソフォームBは、それがアミノ酸190〜214を欠失しているという点で(すなわち、配列番号111のアミノ酸190〜214の欠失)、アイソフォームAとは異なる。アイソフォームCは、それがアミノ酸146〜189を欠失しているという点で(すなわち、配列番号111のアミノ酸146〜189の欠失)、アイソフォームAとは異なる。アイソフォームDは、それがアミノ酸146〜189及び190〜214を欠失しているという点で(すなわち、配列番号111のアミノ酸146〜189及び190〜214の欠失)、アイソフォームAとは異なる。
【0101】
「親和性」は、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の、共有結合ではない相互作用の強度の総計を指す。別途示されない限り、本明細書に使用されるとき、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体と抗原)の間の1:1の相互作用を反映する、本来の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYへの親和性は、一般に、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な例証的及び例示的な実施形態が、以下に説明される。
【0102】
「親和性成熟」抗体は、変化を有しない親抗体と比較して、1つ以上の超可変領域(HVR)において1つ以上の変化を有し、かかる変化によって抗原に対する抗体の親和性を改善する、抗体を指す。
【0103】
「抗Bsg抗体」、「抗ベイシジン抗体」、「ベイシジンに結合する抗体」、及び「Bsgに結合する抗体」という用語は、ベイシジンの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱することなく、ベイシジンに結合することができる抗体を指す。一実施形態において、抗Bsg抗体が無関係の非Bsgタンパク質に結合する程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のBsgへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態において、Bsgに結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、異なる種からのBsg(例えば、ヒトBsg及びマウスBsg)間で保存されているBsgのエピトープに結合する。ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、異なるBsgアイソフォーム(例えば、2つ以上のヒトBsgアイソフォーム)間で保存されているBsgのエピトープに結合する。
【0104】
「抗Glut1抗体」及び「Glut1に結合する抗体」という用語は、Glut1の、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱することなく、Glut1に結合することができる抗体を指す。一実施形態において、抗Glut1抗体が無関係の非Glut1タンパク質に結合する程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のGlut1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態において、Glut1に結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、異なる種からのGlut1(例えば、ヒトGlut1及びマウスGlut1)間で保存されているGlut1のエピトープに結合する。
【0105】
本発明に従い、「低親和性」抗BBB−R(例えば、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1)抗体は、抗体親和性を測定するための様々なアッセイ、例えば、制限なく、スキャチャードアッセイ及び表面プラズモン共鳴技法(例えば、BIACORE(登録商標)を使用する)によって特定され得る。本発明の一実施形態に従い、抗体は、約5nM〜、または約20nM〜、または約100nM〜、約10μMまで、または約1μMまで、または約500nMまでの、BBB−R抗原(例えば、CD98hc、Bsg、またはGlut1)への親和性を有する。故に、親和性は、例えば、スキャチャード解析またはBIACORE(登録商標)によって測定した場合に、約5nM〜約10μMの範囲内、または約20nM〜約1μΜの範囲内、または約100nM〜約500nMの範囲内であり得る。
【0106】
「単離された核酸」は、核酸分子がその天然環境の構成成分から分離されたものを指す。単離された核酸は、核酸分子を通常含有する細胞内に含有される核酸分子が含むが、その核酸分子は、染色体外に、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0107】
本明細書で使用される場合、「抗体をコードする単離された核酸」(例えば、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体)は、抗体の重鎖及び軽鎖(またはそれらの断片)をコードする1個以上の核酸分子を指し、それには単一のベクターまたは別個のベクターにおけるかかる核酸分子(複数可)が含まれ、かかる核酸分子(複数可)は、宿主細胞内の1つ以上の場所に存在する。
【0108】
「裸の抗体」とは、異種性部分(例えば、細胞傷害性部分または放射標識)に複合されていない抗体を指す。裸の抗体は、薬学的製剤中に存在してもよい。
【0109】
抗体「エフェクター機能」は、補体経路の活性化以外の免疫系の活性化をもたらす抗体のそのような生物活性を指す。かかる活性は、主に抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列変異形Fc領域)内で見出される。抗体エフェクター機能の例には、例えば、Fc受容体結合及び抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)が含まれる。一実施形態において、本明細書における抗体は、本質的にエフェクター機能を欠いている。別の実施形態において、本明細書における抗体は、最小のエフェクター機能を保持する。エフェクター機能の修飾または排除方法は、当該技術分野において周知であり、エフェクター機能に関与するFc領域の全てまたは一部を排除すること(例えば、限定されないが、本明細書に記載される、及び当該技術分野において既知である、Fab断片、一本鎖抗体等のFc領域の全てまたは一部を欠いている形態で抗体または抗体断片を使用して);1つ以上のアミノ酸位置においてFc領域を修飾し、エフェクター機能を排除すること(234、235、238、239、248、249、252、254、256、265、268、269、270、272、278、289、292、293、294、295、296、297、298、301、303、311、322、324、327、329、333、335、338、340、373、376、382、388、389、414、416、419、434、435、436、437、438、及び439位に影響を及ぼすFc結合);ならびに抗体のグリコシル化を修飾すること(野生型哺乳動物グリコシル化を可能にしない環境内で抗体を産生すること、1つ以上の炭水化物基を、既にグリコシル化された抗体から除去すること、及び1つ以上のアミノ酸位置において抗体を修飾し、その抗体がそれらの位置(N297G及びN297A及びD265Aが含まれるが、これらに限定されない)でグリコシル化される能力を排除することが含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
抗体「補体活性化」機能または「補体経路の活性化」を可能にするか、または誘起する抗体の特性は、互換的に使用され、対象における免疫系の補体経路に従事するか、または刺激する抗体の生物活性を指す。かかる活性には、例えば、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)が含まれ、抗体のFc部分及び非Fc部分の両方によって媒介され得る。補体活性化機能の修飾または排除方法は、当該技術分野において周知であり、補体活性化に関与するFc領域の全てまたは一部を排除すること(例えば、限定されないが、本明細書に記載される、及び当該技術分野において既知である、Fab断片、一本鎖抗体等のFc領域の全てまたは一部を欠いている形態の抗体または抗体断片を使用すること、またはClq結合に関与することが知られている270、322、329、及び321位等の1つ以上のアミノ酸位置においてFc領域を修飾し、補体成分との相互作用もしくは補体成分を活性化する能力を排除もしくは軽減すること)、ならびに補体活性化に関与する非Fc領域の一部を修飾もしくは排除すること(例えば、132位においてCH1領域を修飾することが含まれるが、これらに限定されない(例えば、Vidarte et al.,(2001)J.Biol.Chem.276(41):38217−38223)を参照されたい)。
【0111】
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、全長抗体には、異なる「クラス」が割り当てられ得る。全長抗体にはIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの5つの主要なクラスがあり、これらのうちいくつかは、「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2にさらに分割され得る。異なるクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元立体配置は、当該技術分野において周知である。
【0112】
本明細書で使用される場合、「組み換え抗体」という用語は、抗体をコードする核酸を含む組み換え宿主細胞によって発現される抗体(例えば、キメラ、ヒト化、もしくはヒト抗体、またはそれらの抗原結合断片)を指す。
【0113】
「天然抗体」は、様々な構造を有する、自然発生免役グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合されている2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメイン(variable heavy domain)または重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)、続いて3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)を有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン(variable light domain)または軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)、続いて定常軽(CL)ドメインを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの型うちの1つに割り付けられ得る。
【0114】
「添付文書」という用語は、治療用製品の商用パッケージに内に通例含まれている指示書を指して使用され、かかる治療用製品の適応症、試料法、投薬量、投与法、併用療法、禁忌症、及び/またはその使用に関する警告を含んでいる。
【0115】
参照ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアライメントし、配列同一性最大パーセントを得るのに必要な場合はギャップを導入した後に、いかなる保存的置換も配列同一性の部分として考慮せずに、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列におけるアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアライメントは、当該技術分野における技術の範囲内の種々の方式で、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の、公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、達成することができる。当業者であれば、比較されている配列の全長にわたる最大のアライメントを得るために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列をアライメントするために適切なパラメータを決定することができる。本明細書における目的では、しかしながら、アミノ酸配列同一性%の値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を用いて生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって記述され、ソースコードは、ユーザ文書と共に米国著作権庁(U.S.Copyright Office)、Washington D.C.,20559に提出されており、米国著作権番号TXU510087の下に登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaから公的に利用可能であるか、またはソースコードから編集されてもよい。ALIGN−2プログラムは、UNIXオペレーティングシステム(デジタルUNIX V4.0Dを含む)で使用するにはコンパイルすべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定されており、変更はない。
【0116】
ALIGN−2をアミノ酸配列比較に用いる場合、所与のアミノ酸配列Bに対する、それとの、またはそれと対比した、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(代替的に、所与のアミノ酸配列Bに対して、それと、またはそれと対比して、ある特定のアミノ酸配列同一性%を有する、またはそれを含む、所与のアミノ酸配列Aと表現され得る)は、次のように計算される:
100×分数X/Y
式中、Xは、配列アライメントプログラムALIGN−2によって、そのプログラムのAとBとのアライメントにおいて完全一致としてスコア付けされたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bに含まれるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAのアミノ酸配列同一性%は、Aに対するBのアミノ酸配列同一性%とは等しくならないことが理解されよう。別途具体的に示されない限り、本明細書に使用される全てのアミノ酸配列同一性%の値は、直前の段落に記載されるように、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して得られたものである。
【0117】
「薬学的製剤」という用語は、調製物の中に含有される活性成分の生物活性が有効になるような形態であり、かつ製剤が投与される対象にとって許容できないほど有毒である追加の構成成分を何ら含有しない調製物を指す。
【0118】
「薬学的に許容される担体」は、対象にとって無毒である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書に使用されるとき、「治療」(及び「治療する」または「治療すること」等、その文法上の変化形)は、治療されている個体の自然経過を変化させることを目的として臨床介入を指し、これは、予防目的または臨床病理過程で行われ得る。治療の望ましい効果には、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接または間接的な病理学的結果の減少、転移の予防、疾患進行速度の低下、病状の寛解または緩和、及び緩解または予後の改善が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、本発明の抗体を使用して、疾患の発達を遅延させるか、または疾患の進行を減速させる。
【0120】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体を抗原に結合することに関与する、抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VH及びVL)は一般に、同様の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)及び3つの超可変領域(HVR)を含む。(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)を参照されたい。) 抗原結合特異性を付与するためには、単一のVHまたはVLドメインで十分であり得る。さらに、抗原に結合する抗体のVHまたはVLドメインを使用して、それぞれ、相補的VLまたはVHドメインのライブラリをスクリーニングして、特定の抗原に結合する抗体を単離してもよい。例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880−887(1993)、Clarkson et al.,Nature 352:624−628(1991)を参照されたい。
【0121】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、連結している別の核酸を増殖することが可能な核酸分子を指す。この用語には、自己複製核酸構造としてのベクター及び導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターが含まれる。ある特定のベクターは、作動的に連結された核酸の発現を導くことが可能である。かかるベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称される。
【0122】
CD98重鎖
本明細書で使用される「CD98重鎖」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然のCD98hcを指す。CD98hcは、特に、SLC3A2、4F2、4F2hc、Mdu1、Ly10、Mdv1、Frp1、Mgp2、Mgp2hc、NACAE、4T2、4T2hc、及びTROP4という名称でも知られている。この用語は、「全長」のプロセシングされていないCD98hc、ならびに細胞内でのプロセシングから生じるCD98hcの任意の形態を包含する。この用語は、CD98hcの天然に存在する変異形、例えば、スプライス変異形または対立遺伝子変異形も包含する。CD98hcは、80kDaのII型膜貫通タンパク質であり、約40kDaのL型アミノ輸送体ファミリーの6つの異なる軽鎖(「lc」)メンバーまたは「結合パートナー」(LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、Asc)と、ジスルフィド結合によって対合し、ヘテロ二量体複合体を形成する(Yanagida,et al.Biochim.Biophys.Acta 1514:291−302(2001)、Torrents et al.J.Biol.Chem.273:32437−32445(1998)、Broeer et al.Biochem.J.349:787−795(2000)、Broeer et al.Biochem.J.355:725−731(2001)、Sato et al.Antioxid Redox Signal.2000 Winter;2(4):665−71を参照されたい)。故に、本明細書で使用される場合、「CD98ヘテロ二量体複合体」は、CD98重鎖を含むタンパク質複合体を指す(例えば、LAT1/CD98hc、LAT2/CD98hc、y+LAT1/CD98hc、y+LAT2/CD98hc、xCT/CD98hc、及び/またはAsc/CD98hc)。CD98ヘテロ二量体複合体は、アミノ酸輸送体として機能する。CD98hcは、分極された上皮細胞内のアミノ酸輸送体複合体の表面発現及び基底外側局在化に必要とされる(Okubo et al.J Neurooncol(2010)99:217−225、Palacin and Kanai.Pflugers Archiv;February 2004,447(5):490−494)。CD98hcはまた、β1インテグリンと相互作用し、細胞質ドメイン及び膜貫通領域を通じてそれらの活性化を規制する。研究は、CD98hcの過剰発現が、インテグリンシグナル伝達を規制することによって、細胞成長及び生存に寄与し得るため、腫瘍発生において重要な役割を果たし得ることを示唆している。研究は、CD98hc発現が、細胞増殖と密接に関連しており、CD98hcに対するある特定の抗体は、特定の細胞型において、細胞成長を阻害し得るか、またはアポトーシスを誘導し得ることを示した(Yagita H.et al.(1986)Cancer Res.46:1478−1484、Warren A.P.,et al.(1996)Blood 87:3676−3687)。
【0123】
ヒトCD98hcの外部ドメインの構造は、単斜(タンパク質データバンクコード2DH2)及び斜方晶(タンパク質データバンクコード2DH3)結晶形を、2.1Å及び2.8Åそれぞれで使用して解明された。重要な触媒残基及び結果として触媒活性を欠いているが、細菌アルファ−グリコシダーゼに関連する(ベータアルファ)(8)バレル及び逆平行ベータ(8)サンドイッチで構成される。2DH3は、界面においてZn(2+)配位を持つ二量体である。CD98hcは、表面において重要な疎水性パッチを有しない。CD98hcモノマー及びホモ二量体は、分極された荷電表面を有する。4つの残基が膜貫通ドメインから離れて位置しているCys109残基の位置を含む、解明された構造のN末端は、外部ドメインの正極面に隣接している。N末端及びCys(109)介在性ジスルフィド架橋のこの位置は、CD98hc外部ドメインの、膜リン脂質との静電的相互作用のモデルを支持するのに十分な空間制限を課する(Fort et al.J Biol Chem.2007 Oct 26;282(43):31444−52を参照されたい)。Cys109は、CD98hcの膜貫通ドメインに近く、膜貫通ドメイン3と4との間の軽鎖の細胞外ループ内でシステインとのジスルフィド架橋をもたらす。Cys109及びCys330の突然変異は、軽鎖との共有会合を崩壊させたが、インテグリンとの相互作用またはそれに対する効果を減弱しなかった。しかしながら、C109S突然変異体は、軽鎖の表面発現を依然として支持し、低下された速度での輸送特徴を提示することが報告されている(Pfeiffer R.,et al.(1998)FEBS Lett.439:157−162)。
【0124】
一部の実施形態において、本明細書に開示されるCD98hcは、GenBank(登録商標)受入番号NP_001012680.1(アイソフォームb)、NP_002385.3(アイソフォームc)、NP_001012682.1(e)、及びNP_001013269.1(アイソフォームf)にそれぞれ対応する、配列番号97、99、101、または103に記載されるアミノ酸配列を含む、ヒトCD98hc(「hCD98hc」)である。アイソフォームb、c、e、及びfは、GenBank(登録商標)受入番号:NM_001012662.2(配列番号98)、NM_002394.5(配列番号100)、NM_001012664.2(配列番号102)、及びNM_001013251.2(配列番号104)をそれぞれ有する核酸によってコードされる。別の実施形態において、本明細書に開示されるCD98hcは、GenBank(登録商標)受入番号:NP_001272171.1(配列番号109)に記載されるアミノ酸配列を含む、霊長類CD98hc(「pCD98hc」)であり、これはGenBank(登録商標)受入番号:NM_001285242.1(配列番号110)に記載される核酸配列によってコードされる。別の実施形態において、本明細書に開示されるCD98hcは、GenBank(登録商標)受入番号:NP_001154885.1(アイソフォームa)(配列番号105)に記載されるアミノ酸配列を含む、マウスCD98hc(「mCD98hc」)であり、これはGenBank(登録商標)受入番号:NM_001161413.1(配列番号106)に記載される核酸配列によってコードされる。別の実施形態において、本明細書に開示されるマウスCD98hcは、GenBank(登録商標)受入番号:NP_032603.3(アイソフォームb)(配列番号107)に記載されるアミノ酸配列を含み、これはGenBank(登録商標)受入番号:NM_008577.4(配列番号108)に記載される核酸配列によってコードされる。
【0125】
ある特定の実施形態において、CD98hcは、グリコシル化される。ある特定の実施形態において、CD98hcは、ホスホリル化される。
【0126】
ある特定の実施形態において、配列番号97のアミノ酸残基185〜205(アイソフォームb)からなり、hCD98hcの細胞外ドメインは、配列番号97のアミノ酸残基206〜630(アイソフォームb)からなり、CD98hcの細胞質ドメインは、配列番号97のアミノ酸残基102〜184(アイソフォームb)からなる。ある特定の実施形態において、CD98hcの細胞外ドメインは、配列番号103のアミノ酸残基105〜529(アイソフォームf)からなる。
【0127】
「抗CD98hc抗体」及び「CD98hcに結合する抗体」という用語は、CD98hcに結合することができる抗体を指す。ある特定の実施形態において、抗CD98hc抗体が無関係の非CD98hcタンパク質に結合する程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のCD98hcへの結合の約10%未満である。
【0128】
ベイシジン
本明細書に使用される「Bsg」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然のベイシジン(CD147またはEMMPRINとしても知られる)を指す。Bsgの他の同義語には、5F7、OK、TCSF、HT7、5A11、gp42、ニューロセリン、OX−47、及びHAb18が含まれる。この用語は、「全長」のプロセシングされていないBsg、ならびに細胞内でのプロセシングから生じるBsgの任意の形態を包含する。この用語は、Bsgの天然に存在する変異形、例えば、スプライス変異形または対立遺伝子変異形も包含する。天然に存在する変異形の例には、ヒトBsg1(176アミノ酸)、Bsg2(269アミノ酸)、Bsg3(385アミノ酸)、及びBsg4(205アミノ酸)が含まれ、それらのうちのBsg2は、ヒトにおいて見出される主な形態である。例示的なヒトBsg2のアミノ酸配列は、配列番号112に示される。例示的なマウスBsgのアミノ酸配列は、配列番号113に示される。
【0129】
Glut1
本明細書で使用される「Glut1」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然のグルコース輸送体1を指す。Glut1の他の同義語には、グルコース輸送体1型、溶質輸送体ファミリー2、メンバー1、SLC2A1、HTLVR、及びヒトT細胞白血病ウイルス受容体が含まれる。この用語は、「全長」のプロセシングされていないGlut1、ならびに細胞内でのプロセシングから生じるGlut1の任意の形態を包含する。この用語は、Glut1の天然に存在する変異形、例えば、スプライス変異形または対立遺伝子変異形も包含する。例示的なヒトGlut1のアミノ酸配列は、配列番号114に示される。
【0130】
II.組成物及び方法
ある特定の態様において、本発明は、血液脳関門を越える薬剤の輸送のための組成物及び/または方法を提供する。一部の態様において、薬剤は、CD98hc、Glut1、またはベイシジンに対する抗体を使用し、血液脳関門を越えて輸送される。一部の実施形態において、抗ベイシジン/BACE1抗体が提供される。一部の実施形態において、抗Glut1/BACE1抗体が提供される。ある特定の実施形態において、血液脳関門を越える薬剤の輸送方法において使用するための抗CD98hc/BACE1抗体が提供される。ある特定の実施形態において、本明細書において企図される抗体は、ヒト及び/または霊長類CD98hc、ベイシジン、またはGlut1に結合する。本発明の抗体は、例えば、CNS(例えば、脳)に影響を及ぼす疾患または障害の治療にも有用である。
【0131】
A.抗BBB−R抗体及びその複合体の産生
本発明の方法及び製品は、BBB−Rに結合する抗体を使用するか、または組み込む。抗体の産生またはスクリーニングに使用されるBBB−R抗原は、例えば、所望のエピトープを含有する、可溶性形態またはその一部(例えば、細胞外ドメイン)であり得る。代替的に、または追加的に、それらの細胞表面でBBB−Rを発現する細胞を使用して、抗体を生成またはスクリーニングすることができる。抗体を生成するために有用なBBB−Rの他の形態は、当業者には明らかとなるであろう。本明細書におけるBBB−Rの例には、CD98hc、Glut1、及びベイシジンが含まれる。
【0132】
一態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、細胞成長を阻害しないという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、アポトーシスを誘導しないという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、BBB−Rの1つ以上の既知の機能を阻害しないという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、BBB−Rの1つ以上の既知の機能を阻害しないという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。特定の実施形態において、抗体は、CD98hcに結合し、CD98ヘテロ二量体複合体によるアミノ酸輸送を阻害しない。CD98hcによるアミノ酸輸送((例えば、CD98軽鎖とのヘテロ二量体複合体内(例えば、LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、及びasc−1))を検出するために使用され得るインビトロアッセイは既知であり、当該技術分野において説明されている。例えば、Fenczik,C.Aet al.(2001)J.Biol.Chem.276,8746−8752を参照されたい。US2013/0052197も参照されたい。別の態様において、本発明は、血液脳関門を越えて薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、BBB−Rの、その結合パートナーのうちの1つ以上との相互作用を阻害しない(例えば、CD98hcの、軽鎖結合パートナー(例えば、LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、及びAsc−1))との相互作用を阻害しない)という理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。
【0133】
別の態様において、本発明は、血液脳関門を越えて薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、抗体の存在下における、BBB−Rの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合が、抗BBB−R抗体の非存在下における結合の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)であるという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。特定の実施形態において、BBB−Rは、CD98hcである。別の特定の実施形態において、BBB−Rは、Glut1である。別の特定の実施形態において、BBB−Rは、ベイシジンである。天然リガンドへの結合の決定方法は、当該技術分野において既知である(例えば、免疫沈降アッセイ、ELISA等)。
【0134】
別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、抗体の存在下における、BBB−Rの、血液脳関門を越えるその天然リガンドのうちの1つ以上の輸送が、抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)であるという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。別の特定の実施形態において、BBB−Rは、CD98hcである。別の特定の実施形態において、BBB−Rは、Glut1である。別の特定の実施形態において、BBB−Rは、ベイシジンである。
【0135】
別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗CD98hc抗体の作製方法を提供し、抗体の存在下における、CD98hcの、その軽鎖結合パートナー(例えば、LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、またはAsc−1)への結合が、抗体の非存在下における結合の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)であるという理由で、CD98hcに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。特定の実施形態において、CD98hcの、その軽鎖結合パートナーへの結合の量は、少なくとも80%である。特定の実施形態において、CD98hcの、その軽鎖結合パートナーへの結合の量は、少なくとも90%である。特定の実施形態において、CD98hcの、その軽鎖結合パートナーへの結合の量は、少なくとも95%である。
【0136】
別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗CD98hc抗体の作製方法を提供し、抗体の存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量が、抗体の非存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)であるという理由で、CD98hcに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。特定の実施形態において、BBBを越えるアミノ酸輸送の量が、抗体の非存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量の少なくとも80%である。別の実施形態において、BBBを越えるアミノ酸輸送の量が、抗体の非存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量の少なくとも90%である。別の特定の実施形態において、CD98hcの、その軽鎖結合パートナーへの結合の量は、抗体の非存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量の少なくとも95%である。別の特定の実施形態において、CD98hcの、その軽鎖結合パートナーへの結合の量は、抗体の非存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量の少なくとも99%である。別の特定の実施形態において、CD98hcの、その軽鎖結合パートナーへの結合の量は、抗体の非存在下における、BBBを越えるアミノ酸輸送の量の100%である。
【0137】
別の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、約5nM〜、または約20nM〜、または約100nM〜、約10μΜまで、または約1μΜまで、または約500mMまでの範囲内である、BBB−Rへの親和性を有するという理由で、血液脳関門受容体(BBB−R)に対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。故に、親和性は、例えば、スキャチャード解析またはBIACORE(登録商標)によって測定した場合に、約5nM〜約10μΜの範囲内、または約20nM〜約1μΜの範囲内、または約100nM〜約500nMの範囲内であり得る。当業者には理解されることになるように、異種性分子/化合物を抗体に複合することは、多くの場合、例えば、抗体が、その抗体の元の標的とは異なる抗原に結合する1つ以上のアームにより多重特異性になる場合、立体障害またはさらには1つの結合アームの排除に起因して、抗体の、その標的への親和性を減少させることになる。
【0138】
B.治療方法及び組成物
抗CD98hc、抗Bsg、及び抗Glut1抗体は、例えば、本明細書に記載されるように、治療方法において使用され得る。例えば、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体は、医薬品として有用である。一部の態様において、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体は、例えば、治療剤(例えば、治療薬、例えば、抗体)を、CNS部位(例えば、脳)に送達することによって、神経疾患または障害を治療するために有用である。本明細書に開示される用途及び方法によって包含される神経疾患または障害の非限定例には、例えば、アルツハイマー病(AD)、脳卒中、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パーキンソン病、ピック病、ページェット病、癌(例えば、脳癌、例えば、グリオーマ、例えば、多形性神経膠芽腫)、及び外傷性脳損傷が含まれる。
【0139】
ある特定の実施形態において、本発明は、神経疾患または障害を有する個体の治療方法を提供し、この方法は、有効量の抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体を個体に投与することを含み、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体は、治療剤を血液脳関門を越えて送達する。ある特定の実施形態において、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の有効量は、治療剤を、BBBを越えて輸送するために有効な量である。1つのかかる実施形態において、本方法は、例えば以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。一部の実施形態において、対象は、癌と診断されていない。一部の実施形態において、対象は、脳癌と診断されていない。一部の実施形態において、対象は、癌を有していない。一部の実施形態において、対象は、脳癌を有していない。
【0140】
ある特定の実施形態において、本発明は、BBBを越えて薬剤を輸送する際に使用するための抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体を提供する。ある特定の実施形態において、本発明は、個体において、BBBを越える薬剤の輸送方法に使用するための抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体を提供し、薬剤をBBBを越えて輸送するために、有効量の抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体を個体に投与することを含む。例として、制限なく、本明細書における抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体は、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)であり得、目的の脳抗原(例えば、標的)に特異的な治療アームを含み得る。いずれかの1つの特定理論または作用機序によっても限定されることを意図しないが、多重特異性抗体の抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体部分が、BBB上の標的受容体に結合し、BBBの反管腔側に輸送されると予想される。次いで、抗体の治療アーム(例えば、脳抗原に特異的な部分)は、標的嚢抗原に結合することができる。
【0141】
特定の実施例において、CD98hc/BACE1二重特異性抗体は、BBB上のCD98hcに結合し、次いで、BBBの反管腔側に輸送され、その後BACE1抗体部分が、脳内のBACE1に結合する。別の特定の実施例において、CD98hc/BACE1二重特異性抗体は、BBB上のCD98hcに結合し、次いで、CD98アミノ酸輸送体を介してBBBの反管腔側に輸送され、その後BACE1抗体部分が、BACE1に結合する。これは、例えば、BACE1を阻害するために有用となり、これが可溶性Abetaレベルの減少につながる。
【0142】
別の特定実施例において、ベイシジン/BACE1二重特異性抗体は、BBB上のベイシジンに結合し、次いで、ベイシジンを介してBBBの反管腔側に輸送され、その後BACE1抗体部分が、BACE1に結合する。これは、例えば、BACE1を阻害するために有用となり、これが可溶性Abetaレベルの減少につながる。
【0143】
別の特定実施例において、Glut1/BACE1二重特異性抗体は、BBB上のGlut1に結合し、次いで、Glut1を介してBBBの反管腔側に輸送され、その後BACE1抗体部分が、BACE1に結合する。これは、例えば、BACE1を阻害するために有用となり、これが可溶性Abetaレベルの減少につながる。一部の実施形態において、抗体のGlut1特異性部分は、Glut1による脳へのグルコース輸送を阻害しない。
【0144】
さらなる態様において、本発明は、医薬品の製造または調製における抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の使用を提供する。一実施形態において、この医薬品は、神経疾患または障害(例えば、アルツハイマー病(AD)、脳卒中、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パーキンソン病、ピック病、ページェット病、癌(例えば、脳癌、例えば、グリオーマ、例えば、多形性神経膠芽腫)、及び外傷性脳損傷)の治療のためのものである。さらなる実施形態において、医薬品は、神経疾患または障害の治療方法において使用するためのものであり、この方法は、神経疾患または障害を有する個体に有効量の医薬品を投与することを含む。1つのかかる実施形態において、この方法は、例えば下記の通り、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。さらなる実施形態において、医薬品は、例えば、BACE1、Abeta、EGFR、HER2、Tau、アポリポタンパク質(例えば、ApoE4)、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、PrP、LRRK2、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、DR6、APP、p75NTR、及びカスパーゼ6等のタンパク質のレベルを減少させるためのものである。さらなる実施形態において、医薬品は、個体における、BBBを越える薬剤の輸送方法において使用するためのものであり、この方法は、BBBを越えて薬剤を輸送するために有効な量の医薬品を個体に投与することを含む。
【0145】
上記の治療方法及び用途の一部の態様において、この方法において使用される抗CD98hc抗体は、CD98hc(例えば、アミノ酸輸送体)の正常かつ/または報告された機能を減弱しない。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、CD98hcの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱しない。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、CD98ヘテロ二量体複合体(例えば、CD98hc及び軽鎖結合パートナー(例えば、LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、及びAsc−1)で構成される)の、ヘテロ二量体複合体の1つ以上の天然リガンドへの結合を減弱しない。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、CD98hcの、その軽鎖結合パートナー(例えば、LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、及びAsc−1)との対合を阻害しない。
【0146】
治療方法の一部の態様において、CD98hc抗体の存在下における、CD98hc及び/またはCD98ヘテロ二量体複合体の、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合は、抗CD98hc抗体の非存在下における結合の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である。
【0147】
治療方法の一部の態様において、CD98hc抗体の存在下における、CD98ヘテロ二量体複合体の天然リガンドのうちの1つ以上の、血液脳関門を越える輸送は、抗CD98hc抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である。
【0148】
治療方法の一部の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞死及び/またはアポトーシスを誘導しない。別の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞増殖を阻害しない。別の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞分裂を阻害しない。別の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞接着を阻害しない。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞死またはアポトーシスを誘導せず、かつ細胞増殖を阻害しない。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞死またはアポトーシスを誘導せず、かつ細胞増殖、細胞分裂、または細胞接着を阻害しない。
【0149】
治療方法の一部の態様において、抗CD98hc抗体は、CD98hcの細胞外ドメイン内の領域に結合する(例えば、配列番号103のアミノ酸残基105〜529にわたる領域内のエピトープに結合する)。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞外システインCys109を含まないエピトープに結合する。一部の態様において、抗CD98hc抗体は、細胞外システインCys210を含まないエピトープに結合する。一部の実施形態において、抗CD98hc抗体は、カノニカル630アミノ酸CD98hc配列(アイソフォームc、配列番号99)の細胞外システインCys330を含まないエピトープに結合する。
【0150】
一部の態様において、抗CD98hc抗体は、抗体が、治療剤を、BBBを越えて輸送するために有用であるように、十分な親和性を持つCD98hcに結合する。ある特定の実施形態において、これらの方法における使用のための抗CD98hc抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態において、抗CD98hc抗体は、異なる種に由来するCD98hc間で保存されているCD98hcのエピトープに結合する。
【0151】
上記態様のうちのいずれかにおいて、抗CD98hc抗体は、ヒト化抗体であり得る。
【0152】
治療方法の一部の態様において、本明細書に開示される抗Bsg抗体の存在下における、血液脳関門を越えるベイシジンの天然リガンドのうちの1つ以上の輸送は、抗Bsg抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である。
【0153】
上記実施形態のうちのいずれかにおいて、抗Bsg抗体は、ヒト化抗体であり得る。
【0154】
治療方法の一部の態様において、本明細書に開示される抗Glut1抗体の存在下における、血液脳関門を越えるGlut1の天然リガンドのうちの1つ以上の輸送は、抗Glut1抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である。
【0155】
上記実施形態のうちのいずれかにおいて、抗Glut1抗体は、ヒト化抗体であり得る。
【0156】
上記に開示されるように、本明細書に開示される方法は、脳及び/またはCNSの疾患及び障害の治療方法を含む。
【0157】
例えば、制限なく、ニューロパシー障害は、本明細書に開示される治療方法に従い、組成物を用いて治療され得る。ニューロパシー障害は、不適切なもしくは制御されない神経シグナル伝達、またはその欠失によって特徴付けられる神経系の疾患または異常であり、慢性疼痛(侵害受容性疼痛を含む)、体組織への傷害によって引き起こされる疼痛(癌関連疼痛、神経障害性疼痛(神経、脊髄、または脳における異常によって引き起こされる疼痛)、及び心因性疼痛(全体的または大部分が精神的疾患に関連する)を含む)、頭痛、偏頭痛、ニューロパシー、ならびに眩暈または吐き気等のかかるニューロパシー障害に付随することの多い症状及び症候群が含まれるが、これらに限定されない。
【0158】
ニューロパシー障害の場合、麻薬性/オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ、フェンタニル、ヒドロコドン、メペリジン、メタドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、トラマドール、コデイン、及びオキシコドン)、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、及びトルメチン)、コルチコステロイド(例えば、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、及びトリアミシノロン)、抗片頭痛剤(例えば、スマトリプチン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、ゾルミトリプタン、ジヒドロエルゴタミン、エレトリプタン、及びエルゴタミン)、アセトアミノフェン、サリチル酸塩(例えば、アスピリン、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、ジフルニサル、及びサルサラート)、抗痙攣薬(例えば、カルバマゼピン、クロナゼパム、ガバペンチン、ラモトリジン、プレガバリン、チアガビン、及びトピラメート)、鎮痛薬(例えば、イソフルラン、トリクロロエチレン、ハロタン、セボフルラン、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン、プロポキシカイン、プロカイン、ノボカイン、プロパラカイン、テトラカイン、アルチカイン、ブピバカイン、カルチカイン、シンコカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、ピペロカイン、プリロカイン、ロピバカイン、トリメカイン、サキシトキシン、及びテトロドトキシン)、ならびにcox−2阻害剤(例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、及びバルデコキシブ)が含まれるが、これらに限定されない鎮痛薬である神経薬が選択され得る。眩暈を伴うニューロパシー障害の場合、メクリジン、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、及びジアゼパムが含まれるが、これらに限定されない抗眩暈剤である神経薬が選択され得る。吐き気を伴うニューロパシー障害の場合、プロメタジン、クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリメトベンズアミド、及びメトクロプラミドが含まれるが、これらに限定されない制吐剤である神経薬が選択され得る。
【0159】
例えば、制限なく、アミロイドーシスは、本明細書に開示される治療方法に従い、本明細書に開示される組成物を用いて治療され得る。アミロイドーシスは、CNS内の細胞外タンパク質性沈着に関連した疾患及び障害の群であり、二次アミロイドーシス、加齢性アミロイドーシス、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、レヴィー小体認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(ダッチ型);グアムパーキンソン−認知症複合体、脳アミロイド血管障害、ハンチントン病、進行性核上性麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソン病、伝達性海綿状脳症、HIV関連認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、封入体筋炎(IBM)、及びβ−アミロイド沈着に関連する眼疾患(例えば、黄斑変性症、ドルーゼン関連視神経症、及び白内障)が含まれるが、これらに限定されない。
【0160】
アミロイドーシスの場合、ベータセクレターゼ、タウ、プレゼニリン、アミロイド前駆体タンパク質もしくはその部分、アミロイドベータペプチドまたはそのオリゴマーもしくはフィブリル、死受容体6(DR6)、最終糖化産物の受容体(RAGE)、パーキン、及びハンチンチンから選択される標的に特異的に結合する抗体または他の結合分子(小分子、ペプチド、アプタマー、もしくは他のタンパク質結合体が含まれるが、これらに限定されない);コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ガランタミン、ドネペジル、リバスチグミン、及びタクリン);NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、モノアミン枯渇薬(例えば、テトラベナジン);メシル酸エルゴロイド;抗コリン性抗パーキンソン病薬(例えば、プロシクリジン、ジフェンヒドラミン、トリヘキシルフェニジル、ベンズトロピン、ビペリデン、及びトリヘキシフェニジル);ドーパミン性抗パーキンソン病薬(例えば、エンタカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ロチゴチン、セレギリン、ロピニロール、ラサギリン、アポモルフィン、カルビドーパ、レボドーパ、ペルゴリド、トルカポン、及びアマンタジン);テトラベナジン;抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬(例えば、インドメタシン及び上に列挙される他の化合物)が含まれるが、これらに限定されない);ホルモン(例えば、エストロゲン、プロゲステロン、及びロイプロリド);ビタミン(例えば、葉酸及びニコチンアミド);ジメボリン;ホモタウリン(例えば、3−アミノプロパンスルホン酸;3APS);セロトニン受容体活性調節剤(例えば、キサリプロデン);インターフェロン、及び糖コルチコイドが含まれるが、これらに限定されない神経薬が選択され得る。
【0161】
例えば、制限なく、癌は、本明細書に開示される治療方法に従い、組成物を用いて治療され得る。CNSの癌は、1つ以上のCNS細胞(例えば、神経細胞)の異常増殖によって特徴付けられ、神経膠腫、多形性神経膠芽腫、髄膜腫、星状細胞腫、聴神経腫、軟骨種、乏突起神経膠腫、髄芽腫、神経節膠腫、シュワン腫、神経線維腫、神経芽細胞腫、及び硬膜外、髄内、または硬膜内腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
【0162】
癌の場合、化学療法剤である神経薬が選択され得る(例えば、抗CD98hc、Glut1、またはBsg抗体と複合または同時投与される)。化学療法剤の例には、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミド(cyclosphosphamide)等のアルキル化薬剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン等のアルキルスルホネ−ト;ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)、及びウレドパ(uredopa)等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホルアミド(triethiylenethiophosphor−amide)、及びトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン及びメチルアメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);デルタ−9−テトラヒドロカンナビノ−ル(ドロナビノ−ル、MARINOL(登録商標));ベ−タ−ラパコン;ラパコ−ル;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)、及び9−アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン(chlornaphazine)、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビシン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタ−ド等の窒素マスタ−ド;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムヌスチン(ranimnustine)等のニトロスレア;エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン、特にカリケアミシンγ1I及びカリケアミシンω1I(例えば、Agnew,Chem Int.Ed.Engl.,33:183−186(1994))等の抗生物質;ダイネミシン(ダイネミシンAを含む);エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、ミドマイシンC等のミトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)等の抗代謝物;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート等の葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフル、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン等のピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン等の抗副腎剤;フロリン酸等の葉酸補液(folic acid replenisher);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルホミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシン及びアンサマイトシン等のマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダムノール(mopidamnol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジド(2−ethylhydrazide);プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン(sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2′,2′′−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、パクリタキセルのABRAXANETM Cremophor不含、アルブミン操作されたナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Illinois)、及びTAXOTERE(登録商標)ドキセタキセル(Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France);クロランブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチン等の白金類似体;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;ロイコボビン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロナート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸等のレチノイド;カペシタビン(XELODA(登録商標));上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびに上記のうちの2つ以上の組み合わせ、例えば、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロンの複合療法の省略形)、及びFOLFOX(5−FU及びロイコボビンと複合されたオキサリプラチン(ELOXATINTM)による治療レジメンの省略形)が含まれる。
【0163】
この化学療法剤の定義には、癌の成長を促進し得るホルモンの効果を制御、低下、遮断、または阻害するように作用し、かつ、全身性、すなわち身体全体の治療の形態であることが多い、抗ホルモン剤も含まれる。それら自体がホルモンであってもよい。例には、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、EVISTA(登録商標)ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)トレミフェンを含む抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方調節薬(ERD);卵巣を抑制するかまたは閉鎖させるように機能する薬剤、例えばLUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標)ロイプロリド酢酸塩、ゴセレリン酢酸塩、ブセレリン酢酸塩、ならびにトリプテレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト;フルタミド、ニルタミド、及びビカルタミド等の他の抗アンドロゲン;さらに例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)メゲストロール酢酸塩、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、ホルメスタイン、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール等の、副腎内のエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤が含まれる。加えて、化学療法剤のかかる定義には、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標)、DIDROCAL(登録商標)エチドロネート、NE−58095、ZOMETA(登録商標)ゾレドロン酸/ゾレドロネート、FOSAMAX(登録商標)アレンドロネート、AREDIA(登録商標)パミドロネート、SKELID(登録商標)チルドロネート、またはACTONEL(登録商標)リセドロネート等のビスホスホネート;ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、例えばPKC−アルファ、Raf、H−Ras、及び表皮成長因子受容体(EGF−R)等の異所(abherant)細胞増殖に関係があるとされるシグナル伝達系路における遺伝子の発現を阻害するもの;THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン等のワクチン;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;ジトシル酸ラパチニブ(別名GW572016、ErbB−2及びEGFR二重チロシンキナーゼ小分子阻害剤);さらに上記のうちのいずれかの薬学上許容される塩、酸、または誘導体が含まれる。
【0164】
癌の治療または予防のための神経薬として選択され得る化合物の別の群は、抗癌免疫グロブリン(トラスツズマブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、アレムツキシマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、オゾガミシン、イブリツモマブ、チウキセタン、パニツムマブ、及びリツキシマブが含まれるが、これらに限定されない)である。場合によっては、抗体を、傷害性標識または複合体と複合して使用し、131I放射標識を有するトシツモマブ、またはトラスツズマブエムタンシンを含むが、これらに限定されない所望の細胞(例えば、癌細胞)を標的とし、死滅させることができる)。
【0165】
例えば、制限なく、眼疾患及び障害は、本明細書に開示される治療方法に従い、組成物を用いて治療され得る。眼疾患または障害は、本明細書における目的で、BBBによって分離されたCNS器官であると見なされる、眼の疾患または障害である。眼疾患または障害には、強膜、隔膜、虹彩、及び毛様体の障害(例えば、強膜炎、角膜炎、角膜潰瘍、角膜擦過傷、雪盲、紋眼、タイゲソン表層点状角膜炎、角膜血管新生、フックスジストロフィー、円錐角膜、乾性角結膜炎、虹彩炎、及びブドウ膜炎)、レンズの障害(例えば、白内障)、脈絡膜及び網膜の障害(例えば、網膜剥離、網膜分離症、高血圧性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、黄斑変性症(ウェット型またはドライ型)、網膜上膜、網膜色素変性症、及び黄斑浮腫)、緑内障、浮遊物、視神経及び視覚経路の障害(例えば、レーバー遺伝性視神経症及び視神経乳頭ドルーゼン)、眼筋の障害/両眼運動連携/屈折(例えば、斜視、眼麻痺、進行性外眼筋麻痺症候群、内斜視、外斜視、遠視、近視、乱視、不同視、老眼、及び眼筋麻痺)、視覚障害及び盲目(例えば、弱視、レーバー先天性黒内障、暗点、色盲(color blindness)、色盲(achromatopsia)、夜盲症、盲目、河川盲目症、及び小眼球症/コロボーム)、レッドアイ、アーガイル・ロバートソン瞳孔、角膜真菌症、眼球乾燥症、及び無虹彩が含まれるが、これらに限定されない。
【0166】
眼疾患または障害の場合、抗血管新生眼科用剤(例えば、ベバシズマブ、ラニビズマブ、及びペガプタニブ)、眼科用緑内障剤(例えば、カルバコール、エピネフリン、臭化デメカリウム、アプラクロニジン、ブリモニジン、ブリンゾールアミド、レボブノロール、チモロール、ベタキソロール、ドルゾルアミド、ビマトプロスト、カルテオロール、メチプラノロール、ジピヴェフリン、トラボプロスト、及びラタノプロスト)、炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、メタゾールアミド及びアセタゾールアミド)、眼科用抗ヒスタミン(例えば、ナファゾリン、フェニルエフリン、及びテトラヒドロゾリン)、眼潤滑剤、眼科用ステロイド(例えば、フルオロメトロン、プレドニゾロン、ロテプレドノール、デキサメタゾン、ジフルプレドナート、リメキソロン、フルオシノロン、メドリゾン、及びトリアムシノロン)、眼科用麻酔剤(例えば、リドカイン、プロパラカイン、及びテトラカイン)、眼科用抗感染症薬(例えば、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、クロラムフェニコール、バシトラシン/ポリミキシンb、スルファセタミド、トブラマイシン、アジスロマイシン、ベシフロキサシン、ノルフロキサシン、スルフィソキサゾール、ゲンタミシン、イドキシウリジン、エリスロマイシン、ナタマイシン、グラミシジン、ネオマイシン、オフロキサシン、トリフルリジン、ガンシクロビル、ビダラビン)、眼科用抗炎症剤(例えば、ネパフェナク、ケトロラク、フルルビプロフェン、スプロフェン、シクロスポリン、トリアムシノロン、ジクロフェナク、及びブロムフェナク)、ならびに眼科用抗ヒスタミンまたは充血除去剤(例えば、ケトチフェン、オロパタジン、エピナスチン、ナファゾリン、クロモリン、テトラヒドロゾリン、ペミロラスト、ベポタスチン、ナファゾリン、フェニルエフリン、ネドクロミル、ロドキサミド、フェニルエフリン、エメダスチン、及びアゼラスチン)である、神経薬が選択され得る。
【0167】
CNSのウイルスまたは微生物感染には、ウイルスによる感染(例えば、インフルエンザ、HIV、ポリオウイルス、風疹)、細菌(例えば、Neisseria属、Streptococcus属、Pseudomonas属、Proteus属、E.coli、S.aureus、Pneumococcus属、Meningococcus属、Haemophilus属、及びMycobacterium tuberculosis)、及び真菌(例えば、酵母、Cryptococcus neoformans)、寄生虫(例えば、toxoplasma gondii)、またはCNS病態生理学をもたらすアメーバ(急性または慢性であり得る、髄膜炎、脳炎、脊髄炎、脈管炎、及び膿瘍が含まれるが、これらに限定されない)等の他の微生物が含まれるが、これらに限定されない。
【0168】
ウイルスまたは微生物疾患の場合、抗ウイルス化合物(アダマンタン抗ウイルス薬(例えば、リマンタジン及びアマンタジン)、抗ウイルスインターフェロン(例えば、ペグインターフェロンアルファ−2b)、ケモカイン受容体アンタゴニスト(例えば、マラビロク)、インテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、ラルテグラビル)、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル及びザナミビル)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えば、エファビレンズ、エトラビリン、デラビルジン、及びネビラピン)、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(テノホビル、アバカビル、ラミブジン、ジドブジン、スタブジン、エンテカビル、エムトリシタビン、アデホビル、ザルシタビン、テルビブジン、及びジダノシン)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ダルナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、チプラナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、インジナビル、及びサキナビル)、プリンヌクレオシド(例えば、バラシクロビル、ファムシクロビル、アシクロビル、リバビリン、ガンシクロビル、バルガニシクロビル、及びシドホビル)、ならびに雑多抗ウイルス薬(例えば、エンフビルチド、ホスカルネット、パリビズマブ、及びホミビルセン)が含まれるが、これらに限定されない)、抗生物質(アミノペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、オキサシリン、ナフシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルコキサシリン、テモシリン、アズロシリン、カルベニシリン、チカルシリン、メズロシリン、ピペラシリン、及びバカムピシリン)、セファロスポリン(例えば、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セフトリアキソン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジン、ロラカルベフ、セフォテタン、セフロキシム、セフプロジル、セファクロル、及びセフォキシチン)、カルバペネム/ペネム(例えば、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、及びドリペネム)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム、チゲモナム、ノルカルジシンA、及びタブトキシニン−ベータ−ラクタム、別のβ−ラクタム抗生物質と複合したベータ−ラクタマーゼ阻害剤(例えば、クラブラン酸、タゾバクタム、及びスルバクタム)、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、ゲンタミシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、及びパロモマイシン)、アンサマイシン(例えば、ゲルダナマイシン及びヘルビマイシン)、カルバセフェム(例えば、ロラカルベフ)、糖ペプチド(例えば、テイコプラニン及びバンコマイシン)、マクロリド(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、及びスペクチノマイシン)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム)、キノロン(例えば、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、及びテマフロキサシン)、スルホンアミド(例えば、マフェニド、スルホンアミドクリソイジン、スルファセトアミド、スルファジアジン、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム、及びスルファメトキサゾール)、テトラシクリン(例えば、テトラシクリン、デメクロシクリン、ドキシシクリン、ミノシクリン、及びオキシテトラシクリン)、抗悪性腫瘍薬または細胞傷害性抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、ミトマイシン、ペントスタチン、及びバルルビシン)、ならびに雑多抗細菌性化合物(例えば、バシトラシン、コリスチン、及びポリミキシンB)が含まれるが、これらに限定されない)、抗真菌薬(例えば、メトロニダゾール、ニタゾキサニド、チニダゾール、クロロキン、ヨードキノール、及びパラモマイシン)、ならびに抗寄生虫薬(キニン、クロロキン、アモジアキン、ピリメタミン、スルファドキシン、プログアニル、メフロキン、アトバコン、プリマキン、アルテメシニン、ハロファントリン、トキシシクリン、クリンダマイシン、メベンダゾール、パモ酸ピランテル、チアベンダゾール、ジエチルカルバマジン、イベルメクチン、リファンピン、アンホテリシンB、メラルソプロール、エホニチン、及びアルベンダゾールが含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない神経薬が選択され得る。
【0169】
CNS炎症もまた、本明細書に開示される方法に従って治療され得る。CNSの炎症には、身体的傷害であり得る、CNSへの傷害によって引き起こされる炎症(例えば、事故、手術、脳外傷、脊髄損傷、脳浸透に起因する)、及びCNSの1つ以上の他の疾患または障害に起因するか、または関連する傷害(例えば、膿瘍、癌、ウイルスもしくは微生物感染)が含まれるが、これらに限定されない。
【0170】
CNS炎症の場合、炎症自体に対応する神経薬(例えば、イブプロフェンもしくはナプロキセン等の非ステロイド系抗炎症剤)、または炎症の根本原因を治療するもの(例えば、抗ウイルス剤もしくは抗癌剤)が選択され得る。
【0171】
本明細書で使用される場合、CNSの虚血は、脳内の異常な血流もしくは血管挙動、またはその原因に関連する疾患の群を指し、局所性脳虚血、全脳虚血、脳卒中(例えば、くも膜下出血及び頭蓋内出血)、ならびに動脈瘤が含まれるが、これらに限定されない。
【0172】
虚血の場合、血栓溶解薬(例えば、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、レテプラーゼ、及びテネクテプラーゼ)、血小板凝固阻害剤(例えば、アスピリン、シロスタゾール、クロピドグレル、プラスグレル、及びジピリダモール)、スラチン(例えば、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチン、シムバスタチン、セリバスタチン、及びピタバスタチン)、ならびに血流または血管柔軟性を改善する化合物(例えば、血圧薬を含む)が含まれるが、これらに限定されない神経薬が選択され得る。
【0173】
神経変性疾患は、CNS内の神経細胞の機能喪失または死に関連した疾患及び障害の群であり、副腎白質ジストロフィー、アレキサンダー病、アルパーズ病、筋萎縮性側索硬化症、毛細血管拡張性運動失調症、バッテン病、コケイン症候群、皮質基底核変性症、アミロイドーシスによって引き起こされるか、またはそれに関連した変性、フリードライヒ運動失調症、前頭側頭葉変性症、ケネディ病、多系統萎縮症、多発性硬化症、原発性側索硬化症、進行性核上性麻痺、脊髄性筋萎縮症、横断性脊髄炎、レフサム病、及び脊髄小脳失調症が含まれるが、これらに限定されない。
【0174】
神経変性疾患の場合、成長ホルモンまたは神経栄養因子である神経薬が選択されてもよく、例には、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経増殖因子(NGF)、ニューロトロフィン−4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)−2及び他のFGF、ニューロトロフィン(NT)−3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、上皮増殖因子(EGF)、形質転換増殖因子(TGF)−アルファ、TGF−ベータ、血管内皮増殖因子(VEGF)、インターロイキン−1受容体遮断薬(IL−1ra)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、膠細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン(artemin)、パーセフィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球マクロファージCSF、ネトリン、カルジオトロフィン−1、ヘッジホッグ、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、ならびに幹細胞因子(SCF)が含まれるが、これらに限定されない。
【0175】
CNSの発作疾患及び傷害は、CNS内の不適切かつ/または異常な電気伝導を伴い、癲癇(例えば、アブサンス発作、脱力発作、良性ローランド癲癇、小児アブサンス、間代発作、複雑部分発作、前頭葉癲癇、熱性痙攣、幼児痙攣、若年性ミオクローヌス癲癇、若年性アブサンス癲癇、レノックス・ガストー症候群、ランドウ・クレフナー症候群、ドラベ症候群、オオタハラ症候群、ウェスト症候群、ミオクローヌス発作、ミトコンドリア病、進行性ミオクローヌス癲癇、心因性発作、反射癲癇、ラスムッセン脳炎、単純部分発作、二次全身性発作、側頭葉癲癇、トニック間代発作、トニック発作、精神運動発作、辺縁系癲癇、部分発作、全般発作、癲癇発作重積状態、腹部癲癇、無動発作、自律神経発作、両側汎発性、月経随伴性癲癇、失立発作、ストレス発作、局所性発作、笑い発作、ジャクソン・マーチ、ラフォラ病、運動発作、多焦点性発作、夜間発作、光過敏性発作、偽発作、感覚発作、微細発作、シルヴァン発作、離脱性痙攣、及び視覚性反射発作)が含まれるが、これらに限定されない。
【0176】
発作障害の場合、バルビツール抗痙攣薬(例えば、プリミドン、メタルビタール、メホバルビタール、アロバルビタール、アモバルビタール、アプロバルビタール、アルフェナール、バルビタール、ブラロバルビタール、及びフェノバルビタール)、ベンゾジアゼピン抗痙攣薬(例えば、ジアゼパム、クロナゼパム、及びロラゼパム)、カルバメート抗痙攣薬(例えば、フェルバメート)、カルボン酸脱水酵素阻害剤抗痙攣薬(例えば、アセトアゾラミド、トピラメート、及びゾニサミド)、ジベンザゼピン抗痙攣薬(例えば、ルフィンアミド、カルバマゼピン、及びオキシカルバゼピン)、脂肪酸誘導体抗痙攣薬(例えば、ジバルプロエックス及びバルプロ酸)、ガンマ−アミノブチル酸類似体(例えば、プレガバリン、ガバペンチン、及びビガバトリン)、ガンマ−アミノブチル酸再取り込み阻害剤(例えば、チアガビン)、ガンマ−アミノブチル酸トランスアミナーゼ阻害剤(例えば、ビガバトリン)、ヒダントイン抗痙攣薬(例えば、フェニトイン、エトトイン、ホスフェニトイン、及びメフェニトイン)、雑多抗痙攣薬(例えば、ラコサミド及び硫酸マグネシウム)、プロゲスチン(例えば、プロゲステロン)、オキサゾリジンジオン抗痙攣薬(例えば、パラメタジオン及びトリメタンジオン)、ピロリジン抗痙攣薬(例えば、レベチラセタム)、スクシンイミド抗痙攣薬(例えば、エトスキシミド及びメトスキシミド)、トリアジン抗痙攣薬(例えば、ラモトリギン)、ならびに尿素抗痙攣薬(例えば、フェナセミド及びフェネツリド)が含まれるが、これらに限定されない抗痙攣薬または抗癲癇薬である神経薬が選択され得る。
【0177】
行動障害は、罹患した対象の側の異常行動を特徴とするCNSの障害であり、睡眠障害(例えば、不眠症、睡眠時随伴症、夜驚症、概日リズム睡眠障害、及び睡眠発作)、気分障害(例えば、鬱病、自殺的鬱病、不安症、慢性感情障害、恐怖症、パニック発作、強迫性障害、注意欠陥多動障害(ADHD)、注意血管障害(ADD)、慢性疲労症候群、広場恐怖症、外傷後ストレス障害、双極性障害)、摂食障害(例えば、拒食症または過食症)、精神病、発達性行動障害(例えば、自閉症、レット症候群、アスペルガー症候群)、人格障害、及び精神障害(例えば、統合失調症、妄想性障害等)が含まれるが、これらに限定されない。
【0178】
行動障害の場合、神経薬は、非定型抗精神病薬(例えば、リスペリドン、オランザピン、アプリピプラゾール、クエチアピン、パリペリドン、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、及びジプラシドン)、フェノチアジン系精神安定剤(例えば、プロクロルペラジン、クロプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、チオリダジン、及びメソリダジン)、チオキサンテン(例えば、チオチキセン)、雑多な抗精神病薬(例えば、ピモジド、リチウム、モリンドン、ハロペリドール、及びロキサピン)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、シタロプラム、エスシタロプラム、パロキセチン、フルオキセチン、及びセルトラリン)、セロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(例えば、ズロキセチン、ベンラファキシン、デスヴェンラファキシン、三環系抗鬱薬(例えば、ドキセピン、クロミプラミン、アモキサピン、ノルトリプチリン、アミトリプチリン、トリミプラミン、イミプラミン、プロトリプチリン、及びデシプラミン)、四環系抗鬱薬(例えば、ミルタザピン及びマプロチリン)、フェニルピペラジン抗鬱薬(例えば、トラゾドン及びネファゾドン)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、及びトラニルシプロミン)、ベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、エスタゾラム、フルラゼプタム、クロナゼパム、ロラゼパム、及びジアゼパム)、ノルエピネフリン−ドーパミン再取り込み阻害剤(例えば、ブプロピオン)、CNS刺激薬(例えば、フェンテルミン、ジエチルプロピロン、メタムフェタミン、デキストロアンフェタミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、デキシメチルフェニデート、リスデキシアンフェタミン、モダフィニル、ペモリン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、フェンジメトラジン、アルモダフィニル、ジエチルプロピオン、カフェイン、アトモキセチン、ドキサプラム、及びマジンドール)、抗不安剤/鎮静剤/催眠剤(バルビツレート(例えば、セコバルビタール、フェノバルビタール、及びメフォバルビタール)が含まれるが、これらに限定されない)、ベンゾジアゼピン(上記の通り)、及び雑多抗不安剤/鎮静剤/催眠剤(例えば、ジフェンヒドラミン、ナトリウムオキシベート、ザレプロン、ヒドロキシジン、抱水クロラール、アオルピデム、ブスピロン、ドキセピン、エスゾピクロン、ラメルテオン、メプロバメート、及びエトクロルビノール))、セクレチン(例えば、Ratliff−Schaub et al.Autism 9:256−265(2005)を参照されたい)、オピオイドペプチド(例えば、Cowen et al.,J.Neurochem.89:273−285(2004)を参照されたい)、及びニューロペプチド(例えば、Hethwa et al.Am.J.Physiol.289:E301−305(2005)を参照されたい)が含まれるが、これらに限定されない、行動修正化合物から選択され得る。
【0179】
リソソーム蓄積症は、場合によっては、CNSに関連するか、またはCNS特異的症状を有する代謝障害であり、かかる障害には、タイ・サックス病、ゴーシェ病、ファブリー病、ムコ多糖症(I、II、III、IV、V、VI、及びVII型)、グリコーゲン蓄積症、GM1−ガングリオシドーシス、異染性白質ジストロフィー、ファーバー病、カナバン白質萎縮症及び神経セロイドリポフスチン症1型及び2型、ニーマン・ピック病、ポンペ病、ならびにクラッベ病が含まれるが、これらに限定されない。
【0180】
リソソーム蓄積症の場合、それ自体であるか、またはそうでなければ、疾患において減弱される酵素の活性を模倣する神経薬が選択され得る。リソソーム蓄積症の治療のための例示的な組み換え酵素には、例えば、米国特許出願公開第2005/0142141号に記載されるもの(例えば、アルファ−L−イズロニダーゼ、イズロネート−2−スルファターゼ、N−スルファターゼ、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ、N−アセチル−ガラクトサミン−6−スルファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、アリールスルファターゼB、ベータ−グルクロニダーゼ、酸アルファ−グルコシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼA、ヘキソサミニダーゼA、酸スフィンゴミエリナーゼ、ベータ−ガラクトセレブロシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、アリールスルファターゼA、酸セラミダーゼ、アスパルトアシラーゼ、パルミトイル−タンパク質チオエステラーゼ1、及びトリペプチジルアミノペプチダーゼ1)が含まれるが、これらに限定されない。
【0181】
一態様において、本発明の抗体を使用して、症状の発症前に神経障害を検出し、かつ/またはその疾患もしくは障害の重症度もしくは期間を評価する。一態様において、この抗体は、神経障害の検出及び/または撮像を可能にし、X線撮影法、断層撮影法、または磁気共鳴画像法(MRI)による撮像を含む。
【0182】
本発明の抗体は、治療法において、単独で、または他の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の抗体は、少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与されてもよい。ある特定の実施形態において、追加の治療剤は、化学療法剤である。別の実施形態において、抗体は、上記の通り、1つ以上の神経障害薬と共に投与される。
【0183】
かかる併用療法には、組み合わせ投与(2つ以上の治療剤が同じまたは別個の製剤中に含まれる)及び別個の投与が含まれ、別個の投与の場合、本発明の抗体の投与は、追加の治療剤(複数可)の投与の前、それと同時、及び/またはその後に行うことができる。一実施形態において、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の投与及び追加の治療剤の投与は、互いの約1ヶ月以内、または約1週間、2週間、もしくは3週間以内、または約1日、2日、3日、4日、5日、もしくは6日以内に生じる。本発明の抗体は、放射線療法と組み合わせて用いることもできる。
【0184】
本発明の抗体(及び任意の追加の治療剤)は、非経口投与、肺内投与、及び鼻腔内投与、ならびに局所治療で所望される場合、病変内投与を含む、任意の好適な手段による投与を含むことができる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。投薬は、投与が短時間であるか慢性的であるかに部分的に応じて、任意の好適な経路、例えば、静脈内または皮下注射等の注射によるものであり得る。単回または様々な時点にわたる複数回投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含むがこれらに限定されない様々な投薬スケジュールが本明細書で企図される。
【0185】
本発明の抗体は、良好な医療行為と一貫した様式で、製剤化され、投薬され、投与されるであろう。この文脈における考慮の要因には、治療されている特定の障害、処置されている特定の哺乳動物、個々の患者の臨床的病態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジュール管理、及び医療従事者に知られている他の要因が含まれる。必然的にではなく任意で、抗体は、問題の障害を予防または治療するために現在使用される1つ以上の薬剤と共に製剤化される。そのような他の薬剤の有効量は、配合物中に存在する抗体の量、障害または治療の種類、及び上記に考察された他の要因に依存する。これらは、一般に、本明細書に記載されるのと同じ投薬量で、本明細書に記載される投与経路により、または本明細書に記載される投薬量の約1〜99%、または経験的/臨床的に適切であると決定される任意の投薬量及び任意の経路によって、使用される。
【0186】
疾患の予防または治療のために、本発明の抗体の適切な投薬量は(単独でまたは1つ以上の他の追加の治療剤と組み合わせて使用されるとき)、治療される疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度及び経過、抗体が予防目的または治療目的で投与されるかどうか、以前の治療法、患者の病歴及び抗体への反応、ならびに主治医の裁量によって決定されることになる。抗体は、患者に、1回で、または一連の治療わたって好適に投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、1回以上の別個の投与によってであれ連続注入によってであれ、約1μg/kg〜15mg/kg(例えば、0.1mg/kg〜10mg/kg)の抗体が、患者に投与するための初回候補投薬量となり得る。1つの典型的な1日用量は、上述の要因に応じて、約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲に及び得る。数日間またはそれ以上にわたる反復投与については、病態に応じて、疾患症状の所望の抑制が生じるまで治療が継続されることが一般的であろう。本抗体の1つの例示的な投薬量は、約0.05mg/kg〜約10mg/kgの範囲内であろう。故に、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、または10mg/kg(もしくはこれらの任意の組み合わせ)の1回以上の用量が患者に投与され得る。そのような用量は、断続的に、例えば毎週または3週間毎(例えば、患者が約2〜約20回、または例えば約6回の用量の抗体を受容するように)投与されてもよい。より高い初回負荷用量を投与し、続いてより低い用量を1回以上投与してもよい。典型的な投薬レジメンは、例えば、約4mg/kgの初期負荷用量を投与し、続いて毎週の維持用量の約2mg/kgの抗体を投与することを含む。しかしながら、他の投薬レジメンも有用な場合がある。この治療の経過は、従来的な技法及びアッセイによって容易に監視される。
【0187】
上記製剤または治療方法のうちのいずれも、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の代わりに、またはそれに加えて、本発明の免疫複合体を使用して行われ得ることが理解される。
【0188】
C.例示的な抗体
1.例示的な抗ベイシジン抗体
一部の実施形態において、血液脳関門を越えて薬剤を輸送するための本明細書に提供される方法は、血液脳関門を、ベイシジン(Bsg)に結合する抗体に曝露することを含み得る。抗体、例えば、ベイシジンに結合する抗体の生成方法は、当該技術分野において既知であり、本明細書に詳述される。したがって、一態様において、本発明は、Bsgに結合する単離された抗体を提供する。ある特定の実施形態において、ベイシジンの細胞外ドメイン内の領域に結合する抗Bsg抗体が提供される。ある特定の実施形態において、マウスBsg及び/またはヒトBsgに結合する抗Bsgが提供される。
【0189】
ある特定の実施形態において、抗体の、ベイシジンへの結合が、ベイシジンの、その天然リガンド、例えば、インテグリンアルファ3、インテグリンアルファ6、インテグリンベータ1、シクロフィリンA、シクロフィリンB、アネキシンII、及びカベオリン1のうちの1つ以上への結合を減弱せず、かつ/またはBBB−Rの天然リガンドのうちのいずれも、血液脳関門を越える輸送を減弱しない、抗Bsg抗体が提供される。本明細書で使用される場合、「減弱しない」とは、1つ以上の天然リガンドが結合し、かつ/または抗体が存在しない(すなわち、いかなる結合特性の変化もない)場合と同様に(例えば、量、速度等)、BBBを越えて輸送されることを意味する。
【0190】
ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Bsgの、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合が、抗体の非存在下における結合の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である、抗Bsg抗体が提供される。
【0191】
ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Bsgの天然リガンドのうちのいずれかの、血液脳関門を越える輸送が、抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である、抗Bsg抗体が提供される。
【0192】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号3、19、35、51、及び67から選択される軽鎖CDR1アミノ酸配列と、配列番号4、20、36、52、及び68から選択される軽鎖CDR2アミノ酸配列と、配列番号5、21、37、53、及び69から選択される軽鎖CDR3アミノ酸配列とを含む。
【0193】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号6、22、38、54、及び70から選択される重鎖CDR1アミノ酸配列と、配列番号7、23、39、55、及び71から選択される重鎖CDR2アミノ酸配列と、配列番号8、24、40、56、及び72から選択される重鎖CDR3アミノ酸配列とを含む。
【0194】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号3を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号4を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、配列番号5を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに配列番号6を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号7を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号8を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0195】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号19を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号20を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、配列番号21を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに配列番号22を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号23を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号24を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0196】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号35を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号36を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、配列番号37を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに配列番号38を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号39を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号40を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0197】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号51を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号52を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号53を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに配列番号54を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号55を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号56を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0198】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号67を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号68を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号69を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに配列番号70を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号71を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号72を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0199】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、FR1に関して配列番号9、25、41、57、及び73から選択されるアミノ酸配列、FR2に関して配列番号10、26、42、58、及び74から選択されるアミノ酸配列、FR3に関して配列番号11、27、43、59、及び75から選択されるアミノ酸配列、ならびにFR4に関して配列番号12、28、44、60、及び76から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変ドメインフレームワーク領域をさらに含む。
【0200】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、FR1に関して配列番号13、29、45、61、及び77から選択されるアミノ酸配列、FR2に関して配列番号14、30、46、62、及び78から選択されるアミノ酸配列、FR3に関して配列番号15、31、47、63、及び79から選択されるアミノ酸配列、ならびにFR4に関して配列番号16、32、48、64、及び80から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインフレームワーク領域をさらに含む。
【0201】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1、17、33、49、及び65から選択されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1、17、33、49、及び65から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0202】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号2、18、34、50、66、及び66から選択されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む重鎖を含む。一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号2、18、34、50、及び66から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0203】
ある特定の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1、17、33、49、及び65から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号2、18、34、50、及び66から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインとを含む。
【0204】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号1に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号2に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗Bsgである。
【0205】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号17に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号18に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体、抗Bsgである。
【0206】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号33に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号34に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗Bsgである。
【0207】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号49に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号50に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗Bsgである。
【0208】
一部の実施形態において、抗Bsg抗体は、配列番号65に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖、及び配列番号66に対応するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態において、抗Bsg抗体は、抗Bsgである。
【0209】
2.例示的な抗Glut抗体
一部の実施形態において、血液脳関門を越えて薬剤を輸送するための本明細書に提供される方法は、血液脳関門を、Glut1に結合する抗体に曝露することを含み得る。抗体、例えば、Glut1に結合する抗体の生成方法は、当該技術分野において既知であり、本明細書で詳述される(例えば、以下の節Cを参照されたい)。一態様において、本発明は、Glut1に結合する単離された抗体を提供する。ある特定の実施形態において、ヒトGlut1に結合する抗Glut1が提供される。ある特定の実施形態において、マウスGlut1(mGlut1)に結合する抗Glut1抗体が提供される。ある特定の実施形態において、ヒトGlut1(hGlut1)に結合する抗Glut1抗体が提供される。ある特定の実施形態において、hGlut1及びmGlut1に結合する抗Glut1抗体が提供される。
【0210】
ある特定の実施形態において、抗体の、Glut1への結合が、Glut1の、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合を減弱せず、かつ/またはBBB−Rの天然リガンドのうちのいずれも、血液脳関門を越える輸送を減弱しない、抗Glut1抗体が提供される。本明細書で使用される場合、「減弱しない」とは、1つ以上の天然リガンドが結合し、かつ/または抗体が存在しない(すなわち、いかなる結合特性の変化もない)場合と同様に(例えば、量、速度等)、BBBを越えて輸送されることを意味する。
【0211】
ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、Glut1の、その天然リガンドのうちの1つ以上への結合が、抗体の非存在下における結合の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である、抗Glut1抗体が提供される。
【0212】
ある特定の実施形態において、抗体の存在下における、BBB−Rの天然リガンドのうちのいずれかの、血液脳関門を越える輸送が、抗体の非存在下における輸送の量の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)である、抗Glut1抗体が提供される。
【0213】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号83を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号84を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号85を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0214】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号86を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号87を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号88を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0215】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号83を含む軽鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号84を含む軽鎖CDR2アミノ酸配列、配列番号85を含む軽鎖CDR3アミノ酸配列、ならびに配列番号86を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、配列番号87を含む重鎖CDR2アミノ酸配列、及び配列番号88を含む重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。
【0216】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、FR1に関して配列番号89、FR2に関して配列番号90、FR3に関して配列番号91、及びFR4に関して配列番号92に対応するアミノ酸配列を含むフレームワーク領域を含む、軽鎖可変ドメインを含む。
【0217】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、FR1に関して配列番号93、FR2に関して配列番号94、FR3に関して配列番号95、及びFR4に関して配列番号96に対応するアミノ酸配列を含むフレームワーク領域を含む、重鎖可変ドメインを含む。
【0218】
ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号81に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、及び配列番号82に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。ある特定の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号81に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗Glut1抗体は、配列番号82に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0219】
D.抗体の特徴
本発明のさらなる態様において、上記の実施形態のうちのいずれかによる抗CD98hc、抗ベイシジン、または抗Glut1抗体は、キメラ、ヒト化、またはヒト抗体を含む、モノクローナル抗体である。一実施形態において、抗CD98hc、抗ベイシジン、または抗Glut1抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab′、scFv、ダイアボディ、またはF(ab′)断片である。別の実施形態において、抗体は、全長抗体、例えば、インタクトなIgG1抗体、または本明細書に定義される他の抗体クラスもしくはアイソタイプである。
【0220】
さらなる態様において、上記の実施形態のうちのいずれかによる抗CD98hc、抗Bsgまたは抗Glut1抗体は、以下の節1〜7に記載される特徴のうちのいずれかを、単独または組み合わせで組み込み得る。
【0221】
1.抗体親和性
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。
【0222】
一実施形態において、Kdは、放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。一実施形態において、RIAは、目的の抗体のFabバージョンとその抗原を用いて行われる。例えば、抗原に対するFabの結合親和性は、未標識抗原の一連の滴定の存在下で、Fabを最低濃度の(125I)標識抗原と平衡化し、次いで、抗Fab抗体をコーティングしたプレートで結合した抗原を捕捉することによって測定される(例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照されたい)。アッセイの条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)が、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mLの捕捉抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングされ、その後、室温(およそ23℃)で2〜5時間、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで遮断される。非吸着性のプレート(Nunc番号269620)中で、100pMまたは26pM[125I]−抗原を、目的のFabの段階希釈液と混合する(例えば、Presta et al.,Cancer Res.57:4593−4599(1997)における抗VEGF抗体Fab−12の評価と一貫する)。次いで、目的のFabを一晩インキュベートするが、確実に平衡に到達するように、インキュベーションはより長い期間(例えば、約65時間)継続してもよい。その後、混合物を、室温での(例えば、1時間にわたる)インキュベーションのために、捕捉プレートに移す。次いで溶液を除去し、プレートを、PBS中の0.1%ポリソルベート20(TWEEN−20(登録商標))で8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μL/ウェルのシンチラント(scintillant)(MICROSCINT−20(商標);Packard)を付加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマ計数器(Packard)上で10分間、計数する。最大結合の20%以下をもたらす各Fabの濃度を、競合結合アッセイにおいて使用するために選定する。
【0223】
別の実施形態によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。例えば、BIACORE(登録商標)−2000またはBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いたアッセイは、約10応答単位(RU)で固定化した抗体CM5チップを用いて25℃で行われる。一実施形態において、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、供給業者の使用説明書に従ってN−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて活性化させる。抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/mL(約0.2μM)まで希釈した後、カップリングされたタンパク質のおよそ10応答単位(RU)を達成するように、5μL/分の流量で注入する。抗原の注入に続いて、1Mのエタノールアミンを注入して、未反応の基を遮断する。動態測定のために、Fabの2倍段階希釈液(0.78nM〜500nM)を、0.05%ポリソルベート20(TWEEN−20(商標))界面活性剤を含むPBS(PBST)中に、25℃で、およそ25μL/分の流量で注入する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)は、単純な1対1のLangmuir結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して、会合センサグラムと解離センサグラムとを同時に当てはめることによって計算される。平衡解離定数(Kd)は、比率koff/konとして算出する。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照されたい。オン速度が、上記の表面プラスモン共鳴アッセイによって、10−1−1を超える場合、オン速度は、撹拌されたキュベットを備えるストップトフロー装着分光光度計(Aviv Instruments)または8000シリーズSLM−AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計において測定される、漸増濃度の抗原の存在下で、25℃でのPBS(pH7.2)中の20nM抗−抗原抗体(Fab型)の蛍光発光強度(励起=295nm、発光=340nm、16nm帯域通過)の増加または減少を測定する、蛍光消光技法を使用することによって、決定することができる。
【0224】
2.抗体断片
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、抗体断片である。抗体断片には、Fab、Fab′、Fab′−SH、F(ab′)、Fv、及びscFv断片、ならびに以下に記載される他の断片が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129−134(2003)を参照されたい。scFv断片の概説については、例えば、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer−Verlag,New York),pp.269−315(1994)を参照されたく、また、WO93/16185、ならびに米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、増加したインビボ半減期を有する、Fab及びF(ab′)断片の考察については、米国特許第5,869,046号を参照されたい。
【0225】
ダイアボディは、二価または二重特異性であり得る、2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、EP404,097、WO1993/01161、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)、及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)を参照されたい。トリアボディ(Triabodies)及びテトラボディ(tetrabodies)もまた、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)に記載される。
【0226】
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てもしくは一部分または軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部分を含む、抗体断片である。ある特定の実施形態において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA、例えば、米国特許第6,248,516 B1号を参照されたい)。
【0227】
抗体断片は、本明細書に記載されるように、インタクトな抗体のタンパク質分解消化、ならびに組み換え宿主細胞(例えば、E.coilまたはファージ)による産生を含むがこれらに限定されない、種々の技法によって作製することができる。
【0228】
3.キメラ抗体及びヒト化抗体
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、キメラ抗体である。ある特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))に記載される。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはサル等の非ヒト霊長類に由来する可変領域)、及びヒト定常領域を含む。さらなる実施例において、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更された、「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、それらの抗原結合断片が含まれる。
【0229】
ある特定の実施形態において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的に、非ヒト抗体は、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低下するためにヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはそれらの部分)が非ヒト抗体に由来し、かつFR(またはそれらの部分)がヒト抗体配列に由来する、1つ以上の可変ドメインを含む。また、ヒト化抗体は任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部分も含む。一部の実施形態において、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を復元するまたは改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体由来)の対応する残基で置換される。
【0230】
ヒト化抗体及びそれらの作製方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)に概説され、また例えば、Riechmann et al.,Nature 332:323−329(1988)、Queen et al.,Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 86:10029−10033(1989)、米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、及び同第7,087,409号、Kashmiri et al.,Methods 36:25−34(2005)(特異性決定領域(SDR)移植について説明する)、Padlan,Mol.Immunol.28:489−498(1991)(「リサーフェシング(resurfacing)」について説明する)、Dall’Acqua et al.,Methods 36:43−60(2005)(「FRシャフリング」について説明する)、ならびにOsbourn et al.,Methods 36:61−68(2005)、及びKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252−260(2000)(FRシャフリングへの「誘導選択(guided selection)」アプローチについて説明する)にさらに記載されている。
【0231】
ヒト化に使用され得るヒトフレームワーク領域には、「ベストフィット」法を使用して選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照されたい)、軽鎖または重鎖可変領域の特定の下位集団のヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992)、及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照されたい)、ヒト成熟(体細胞突然変異した)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞株フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)を参照されたい)、ならびにFRライブラリのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678−10684(1997)及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611−22618(1996)を参照されたい)が含まれるが、これらに限定されない。
【0232】
4.ヒト抗体
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において既知の様々な技法を使用して産生され得る。ヒト抗体は、一般に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368−74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450−459(2008)に記載される。
【0233】
ヒト抗体は、抗原曝露に応答してインタクトなヒト抗体、またはヒト可変領域を含むインタクトな抗体を産生するように変化したトランスジェニック動物に、免疫原を投与することによって調製されてもよい。かかる動物は典型的に、内在性免疫グロブリン遺伝子座を置き換える、または染色体外に存在するか、もしくは動物の染色体中にランダムに組み込まれる、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部分を含む。かかるトランスジェニックマウスにおいて、内在性免疫グロブリン遺伝子座は、概して、不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117−1125(2005)を参照されたい。また、例えば、米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号(XENOMOUSE(商標)技術について説明する)、米国特許第5,770,429号(HuMab(登録商標)技術について説明する)、米国特許第7,041,870号(K−M MOUSE(登録商標)技術について説明する)、ならびに米国特許出願公開第2007/0061900号(VelociMouse(登録商標)技術について説明する)を参照されたい。かかる動物によって生成されるインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによって、さらに修飾されてもよい。
【0234】
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマに基づく方法によっても作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫細胞株及びマウス−ヒト異種骨髄腫(heteromyeloma)細胞株が説明されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術によって生成されるヒト抗体もまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557−3562(2006)に記載されている。追加の方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株由来のモノクローナルヒトIgM抗体の産生について説明する)、及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265−268(2006)(ヒト−ヒトハイブリドーマについて説明する)に記載されるものが含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(Trioma technology)は、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927−937(2005)、及びVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185−91(2005)にも記載されている。
【0235】
ヒト抗体はまた、ヒト由来ファージ提示ライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成されてもよい。かかる可変ドメイン配列は、所望のヒト定常ドメインと組み合わされてもよい。抗体ライブラリからヒト抗体を選択するための技法が、以下に記載される。
【0236】
5.ライブラリ由来抗体
本発明の抗体は、コンビナトリアルライブラリを、所望の活性(複数可)を有する抗体についてスクリーニングすることによって、単離され得る。例えば、ファージ提示ライブラリを生成し、所望の結合特性を保有する抗体について、かかるライブラリをスクリーニングするための多様な方法が当該技術分野で知られている。かかる方法は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1−37(O‘Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に概説され、またさらに、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−554、Clackson et al.,Nature 352:624−628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1992)、Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161−175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299−310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467−12472(2004)、及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)に記載されている。
【0237】
ある特定のファージ提示法において、VH及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別個にクローニングされ、ファージライブラリ中で無作為に組み換えられ、それを次いで、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433−455(1994)に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは典型的に、単鎖Fv(scFv)断片としてまたはFab断片としてのいずれかで、抗体断片を提示する。免疫された源のライブラリは、ハイブリドーマを構築する必要なしに、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。代替的に、Griffiths et al.,EMBO J,12:725−734(1993)によって記載されるように、ナイーブレパートリーをクローニングして(例えば、ヒトから)、いかなる免疫化も伴わずに、広範な非自己抗原また自己抗原に対する抗体の単一の源を提供することができる。最後に、ナイーブライブラリはまた、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381−388(1992)に記載されるように、幹細胞からの再配列されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、無作為配列を含有するPCRプライマーを使用して高度可変CDR3領域をコードし、かつインビトロで再配列を遂行することによって、合成的に作製することができる。ヒト抗体ファージライブラリについて記載している特許公報には、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が含まれる。
【0238】
ヒト抗体ライブラリから単離された抗体または抗体断片は、本明細書においてヒト抗体またはヒト抗体断片と見なされる。
【0239】
6.多重特異性抗体
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の実施形態において、結合特異性の一方は、CD98hcに対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の実施形態において、結合特異性の一方は、ベイシジンに対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の実施形態において、結合特異性の一方は、Glut1に対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。二重特異性抗体は、全長抗体または抗体断片として調製することができる。
【0240】
一部の実施形態において、多重特異性抗体(二重特異性抗体等)の抗原結合ドメインは、2つのVH/VL単位を含み、第1のVH/VL単位は、第1のエピトープに特異的に結合し、第2のVH/VL単位は、第2のエピトープに特異的に結合し、各VH/VL単位は、重鎖可変ドメイン(VH)及び軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。かかる多重特異性抗体には、全長抗体、2つ以上のVLドメイン及びVHドメインを有する抗体、抗体断片、例えば、Fab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、二重特異性ダイアボディ及びトリアボディ、共有結合または非共有結合で連結されている抗体断片等が含まれるが、これらに限定されない。重鎖可変領域の少なくとも一部分及び/または軽鎖可変領域の少なくとも一部分をさらに含むVH/VL単位は、「アーム」または「ヘミマー」または「半抗体」とも称され得る。一部の実施形態において、ヘミマーは、第2のヘミマーと分子内ジスルフィド結合が形成されることを可能にするのに十分な重鎖可変領域の部分を含む。一部の実施形態において、ヘミマーは、例えば、相補的ホール突然変異またはノブ突然変異を含む第2のヘミマーまたは半抗体とのヘテロ二量体化を可能にする、ノブ突然変異またはホール突然変異を含む。ノブ突然変異及びホール突然変異が、以下でさらに考察される。
【0241】
多重特異性抗体の作製技法には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組み換え同時発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))、WO 93/08829、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)を参照されたい)、及び「ノブ・イン・ホール(knob−in−hole)」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照されたい)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「ノブ・イン・ホール」または「KnH」技術という用語は、2つのポリペプチドを、それらが相互作用する界面において一方のポリペプチドに隆起(ノブ)を導入し、他方のポリペプチドに空洞(ホール)を導入することにより、インビトロまたはインビボで一緒に対合することを誘導する技術を指す。例えば、KnHは、抗体のFc:Fc結合界面、CL:CH1界面、またはVH/VL界面に導入されている(例えば、US2011/0287009、US2007/0178552、WO96/027011、WO98/050431、及びZhu et al.,1997,Protein Science 6:781−788を参照されたい)。一部の実施形態において、KnHにより、多重特異性抗体の製造中に2つの異なる重鎖を一緒に対合することが促進される。例えば、Fc領域内にKnHを有する多重特異性抗体は、各Fc領域に連結された単一可変ドメインをさらに含むことができるか、または同様のもしくは異なる軽鎖可変ドメインと対合する異なる重鎖可変ドメインをさらに含むことができる。KnH技術を使用して、2つの異なる受容体細胞外ドメインを一緒に、または異なる標的認識配列を含む(例えば、アフィボディ(affibody)、ペプチボディ(peptibody)、及び他のFc融合を含む)、任意の他のポリペプチド配列を対合することもできる。
【0242】
本明細書で使用される「ノブ突然変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面において、突起(ノブ)をポリペプチドに導入する突然変異を指す。一部の実施形態において、他のポリペプチドは、ホール突然変異を有する。
【0243】
本明細書で使用される「ホール突然変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面において、空洞(ホール)をポリペプチドに導入する突然変異を指す。一部の実施形態において、他のポリペプチドは、ノブ突然変異を有する。
【0244】
多重特異性抗体はまた、静電的ステアリング(electrostatic steering)効果を操作して抗体Fc−ヘテロ二量体分子を作製すること(WO 2009/089004A1)、2つ以上の抗体または断片を架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照されたい)、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体を産生すること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)を参照されたい)、「ダイアボディ」技術を使用して二重特異性抗体断片を作製すること(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)を参照されたい)、及び一本鎖Fv(sFv)二量体を使用すること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照されたい)、ならびに例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載される三重特異性抗体を調製することによって、作製されてもよい。
【0245】
「オクトパス(Octopus)抗体」を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体もまた、本明細書に含まれる(例えば、US2006/0025576A1を参照されたい)。
【0246】
本明細書における抗体または断片にはまた、CD98hc、ベイシジン、またはGlut1、及び別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む、「二重作用(Dual Acting)FAb」または「DAF」も含まれる(例えば、US2008/0069820を参照されたい)。
【0247】
ある特定の実施形態において、本明細書に開示される抗体、例えば、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体は、「CNS抗原」または「脳抗原」に特異的な治療アームを含む多重特異性抗体である。例えば、本明細書に開示される多重特異性抗体は、CD98hc、またはBsg、またはGlut1に特異的な第1のアーム、及び脳抗原に特異的な第2のアームを有する。かかる抗原の例には、制限なく、BACE1、Abeta、EGFR、HER2、タウ、Apo、例えば、ApoE4、アルファ−シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、PrP、LRRK2、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、ガンマセクレターゼ、DR6、APP、p75NTR、IL6R、TNFR1、IL1β、及びカスパーゼ6が含まれる。一実施形態において、抗原は、BACE1である。別の実施形態において、抗原は、Abetaである。
【0248】
故に、ある特定の実施形態において、結合特異性の一方は、CD98hcに対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の実施形態において、結合特異性の一方は、ベイシジンに対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の実施形態において、結合特異性の一方は、Glut1に対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の実施形態において、二重特異性抗体は、CD98hcの2つの異なるエピトープに結合し得る。ある特定の実施形態において、二重特異性抗体は、ベイシジンの2つの異なるエピトープに結合し得る。ある特定の実施形態において、二重特異性抗体は、Glut1の2つの異なるエピトープに結合し得る。さらに、多重特異性抗体を使用して、細胞傷害性薬剤を、CD98hc、Glut1、及び/またはベイシジンを発現する細胞に限局させてもよい。
【0249】
脳抗原に特異的な抗体、例えば、上で例示されるものは、当該技術分野において既知である。例として、抗BACE1抗体が既知であり、例示的な抗体配列は、例えば、国際特許公開第WO2012/075037号に記載されている。一実施形態において、抗BACE1抗体が無関係の非BACE1タンパク質に結合する程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のBACE1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態において、BACE1に結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態において、抗BACE1抗体は、異なる種及びアイソフォームに由来するBACE1間で保存されているBACE1のエピトープに結合する。
【0250】
一実施形態において、抗BACE1抗体YW412.8.31によって結合されるBACE1上のエピトープに結合する抗体が提供される。他の実施形態において、BACE1の触媒ドメインに位置するBACE1内のエキソサイトに結合する抗体が提供される。一実施形態において、BACE1に結合するために、Kornacker et al.,Biochem.44:11567−11573(2005)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において特定されたペプチド(すなわち、1、2、3、1〜11、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、2〜12、3〜12、4〜12、5〜12、6〜12、7〜12、8〜12、9〜12、10〜12、4、5、6、5〜10、5〜9、スクランブル、Y5A、P6A、Y7A、F8A、I9A、P10A、及びL11A)と競合する抗体が提供される。
【0251】
さらなる例として、ヒトAbetaに特異的に結合する抗Abeta抗体が知られている。抗Abeta抗体の非限定例は、クレネズマブである。抗Abeta抗体の他の非限定例は、ソラネズマブ、バピネオズマブ、ガンテネルマブ、アズカヌマブ、ポネズマブ、及び以下の公報、WO2000162801、WO2002046237、WO2002003911、WO2003016466、WO2003016467、WO2003077858、WO2004029629、WO2004032868、WO2004032868、WO2004108895、WO2005028511、WO2006039470、WO2006036291、WO2006066089、WO2006066171、WO2006066049、WO2006095041、WO2009027105に開示される任意の抗Abeta抗体である。
【0252】
7.抗体変異形
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体のアミノ酸配列変異形が企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異形は、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適切な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって、調製することができる。かかる修飾には、例えば、抗体のアミノ酸配列からの残基の欠失、及び/またはそこへの残基の挿入、及び/またはその中での残基の置換が含まれる。最終構築物に到達するように、欠失、挿入、及び置換を任意で組み合わせることができるが、但し、その最終構築物が、所望の特性、例えば、抗原結合性を保有することを条件とする。
【0253】
a)置換、挿入、及び欠失変異形
ある特定の実施形態において、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体変異形が提供される。置換型突然変異生成のための目的の部位には、HVR及びFRが含まれる。保存的置換は、表Cにおいて、「好ましい置換」の見出しの下に示される。より実質的な変化は、表Cにおいて、「例示的な置換」の見出しの下に提供され、またアミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載される。アミノ酸置換が目的の抗体中に導入され、生成物が、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下、またはADCCもしくはCDCの改善についてスクリーニングされてもよい。
表C:保存的アミノ酸置換
【0254】
アミノ酸は、次の一般的な側鎖特性に従って分類されてもよい。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
(3)酸性:Asp、Glu、
(4)塩基性:His、Lys、Arg、
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro、
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0255】
非保存的置換には、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴うことになる。
【0256】
置換型変異形の1つの種類は、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基を置換することを伴う。一般に、さらなる試験のために選択される、結果として生じる変異形(複数可)は、親抗体と比較して、ある特定の生物学的特性の修飾(例えば、改善)(例えば、増加した親和性、低下した免疫原性)を有することになり、かつ/または親抗体のある特定の生物学的特性を実質的に保持することになる。例示的な置換型変異形は、例えば、本明細書に記載されるもの等のファージ提示ベースの親和性成熟技法を使用して便宜的に生成され得る、親和性成熟抗体である。簡潔に述べると、1つ以上のHVR残基を突然変異させ、変異形抗体をファージ上で提示させて、特定の生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
【0257】
変化(例えば、置換)をHVRにおいて行って、例えば、抗体親和性を改善してもよい。かかる変化は、HVR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟過程中に高頻度で突然変異を経るコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179−196(2008)を参照されたい)、及び/または抗原に接触する残基に行われてもよく、結果として生じる変異形VHまたはVLが、結合親和性について試験される。二次ライブラリを構築し、かつそこから再選択することによる親和性成熟は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1−37(O′Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001)。)に記載されている。親和性成熟の一部の実施形態において、多様性が、多様な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャフリング、またはオリゴヌクレオチド指定突然変異生成)のうちのいずれかによって、成熟のために選定された可変遺伝子中に導入される。次いで、二次ライブラリが作成される。次いで、このライブラリは、所望の親和性を有する任意の抗体変異形を特定するためにスクリーニングされる。多様性を導入するための別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、1回に4〜6つの残基)がランダム化される、HVR指向性アプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異生成またはモデリングを使用して、具体的に特定されてもよい。特にCDR−H3及びCDR−L3が、標的とされることが多い。
【0258】
ある特定の実施形態において、置換、挿入、または欠失は、かかる変化が、抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、1つ以上のHVR内で生じ得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的変化(例えば、本明細書に提供される保存的置換)が、HVRにおいて行われてもよい。かかる変化は、例えば、HVRの抗原接触残基以外であってもよい。上記の変異形VH及びVL配列のある特定の実施形態において、各HVRは、不変であるか、または1つ以下、2つ以下、もしくは3つ以下のアミノ酸置換を含有するかのいずれかである。
【0259】
突然変異生成のための標的とされ得る抗体の残基または領域を特定するための有用な方法の1つは、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081−1085に記載される「アラニンスキャニング突然変異生成」と呼ばれるものである。この方法において、残基または標的残基の群(例えば、Arg、Asp、His、Lys、及びGlu等の荷電残基)が特定され、かつ中性または負に荷電されたアミノ酸(例えば、アラニンもしくはポリアラニン)により交換されて、抗体と抗原との相互作用が影響を受けたかどうかを決定する。さらなる置換が、初回置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸の場所に導入されてもよい。代替的に、または追加的に、抗体と抗原との間の接触点を特定するための抗原−抗体複合体の結晶構造。かかる接触残基及び隣接する残基は、置換の候補として標的とされるか、または排除されてもよい。変異形をスクリーニングして、それらが所望の特性を含有するかどうかを決定してもよい。
【0260】
アミノ酸配列挿入には、1個の残基〜100個以上の残基を含有するポリペプチドの範囲の長さである、アミノ末端融合及び/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一のまたは多数のアミノ酸残基の配列内(intrasequence)挿入が含まれる。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入変異形には、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPTのための)またはポリペプチドに対する抗体のN末端またはC末端への融合が含まれる。
【0261】
b)グリコシル化変異形
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加または減少させるように変化する。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作り出されるか、または除去されるように、アミノ酸配列を変化させることによって、簡便に遂行され得る。
【0262】
抗体がFc領域を含む場合、そこに結合した炭水化物を変化させてもよい。哺乳動物細胞によって産生される天然抗体は、典型的に、概してN連結によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に結合される、分岐した二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH15:26−32(1997)を参照されたい。オリゴ糖類には、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖類構造の「ステム」においてGlcNAcに結合したフコースが含まれる。一部の実施形態において、本発明の抗体におけるオリゴ糖の修飾は、ある特定の改善された特性を有する抗体変異形を作り出すために行われてもよい。
【0263】
一実施形態において、Fc領域に(直接または間接的に)結合したフコースを欠いている炭水化物構造を有する、抗体変異形が提供される。例えば、かかる抗体内のフコースの量は、1%〜80%、1%〜65%、5%〜65%、または20%〜40%であってもよい。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に記載されるように、MALDI−TOF質量分析法によって測定した場合に、Asn297に結合した全ての糖鎖構造(例えば、複合体、ハイブリッド、及び高マンノース構造)の合計と比べた、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域における約297位(Fc領域残基のEu付番)に位置するアスパラギン残基を指すが、Asn297はまた、抗体における小規模な配列変異に起因して、297位から約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、294位〜300位の間に位置してもよい。かかるフコシル化変異形は、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第US2003/0157108号(Presta,L.)、同第US2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体変異形に関連する刊行物の例としては、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239−1249(2004)、Yamane−Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例には、タンパク質フコシル化が欠損したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533−545(1986)、米国特許出願第US2003/0157108 A1号(Presta,L)、及びWO2004/056312 A1(Adamsら)(特に実施例11))、及びアルファ−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞等のノックアウト細胞株(例えば、Yamane−Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)、Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680−688(2006)、及びWO2003/085107を参照されたい)が含まれる。
【0264】
例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖類がGlcNAcによって二分される、二分されたオリゴ糖類を有する抗体変異形がさらに提供される。かかる抗体変異形は、低下したフコシル化及び/または改善されたADCC機能を有し得る。かかる抗体変異形の例は、例えば、WO2003/011878(Jean−Mairetら)、米国特許第6,602,684号(Umanaら)、及びUS2005/0123546(Umanaら)に記載される。Fc領域に結合したオリゴ糖に少なくとも1つのガラクトース残基を有する、抗体変異形も提供される。かかる抗体変異形は、改善されたCDC機能を有し得る。かかる抗体変異形は、例えば、WO1997/30087(Patelら)、WO1998/58964(Raju,S.)、及びWO1999/22764(Raju,S.)に記載される。
【0265】
c)Fc領域変異形
ある特定の実施形態において、1つ以上のアミノ酸修飾が、本明細書に提供される抗体のFc領域に導入され、それによってFc領域変異形を生成してもよい。Fc領域変異形は、1つ以上のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含む、ヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域)を含んでもよい。
【0266】
ある特定の実施形態において、本発明は、全部ではなく一部のエフェクター機能を保有し、それにより、インビボでの抗体の半減期が重要であるが、ある特定のエフェクター機能(補体及びADCC等)が不必要または有害である用途に関して望ましい候補となる、抗体変異形を企図する。インビトロ及び/またはインビボの細胞傷害性アッセイを実行して、CDC及び/またはADCC活性の低下/枯渇を確認することができる。例えば、抗体が確実に、FcγR結合を欠く(したがって、ADCC活性を欠いている可能性が高い)がFcRn結合能力を保持するように、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実行することができる。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞は、Fc(RIIIのみを発現するが、一方で単球は、Fc(RI、Fc(RII及びFc(RIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−492(1991)の464ページの表3に要約される。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 83:7059−7063(1986)を参照されたい)、及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 82:1499−1502(1985)、同第5,821,337号(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351−1361(1987)を参照されたい)に記載されている。代替的に、非放射性アッセイ法が用いられてもよい(例えば、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA、及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照されたい。かかるアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。代替的に、または追加的に、目的の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynes et al.Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 95:652−656(1998)に開示されるもの等の動物モデルにおいて、評価されてもよい。また、C1q結合アッセイをまた行って、抗体がC1qに結合不可能であり、したがってCDC活性を欠いていることを確認してもよい。例えば、WO2006/029879及びWO2005/100402におけるC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行ってもよい(例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)、Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045−1052(2003)、及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738−2743(2004)を参照されたい)。FcRn結合及びインビトロクリアランス/半減期決定もまた、当該技術分野で既知の方法を使用して行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int′l.Immunol.18(12):1759−1769(2006)を参照されたい)。
【0267】
低下したエフェクター機能を有する抗体には、Fc領域残基238、265、269、270、297、327、及び329のうちの1つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。かかるFc突然変異体には、残基265及び297のアラニンへの置換を有するいわゆる「DANA」Fc突然変異体を含む(米国特許第7,332,581号)、アミノ酸位265、269、270、297、及び327のうちの2つ以上における置換を有するFc突然変異体が含まれる。
【0268】
FcRへの結合が改善または減少した、ある特定の抗体変異形が記載される。(例えば、米国特許第6,737,056号、WO2004/056312、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)を参照されたい。)
【0269】
ある特定の実施形態において、抗体変異形は、ADCCを改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、及び/または334位(残基のEU付番)における置換を有する、Fc領域を含む。
【0270】
一部の実施形態において、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178−4184(2000)に記載されるように、C1q結合及び/または補体依存性細胞傷害性(CDC)の変化(改善または減少のいずれか)をもたらす変化が、Fc領域においてなされる。
【0271】
母体IgGの胎児への移入に関与する、半減期が増加しかつ新生児型Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))が、US2005/0014934A1(Hintonら)に記載されている。それらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する、1つ以上の置換を内部に有するFc領域を含む。かかるFc変異形には、Fc領域残基238、252、254、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434のうちの1つ以上における置換、例えば、Fc領域残基434の置換(米国特許第7,371,826号)を有するものが含まれる。FcRn結合ドメイン突然変異M252Y、S254T、及びT256E(YTE)は、FcRn結合を増加させ、故に抗体の半減期を増加させることが記載されている。例えば、米国特許出願公開第2003/0190311号及びDall’Acqua et al.,J.Biol.Chem.281:23514−23524(2006)を参照されたい。追加的に、FcRn結合ドメイン突然変異N434A及びY436I(AI)もまた、FcRn結合を増加させることが記載されている。Yeung et al.,J.Immunol.182:7663−7671(2009)も参照されたい。また、Fc領域変異形の他の例に関して、Duncan&Winter,Nature 322:738−40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、及びWO94/29351も参照されたい。
【0272】
d)システイン操作された抗体変異形
ある特定の実施形態において、抗体の1個以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン操作された抗体、例えば、「チオマブ(thioMAb)」を作り出すことが望ましい場合がある。具体的な実施形態において、置換残基は、抗体の接触しやすい部位において生じる。これらの残基をシステインで置換することによって、反応性のチオール基がそれにより抗体の接触しやすい部位に位置付けられ、それを使用して、薬物部分またはリンカー−薬物部分等の他の部分に抗体を複合して、本明細書にさらに記載される免疫複合体を作り出してもよい。ある特定の実施形態において、次の残基のうちのいずれか1つ以上が、システインで置換され得る:軽鎖のV205(Kabat番号付け)、重鎖のA118(EU番号付け)、及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作された抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されるように生成してもよい。
【0273】
e)抗体誘導体
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、当該技術分野で既知であり、かつ容易に入手可能な、追加の非タンパク質性部分を含有するようにさらに修飾されてもよい。抗体の誘導体化に好適な部分には、水溶性ポリマーが含まれるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレン(propropylene)グリコールホモポリマー、プロリプロピレン(prolypropylene)オキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中での安定性があるため、製造における利点を有し得る。ポリマーは、任意の分子量のものであってもよく、分岐していても非分岐であってもよい。抗体に結合したポリマーの数は、様々であってもよく、1つを超えるポリマーが結合される場合、それらは、同じ分子であっても、または異なる分子でもよい。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/または種類は、改善対象の抗体の特定の特性または機能、抗体誘導体が規定の条件下で療法において使用されるかどうか等を含むが、これらに限定されない考慮に基づいて決定することができる。
【0274】
別の実施形態において、放射線への曝露によって選択的に加熱されてもよい、抗体と非タンパク質性部分との複合体が提供される。一実施形態において、非タンパク質性部分は、カーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600−11605(2005))。放射線は、任意の波長のものであってよく、これには、一般の細胞を害さないが、抗体−非タンパク質性部分に近位の細胞が殺滅される温度まで非タンパク質性部分を加熱する波長が含まれるが、これらに限定されない。
【0275】
E.組み換え法及び組成物
抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載される組み換え法及び組成物を使用して産生されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体をコードする単離された核酸が提供される。かかる核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/またはVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/または重鎖)をコードし得る。さらなる実施形態において、かかる核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。さらなる実施形態において、かかる核酸を含む宿主細胞が提供される。1つのかかる実施形態において、宿主細胞は、(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、それらで形質転換されている)。一実施形態において、宿主細胞は、真核性、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施形態において、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の作製方法が提供され、この方法は、上記のように、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に好適な条件下で培養することと、任意で、抗体を宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から回収することとを含む。
【0276】
抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の組み換え産生のために、例えば、上述のもの等の、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/または発現のために、1つ以上のベクター中に挿入される。かかる核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能である、オリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離され、配列決定され得る。
【0277】
抗体コードベクターのクローニングまたは発現に好適な宿主細胞には、本明細書に記載される原核細胞または真核細胞が含まれる。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合に、細菌内で産生されてもよい。細菌における抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、同第5,789,199号、及び同第5,840,523号を参照されたい。(また、E.coliにおける抗体断片の発現について説明するCharlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245−254も参照されたい)。発現後、抗体は、可溶性画分において細菌細胞ペーストから単離されてもよく、またさらに精製されてもよい。
【0278】
原核生物に加えて、糸状菌または酵母等の真核微生物は、抗体コードベクターに好適なクローニングまたは発現宿主であり、それには、グリコシル化経路が「ヒト化」されており、部分的または完全ヒトグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす、真菌及び酵母株が含まれる。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409−1414(2004)、及びLi et al.,Nat.Biotech.24:210−215(2006)を参照されたい。
【0279】
グリコシル化抗体の発現に好適な宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)にも由来する。無脊椎動物細胞の例としては、植物及び昆虫細胞が挙げられる。昆虫細胞と併せて、特にSpodoptera frugiperda細胞の形質移入のために使用され得る、多数のバキュロウイルス株が特定されている。
【0280】
植物細胞培養物を、宿主として利用することもできる。例えば、米国特許第5,959,177号、同第6,040,498号、同第6,420,548号、同第7,125,978号、及び同第6,417,429号(トランスジェニック植物において抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術について説明している)を参照されたい。
【0281】
脊椎動物細胞もまた、宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で成長するように適合される哺乳類細胞株が、有用であり得る。有用な哺乳類宿主細胞株の他の例としては、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7)、ヒト胚性腎臓株(例えば、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載される293または293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980)に記載されるTM4細胞、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76)、ヒト子宮頸がん細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝臓細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562)、例えば、Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44−68(1982)に記載されるTRI細胞、MRC 5細胞、及びFS4細胞である。他の有用な哺乳類宿主細胞株には、DHFRCHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:4216(1980)を含む、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ならびにY0、NS0、及びSp2/0等の骨髄腫細胞株が含まれる。抗体産生に好適なある特定の哺乳類宿主細胞株の概説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255−268(2003)を参照されたい。
【0282】
F.アッセイ
本明細書に提供される抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体は、それらの物理的/化学的特性及び/または生物活性について、当該技術分野で既知の様々なアッセイによって、特定され、スクリーニングされ、または特徴付けられてもよい。
【0283】
1.結合アッセイ及び他のアッセイ
一態様において、本発明の抗体は、例えば、ELISA、ウェスタンブロット、FACS等の既知の方法によって、その抗原結合活性について試験される。
【0284】
別の態様において、競合アッセイを使用して、Bsgに結合するために、本明細書に開示される抗ベイシジン抗体(例えば、抗Bsgc、抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、及び抗Bsg)と競合する抗体を特定することができる。一部の実施形態において、本開示による抗体は、抗Bsgと競合する。一部の実施形態において、本開示による抗体は、抗Bsgと競合する。一部の実施形態において、本開示による抗体は、抗Bsgと競合する。一部の実施形態において、本開示による抗体は、抗Bsgと競合する。一部の実施形態において、本開示による抗体は、抗Bsg及び抗Bsgと競合する。一部の実施形態において、本開示による抗体は、抗Bsgと競合する。
【0285】
ある特定の実施形態において、そのような競合抗体は、本明細書に開示される抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、及び抗Bsgのうちの1つによって結合される同じエピトープ(例えば、直鎖または立体構造エピトープ)に結合する。
【0286】
別の態様において、競合アッセイを使用して、Glut1に結合するために、本明細書に開示される抗Glut1抗体(例えば、配列番号81の軽鎖可変領域配列及び配列番号82の重鎖可変領域配列を有する抗Glut1抗体)と競合する抗体を特定することができる。
【0287】
ある特定の実施形態において、かかる競合抗体は、本明細書に開示されるGlut1抗体(例えば、配列番号81の軽鎖可変領域配列及び配列番号82の重鎖可変領域配列を有する抗Glut1抗体)によって結合される同じエピトープ(例えば、直鎖または立体構造エピトープ)に結合する。
【0288】
抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的方法は、Morris(1996)″Epitope Mapping Protocols,″in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,NJ)に提供される。
【0289】
例示的な競合アッセイにおいて、固定化されたBsgを、Bsg(例えば、本明細書に開示される抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、及び抗Bsgのうちのいずれか)に結合する第1の標識抗体、及びBsgに結合するために第1の抗体と競合するその能力について試験されている第2の非標識抗体を含む溶液中でインキュベートする。第2の抗体は、ハイブリドーマ上清中に存在してもよい。対照として、固定化されたBsgを、第1の標識抗体を含むが第2の非標識抗体を含まない溶液中でインキュベートする。第1の抗体の、Bsgへの結合を許容する条件下でのインキュベーションの後、過剰な非結合抗体を除去し、固定化されたBsgに関連する標識の量を測定する。固定化されたBsgに関連する標識の量が、対照試料と比較して試験試料中で実質的に低下した場合、それは、第2の抗体がBsgへの結合について第1の抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
【0290】
例示的な競合アッセイにおいて、固定化されたGlut1を、本明細書におけるGlut1(例えば、配列番号81の軽鎖可変領域配列及び配列番号82の重鎖可変領域配列を有する抗Glut1抗体)に結合する第1の標識抗体、及びGlut1に結合ために第1の抗体と競合する抗体の能力について試験されている第2の非標識抗体を含む溶液中でインキュベートする。第2の抗体は、ハイブリドーマ上清中に存在してもよい。対照として、固定化されたGlut1を、第1の標識抗体を含むが第2の非標識抗体を含まない溶液中でインキュベートする。第1の抗体の、Glut1への結合を許容する条件下でのインキュベーションの後、過剰な非結合抗体を除去し、固定化されたGlut1に関連する標識の量を測定する。固定化されたGlut1に関連する標識の量が、対照試料と比較して試験試料中で実質的に低下した場合、それは、第2の抗体がGlut1への結合について第1の抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
【0291】
2.活性アッセイ
一態様において、生物活性を有する抗CD98hc抗体を特定するためのアッセイが提供される。一態様において、生物活性を有する抗Bsg抗体を特定するためのアッセイが提供される。一態様において、生物活性を有する抗Glut1抗体を特定するためのアッセイが提供される。
【0292】
CD98hc活性アッセイ
生物活性には、例えば、CD98hcのアミノ酸輸送が含まれ得る。インビボ及び/またはインビトロでかかる生物活性を有する抗体も提供される。
【0293】
ある特定の実施形態において、本発明に開示される抗体は、かかる生物活性に関して試験され得る。
【0294】
一部の実施形態において、本明細書に開示される方法に従う使用のための抗体(例えば、抗CD98hc抗体を使用する)は、細胞増殖または分裂を阻害しない。一部の実施形態において、本明細書に開示される方法に従う使用のための抗体(例えば、抗CD98hc抗体)は、細胞接着を阻害しない。細胞増殖、細胞分裂、アポトーシス、及び細胞接着に対するCD98hc結合抗体の効果を測定するためのアッセイは、例として、制限なく、米国特許出願公開第2013/0052197号に記載される方法に従って行うことができる。Yagita H.et al.(1986)Cancer Res.46:1478−1484、及びWarren A.P.,et al.(1996)Blood 87:3676−3687も参照されたい。当該技術分野において既知の任意の他の好適な方法を使用して、CD98hc結合抗体の活性を試験することもできる。
【0295】
一部の実施形態において、抗CD98hc抗体は、アミノ酸輸送を阻害しない。CD98hcによるアミノ酸輸送((例えば、CD98軽鎖とのヘテロ二量体複合体内(例えば、LAT1、LAT2、y+LAT1、y+LAT2、xCT、及びAsc−1))を検出するために使用され得るインビトロアッセイは既知であり、当該技術分野において説明されている。例えば、Fenczik,C.Aet al.(2001)J.Biol.Chem.276,8746−8752を参照されたい。US2013/0052197も参照されたい。
【0296】
特定の実施形態において、抗CD98hc抗体の存在下における、CD98ヘテロ二量体複合体の天然リガンドのうちのいずれかの、血液脳関門を越えるアミノ酸輸送の動態が、抗体の非存在下における輸送動態の少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)であり、抗体の非存在下における動態は、
グルタミンの場合(NaClの存在下)、K=295μM、
ロイシンの場合(NaClの存在下)、K=236μM、
アルギニンの場合(NaClの存在下)、K=120μM、
アルギニンの場合(NaClの非存在下)、K=138μMのうちの1つである。
【0297】
CD98アミノ酸交換輸送体のアミノ酸輸送動態は、例えば、Broer et al.Biochem J.2000 Aug 1;349 Pt 3:787−95によって記載されるアッセイにおいて測定され得る。
【0298】
一態様において、生物活性を有する抗CD98hc/BACE1多重特異性抗体を特定するためのアッセイが提供される。別の態様において、生物活性を有する抗Bsg/BACE1多重特異性抗体を特定するためのアッセイが提供される。別の態様において、生物活性を有する抗Glut1/BACE1多重特異性抗体を特定するためのアッセイが提供される。生物活性には、例えば、BACE1アスパルチルプロテアーゼ活性の阻害が含まれ得る。例えば、同種時間分解蛍光法HTRFアッセイもしくは合成基質ペプチドを使用する微少流体キャピラリ電気泳動(MCE)アッセイによって、またはAPP等のBACE1基質を発現する細胞株内でインビボで評価した場合に、インビボ及び/またはインビトロでかかる生物活性を有する抗体も提供される。
【0299】
別の態様において、本明細書に開示される抗体(例えば、抗CD98hc、Bsg、またはGlut1抗体)の脳取り込みを測定するためのアッセイが提供される。かかるアッセイは、例えば、以下の実施例に記載される。
【0300】
別の態様において、脳及び血漿中のアミロイドベータを測定するためのアッセイが提供され、脳アミロイドベータの増加または低下、及び血漿アミロイドベータの増加または低下を決定するためのアッセイを含む。かかるアッセイは、本明細書において、例えば、以下の実施例に記載される。
【0301】
例として、本明細書に開示される抗体は、造影剤に複合されてもよい。抗体複合体の投与に続いて、例えば、単離された脳組織内で、及び/またはインビボ脳撮像技法を使用して(例えば、生物発光もしくは蛍光を使用して)造影剤が検出され得る(例えば、J.R.Martin.J Neurogenet.2008;22(3):285−307を参照されたい)。
【0302】
3.親和性アッセイ
ある特定の態様において、本発明は、薬剤(例えば、神経障害薬または造影剤)を、血液脳関門を越えて輸送するために有用な抗体の作製方法を提供し、約5nM〜、または約20nM〜、または約100nM〜、約10μMまで、または約1μMまで、または約500mMまでの範囲内である、BBB−Rへの親和性を有するという理由で、BBB−Rに対する抗体の一団から抗体を選択することを含む。故に、親和性は、例えば、スキャチャード解析またはBIACORE(登録商標)によって測定した場合に、約5nM〜約10μMの範囲内、または約20nM〜約1μMの範囲内、または約100nM〜約500nMの範囲内であり得る。当業者には理解されることになるように、異種性分子/化合物を抗体に複合することは、例えば、抗体が、その抗体の元の標的とは異なる抗原に結合する1つ以上のアームにより多重特異的になる場合、立体障害またはさらには1つの結合アームの排除に起因して、抗体の、その標的への親和性を減少させ得る。一実施形態において、BACE1に複合されたCD98hc、ベイシジン、またはGlut1に特異的な本発明の低親和性抗体は、BIACOREによって測定した場合に、CD98hc、ベイシジン、またはGlut1に対して約30nMのKdを有する。別の実施形態において、BACE1に複合されたCD98hc、ベイシジン、またはGlut1に特異的な本発明の低親和性抗体は、BIACOREによって測定した場合に、CD98hc、ベイシジン、またはGlut1に対して約600nMのKdを有する。
【0303】
抗体親和性を評価するための1つの例示的なアッセイは、スキャチャード解析によるものである。例えば、目的の抗BBB−R抗体を、ラクトペルオキシダーゼ法を使用してヨウ素化することができる(Bennett and Horuk,Methods in Enzymology 288 pg.134−148(1997))。放射標識抗BBB−R抗体を、NAP−5カラムを使用するゲル濾過によって遊離125I−Naから精製し、その特異的活性を測定する。一定濃度のヨウ素化抗体及び減少した濃度の連続希釈された非標識抗体を含有する50μLの競合反応混合物を、96ウェルプレートに入れる。BBB−Rを一時的に発現する細胞を、10% FBS、2mM L−グルタミン、及び1×ペニシリン−ストレプトマイシンで補充されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Genentech)からなる成長培地において、5% CO2中37℃で培養する。Sigma Cell Dissociation Solutionを使用して細胞を皿から分離し、結合緩衝液(1%ウシ血清アルブミン(BSA)、50mM HEPES、pH7.2、及び0.2%アジ化ナトリウムを有するDMEM)で洗浄する。洗浄した細胞を、0.2mLの結合緩衝液中におよそ200,000個の細胞の密度で、50μL競合反応混合物を含有する96ウェルプレートに付加する。細胞との競合反応における非標識抗体の最終濃度は異なり、1000nMで開始し、次いで10濃度に対して1:2倍希釈により減少し、ゼロ付加、緩衝液のみの試料を含む。各濃度の非標識抗体に対する細胞との競合反応物を、3回測定する。細胞との競合反応物を、室温で2時間インキュベートする。2時間のインキュベーション後に、競合反応物をフィルタープレートに移し、結合緩衝液で4回洗浄して、結合していない(free from bound)ヨウ素化抗体を分離する。ガンマ計数器によってフィルターを計数し、Munson及びRodbard(1980)の適合アルゴリズムを使用して結合データを評価し、抗体の結合親和性を決定する。
【0304】
別の実施形態に従い、BIACORE(登録商標)−2000デバイス(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いる表面プラズモン共鳴アッセイを使用し、25℃で抗ヒトFcキット(BIAcore Inc.,Piscataway,NJ)を使用して、Kdを測定する。簡潔に述べると、供給業者の指示に従い、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)により活性化する。抗ヒトFc抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.0)で50μg/mLまで希釈した後、およそ10000応答単位(RU)のカップリングされたタンパク質を達成するように、5μL/分の流量で注入する。抗体の注入に続いて、1Mのエタノールアミンを注入して、未反応の基を遮断する。動態測定の場合、抗BBB−R抗体変異形をHBS−Pに注入して、約220RUに到達させた後、BBB−R−Hisの2倍連続希釈(0.61nM〜157nM)を、25℃で、およそ30μL/分の流量でHBS−Pに注入する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)は、単純な1対1のLangmuir結合モデル(BIACORE(登録商標)評価ソフトウェアバージョン3.2)を使用して、会合センサグラムと解離センサグラムとを同時に当てはめることによって計算される。平衡解離定数(Kd)は、比率koff/konとして算出する。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999))を参照されたい。
【0305】
BBB−Rに対する1つ以上の抗体の親和性についての代替測定は、その最大半減阻害濃度(IC50)、既知のBBB−Rリガンドの、BBB−Rへの結合を50%阻害するために、どれだけの抗体が必要とされるかの尺度である。所与の化合物に対するIC50を決定するいくつかの方法は、当該技術分野において既知であり、一般的なアプローチは、競合結合アッセイを行うことである。一般に、高いIC50は、より多くの抗体が既知のリガンドの結合を阻害するために必要であること、故にそのリガンドに対する抗体の親和性が比較的低いことを示す。逆に、低いIC50は、より少ない抗体が既知のリガンドの結合を阻害するために必要であること、故にそのリガンドに対する抗体の親和性が比較的高いことを示す。
【0306】
IC50を測定するための例示的な競合ELISAアッセイは、増加濃度の抗CD98hcまたは抗CD98hc/脳抗原(例えば、抗CD98hc/BACEl、抗CD98hc/Abeta等)変異形抗体を使用して、CD98hcに結合するために、ビオチニル化抗CD98hc抗体に対して競合するものである。抗CD98hc競合ELISAを、PBS中の2.5μg/mLの精製されたマウスCD98hc細胞外ドメインにより4℃で終夜コーティングされたMaxisorpプレート(Neptune,N.J.)内で行う。プレートを、PBS/0.05%>Tween 20で洗浄し、PBS中のSuperblock遮断緩衝液(Thermo Scientific,Hudson,NH)を使用して遮断する。各個々の抗CD98hcまたは抗CD98hc/脳抗原(例えば、抗CD98hc/BACElもしくは抗CD98hc/Abeta)の滴定(1:3連続希釈)を、ビオチニル化抗CD98hc(0.5nM最終濃度)と複合し、室温で1時間プレートに付加することができる。プレートを、PBS/0.05% Tween 20で洗浄し、HRP−ストレプトアビジン(Southern Biotech,Birmingham)をプレートに付加して、室温で1時間インキュベートする。プレートを、PBS/0.05% Tween 20で洗浄し、プレートに結合されたビオチニル化抗CD98hcを、TMB基質(BioFX Laboratories,Owings Mills)を使用して検出する。同種のアッセイを、例えば、抗Glut1及び抗ベイシジン抗体について行うことができる。
【0307】
G.免疫複合体
本発明はまた、化学療法剤もしくは化学療法薬、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌真菌、植物、もしくは動物起源の酵素活性毒素、またはそれらの断片)、または放射性同位体等の1つ以上の細胞傷害性薬剤と複合された、本明細書における抗CD98hc抗体、または抗Bsg抗体、または抗Glut1抗体を含む、免疫複合体を提供する。
【0308】
一実施形態において、本明細書における抗体は、薬物、化学療法剤、及び/または造影剤を、BBBを越えてより効率的に輸送するために、神経障害薬、化学療法剤、及び/または造影剤とカップリングされる。
【0309】
共有結合は、直接またはリンカーを介してのいずれかであり得る。ある特定の実施形態において、直接複合は、タンパク質融合の構成によるものである(例えば、抗体をコードする2つの遺伝子の遺伝的融合による、例えば、単一タンパク質としての神経障害薬及び発現)。ある特定の実施形態において、直接複合は、抗体の2つの部分のうちの1つの反応基と、例えば、神経薬上の対応する基または受容体との間の共有結合の形成によるものである。ある特定の実施形態において、直接複合は、適切な条件下で複合される他の分子への共有結合を形成する反応基(非限定例として、スルフヒドリル基またはカルボキシル基)を含めるように複合される2つの分子のうちの1つの修飾(例えば、遺伝子修飾)によるものである。1つの非限定例として、所望の反応基(例えば、システイン残基)を持つ分子(例えば、アミノ酸)は、例えば、抗体に導入されてもよく、ジスルフィド結合が神経薬により形成される。タンパク質への核酸の共有結合方法もまた、当該技術分野において既知である(例えば、光架橋、例えば、Zatsepin et al.Russ.Chem.Rev.74:77−95(2005)を参照されたい)。
【0310】
非共有結合は、当業者によって容易に理解されることになるように、疎水性結合、イオン結合、静電相互作用等を含む任意の非共有結合手段によるものであり得る
【0311】
複合は、多様なリンカーを使用して行われてもよい。例えば、抗体及び細胞傷害性薬は、多様な二官能性タンパク質結合剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCI等)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジル等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トルエン2,6−ジイソシアネート等)、及びビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン等)を使用して複合されてもよい。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al.,Science 238:1098(1987)に記載されるように調製され得る。炭素−14−標識された1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドを抗体に複合させるための、例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。ペプチド結合により接合された1〜20個のアミノ酸で構成されるペプチドリンカーを使用してもよい。ある特定のかかる実施形態において、アミノ酸は、20個の天然に存在するアミノ酸から選択される。ある特定のかかる実施形態において、これらのアミノ酸のうちの1つ以上は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、及びリジンから選択される。リンカーは、脳への送達時に神経薬の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であってもよい。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、感光性リンカー、ジメチルリンカー、またはジスルフィド含有リンカー(Chari et al.,Cancer Res.52:127−131(1992)、米国特許第5,208,020号)が使用されてもよい。
【0312】
本明細書における発明は、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、及びスルホ−SMPB、ならびにSVSB(スクシンイミジル−(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むがこれらに限定されない架橋試薬(これらは、(例えば、Pierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL.,U.S.Aから)商業的に入手可能である)を用いて調製された複合体を明示的に企図するが、これらに限定されない。
【0313】
一実施形態において、免疫複合体は、抗体が1つ以上の薬物に複合された抗体−薬物複合体(ADC)であり、この薬物としては、マイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、同第5,416,064号、及び欧州特許第EP0425235B1号を参照されたい);モノメチルオーリスタチン薬物部分DE及びDFを含むオーリスタチン(MMAE及びMMAF)(米国特許第5,635,483号及び同第5,780,588号及び同第7,498,298号を参照されたい);ドラスタチン:カリケアマイシンまたはその誘導体(米国特許第5,712,374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,285号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,001号、及び同第5,877,296号、Hinman et al.,Cancer Res.53:3336−3342(1993)、ならびにLode et al.,Cancer Res.58:2925−2928(1998)を参照されたい);ダウノマイシンまたはドキソルビシン等のアントラサイクリン(Kratz et al.,Current Med.Chem.13:477−523(2006)、Jeffrey et al.,Bioorganic&Med.Chem.Letters 16:358−362(2006)、Torgov et al.,Bioconj.Chem.16:717−721(2005)、Nagy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:829−834(2000)、Dubowchik et al.,Bioorg.&Med.Chem.Letters 12:1529−1532(2002)、King et al.,J.Med.Chem.45:4336−4343(2002)、及び米国特許第6,630,579号を参照されたい);メトトレキサート;ビンデシン;ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセル等のタキサン;トリコテセン;ならびにCC1065が挙げられるがこれらに限定されない。
【0314】
別の実施形態において、免疫複合体は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンシンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、及びトリコテセンが含むがこれらに限定されない酵素活性毒素またはその断片に複合された、本明細書に記載される抗体を含む。
【0315】
別の実施形態において、免疫複合体は、放射性原子に複合されて放射性複合体を形成する、本明細書に記載される抗体を含む。多様な放射性同位体が、放射性複合体の産生のために利用可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位体が挙げられる。放射性複合体が検出のために使用されるとき、それは、シンチグラフィー研究のための放射性原子、例えばtc99mもしくはI123、または核磁気共鳴(NMR)画像法(磁気共鳴画像法、mriとしても知られる)のためのスピン標識、例えば、再びヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン、もしくは鉄を含んでもよい。
【0316】
H.検出方法及び組成物
一部の態様において、血液脳関門上のCD98hcの検出方法が提供される。故に、一部の態様において、抗CD98hc抗体は、抗体が、治療剤を、CD98hcを標的とする際に検出剤として有用であるように、十分な親和性を持つCD98hcに結合する。ある特定の実施形態において、抗CD98hc抗体は、生体試料中のCD98hcの存在の検出に有用である。ある特定の態様において、本明細書に提供される抗Bsg抗体のいずれも、生体試料中のBsgの存在の検出に有用である。ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗Glut1抗体のいずれも、生体試料中のGlut1の存在の検出に有用である。本明細書に使用される「検出する」という用語は、定量的検出または定性的検出を包含する。ある特定の実施形態において、生体試料は、脳細胞等の細胞または組織、例えば、脳毛細血管内皮細胞を含む。
【0317】
一実施形態において、検出方法における使用のための抗CD98hc抗体が提供される。さらなる態様において、生体試料中のCD98hcの存在の検出方法が提供される。ある特定の実施形態において、この方法は、生体試料と本明細書に記載される抗CD98hc抗体とを、抗CD98hc抗体のCD98hcへの結合を許容する条件下で接触させること、及び抗CD98hc抗体とCD98hcとの間に複合体が形成されたかどうかを検出することを含む。
【0318】
一実施形態において、検出方法における使用のための抗Bsg抗体が提供される。さらなる態様において、生体試料中のBsgの存在の検出方法が提供される。ある特定の実施形態において、この方法は、生体試料と本明細書に記載される抗Bsg抗体とを、抗Bsg抗体のBsgへの結合を許容する条件下で接触させること、及び抗Bsg抗体とBsgとの間に複合体が形成されたかどうかを検出することを含む。かかる方法は、インビトロ法またはインビボ法であり得る。
【0319】
一実施形態において、検出方法における使用のための抗Glut1抗体が提供される。さらなる態様において、生体試料中のGlut1の存在の検出方法が提供される。ある特定の実施形態において、この方法は、生体試料と本明細書に記載される抗Glut1抗体とを、抗Glut1抗体のGlut1への結合を許容する条件下で接触させること、及び抗Glut1抗体とGlut1との間に複合体が形成されたかどうかを検出することを含む。かかる方法は、インビトロ法またはインビボ法であり得る。
【0320】
一実施形態において、インタクトな抗体は、エフェクター機能を欠いている。別の実施形態において、インタクトな抗体は、低下したエフェクター機能を有する。別の実施形態において、インタクトな抗体は、低下したエフェクター機能を有するように操作される。一態様において、抗体は、Fabである。別の態様において、抗体は、エフェクター機能を低下または排除する1つ以上のFc突然変異を有する。別の態様において、抗体は、例えば、正常なヒトグリコシル化酵素を欠いている系における抗体の産生に起因する、修飾されたグリコシル化を有する。別の態様において、Ig骨格は、制限されたエフェクター機能を天然に保有するか、またはエフェクター機能を保有しないものに修飾される。
【0321】
抗体のCD98hc、Bsg、及び/またはGlut1への結合を決定するために、様々な技法が利用可能である。かかるアッセイの1つは、ヒトCD98hc、Bsg、及び/またはGlut1に結合する能力を確認するための酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)である。このアッセイに従い、抗原(例えば、組み換えCD98hc、Bsg、またはGlut1)でコーティングされたプレートを、抗体を含む試料でインキュベートし、抗体の、目的の抗原への結合が決定される。
【0322】
全身投与された抗体の取り込み、及び抗体の他の生物活性を評価するためのアッセイは、実施例に開示されるように、目的の抗CNS抗原抗体に関して知られているように行うことができる。
【0323】
一態様において、生物活性を有する抗CD98hc/BACE1多重特異性抗体を特定するためのアッセイが提供される。別の態様において、生物活性を有する抗Bsg/BACE1多重特異性抗体を特定するためのアッセイが提供される。別の態様において、生物活性を有する抗Glut1/BACE1多重特異性抗体を特定するためのアッセイが提供される。生物活性には、例えば、BACE1アスパルチルプロテアーゼ活性の阻害が含まれ得る。例えば、同種時間分解蛍光法HTRFアッセイもしくは合成基質ペプチドを使用する微少流体キャピラリ電気泳動(MCE)アッセイによって、またはAPP等のBACE1基質を発現する細胞株内でインビボで評価した場合に、インビボ及び/またはインビトロでかかる生物活性を有する抗体も提供される。
【0324】
別の態様において、本明細書に開示される抗体(例えば、抗CD98hc、Bsg、またはGlut1抗体)の脳取り込みを測定するためのアッセイが提供される。かかるアッセイは、以下の実施例に記載される。
【0325】
ある特定の実施形態において、標識された抗CD98hc抗体は、本明細書に開示される方法で使用され得る。ある特定の実施形態において、標識された抗Bsg抗体が提供される。ある特定の実施形態において、標識された抗Glut1抗体が提供される。標識には、直接検出される標識または部分(蛍光標識、発色団標識、高電子密度標識、化学発光標識、及び放射性標識等)、ならびに例えば、酵素反応または分子相互作用を通じて間接的に検出される酵素またはリガンド等の部分が含まれるが、これらに限定されない。例示的な標識には、放射性同位体32P、14C、125I、H、及び131I、希土類キレートまたはフルオレセイン及びその誘導体等のフルオロフォア、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルセリフェラーゼ(luceriferases)、例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖質オキシダーゼ、例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース−6−リン酸塩デヒドロゲナーゼ、過酸化水素を用いて色素前駆体を酸化させる酵素、例えばHRP、ラクトペルオキシダーゼ、またはマイクロペルオキシダーゼとカップリングされた、ウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ等の複素環式オキシダーゼ、ビオチン/アビジン、スピン標識、バクテリオファージ標識、安定した遊離ラジカル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0326】
I.薬学的製剤
さらなる態様において、本発明は、例えば、本明細書に記載の治療方法のうちのいずれかにおいて使用するための、本明細書に提供される抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体のうちのいずれかを含む、薬学的製剤を提供する。一実施形態において、薬学的製剤は、本明細書に提供される抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体のうちのいずれかと、薬学的に許容される担体(例えば、本明細書に開示される治療方法において使用するための)とを含む。別の実施形態において、薬学的製剤は、抗CD98hc抗体と、例えば、以下に記載される少なくとも1つの追加の治療剤とを含む。別の実施形態において、薬学的製剤は、本明細書に提供される抗Bsgまたは抗Glut1抗体と、例えば、以下に記載される少なくとも1つの追加の治療剤とを含む。
【0327】
本明細書に記載される抗CD98hc、抗Glut1、または抗Bsg抗体(例えば、多重特異性抗体または抗体複合体)の薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するかかる抗体と、1つ以上の任意の薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(Remington′s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))とを混合することによって、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製される。薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤は、一般に、用いられる投薬量及び濃度で、レシピエントに対して非傷害性であり、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等の緩衝液、アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤、防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム等、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベン等のアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、及びm−クレゾール等)、低分子量(約10残基未満)のポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免役グロブリン等のタンパク質、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジン等のアミノ酸、単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物、EDTA等のキレート薬剤、ショ糖、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトール等の糖類、ナトリウム等の塩形成対イオン、金属複合体(例えば、Zn−タンパク質複合体)、ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体には、介在性(insterstitial)薬物分散剤、例えば可溶性の中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えばヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質、例えばrHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)がさらに含まれる。rHuPH20を含むある特定の例示的なsHASEGP及び使用方法は、米国特許公開第2005/0260186号及び同第2006/0104968号に記載されている。一態様において、sHASEGPは、1つ以上の追加のグリコサミノグリカナーゼ、例えばコンドロイチナーゼと組み合わされる。
【0328】
例示的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6,267,958号に記載されている。水性抗体製剤には、米国特許第6,171,586号及びWO2006/044908に記載されるものが含まれ、後者の製剤はヒスチジン−酢酸緩衝液が含まれる。
【0329】
本明細書における製剤はまた、必要に応じて、治療されている特定の適応症に対する1つを超える活性成分、好ましくは相互に悪影響を及ぼさない相補的活性を有する成分を含有してもよい。例えば、ニューロパシー障害、神経変性疾患、癌、眼疾患障害、発作障害、リソソーム蓄積症、アミロイドーシス、ウイルスもしくは微生物病、虚血、行動障害、またはCNS炎症を治療するための1つ以上の活性成分をさらに提供することが望ましい場合がある。例示的なかかる医薬品は、本明細書において以下に考察される。かかる活性成分は、意図される目的に有効な量で組み合わせて存在することが好適である。
【0330】
活性成分は、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合によって調製される、マイクロカプセル、例えば、それぞれ、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、及びナノカプセル)中またはマクロエマルション中のヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセル及びポリ−(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセル中に封入されてもよい。かかる技法は、例えば、Remington′s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示される。1つ以上の活性成分は、本明細書に記載される抗体にカップリングされたリポソームに被包され得る(例えば、米国特許出願公開第20020025313号を参照されたい)。
【0331】
徐放性調製物が調製されてもよい。徐放性調製物の好適な例には、抗体を含有する固体の疎水性ポリマーの半透性マトリクスが含まれ、そのマトリクスは、成形品、例えばフイルムまたはマイクロカプセルの形態にある。徐放性マトリクスの非限定例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、例えばLUPRON DEPOT(商標)等の分解性の乳酸−グリコール酸コポリマー(乳酸−グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能なマイクロスフェア)、ならびにポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。
【0332】
インビボ投与のために使用されるべき製剤は、一般に滅菌されている。無菌状態は、例えば、無菌濾過膜を介する濾過によって、容易に達成され得る。
【0333】
J.製品
本発明の別の態様において、上述の障害の治療、予防、及び/または診断に有用な物質を含有する製品が提供される。製品には、容器と、容器の上または容器に関連するラベルまたは添付文書とが含まれる。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV溶液バッグ等が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチック等、様々な材料から形成されていてもよい。容器は、ある組成物を、それ自体、または状態を治療、予防、及び/もしくは診断するのに有効な別の組成物と組み合わせて保持し、また滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって穿刺可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性な薬剤は、本発明の抗体である。ラベルまたは添付文書は、選定された病態を治療するために組成物が使用されることを示す。さらに、本製品は、(a)組成物が中に含有された第1の容器(この組成物は本発明の抗体を含む)、及び(b)組成物が中に含有された第2の容器(この組成物はさらなる細胞傷害性剤または治療剤を含む)を含んでもよい。本発明のこの実施形態の製品は、組成物が特定の病態を治療するために使用され得ることを示す添付文書をさらに備えてもよい。代替的に、または追加的に、製品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸干渉食塩水、リンガー溶液、及びデキストロース溶液等の薬学的に許容される緩衝液を備える第2(または第3)の容器をさらに備えてもよい。製品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、及びシリンジを含む、商業的立場及びユーザの立場から望ましい他の物質をさらに含んでもよい。
【0334】
上述の製品のいずれも、抗CD98hc、抗Bsg、または抗Glut1抗体の代わりに、またはそれに加えて、本発明の免疫複合体を含み得ることが理解される。
【0335】
III.実施例
以下は、本発明の方法及び組成物の実施例である。上記に提供される一般的説明を考慮すると、種々の他の実施形態が実施され得ることが理解される。
【0336】
A.材料及び方法
以下の実施例において使用される材料及び方法は、以下に記載される。
【0337】
1.抗体生成
Lrp1細胞外ドメイン(ECD)は、E.coli内でHis標識組み換えタンパク質として発現された。Hisタグ付きCD320 ECD及びCD98hc ECDは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で発現され、マウスベイシジン(mBsg)のECDは、CHO細胞内でマウスFc標識タンパク質として発現された。次いで、全てのこれらの組み換えタンパク質を、ニッケルまたはタンパク質Aカラム上で精製した。組み換えLrp8及びInsRは、R&D systems(商標)から購入した((それぞれ、カタログ番号3520−AR−050及び番号1544−IR−050)。また組み換えLdlrad3は、Novus Biologicals LLC(Littleton,CO)から購入した(カタログ番号H00143458−P01)。抗Lrp1、抗InsR、抗Lrp8、及び抗Ldlrad3抗体は、ナイーブファージライブラリ分類法(下記)を通じて生成した。抗CD320、抗Bsg、及び抗CD98hc抗体を、対応するタンパク質のマウス細胞外ドメインを使用して生成し、標準プロトコルを使用してマウス、ラット、またはハムスターに免疫付与した。抗Glut1抗体は、全長Glutに対するプラスミドコーディングを使用し、マウスのDNA免疫付与によって生成した。精製されたハイブリドーマを、ELISAによって抗原結合について、及びフローサイトメトリーによってHEK細胞上で一時的に発現された抗原の認識についてスクリーニングした。全ての抗体を、全研究に対してヒトFcを含有するキメラとして再フォーマットした。親和性を図9に列挙する。抗Bsg抗体A〜Eを実施例に記載する。
【0338】
2.ナイーブファージライブラリ分類
10μg/mLの組み換え抗原を、NUNC96ウェルMaxisorp免疫プレート上で終夜コーティングし、PBST[PBS及び1%ウシ血清アルブミン(BSA)及び0.05% Tween 20]で事前遮断した。PBSTで事前遮断された天然合成多様性ファージ抗体ライブラリ(C.V.Lee,et al.J.Mol.Biol.340,1073−1093(2004)、及びW.C.Liang,et al.J.Mol.Biol.366,815−829(2007)を参照されたい)を、後次にプレートに付加し、室温で終夜インキュベートした。プレートをPBSTで洗浄し、結合されたファージを、50mM HCl及び500mM NaClで30分間溶出し、1Mのトリス塩基で中和した。回収されたファージ粒子を、E.coli XL−1 Blue細胞(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)内で増殖させた。後次のセレクションラウンド中に、インキュベーション時間を2〜3時間に低下し、洗浄の厳重度を徐々に増加させた。抗原に特異的に結合する固有のファージ抗体を選定し、個々のクローンのVL及びVH領域を、それぞれLPG3及びLPG4ベクターにクローニングすることによって全長IgGに再フォーマットして、哺乳動物CHO細胞内で一時的に発現させた。
【0339】
3.RMT標的に対する抗体の開発
Balb/cマウス(Charles River Laboratories International,Inc.,Wilmington,MA)、ルイスラット(Charles River,Hollister,CA)、またはアルメニアンハムスター(Cytogen Research and Development,Inc.,West Roxbury,MA)に対して、精製された抗原細胞外ドメイン、またはGlut1の場合は、ヒト抗原をコードするDNAにより、足蹠または腹腔内を介して、3〜4日間隔で、Ribiアジュバント(Sigma)または全長抗原をコードするプラスミドDNA中、リンガー液中に希釈されたGM−CSFの存在下において、流体力学的微静脈送達(HTV)、週1回注入を介して免疫付与した。6〜12回の注入に続いて、一時的に形質移入された293個の細胞に結合する直接ELISA及びFACSによって免疫血清滴定を評価した。FACS結合を示す動物から得た脾臓細胞及び/またはリンパ球を、マウスミエローマ細胞(X63.Ag8.653;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC(登録商標)),Manassas,VA,USA)と、電気融合(Hybrimmune(商標);Harvard Apparatus,Inc.,Holliston,MA)によって融合した。10〜14日後に、ハイブリドーマ上清を採取し、直接ELISAまたはFACSによってIgG分泌についてスクリーニングした。FACS結合を示す最終ハイブリドーマクローンを、ヒトIgG1またはエフェクターのないカッパ骨格に再フォーマットした。再フォーマットした抗体を発現させ、MabSelect SuRe(商標)(GE Healthcare,Piscataway,NJ)を使用する親和性クロマトグラフィーによって上清を精製し、50mMリン酸(pH3.0)+20倍PBS(pH11)中に溶出して4℃で保管する。
【0340】
4.フローサイトメトリー解析
精製された抗体を、対応する抗原で形質移入された293個の細胞上でスクリーニングした。細胞をフラスコ/皿から収集し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、96ウェルU底プレート(BD Falcon 353077,BD,Franklin Lakes,NJ)に、1ウェル当たり1,000,000個の細胞を付加した。試料を細胞に付加し(100μL/ウェル)4℃で30〜60分間インキュベートした。次いで、プレートを遠心分離し(1200rpm、5分、4℃)、PBS/1% FBS(200μL/ウェル)で2回洗浄した。R−フィコエリトリン複合Ziege抗ヒトIgG Fc(Jackson ImmunoReseach Laboratories Inc.(West Grove,PA);109−116−098;PBS中に希釈した100μL)を、次いで付加し、プレートを4℃で(コーティングして)30分間インキュベートした。最終洗浄後、1%ホルマリンを含有するPBS中で細胞を固定し、FACSCalibur(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences,San Jose,CA)を使用して読み取った。次いで、各試料の平均蛍光強度(MFI)を、FlowJoソフトウェア(Treestar,Inc.,Ashland,OR)を使用して測定した。
【0341】
5.競合酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
Nunc 96ウェルMaxisorp免疫プレートを、抗原(2μg/mL)で終夜4℃でコーティングし、遮断緩衝液PBSTにより室温で1時間遮断した。二価または二重特異性抗体の連続希釈を、後次に、亜飽和濃度のビオチニル化二重特異性抗体と共に、室温で1時間にわたってプレートに付加した。プレートを洗浄緩衝液(0.05% Tween 20を含むPBS)で洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)複合ストレプトアビジンで30分間インキュベートして、テトラメチルベンジジン(TMB)基質で現像した。吸光度を、650nmで分光光度的に測定した。
【0342】
6.放射標識微量投薬
放射ヨウ素標識研究において使用される全ての抗体を、前述の通り(Chizzonite et al.,J Immunol,1991;147(5):1548−56)、間接的ヨードゲン付加法を使用して、ヨウ素−125(125I)で放射ヨウ素標識した。放射標識したタンパク質を、PBS中で前平衡されたNAP5(商標)カラムを使用して精製した。それらは、サイズ排除HPLCによってインタクトであることが示された。
【0343】
7.C57BL/6雌マウスにおけるインビボ体内分布
全てのインビボプロトコル、ハウジング、及び麻酔は、国際実験動物ケア評価認証協会の規定に従い、施設内動物実験委員会によって承認された。約6〜8週齢の雌C57BL/6マウス(17〜22g)は、Charles River Laboratories(Hollister,CA)から入手した。それらに5μCiの放射ヨウ素標識抗体を、IVボーラスを介して投与した。投薬後1時間、4時間、24時間、及び48時間において、血液(血漿のために処理した)、脳、肝臓、肺、脾臓、骨髄、及び筋肉(腓腹筋)を収集し(n=3/抗体)、ガンマ計数器(2480 Wizard(登録商標)Automatic Gamma Counter,PerkinElmer,Waltham,MA)上で総放射活性について解析されるまで冷凍保存した。各試料中の放射活性レベルを計算し、試料1グラムまたは1ミリリットル当たりの注入用量のパーセンテージとして表した(%ID/gまたは%ID/mL)。%ID/g−時間データを、GraphPad Prism(登録商標)(バージョン6.05)を使用してプロットし、濃度時間曲線下面積(AUC)を決定した。AUC推定値の標準偏差(SD)を、Bailerによって記載される方法を使用して計算した(Bailer,Journal of Pharmacokinetics and Biopharmaceutics,1988;16(3):303−309)。
【0344】
8.免疫組織化学
野生型マウスに、5mg/kgの抗体を静脈内注射し、続いて投与後1時間、PBS灌流させた。脳を、4%パラホルムアルデヒド(PHA)中に終夜4℃で、続いて30%スクロース中に終夜4℃で下垂固定した。脳組織試料を、滑走式ミクロトーム上で35μm厚に切片化し、5% BSA、0.3% Triton中で1〜3時間遮断し、1% BSA、0.3% Triton中の1:200 Alexa Fluor(登録商標)488抗ヒト二次抗体(Life Technologies,Grand Island,NY)で2時間、室温でインキュベートした。載置したスライドを、Leica蛍光顕微鏡(Leica Microsystems Inc.,Buffalo Grove,IL)によって後次に解析した。
【0345】
9.脳及び血漿中の抗体濃度及びマウスAβx−40の測定
動物の管理は、Genentech IACUCガイドラインに従った。治療投薬研究において使用された全てのマウスは、6〜8週齢の雌C57BL/6野生型マウスであった。マウスに、抗体を静脈内注入し、注入後の指示された時間に取り除いた。PBSでの灌流前に、全血をplasma microtainerチューブ(BD Diagnostics,Franklin Lakes,NJ)に収集し、14000rpmで2分間遠心沈殿させた。該当する場合、抗体及びマウスAβx−40測定のために血漿上清を単離した。脳を抽出し、組織を、cOmplete Mini EDTA不含プロテアーゼ阻害剤カクテルタブレット(Roche Diagnostics,Indianapolis,IN)を含有するPBS中の1% NP−40(Cal−Biochem,Billerica,MA)中で均質化した。均質化した脳試料を、4℃で1時間スピンした後、14000rpmで20分間スピンした。上清を、脳抗体測定のために単離した。PK/PD研究の場合、Aβx−40測定のために1つの半脳を単離し、5Mグアニジン塩酸緩衝液中で均質化した。試料を3時間室温で回転させた後、新たに付加されたアプロチニン(20μg/mL)及びロイペプチン(10μg/mL)を含有するPBS中の0.25%カゼイン、5mM EDTA(pH8.0)中で希釈した(1:10)。希釈したホモジネートを14000rpmで20分間スピンし、マウスAβx−40測定のために上清を単離した。
【0346】
10.PKアッセイ
マウス血清及び脳試料中の抗体濃度を、ELISAを使用して測定した。NUNC 384ウェルMaxisorp(商標)免疫プレート(Thomas Scientific,Swedesboro,NJ)を、ロバ抗ヒトIgGのF(ab′)断片、Fc断片特異性ポリクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)でコーティングした。プレートを遮断した後、各抗体を標準として使用し、それぞれの抗体濃度を定量化した。標準及び試料を、プレート上で2時間、室温で軽度の撹拌によりインキュベートした。結合された抗体を、HRP複合F(ab′)ヤギ抗ヒトIgG、Fc特異性ポリクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc)で検出した。4パラメータ非線形回帰プログラムを使用して、標準曲線から濃度を決定した。このアッセイは、血清中で3.12ng/mL及び脳内で1.56ng/mLの定量下限(LLOQ)値を有していた。抗CD98hc脳試料の場合、マウス血清及び脳試料中の抗体濃度は、GYROSプラットフォーム(Gyros Ab,Sweden)上でELISAを使用して測定した。Gyrosビーズを、ロバ抗ヒトIgGのビオチン複合F(ab′)断片、Fc断片特異性ポリクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc)で最初にコーティングした。各抗体を標準として使用し、それぞれの抗体濃度を定量化した。標準及び試料を、製造業者が提案したプロトコルに従い、ビーズ上で室温でインキュベートした。結合された抗体を、Alexa 647複合F(ab′)ヤギ抗ヒトIgG、Fc特異性ポリクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch)で検出した。4パラメータ非線形回帰プログラムを使用して、標準曲線から濃度を決定した。このアッセイは、血清中で5ng/mL及び脳内で5ng/mLの定量下限(LLOQ)値を有していた。
【0347】
11.PDアッセイ
マウスニューロン培養上清、血漿、及び脳試料中のAβx−40濃度を、上記のPK解析方法と同様のELISAを使用して測定した。簡潔に述べると、Aβ40のC末端に特異的なウサギポリクローナル抗体(Millipore,Bedford,MA)を、プレートの上にコーティングし、ビオチニル化抗マウスAβモノクローナル抗体M3.2(Covance(登録商標)、Dedham,MA)を検出に使用した。アッセイは、血漿中で1.96pg/mL、脳中で39.1pg/gのLLOQ値を有していた。
【0348】
12.一次マウス脳内皮細胞の単離
脳内皮細胞(BEC、CD31+/CD45−)を、FACSによって40匹の成体雌C57Bl6マウス(6〜8週齢)から単離した。負に分類された集団(CD31−/CD45−)を、比較のために平行して収集した。総じて、およそ5×10個の細胞を分類して、約92%の純度を持つBEC集団を獲得した。単離されたBEC及び負に選択された対照細胞を、プロテアーゼ阻害剤の存在下においてRIPA緩衝液に溶解し、4〜12% Bis−Trisゲル上でSDS−PAGEにより分離した。BEC溶解物の10%を銀染色したゲルに、10%をトランスフェリン受容体(TfR)に対するウェスタンブロットに使用し、残りを単一レーンに負荷して、SimplyBlue(商標)SafeStain Coomassie(登録商標)(Life Technologies)で染色した。BEC溶解物に隣接した平行レーンにおいて、負に選択された集団からの約5000CD31+/CD45−及び約40000CD31−/CD45−細胞に由来する溶解物を、銀染色、抗TfRウェスタンブロット、及びクマシー(登録商標)染色それぞれのために流した。
【0349】
13.質量分析
質量分析解析の場合、BEC溶解物(CD31+/CD45−)及び負の対照(CD31−/CD45−)溶解物に対応するCoomassie(登録商標)染色したゲルレーンを、各々上から下へと15切片に切断した。各ゲルレーンを、本質的に、Zhang,et al.,2014,Sci Trans Med 34(36):11929−11947、及びPhu et al.,2011,Mol Cell Proteomics,10(5):M110に記載されるように、標準方法を使用してゲル内トリプシン消化に供した。ゲルスライスを、1mm立方体に刻み、10倍ゲル量の50mM重炭酸アンモニウム、50%アセトニトリル(pH8.0)、次いで10倍ゲル量の100% ACNによる各々15分間の連続洗浄によって脱染した。ゲル内還元及びアルキル化を、それぞれ25mMのジチオトレイトール/100mMの重炭酸アンモニウム(30分、50℃)、及び50mMのヨードアセトアミド/100mM重炭酸アンモニウム(20分、暗所で室温)により行った。後次にゲル断片を洗浄し、追加の10倍ゲル量の100%アセトニトリルで脱水した。トリプシン溶液を、5%アセトニトリルを含む50mMの重炭酸アンモニウム(pH8.0)中、10ng/μLトリプシンの濃度で調製し、氷上のゲル断片に付加した。ゲル断片をトリプシン溶液に1時間氷上で浸し、ゲル内消化を終夜37℃で行った。消化されたペプチドを収集し、ゲル断片を追加の時間に50%アセトニトリル/5%ギ酸で抽出した。試料をSpeedVac(商標)内で完了まで乾燥させた後、解析のために3%アセトニトリル/5%ギ酸中に再懸濁した。
【0350】
ペプチドを、1.5μL/分の流量で10分間、nanoACQUITY UPLCカラム(Waters)を使用して、1.7μMのBEH−130樹脂(Waters,Milford MA)で充填された0.1mm×100cmのC18カラムの上に注入した。2段階線形勾配を使用して、ペプチドを分離し、溶媒B(98%アセトニトリル/2%水/0.1%ギ酸)は、20分間にわたって5%から25%に、次いで2分間にわたって25%から50%に上昇した。緩衝液Aは、98%水/2%アセトニトリル/0.1%ギ酸で構成された。ペプチドを、ADVANCEキャプティブスプレーイオン化ソース(Microm−Bruker,Auburn,CA)を使用し、Orbitrap VelosハイブリッドイオントラップOrbitrap質量分析計(ThermoFisher Scientific,San Jose,CA)に導入した。Orbitrap full−MS(MS1)スペクトルを、60,000解像度で収集し、それを使用して、上位8つの最も強度の高いイオン上の線形イオントラップ内でデータ依存性MS2操作を誘起した。UniProtからのマウスタンパク質の連結標的−デコイデータベースに対してMascotを使用して、MS2スペクトルを検索した。ペプチドスペクトルマッチを、線形判別解析を使用して5%ペプチド偽発見率(pepFDR)まで、後次に2%タンパク質偽発見率(最終pepFDR<0.5%)まで連続的に濾過した。AUC(曲線下面積)は、前述の通り、上位3つの最も豊富なペプチドヒットの統合強度について、2つの技術的複製の平均を表す(Ahrne et al.,2013;Proteomics.17,2567−2578)。
【0351】
14.インビボでの2光子顕微鏡
2〜4ヶ月齢の混合性別の野生型マウスに、前述の通り、右半球上に頭蓋窓を埋め込み(Holtmaat et al.,2009;Nat Protoc.2009;4(8):1128−44)、術後2週間以降に撮像した。撮像中、セボフルラン(0.7L/分で2.5〜3%)でマウスに麻酔をかけた。100μLのAngioSense(登録商標)IVM 680(Perkin Elmer,Waltham,MA)を、尾静脈カテーテルを介して注入して血管を可視化し、前抗体画像を2光子顕微鏡によって獲得した。50mg/kgのAlexa Fluor(登録商標)594標識CD98hc/BACE1抗体を、尾静脈カテーテルを介して注入し、画像を即時(時間0)、ならびに6時間、24時間、及び48時間後に獲得した。2光子レーザー走査顕微鏡システム(Ultima In Vivo Multiphoton Microscopy System,Prairie Technologies)は、約15mWを、60×NA1.1水浸型対物レンズの後焦点面に送達する、860nmに調整されたTi:サファイヤレーザー(MaiTai(登録商標)DeepSee(商標)Spectra Physics)を使用する。レーザーパワーは、各動物の撮像日にわたって一定に保持した。1μm zステップサイズの、35〜65μm体積の512×512画素解像度スタックを、各領域について収集した。
【0352】
15.バキュロウイルス(BV)ELISA
詳述される方法は、以前に記載されている(I.Hotzel,et al.mAbs,4:6,753−760(2012)を参照されたい)。簡潔に述べると、精製されたBV粒子を、384ウェルELISAプレート(Nunc Maxisorp(商標))において、終夜4℃で固定化した。ウェルを、遮断緩衝液(0.5% BSAを含有するPBS)で1時間、室温で遮断した。プレートをPBSで洗浄した後、精製された抗体を、遮断緩衝液中で連続希釈し、25μL分量を2回ELISAウェルに付加して、室温で1時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.)に複合された10ng/mLヤギ抗ヒトIgG、(Fcγ断片特異的)を各ウェルに付加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、洗浄した後、TMB基質を各ウェルに付加した。15分後、1Mリン酸を各ウェルに付加することによって反応を停止した。吸光度を、450nmで測定し、基準を620nmとした。各々が非コーティングウェルについて観察された平均シグナルで割ることによって正規化されている、6つの光学密度決定の平均からBVスコアを算出した。
【0353】
16.免疫細胞化学
マウスCD98hcを安定して過剰発現するIMCD3細胞を、384ウェル光学プレート(Perkin Elmer(登録商標))に置き、合流後1〜2日間成長させた。抗CD98hc二重特異性抗体により、1μMで1時間、細胞を処置し、PBSで洗浄して、4% PFA/4%スクロース/PBSで5〜10分間室温(RT)で固定し、続いて氷冷により20分間100%メタノール固定した。細胞を、PBS中の1%ロバ血清、2% BSA、0.1% Triton−X100により、30分間室温(RT)で遮断した。使用した一次抗体は、マウス抗Lamp1(BD,1:200)及びヤギ抗CD98hc(Santa Cruz 1:200)であり、ブロックで希釈し、4℃で終夜インキュベートした。以下の二次抗体、ロバ抗ヒトIgG Alexa Fluor(登録商標)405、ロバ抗ヤギCy3、及びロバ抗ウサギAlexa Fluor(登録商標)647(Jackson Immunoresearch)を使用した。
【0354】
17.画像取得及び共局在解析
40倍NA1.1水レンズを共焦点モードで用いて、Opera Phenix(商標)ハイコンテンツシステム(Perkin Elmer(登録商標))上で画像を撮影した。レーザーライン375、488、550、及び640を使用した。1ウェル当たり4枚の画像、各画像に150〜200個の細胞を撮影した。1条件当たり5つのウェルを撮像し、故に1処置当たり3000個超の細胞を解析する。解析のために、画像をImageXpress(登録商標)5.1に転送した。解析される各個々のチャネルの場合、TopHat機能を使用して背景を取り除いた後、「適合閾値」機能を使用して、解析のために、元のチャネル画像の上に染色されたオブジェクトマスクを作成した。染色された細胞内斑点のみを定量化するために、CD98hc膜染色は、サイズに基づいて解析から排除した。CD98hc斑点の総数を、約150〜200個の細胞からなる画像全体から定量化した。Lamp1により共局在化した内在化CD98hc染色を特定するために、「マークされたオブジェクトを保持する」機能を使用して、2つの異なるチャネルから重なり合うオブジェクトを特定した。共局在化したCD98hc斑点の総数を、画像全体から定量化し、各ウェルの合計をプログラムによって報告して、Microsoft Excelにエクスポートした。共局在化したCD98hc斑点のパーセントを、Lamp1による共局在化CD98hc斑点の数を、CD98hc斑点の総数で割ったものとして算出した。5つのウェルからの平均を算出し、GraphPad Prism(GraphPad,La Jolla,CA)においてグラフ化した。
【0355】
18.アミノ酸取り込みアッセイ
CD98hcを安定して過剰発現するIMCD3細胞を、前日に384ウェルプレート(Perkin Elmer(登録商標)に置いた。翌朝、抗体を細胞に付加し、成長培地中1μMで24時間インキュベートした。1条件当たり4つのウェルを使用し、実験を3回繰り返した。24時間後、細胞をMet不含DMEMにより、37℃で30分間平衡させた。細胞によるアミノ酸取り込みを測定するために、アミノ酸メチオニン類似体、ホモプロパルギルグリシン(HPG,Life Technolgies C10186)を、50μM最終濃度で細胞に付加した。10mM BCH(Sigma)を陽性対照として使用し、HPGと同時に付加した。37℃で30分のインキュベーション後に、追加の成長培地をさらに30分間付加した。次いで、細胞をPBSで洗浄し、RIPA緩衝液中に、cOmplete(商標)プロテアーゼ阻害剤(Roche)と共に溶解した。全ての液体処理は、384チップヘッドを使用し、Agilent Bravo自動化システム(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)を用いて行った。細胞溶解物を384ウェルプレートに移し、4℃で終夜インキュベートした。輸送されたメチオニンは、HPG上のクリックタグを介するビオチニル化によって検出した。プレートを3回洗浄し、製造業者の指示(Life Technologies,Grand Island,NY,B10184)に従ってクリック反応を行った。ビオチニル化されたメチオニンの総量は、ELC検出を使用して検出した。結果をGraphPad Prism(登録商標)においてプロットした。
【0356】
19.ウェスタンブロット解析
マウス脳組織を、上記の通り、PBS灌流後に単離し、プロテアーゼ阻害剤と共に1% NP−40中で均質化した(脳及び血漿中の抗体濃度及びマウスAβx−40の測定を参照されたい)。およそ20μgのタンパク質を、4〜12% Bis−Tris Novexゲル(Life Technologies)の上に負荷した。ゲルを、iBlotシステム(Life Technologies)を使用してニトロセルロース膜の上に移し、Odyssey(登録商標)遮断緩衝液試薬及び二次抗体(LI−COR(登録商標)、Lincoln,NE)を使用して、ウェスタンブロッティングを行った。マウス相互反応ヤギ抗CD98hc(Santa Cruz Biotechnology Inc.(Dallas,TX)、M−20、1:200)を使用して、脳溶解物中のCD98hcを検出した。ウサギ抗βアクチン(abcam(登録商標)abcam8227、1:2000)は、負荷対照として役立った。ウェスタン膜を撮像し、製造業者により供給されたソフトウェア及びシステム(Odyssey(登録商標)/LI−COR(登録商標))を使用して定量化した。
【0357】
野生型IMCD3細胞を、48ウェルプレートに終夜置き、抗体で24時間インキュベートし、PBSで洗浄した後、cOmplete(登録商標)プロテアーゼ阻害剤(Roche)を補充されたRIPA緩衝液で溶解した。1条件当たり3つのウェルを使用し、実験を3回繰り返した。溶解物を、上記の通り、ヤギ抗CD98hc(Santa Cruz Biotechnology Inc.)及びアクチン(abcam(登録商標)を用い、ウェスタンブロットによってCD98hcについてプローブした。
【0358】
20.統計解析
全ての値は、別途指示されない限り、平均±SEMとして表され、p値を通常の一元配置ANOVAによって、Dunnett多重比較検定で評価した。脳TfRと抗体レベルとの間の相関解析は、GraphPad Prism(登録商標)バージョン6を使用して行った。
【0359】
B.Lrp1及びInsRの受容体媒介型経細胞輸送スクリーニングは著しい脳取り込みの欠失を明らかにした
この実施例は、BBBを越える抗体の受容体媒介型輸送(TfR、Lrp1、及びInsR)について、より広く研究された受容体の中で、TfRに対する抗体のみが著しい脳取り込みを示したことを実証する。
【0360】
BBBを越えるための潜在的なRMT標的に対する抗体を体系的にスクリーニングするために、全身インビボ投薬薬物動態研究の前に、マウス抗原結合のインビトロ確認を伴う、一般的なスクリーニングカスケードを設計した(図1A)。この方法を最初に使用して、2つの一般に研究されたRMT標的、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1(Lrp1)、及びインスリン受容体(InsR)に対する抗体が、BBBを越え、マウス脳内に著しく蓄積し得るかどうかを確認した。Lrp1及びInsRに対するモノクローナルヒト抗マウス抗体を、ナイーブ抗体ファージライブラリから生成した。マウスLrp1またはマウスInsRを発現するHEK293細胞を使用するフローサイトメトリー解析は、これらの抗体の、膜提示された標的への陽性結合を確認した(図1B)。
【0361】
全身投与された抗Lrp1及び抗InsRが、脳に輸送され得るかどうかを決定するために、微小用量及び治療用量を使用して、抗体の脳濃度を評価した。微小用量及び治療用量と、BBB−RTfRへの結合親和性との間の逆相関が以前に実証されているため、微小用量及び治療用量の両方を調査した。具体的に、TfRへの高親和性結合は、微小用量を介して頑強な取り込みを示したが、治療投薬を介して低下した取り込みを示した。低親和性TfR抗体については、逆が実証された。そのようにして、RMT標的に対する抗体が、微小用量または治療用量を介して作用しなければならず、そうでなければ、標的は、BBBを越える輸送体として恐らく生存可能ではない。
【0362】
TfRは、頑強なRMT標的であり、TfRに対する抗体は、全身投与後にBBBを越え、脳内に蓄積し得る。故に、高親和性抗TfR抗体(抗TfR)を、後次微量投薬及び治療投薬研究の脳取り込みの陽性対照として使用した(Yu et al.,Sci Transl Med.2011 May 25;3(84):84ra44、Couch et al.,Sci Transl Med.2013 May 1;5(183):183ra57,1−12、Yu et al.,Sci Transl Med.2014 Nov 5;6(261):261ra154を参照されたい)。単一放射標識微小用量のI125−対照IgG、I125−抗TfR、I125−抗Lrp1、またはI125−抗InsRを、野生型マウスに静脈内注入し、脳内の放射活性を、投薬後の様々な時点で測定した。脳組織1グラム当たりの注入用量のパーセントによって測定した場合に、脳取り込みの著しい増加が、I125−抗TfRについて観察されたが、I125−抗Lrp1及びI125−抗InsR両方の脳取り込みは、I125−対照IgGと同様であった(図1C)。
【0363】
次に、治療用量のこれらの抗体が、脳取り込みをもたらすことになるかどうかを求めた。野生型マウスに、20mg/kg(より高い治療関連用量)の、対照IgG、抗TfR、抗Lrp1、または抗InsRのいずれかを注入し、PBSでの灌流に続いて投与後1時間及び24時間に抗体の脳濃度を測定した。以前の観察と一貫して、抗TfRの場合に、対照IgGと比較して、投薬後1時間及び24時間の両方において、わずかであるが脳内の抗体取り込みが観察された(図1D)。対照的に、抗Lrp1の脳蓄積は観察されなかった。抗InsRは、わずかであるが、両方の時点において有意な脳取り込みの増加を呈した。
【0364】
5mg/kg投薬後1時間のマウス皮質組織の免疫組織化学染色は、抗TfRの顕著な血管局在化を明らかにしたが、抗Lrp1または抗InsRについては抗体局在化が観察されず、脳内皮細胞上でLrp1及びInsRを標的とする全身投与された抗体の局在化の欠失を示す(図1E)。これらの結果は、これらの広く研究された受容体のうち、TfRに対する抗体のみが、頑強な脳取り込みを呈したことを示した。
【0365】
C.BBBにおける遺伝子(mRNA)富化は、CNSへの抗体輸送に十分でない
この実施例は、BBBにおける遺伝子(mRNA)富化が、脳内皮細胞上で発現された形質膜受容体が、BBBを越える抗体輸送のための良好なRMT標的であるかどうかを決定するために十分な基準でないことを実証する。
【0366】
理想的に、RMT標的は、BBBにおいて高度に発現されるが、末梢臓器内での発現はより低くなる。この特性は、脳以外の臓器内の標的媒介性クリアランスを低下させることにより、安全性及び抗体薬物動態を改善し得る。以前に、野生型マウスからの肝臓及び肺内皮細胞と比較して、FACS精製された内皮細胞のマイクロアレイ発現プロファイリングを使用して、BBBにおいて富化された遺伝子が特定された(Tam et al.,2012,Devt.Cell 22:403−417)。単一パス膜貫通受容体をコードするいくつかの候補遺伝子、Lrp8、Ldlrad3、及びCD320が、BBBにおけるそれらの高富化に基づいて、潜在的なRMT標的として特定された(図2A)。興味深いことに、BBBにおけるより高いmRNA発現が、Tfrcに関して観察されたが、Lrp1もInsrも、肝臓及び肺内皮細胞と比較してより高いBBB発現を示さず、これらの一般に研究されたRMT標的が、BBBにおける富化を欠いていることを示唆する。
【0367】
BBBにおいて富化される遺伝子の産物を標的とする抗体が、著しい抗体取り込みをもたらすかどうかを決定するために、Lrp8、Ldlrad3、及びCD320に対するモノクローナル抗マウス抗体を生成した。マウス抗原を発現するHEK293細胞を使用するフローサイトメトリー解析は、3つの抗体全てについて陽性結合を確認した(図2B)。単一放射標識微小用量のI125−対照IgG、I125−抗TfR、I125−抗Lrp8、I125−抗Ldlrad3、またはI125−抗CD320を、野生型マウスに静脈内注入した。注入した抗体のうち、I125−抗TfRのみが、脳内の著しい取り込みを呈したが、I125−抗Lrp8、I125−抗Ldlrad3、及びI125−抗CD320は、I125−対照IgGと同様の脳レベルを示した(図2C)。野生型マウスに、治療関連用量の20mg/kgで静脈内投与された場合に、同様の結果が観察された(図2D及び2E)。5mg/kg投与の1時間後の皮質脳組織の免疫組織化学染色は、抗Lrp8及び抗CD320に対して、BBBにおける抗体局在化の欠失を明らかにするが、抗Ldlrad3は、中度の免疫活性を示した(図2F)。
【0368】
マイクロアレイ解析は、Lrp8、Ldlrad3、及びCD320 mRNA発現が、脳内皮細胞上で高度に富化されることを特定したが、これらの膜貫通受容体に対する抗体は、いかなる明らかな量もBBBを越えることができなかった。最近では、Zhangら(2014、上記)が、定量的mRNA発現データを提供する脳血管内皮細胞を含む、マウス脳内の別個の細胞集団の包括的なRNA配列トランスクリプトーム解析を用いてデータセットを入手可能にした(web.stanford.edu/group/barres_lab/brain_rnaseq.hmtlにおいてアクセス可能)。このデータセット内の失敗したRMT標的に関する出願人の審査は、脳内皮細胞上のLrp8、Ldlrad3、及びCD320の低い絶対mRNA発現を明らかにし(図2G)、Lrp1及びInsrは、この細胞集団内で非常に低いmRNA発現を示した。対照的に、Tfrcの転写レベルは、脳内細胞内の他の候補遺伝子よりも約12倍(Lrp8と比較して)〜約500倍(Lrp1と比較して)高かった(図2G)。この解析は、抗体脳取り込み実験の非存在下で、mRNA発現データ単独では、好適なRMT標的を特定するのに不十分であったことを示す。
【0369】
D.BBBにおける高度に発現した膜貫通タンパク質のプロテオーム特定
この実施例は、プロテオームアプローチを使用する、BBBにおいて高度に発現され、潜在的な新規RMT標的であり得る、形質膜タンパク質の特定を説明する。
【0370】
Ldlrad3及びCD320の相対転写レベルは、脳内皮細胞(BEC)内で選択的に富化されたが、不良な脳免疫組織化学染色によって示唆されるように、BBBにおけるそれらの絶対タンパク質発現レベルが、BBBを越えるいかなる潜在的抗体取り込みをも防ぐ制限因子であり得ると仮定した。絶対タンパク質レベルが、潜在的RMT受容体をより良く予測するかどうかを調べるために、プロテオームアプローチを用いて、脳内皮細胞内で高度に発現される膜貫通タンパク質を特定した。
【0371】
BBB脈管構造の遺伝子発現プロファイリングについて以前に記載された方法と同様に(Tam et al.2012、上記)、フローサイトメトリーを使用して、CD31陽性及びCD45陰性脳内皮細胞(BEC)を野生型マウスから単離した(図3A)。フローサイトメトリー精製BECの質量分析(MS)解析は、Pg−p、Glut1、ZO−1、及びEsam等の以前に特徴付けられた内皮細胞特異性タンパク質の特定によって検証された(図3B)。負に選択された非BEC溶解物(すなわち、CD31陰性/CD45陰性)からのペプチド計数は、豊富なグリア特異性タンパク質(Fasn、Aldoc、Glul、Plp1)を明らかにした。
【0372】
その頑強なRMT特性と一貫して、TfRは、BEC集団内で豊富に発現されることが見出された(図3C)。実際に、ペプチド計数は、TfRが、BEC集団内で最高の単一パス膜貫通タンパク質であることを明らかにした。mRNA発現と一貫して、Lrp1、InsR、Lrp8、Ldlrad3、及びCD320のタンパク質レベルは、検出以下であったが、Lrp1の一部のペプチド計数は、非BEC集団内で検出された(図3C)。
【0373】
したがって、これらの結果は、前述のRMT標的(Lrp1及びInsR)、ならびに肝臓/肺mRNAと比較して脳内皮細胞内に優先的遺伝子発現を有する標的(Lrp8、Ldlrad3、及びCD320)を標的とする抗体の著しい取り込みの欠失を実証する上記の結果と一貫した。
【0374】
重要なことに、このプロテオーム解析は、BBBを越えるRMTの抗体標的として以前に研究されていない、いくつかの非常に豊富な膜貫通タンパク質を明らかにした。これらには、グルコース輸送体Glul(図3B)、細胞外マトリクスメタロプロテイナーゼ誘導体ベイシジン(CD147)(図3C)、及び溶質担体CD98重鎖(図3C)が含まれる。これらのRMT標的はまた、マイクロアレイ発現及びRNA配列決定プロファイリングデータ(図3D)に基づいて、BBBにおいて富化され、故に、さらなる調査のための潜在的に新しいRMT候補標的として選定された。
【0375】
E.ベイシジンに対する抗体の脳取り込み
この実施例は、野生型マウスの脳への抗ベイシジン抗体取り込みの特徴付けについて説明する。
【0376】
ベイシジンに対するモノクローナル抗体は、マウスベイシジンタンパク質の細胞外ドメインによるマウス免疫付与を介して生成され、一連の抗体クローンが精製され、本明細書において抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、抗Bsg、及び抗Bsgとして特定された。抗Bsg及び抗Bsgの、標的への結合は、マウスベイシジンを一時的に発現するHEK293細胞を使用して、フローサイトメトリーによって確認された(図4A)。これらの抗体がインビボでベイシジンに結合するかどうかを決定するために、野生型マウスに、5mg/kgの抗Bsgまたは抗Bsgのいずれかを静脈内注入した。投薬後1時間のマウス皮質組織の免疫組織化学染色は、抗TfRにより以前に観察されたものと同様に、抗Bsg及び抗Bsg両方の顕著な血管局在化を明らかにした(図4B図1Eと比較)。また3つの追加のクローン、抗Bsg、抗Bsg、及び抗Bsgを試験したところ、抗Bsg及び抗Bsgと同様の結果をもたらした。
【0377】
次に、これらの抗体が、微量投薬及び治療投薬パラダイムの両方を試験することによって、脳に取り込まれ得るかどうかを調べた。単一放射標識微小用量のI125−対照IgG、I125−抗Bsg、またはI125−抗Bsgを、野生型マウスに全身投与した。I125−抗Bsgの著しい増加は、研究期間にわたって脳内で観察されたが、I125−抗Bsgの中度の増加が、I125−対照IgGと比較して存在した(図4C)。3つの追加のクローン、Bsg、Bsg、及びBsgも試験した。微量投薬による著しい脳取り込みは、追加のクローンに関して観察されなかった。
【0378】
次に、治療関連用量の20mg/kgを使用して、ベイシジン抗体が脳内で蓄積し得るかどうかを試験した。野生型マウスに、20mg/kgの対照IgG、抗TfR、抗Bsg、または抗Bsgを静脈内注入し、血漿及び脳内の抗体濃度を、投薬後1時間及び24時間に決定した。対照IgGと比較して、両方のBsg抗体の脳濃度は、両方の時点において著しく高かった(図4D)。抗Bsgの脳取り込みを、抗TfRのものと比較した。抗Bsgの脳濃度は、抗TfRと同様であったが、抗Bsgの濃度は、抗TfRの脳濃度と比較して、投薬後24時間で著しく高かった。
【0379】
BBBを越える、抗Bsgの脳実質への輸送をさらに調べるために、Bsg及びアミロイド前駆体タンパク質(APP)切断酵素ベータセクレターゼ(BACE1)の両方に結合する、二重特異性抗体Bsg/BACE1抗体を生成した(Atwal et al.,Sci Transl Med.2011 May 25;3(84):84ra43)。BACE1は、アルツハイマー病患者の脳内のプラークにおいて見出されるアミロイドベータ(Aβ)の主要寄与因子であると見なされる(Vassar et al.,Science.1999 Oct 22;286(5440):735−41)。抗TfR/BACE1による出願人の以前のアプローチと同様に、二重特異性抗Bsg/BACE1は、BBBを越えて脳実質に入る抗体の薬物動態的読み出しを可能にする(Yu et al.2011,上記、Atwal et al 2011,上記)。二価(単一特異性)抗Bsg及び二重特異性(一価抗Bsg)抗Bsg/BACE1抗体に対する親和性は、競合ELISAによって決定した。全ての抗体は、二重特異性(一価)フォーマットでのベイシジン結合親和性の減少を示した。図4Fを参照されたい。
【0380】
これらの二重特異性抗体の脳取り込みを評価するために、野生型マウスに、単一50mg/kg用量の対照IgG、抗BsgA/BACE1、または抗Bsg/BACE1を静脈内注入した。投薬後24時間において、対照IgGと比較して、抗Bsg/BACE1を注入したマウスの脳内の抗体濃度に著しい増加があった(図4G)。抗Bsg/BACE1の脳濃度のこの増加は、脳Aβレベルの約23%の低下と相関した(図4H)。対照的に、抗Bsg/BACE1で処置したマウスは、脳内の抗体濃度の増加を示さず、予想通り、Aβの低下は観察されなかった。抗Bsg/BACE1はまた、著しい取り込みを示したが、Bsg/BACE1及びBsg/BACE1の著しい取り込みは観察されなかった。
【0381】
抗Bsg/BACE1及び抗Bsg/BACE1は、同様の一価結合親和性を有するが、二価(単一特異性)Bsg抗体は、微量投薬及び治療投薬パラダイムの両方において、脳取り込みの程度が異なっていた(図4C及び4D)。これらの抗体は、競合データに基づいて別個のエピトープに結合し、これがBsg輸送及びBBBにおける輸送において役割を果たし得、観察された脳取り込みの差異を説明し得る。抗体のうちのいずれかが、標的依存性組織取り込みに寄与し得る細胞膜への非特異性結合を示すかどうかを決定するために、ELISAアッセイを使用して、バキュロウイルス(BV)粒子へのオフターゲット結合を決定した(Hotzel et al.,MAbs.2012 Nov−Dec;4(6):753−60)。抗Bsgは、抗Bsg、抗Bsg、及び抗Bsgと同様に、正常範囲内のBVスコアを有していたが、抗Bsgは、高BV粒子結合を呈した。さらに、抗Bsgと比較して、二価及び二重特異性抗Bsg両方のはるかに速いクリアランスが観察された(図4E及び4I)。
【0382】
F.Glut1に対する抗体の脳取り込み
この実施例は、一価及び二重特異性抗体としての、BBBにおける抗Glut抗体取り込みの特徴付けを説明する。
【0383】
マルチパス受容体は、RMTに対して一般に考慮されないが、BBBにおけるグルコース輸送体Glut1の高富化及びタンパク質発現の両方(図3B及び3Dを参照されたい)は、潜在的輸送標的としてこの形質膜タンパク質の評価に値する。Glut1に対するモノクローナル抗体は、hGlut1 cDNAによる免疫付与を介して生成された。陽性抗原結合は、マウスGlut1を一時的に発現するHEK293細胞を使用するフローサイトメトリーによって確認した(図5A)。
【0384】
この抗体がインビボでGlut1に結合するかどうかを決定するために、野生型マウスに、5mg/kgの抗Glut1を静脈内注入した。投薬後1時間のマウス皮質組織の免疫組織化学染色は、抗Glut1の血管局在化を明らかにした(図5B)。
【0385】
次に、抗Glut1が、微量投薬及び治療投薬パラダイムの両方において、脳に取り込まれ得るかどうかを調べた。単一放射標識微小用量のI125−対照IgGまたはI125−抗Glut1のいずれかを、野生型マウスに静脈内注入した。投薬後の全ての時点において、I125−対照IgGと比較して、脳内でI125−抗Glut1の著しい増加が観察された(図5C)。I125−抗Glut1の脳濃度は、微量投薬研究において経時的に安定して増加すると思われたため、治療投薬研究の時間経過を延長して、投薬後2日及び4日の時点を含めることとした。20mg/kgで投薬した場合、抗Glut1の脳濃度は、投薬後1日及び2日において抗TfRに相当したが、投薬後4日目に、はるかに高い脳濃度に到達した(図5D)。20mg/kg用量の抗Glut1を使用する同様の実験において、抗Glut1の脳濃度は、両方の時点において、対照IgGより約1.5〜3倍高く、抗TfRに相当した(図5K及び図5L)。
【0386】
微量投薬及び治療投薬パラダイムの両方において、抗TfRと比較して、脳内の抗Glut1取り込みの薬物動態の明らかな差異が観察された。抗TfRの濃度は、投薬後数時間(微小用量で、図1C及び図2Cを参照されたい)または約1日(治療用量で)でピークに達したが、抗Glut1の脳濃度は、経時的に増加した(図5C及び5D)。これは、少なくとも部分的に、抗TfRと比較して、末梢における抗Glut1のはるかに遅いクリアランス速度に寄与し得(図5E)、末梢組織と比較して、BBBにおけるGlut1の発現の富化と一貫する(図3C)。まとめると、これらのデータは、全身注入後に抗Glut1の著しい脳取り込みがあるだけでなく、望ましい薬物動態特性も有することを示唆する。
【0387】
抗Glut1が、BBBを越えて脳実質に輸送されるかどうかを決定するために、二重特異性抗Glut1/BACE1抗体を生成した。Glut1結合親和性は、フローサイトメトリーによって評価した場合に、一価/二重特異性抗Glut1/BACE1抗体において著しく低下した(図5F)。一価抗Glut1は、対照IgGのものと同様の末梢薬物動態を示したため(図5E)、二重特異性抗体を用いて、より包括的なPK/PD研究を行った。
【0388】
野生型マウスに、単一50mg/kg用量の対照IgGまたは抗Glut1/BACE1のいずれかを静脈内注入し、抗体の脳及び血漿濃度を、投薬後1日、2日、4日、及び7日目に決定した。抗Glut1/BACE1は、対照IgGと比較して相当する薬物動態を示し、二価抗体により観察されたものと同様であった(図5G)。抗Glut1/BACE1の脳取り込みの中度の増加は、投薬後の全ての時点で観察された(図5H)。
【0389】
脳内の抗体蓄積の限定された程度と一貫して、Abetaのわずかな低下が観察された(図5I)。抗BACE1アームの全機能は、血漿Abetaの著しい低下によって確認された(図5J)。まとめると、これらのデータは、二価抗Glut1が、BBBを越え、脳内で著しく蓄積するという証拠を提供する。
【0390】
G.CD98hcに対する抗体の脳取り込み
この実施例は、二価(単一特異性)抗体として、及び二重特異性抗体としての、BBBにおける抗CD98hc抗体取り込みの特徴付けを説明する。
【0391】
プロテオームデータセットからの最高単一パス膜貫通タンパク質ヒットのうちの1つは、溶質担体CD98hcであった。BBBにおけるCD98hcの高発現が、大分子輸送を可能にするかどうかを決定するために、2つのCD98hc抗体(抗CD98hc及び抗CD98hc)を生成した。
【0392】
マウスCD98hcを安定して発現するHEK293細胞を使用するフローサイトメトリー解析は、両方の抗体がマウスCD98hcに結合されることを確認した(図6A)。抗CD98hc及び抗CD98hc両方の5mg/kg静脈内注入は、マウスの脳組織内で顕著な血管染色をもたらした(図6B)。CD98hc抗体の結合親和性を図9に示す。
【0393】
次に、これらの抗体が、脳に取り込まれ得るかどうかを調べた。単一放射標識微小用量のI125−対照IgG、I125−抗TfR、I125−抗CD98hc、またはI125−抗CD98hcを、野生型マウスに静脈内注入した。対照IgG及びI125−抗TfR両方と比較して、I125−抗CD98hc及びI125−抗CD98hcの両方に関して、著しく高い脳レベルが観察された(図6C)。顕著に、微小用量のI125−抗CD98hcでの脳取り込みの程度は、ピーク濃度においてI125−抗TfRより約4〜5倍高かった。治療用量の20mg/kgで投与した場合、抗CD98hc及び抗CD98hcの両方に対して、投薬後24時間に著しい脳取り込みが観察され、抗TfRにより観察されたものに相当する(図6D)。
【0394】
抗体の血漿濃度は、投薬後24時間に、抗CD98hcの強化されたクリアランス、及び抗CD98hcの中度のクリアランスを示した(図6E)。標的依存性クリアランスは、バキュロウイルス粒子結合によって評価した場合に、より速いクリアランスに寄与すると思われなかったが、代わりに、末梢細胞上のCD98hcの発現に起因する可能性がある(Parmacek et al.,Nucleic Acids Res.1989 Mar 11;17(5):1915−31、Nakamura et al.,J Biol Chem.1999 Jan 29;274(5):3009−16を参照されたい)。
【0395】
3つのRMT候補(CD98hc、Glut1、及びBsg)のうち、CD98hc抗体の全身注入は、最高の脳濃度を明らかにした。抗CD98hc及び抗CD98hcの脳濃度は、投薬後24時間に、対照IgGの脳濃度よりそれぞれ約9倍及び11倍高かった(図6D及び6L)。さらに、24時間目に、抗CD98hcの脳濃度は、抗TfRAの脳濃度より著しく高かった。3つのRMT候補は全て、微量投薬及び治療投薬によって脳取り込みを示したが、これらのインビボ研究は、微量投薬及び治療投薬パラダイムの両方において達成された高い脳濃度に基づいて、CD98hcが、Bsg及びGlut1に対する最も頑強なRMT候補であることを明らかにする。
【0396】
投与された抗体が、明らかにBBBを越え、実質を貫通することをさらに確認するために、脳ホモジネートの微小血管枯渇がELISAによって評価された後、抗体の量を実質断片内で保持した。投与された抗体は、対照抗体と比較して、3つの標的全てに対して明らかに検出され、実質単離体に結合されたBBBを越える抗体の著しい通過があったことを示唆する(図8)。微量投薬及び治療投薬研究と一貫して、実質断片内の抗CD98hc抗体は、最大脳濃度を示した(図8)。抗Glut1の最小取り込みは、脳内皮細胞内のGlut1(Slc2a1)の特異的発現の結果であり得る。ミクログリア及び星状細胞内でも発現されるCD98hc(Slc3a2)とは異なり、微小血管を枯渇させるプロトコルは、抗原が発現されない実質断片内の残りの抗体の正確な定量化を可能にしない場合がある。それにもかかわらず、脳内の最も頑強な取り込みを示す複数の証拠の結果として、二重特異性抗体としてのさらなるインビボ検証のために、CD98hcに対する抗体を選択した。
【0397】
H.二重特異性抗CD98hc/BACE1抗体の生成
この実施例は、CD98hc及びBACE1に結合する二重特異性抗体の生成及び特徴付けを説明する。
【0398】
抗CD98hcが、BBBを越えて脳実質に輸送されるかどうかを決定するために、2つの二重特異性抗CD98hc/BACE1抗体を生成した。二重特異性抗体は、一方のアーム上でCD98hcに、もう一方でアミロイド前駆体タンパク質(APP)切断酵素βセクレターゼ(BACE1)に結合した。BACE1は、アルツハイマー病患者の脳内のプラークに見出される脳β−アミロイド(Aβ)の主要な生成因子であると見なされる酵素である。BACE1に対する抗体は、酵素活性を阻害し、それによりAβ産生を低下させるように設計されてきた(Atwal et al.,2011)。しかしながら、この抗体は、不良なBBB浸透を有し、故に、非常に高い濃度で投与されるか、二重特異性抗体として抗TfRと対合されるかのいずれかでない限り、脳Aβを低下させることにおいて効果的でない。抗CD98hc及び抗CD98hcの両方を、二重特異性抗体として再フォーマットして、脳Aβレベルの測定による、BBBを越える実質へのCD98hc媒介型輸送の結果として、脳内の抗体蓄積の直接薬物動態測定を可能にする。二価抗CD98hc及び二重特異性抗CD98hc/BACE1抗体に対する親和性は、競合ELISAによって決定した。抗CD98hc結合親和性の中度の喪失が、一価(すなわち、二重特異性)フォーマットで観察されたが、親和性のより著しい移行が、抗CD98hcに関して観察された(図6F)。抗CD98hcの親和性は、わずかに約2倍低下したが、抗CD98hcの親和性は、約100倍低下し、結合活性が、この特定の抗体の二価結合において重要な役割を果たすことを示す。放射標識微量投薬は、対照IgG及び抗TfRA/BACE1の両方と比較して、抗CD98hc/BACE1の投薬後1時間に、著しく高いピーク脳取り込みを明らかにした(図6K、P<0.0001)。抗CD98hc/BACE1が呈した親和性が低いほど、対照IgGと比較して脳取り込みを増加させたが、抗CD98hc/BACE1のそれより低く、恐らくは二重特異性抗体としてのCD98hcへの結合親和性の大幅な低下に起因する。抗CD98hc/BACE1脳取り込み及び薬物動態応答の程度及び期間を決定するために、対照IgGまたは抗CD98hc/BACE1のいずれかの単一50mg/kgの静脈内注入を、野生型マウスに投与した。標的媒介型クリアランスの結果として、より高い親和性の抗CD98hc/BACE1の薬物動態は、血漿中の低い親和性の抗CD98/BACE1と比較して速かった(図6G及び6O)。
【0399】
脳内で、投薬後1日、2日、及び4日目に、対照IgGと比較して、両方のCD98hc/BACE1の取り込みの著しい増加があった(図6H及び図6P)。投与後7日目に、より低い親和性の抗CD98hc/BACE1の脳濃度は、上昇したままであったが、より高い親和性の抗CD98hc/BACE1の濃度は、対照IgGに相当し、恐らく末梢における曝露の喪失に起因する。まとめると、より低い親和性の抗CD98hc/BACE1は、より高い親和性の抗CD98hc/BACE1と比較して、より良好な末梢及び脳曝露を経時的にもたらした(図6G及び6H)。興味深いことに、抗体親和性と脳曝露の期間との間のこの逆相関は、抗TfR/BACE1抗体についても以前に観察された(Couch et al.,2013,上記)。両方のCD98hc/BACE1二重特異性抗体は、投薬後1日に脳Aβレベルを著しく低下し、抗CD98hc/BACE1治療により、投薬後4日目も低下したままであった(図6I)。これは、脳実質へのこれらの抗体の良好な輸送を示していた(図6M及び6Nも参照されたい)。血漿Aβは、全ての時点で著しく低下したままであった(図6J)。まとめると、これらのデータは、CD98hcについて、BBBを越える抗体治療薬の脳取り込みのための新規のRMT標的として、頑強な証拠を提供する。
【0400】
インビボ2光子顕微鏡も行い、治療投薬されたマウスの実質及び皮質下脈管構造内の蛍光標識されたCD98hc/BACE1二重特異性変異形の輸送をリアルタイムで可視化した。対照IgG及び抗CD98hc/BACE1を投与したマウスと比較して、より高い親和性の変異形のより速い血漿薬物動態によって予測されるように、抗CD98hc/BACE1の血管クリアランスの明らかな差異が検出された。加えて、蛍光標識された抗CD98hc/BACE1を48時間までに投与されたマウスの実質において、より優れた拡散シグナル、及び抗CD98hc/BACE1ではより低い程度の拡散シグナルが観察され、BBBを通る抗体の横断の強化を示す。
【0401】
I.抗体治療は内在性CD98hcの発現及び機能を変化させない
この実施例は、CD98hcが、CD98hcの生物学を混乱させることなく、BBBを越えて抗体治療薬を送達することができる、新規の高容量RMT経路であることを実証する。
【0402】
一次マウス脳内皮細胞上の免疫細胞化学は、CD98hcの大部分が、形質膜に局在化し、カベオリン−1及びEEA1−陽性斑点を有するいくらかの共局在化を伴うことを明らかにした(図10)。再循環エンドソームのマーカーであるTfRと共局在化した斑点はほとんどなかった。TfRに対する抗体が、TfRのリソソーム分解を、親和性依存的に駆動し、インビトロ及びインビボの両方で減少したTfRレベルにつながることが以前に観察された。故に、内在性レベルのCD98hcを、対照抗体または抗CD98hc二重特異性変異形で処置されたIMCD3細胞(均一なCD98hc発現レベルを有する関門形成マウス腎臓上皮)内で調べた。増加濃度の抗CD98hc二重特異性抗体によるインキュベーションは、CD98hcの発現レベルまたは安定性を変えなかった(図7A及び7B)。さらに、抗体治療が、CD98hcの細胞下局在化の変化を誘導したかどうかも調べた。ウェスタンブロット結果と一貫して、CD98hcの大部分は、形質膜上に残り、CD98hcの、Lamp1陽性リソソームへの輸送の増加は観察されなかった(図7C及び7D)。さらに、いずれのCD98hc二重特異性親和性変異形も、1日目と7日目の間に50mg/kgの抗CD98hc/BACE1を投与したマウスからの脳溶解物における総脳CD98hc発現に影響を及ぼさなかった(図7E〜7I)。
【0403】
抗CD98hc抗体の存在下または非存在下におけるCD98hcアミノ酸輸送レベルも評価した。正の対照として、システム−L特異的基質BCH(2−アミノ−2−ノルボルナン−カルボン酸)による輸送の損害が観察された。抗CD98hc抗体治療による阻害は観察されなかった(図7J)。まとめると、これらのデータは、CD98hcが、CD98hcの生物学を混乱させることなく、BBBを越えて抗体治療薬を送達することができる、新規の高能力RMT経路であることを示す。血漿Aβは、全ての時点で著しく低下したままであった(図7J)。
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【0404】
以下の表は、本明細書において参照される配列を提供する。
【0405】
上述の発明は、明確な理解のための例示説明及び例としてある程度詳細に記載されているが、これらの説明及び例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書で引用される全ての特許及び科学文献の開示は、参照によりそれら全体が明示的に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図6M
図6N
図6O
図6P
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図8
図9
図10
【配列表】
2018502840000001.app
【国際調査報告】