(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-516513(P2019-516513A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(54)【発明の名称】作動機構
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20190530BHJP
【FI】
A61M5/315 550C
A61M5/315 550P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-561523(P2018-561523)
(86)(22)【出願日】2017年5月9日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】EP2017060966
(87)【国際公開番号】WO2017202595
(87)【国際公開日】20171130
(31)【優先権主張番号】1650741-0
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】318014474
【氏名又は名称】エス・ハー・エル・メディカル・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SHL MEDICAL AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュバショバ,ナタリア
(72)【発明者】
【氏名】ホルムクビスト,アンデシュ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE14
4C066HH13
4C066HH22
4C066QQ32
(57)【要約】
本発明は薬剤送達装置とともに使用される作動機構(40)に関し、当該作動機構は、薬剤容器(16)のストッパ(18)に作用するように構成されるプランジャロッド(42)と、摺動可能に構成されるアクチュエータ(84)とを含み、アクチュエータ(84)は、アクチュエータ(84)が作動機構(40)の長手方向に変位することにより動作されるとストッパ(18)に作用するためにプランジャロッド(42)に接続され、前記作動機構はさらに、作動機構を稼働し、かつ、投与量をセットするために回転可能に構成されるアクティベータ(104)を含み、アクティベータ(104)は、その外面上に螺旋状に延在する溝(152)が設けられる概して管状のアクティベータスリーブ(148)を含み、溝(152)は、薬剤容器(16)に含有されている投与量の数で送達されるべき薬剤の合計量に対応する長さを有するように構成され、溝(152)には端壁(154)が設けられ、前記作動機構はさらに、アクティベータスリーブ(148)と共軸になるように構成されるストップリング(158)を含み、アクティベータスリーブ(148)は、溝(152)に位置決めされる従動部(156)を有するように構成され、合計量が送達された場合、従動部(156)は、溝(152)の端壁(154)に当接するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達装置とともに使用される作動機構(40)であって、前記作動機構は、
−薬剤容器(16)のストッパ(18)に作用するように構成されるプランジャロッド(42)と、
−摺動可能に構成されるアクチュエータ(84)とを含み、前記アクチュエータ(84)は、前記アクチュエータ(84)が前記作動機構(40)の長手方向に変位することにより動作されると前記ストッパ(18)に作用するために前記プランジャロッド(42)に接続され、前記作動機構はさらに、
−前記作動機構を稼働し、かつ、投与量をセットするために回転可能に構成されるアクティベータ(104)を含み、
−前記アクティベータ(104)は、その外面上に螺旋状に延在する溝(152)が設けられる概して管状のアクティベータスリーブ(148)を含み、
−前記溝(152)は、前記薬剤容器(16)に含有されている投与量の数で送達されるべき薬剤の合計量に対応する長さを有するように構成され、
−前記溝(152)には端壁(154)が設けられ、前記作動機構はさらに、
−前記アクティベータスリーブ(148)と共軸になるように構成されるストップリング(158)を含み、
−前記アクティベータスリーブ(148)は、前記溝(152)に位置決めされる従動部(156)を有するように構成され、前記合計量が送達された場合、前記従動部(156)は前記溝(152)の前記端壁(154)に当接するように構成される、作動機構。
【請求項2】
前記ストップリング(158)は回転不可能に構成されるが、前記作動機構(40)の長手方向に移動可能に構成される、請求項1に記載の作動機構。
【請求項3】
前記アクティベータ(104)は、前記アクティベータスリーブ(148)に解放可能に接続されるように構成されるグリップ部分(106)を含む、請求項1または2に記載の作動機構。
【請求項4】
前記アクティベータスリーブ(148)は、前記アクチュエータ(84)が動作されると前記アクティベータスリーブ(148)が回転されるように、前記アクチュエータ(84)と相互作用するように構成される突出部(150)を含む、請求項1に記載の作動機構。
【請求項5】
前記アクチュエータ(84)は前記突出部(150)と共働するレッジ(90)を有するように構成され、前記レッジ(90)は前記長手方向に関して傾斜するように構成される、請求項4に記載の作動機構。
【請求項6】
前記アクチュエータ(84)は、ある投与量の薬剤を送達するための動作の後に前記アクチュエータ(84)をロックするよう、前記アクティベータスリーブ(148)の前記突出部(150)と共働するように構成されるロック要素(92,94)を有するように構成される、請求項5に記載の作動機構。
【請求項7】
前記ロック要素は、前記長手方向を概して横断するように構成されるレッジ(94)を含む、請求項6に記載の作動機構。
【請求項8】
横断する前記レッジ(94)は、前記アクティベータスリーブの回転によって前記突出部(150)が前記アクチュエータ(84)のロック位置から解放位置まで動くように、傾斜した前記レッジ(90)に相互接続される、請求項7に記載の作動機構。
【請求項9】
前記アクチュエータ(84)が解放されると、前記作動機構(40)の遠位方向に付勢するために前記アクチュエータ(84)に作用する駆動部材(76)をさらに含む、請求項8に記載の作動機構。
【請求項10】
前記アクチュエータ(84)と前記プランジャロッド(42)との間に動作可能に配される、前記アクチュエータ(84)の動作の間に近位方向に前記プランジャロッド(42)を付勢するためのトグルスリーブ(70)をさらに含む、請求項9に記載の作動機構。
【請求項11】
前記プランジャロッド(42)はねじ山(44)を有するように構成され、前記プランジャロッド(42)にはドライバ(52)が回転不可能に接続され、前記ドライバ(52)はその外面上に突出部(64)を有するように構成され、前記トグルスリーブ(70)は、前記長手方向に関して傾斜した表面(66)を有するように構成され、前記アクチュエータ(84)および前記トグルスリーブ(70)が前記近位方向に動かされると前記プランジャロッド(42)の回転を引き起こす、請求項10に記載の作動機構。
【請求項12】
先行する請求項のいずれか1項に記載の作動機構を含む、薬剤送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術領域
本発明は薬剤送達装置のための作動機構に関し、特に、多くの特定の特徴が与えられた所謂ペン注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
特にペン注射器といった市場に出回っている多くの注射器には、複数の投与量が薬剤容器から与えられることを可能にする機能が与えられている。多くの場合、投与量は固定されており、投与量が送達される直前にセットされる。したがって、手動の投与量セッティングシーケンスが最初に実行され、その後、手動の投与量送達シーケンスが実行される。
【0003】
文献US2009/0137964は、回転される投与量セッティング部材を有するそのような薬剤送達装置を開示している。投与量セッティング部材は、ハウジング部分における窓部を通じて見ることが可能である数字のセットを有する投与量インジケータバレルに接続されている。ねじ山セグメントが設けられたナット部材が、ハウジング上において投与量セッティング部材と雌ねじとの間に配される。雌ねじの長さは、ピストンロッドが薬剤容器を空にするために移動しなければならない長さに対応し、薬剤容器が空の場合、ねじ山セグメント上の停止部が雌ねじの端壁に係合し、これにより、ユーザが薬剤容器の残りの含有量より大きな投与量をセットすることを防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の簡単な説明
本発明の目的は、薬剤容器の残量より大きい薬物の投与量のセッティングを防止する、信頼性がありシンプルなソリューションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立項の特徴を含む駆動機構により解決される。この発明の好ましい実施形態は、従属項の主題を形成する。
【0006】
本発明の主な局面によれば、本発明の主な局面は、薬剤送達装置とともに使用される作動機構を含み得る。作動機構は、薬剤容器のストッパに作用するように構成されるプランジャロッドと、摺動可能に構成されるアクチュエータとを含み得、アクチュエータは、アクチュエータが作動機構の長手方向に変位することにより動作されるとストッパに作用するためにプランジャロッドに接続される。さらに、投与量セッティング機構が投与量をセットするために回転可能に構成され、投与量セッティング機構は、その外面上に螺旋状に延在する溝が設けられる概して管状のアクティベータスリーブを含み得る。
【0007】
好ましくは、溝は、薬剤容器に含有されている投与量の数で送達されるべき薬剤の合計量に対応する長さを有するように構成される。さらに、当該溝には端壁が設けられ得る。アクティベータスリーブと共軸であるようにストップリングが構成され、アクティベータスリーブは溝に位置決めされる従動部を有するように構成され、従動部は合計量が送達された場合に溝の端壁に当接するように構成される。
【0008】
このソリューションにより、薬剤容器における残りの投与量より大きな投与量がセットまたは送達され得ないことが確認される。これは重要である。そうでなければ、ユーザは、送達の前に投与量をセットすることができたため、完全な投与量が与えられたという印象を得ることがあり得たからである。
【0009】
1つのソリューションに従うと、ストップリングは、回転不可能に構成されるが当該モジュールの長手方向において移動可能であるように構成され得る。したがって、ストップリングはアクティベータスリーブが螺旋状に延在する溝により回転されるごとに、長手方向に動かされる。
【0010】
さらに、薬剤の投与量をセット可能であるために、好ましくは投与量セッティング機構は、アクティベータスリーブに解放可能に接続されるように構成されるグリップ部分を含み得る。そのため、投与量をセットするためにグリップ部分を操作することはユーザにとって簡単である。グリップ部分は好ましくは、特に、投与量がセットされ投与量が送達される後に、解放可能である。これは、アクティベータスリーブは投与量送達の間も回転しており、その段階でグリップ部分が回転していることは望ましくないからである。
【0011】
上述したように、アクティベータスリーブは、投与量送達の間にも、すなわち、アクチュエータが近位方向に手動で押される際にも、若干回転する。アクティベータスリーブの回転には、完了した投与量送達後に、押下状態にアクティベータをロックするという特徴がある。このため、アクティベータスリーブは、アクチュエータが動作される場合にアクティベータスリーブが回転するようにアクチュエータと相互作用するように構成される突出部を含み得る。アクティベータスリーブの突出部はアクチュエータのレッジと共働し、当該レッジは長手方向に関して傾斜するように構成される。
【0012】
上述したように、アクチュエータは投与量送達の後にロックされる。これが行われ得るのは、薬剤の投与量を送達するための動作の後にアクチュエータをロックするようにアクチュエータがアクティベータスリーブの突出部と共働するように構成されるロック要素を有するように構成されるからである。ロック要素は、長手方向を概して横断するように構成されるレッジを含み得る。ロック要素はさらに、上記概して横断するレッジに接する前にアクティベータスリーブの突出部が上で摺動し得る傾斜またはくさび形セクションを含み得る。
【0013】
作動機構のその後の動作を提供するために、上記横断するレッジは、アクティベータスリーブの回転によって、アクチュエータのロック位置から解放位置に突出部が動くように、傾斜したレッジと相互接続され得る。さらに別の局面に従うと、作動機構はさらに、アクチュエータが解放されると、作動機構の遠位方向に付勢するためにアクチュエータに作用する駆動部材を含み得る。
【0014】
さらに、作動機構は、アクチュエータとプランジャロッドとの間に動作可能に配される、アクチュエータの動作の間に近位方向にプランジャロッドを付勢するためのトグルスリーブを含み得る。この点に関して、プランジャロッドはねじ山を有するように構成され得、プランジャロッドにはドライバが回転不可能に接続され、ドライバはその外面上に突出部を有するように構成され、トグルスリーブは、長手方向に関して傾斜した表面を有するように構成され、アクチュエータおよびトグルスリーブが近位方向に動かされるとプランジャロッドの回転を引き起こす。
【0015】
本発明のこれらおよび他の局面ならびに本発明による利点は、本発明の以下の詳細な説明および添付の図面から明白になるであろう。
【0016】
以下の発明の詳細な説明において、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に従った駆動機構を含む薬剤送達装置の展開図である。
【
図3】
図1の装置の薬剤容器固定具の詳細図である。
【
図4a】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図4b】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図6】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図7】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図8a】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図8b】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図9a】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図9b】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図10】
図1の薬剤送達装置に含まれる構成要素の詳細図である。
【
図11】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図12】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図13】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図14】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図15】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図16】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図17】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図18】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図19】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図20】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図21】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図22】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【
図23】薬剤送達装置の機能ステージを示す、ハウジング部分が除去された状態の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
図に示される実施形態において、薬剤送達装置は、概して管状の遠位ハウジング部分10と、概して管状の近位ハウジング部分12とを含む。この点に関して、ハウジングは、製造および組立の局面に依存して多くの異なるサブパーツを含み得るということが理解されるべきである。
【0019】
遠位ハウジング部分の近位端は、近位ハウジング部分12が取り付けられ得るように取付要素を有するように構成される。これにより、近位ハウジング部分12の遠位端は、遠位ハウジング部分10の近位端の直径に概して対応する直径を有する中心通路を有するように構成され、対応する取付要素が設けられる。この点に関して、近位ハウジング部分12が遠位ハウジング部分10に解放可能に取り付けられる場合、取付要素は、ねじ山、差込カップリング、スナップイン突出部などといった、ハウジングに薬剤容器ホルダを取り付けるための多くの異なる形状および機能を有し得るということが理解されるべきである。近位ハウジング部分12が永久的に取り付けられる場合、取付要素は、組立を可能にするが分解、溶着、接着などを防止するくさび形のグリップ突出部および凹部を含み得る。保護キャップ14がさらに、近位ハウジング部分12を解放可能にカバーするために設けられる。
【0020】
近位ハウジング部分12は、薬剤容器ホルダとして設計されており、弾力性のある移動可能ストッパ18が設けられる概して管状の細長い薬剤容器16を収容するように構成される。近位ハウジング部分12は、薬剤容器16およびその含有量が見られ得るように、透明であってもよく、または、開口部または窓部が設けられてもよい。薬剤容器16の近位端には、
図2に示されるように、貫通可能な中隔24を有するように構成される首部分22が設けられている。首部分22は、近位ハウジング部分12の首部分26へ嵌合するように構成される。近位ハウジング部分12の首部分26には、対応する取付要素を有するハブが設けられる注入針であり得る薬剤送達部材のための取付要素が設けられている。この点に関して、いくつかのオプションに言及すると、取付要素は、ねじ山、差込カップリング、スナップイン取付、ルアー接続であってもよい。さらに、概してリング形状の薬剤容器固定具30は、近位方向に方向付けされた表面にて、近位ハウジング部分12に配置された薬剤容器16の遠位方向に方向付けされた表面に当接するように構成される。薬剤容器固定具30は、薬剤容器固定具30と、遠位ハウジング部分10の端壁32の近位方向に方向付けされた表面との間に配される圧縮ばね31によって近位方向に付勢される。薬剤容器固定具30の近位方向における動きは、
図4aに示されるように、端壁32の近位方向に方向付けされた表面上において、近位方向に方向付けされたレッジ38のカットアウト36と共働する薬剤容器固定具30の外面上の半径方向外方に方向付けされた突出部34によって制限される。
【0021】
図1および
図5に示されるように、薬剤送達装置はさらに作動機構40を含む。作動機構40は、
図5および
図6に示されるように、細長いプランジャロッド42を含んでおり、プランジャロッド42にはその外面上にねじ山44が設けられており、ねじ山44は、
図4bの遠位ハウジング部分10の近位端壁32において、中心通路48における対応するねじ山セグメント46と共働するように構成される。プランジャロッド42は、プランジャロッド42の対向する側上において、2つの長手方向に切り取られたセクション50を有するように構成され、支持表面を形成する。プランジャロッド42は、概して管状のドライバ52へ嵌合するように構成される。ドライバ52の内面は、2セットの長手方向に延在するレッジ54を有するように構成されており、プランジャロッド42は、プランジャロッド42の切り取られたセクション50の支持表面がレッジ54の側面に接することになるようにこれらのセットのレッジ54同士間のスペース45へ嵌合し、これにより、プランジャロッド42は、ドライバ52に回転ロックされるが、長手方向に線形に移動可能となる。ドライバ52の近位端には、レッジ58において終端する傾斜表面56が設けられており、レッジ58は、ねじ山が設けられた中心通路48を取り囲む遠位ハウジング部分10の端壁32の遠位方向に方向付けされた表面上の傾斜表面62上のレッジ60と相互作用する。
【0022】
ドライバ52の外面は、
図6に示されるように、ドライバ52の対向する側上に配される2つの外方向に方向付けされた突出部64を有するようにさらに構成される。これらの突出部64は、ドライバ52と共軸でありドライバ52の外部に位置決めされる概して管状のトグルスリーブ70の近位部分において、カットアウト68の縁面66と相互作用するように構成される。トグルスリーブ70の縁面66は、
図7に示されるようなある構成を有しており、傾きαを有する第1のセクション66
Iを有している。第1のセクション66
Iは、第1のセクション66
Iと対向する方向において、非常に急勾配の傾きβを有する第2のセクション66
IIによって中断される。第2のセクション66
IIはさらなる第1のセクション66
Iにて終端する。第1および第2のセクションは、トグルスリーブ70の近位端の周りに2度配される。突出部64および縁面66の機能は、以下において詳細に記載される。トグルスリーブ70はさらに、その遠位端における端壁72と、トグルスリーブ70の遠位端エリア上のくさび形カットアウト74とを有するように構成され、その機能は以下に記載される。
図3および
図5に示されるように、以下トグルスリーブばねと称される圧縮ばね76は、トグルスリーブ70の端壁72の近接面に接する遠位端と、
図2に示される概して管状のワッシャ80の環状フランジ78の遠位方向に方向付けされた表面に接する近位端とを有するように構成されており、ワッシャ本体はトグルスリーブばね76内へ延在する。ワッシャ80のフランジ78の近位方向に方向付けされた表面は、ドライバ52の遠位端表面82に接している。
【0023】
図8aに示されるように、概して管状のアクチュエータ84が、トグルスリーブ70と共軸であり、トグルスリーブ70の外部に存在する。アクチュエータ84は、その近位部分において多くの半径方向外方に方向付けされたレッジ86を有するように構成され、レッジ86は、遠位ハウジング部分10の内面上において、
図4bに示される長手方向に延在するレッジ88のペアとの間に嵌合するように構成され、これにより、アクチュエータ84と遠位ハウジング部分10との間に回転ロックが作り出されるが、アクチュエータ84の軸方向移動は可能である。アクチュエータ84はさらに、その外面上にレッジ90の多くのセットを有するように構成され、レッジ90は、後で説明されるようなある延在部を有する。当該レッジの第1のセクション90
Iは、遠位方向に向くように構成され、アクチュエータ84の長手方向に関して急勾配の傾きを有するように構成される。第1のセクションの一端において、第2のセクション90
IIが円周方向に延在するように構成される。第3のセクション90
IIIは、第2のセクション90
IIに接続され、長手方向Lに関してある傾きで延在する。第4のセクション90
IVは第3のセクション90
IIIに平行に配置され、これにより、長手方向Lに関して傾きを有する。
【0024】
第5のセクション90
Vは、第3のセクション90
IIIに接続し、円周方向に延在する。第5のセクション90
Vは、長手方向に延在する第6のセクション90
VIに接続する。第6のセクション90
VIは、円周方向に延在する第7のセクション90
VIIに接続し、次いで第7のセクション90
VIIは、セクション90のその後のセットの第1のセクションに接続する。第4のセクション90
IVと第6のセクション90
VIとの間のエリアは、遠位方向に方向付けされたレッジ94を有するくさび形傾斜部92として構成される。レッジのセットは、アクチュエータ84の円周部の周りにおいて2回繰り返される。多くの長手方向に延在するレッジ96がレッジ90の遠位方向に存在する。アクチュエータ84の遠位端部分98は、若干ドーム型の端壁100を有するように構成されており、アクチュエータ84の遠位端部分98は、薬剤送達装置の遠位端から突出し、かつ、以下に説明されるように、ユーザのための押しボタンとして作用するように構成される。端壁100の近位面は、近位方向に方向付けされたくさび形の突出部102を有するようにさらに構成され、突出部102は、
図8bに示されるようにトグルスリーブ70上におけるくさび形のカットアウト74と共働するように構成される。
【0025】
ハウジングの遠位端には、
図9に示されるように、概して管状のアクティベータ104が配される。アクティベータ104は、遠位ハウジング部分10に接続されると遠位ハウジング部分10の遠位方向に配置され、かつ、遠位ハウジング部分10の直径より若干大きな直径を有する遠位グリップ部分106を有する。グリップ部分106の側面は、長手方向に延在するリッジ108のようなグリップ要素を有するように構成される。グリップ部分106はさらに、互いに対して向かうように半径方向内方に方向付けされた2つの平坦表面110を有するように構成される。2つの近位方向に方向付けされた舌部112が平坦表面110から延在する。舌部112はカットアウト114を有するように構成される。グリップ部分106は、アクティベータ104の概して管状の近位部分116の遠位エリア上に嵌合するように構成され、グリップ部分106の平坦表面110は、半径方向外方に向いている近位部分116の対応する平坦表面118に当接している。近位部分116の平坦表面118は、くさび形の突出部120を有するように構成され、突出部120は、舌部112のカットアウト114へ嵌合するよう意図されるとともに、近位部分116にグリップ部分106を、これら2つの部分が組み立てられると、ロックするよう意図される。
【0026】
アクティベータ104の管状の近位部分116は、その近位エリアにおいて、外方向および円周方向に延在するレッジ122を有するように構成される。さらに、グリップ部分106は、グリップ部分106が近位部分116に組み付けられると環状の凹部がレッジ122と縁部124との間に形成されるように、近位方向に方向付けされた縁部124を有するように構成される。ロックリング126は、レッジ122とグリップ部分106との間の凹部に回転方向に位置決めされる。ロックリング126はその外面上に突出部128を有するように構成され、突出部128は、
図4aに示されるように、遠位ハウジング部分10の内面上において凹部130に嵌合するように構成される。さらに、ロックリング126の外面はレッジ132を有するように構成され、レッジ132は、
図4bに示されるように、遠位ハウジング部分10の内面上において、長手方向に延在する凹部134へ嵌合する。これにより、以下に説明されるようにアクティベータ104の回転を可能にしつつ、遠位ハウジング部分10へアクティベータ104がロックされる。
【0027】
さらに、アクティベータ104の近位部分116には、アクティベータ104の円周方向に延在する多くの弾力性のある腕部136が設けられる。腕部136は半径方向において弾力性を有する。アクティベータ104の腕部136の自由端は、たとえば薬剤送達装置が揺り動かされる場合に、摩擦抵抗を引き起こしてアクティベータ104の望まれない自発的な動きを回避するようロックリング126の内面に接するように設計されている。さらに、ロックリング126の内面は、円周方向に表面を有するレッジ138を有するように構成され、レッジ138は、アクティベータ104が1つの方向にのみ回転し得るように腕部136の自由端と共働する。さらに、近位部分116の内面は、対向する側に設けられかつ互いに面し、アクチュエータ84の外面に概して対応する曲率を有する2つの曲面140を有するように構成される。上記曲面は、長手方向に延在するガイドレッジ142によって円周方向において制限されており、その機能は以下に説明される。
【0028】
さらに、アクティベータ104の近位方向に方向付けされた端面には、多くの近位方向に方向付けされたくさび形の突出部144が配される。これらのくさび形の突出部144は、
図9および
図10に示されるように、概して管状のアクティベータスリーブ148の遠位端表面上の少なくとも1つの対応するくさび形の突出部146と相互作用するように設計されており、アクティベータスリーブ148は、遠位ハウジング部分10の内部で回転するようにかつ摺動可能に構成され、アクチュエータ84と共軸でありアクチュエータ84の外部に存在するように構成される。アクティベータスリーブ148の内面は、その近位エリアにおいて2つの内方に方向付けされた突出部150を有するように構成され、突出部150は、
図9aに示されるような異なる傾きを有する多くの側面を有するように設計されている。突出部150は、以下に説明されるように、アクチュエータ84のレッジ90に接触するとともにアクチュエータ84のレッジ90に従動するように設計されている。突出部150に隣接してカットアウト151が設けられており、突出部150の半径方向における何らかの屈曲を可能にする。
【0029】
アクティベータスリーブ148はさらに、
図10に示されるように、その外面上に螺旋状に延在する溝152を有するように構成される。溝152はアクティベータスリーブ148の近位端において端壁154を有する。溝152は、ストップリング158の内面上に配される少なくとも1つのレッジ156と相互作用するように意図され、ストップリング158がアクティベータスリーブ148の外部においてアクティベータスリーブ148と同軸で位置決めされる。ストップリング158の外面は、長手方向に延在するレッジ160を有するように構成され、レッジ160は、
図4bに示されるように、遠位ハウジング部分10の内面上において、長手方向に延在する凹部134へ嵌合するように設計されている。この接続は、長手方向における動きを可能にしつつストップリング158の回転ロックを提供する。ストップリング158はさらに、近位方向に方向付けされた舌部162を有するように構成され、舌部162は、以下に説明されるように、ストップリング158のガイド安定性を提供するための凹部134のいずれかの側上において、レッジ164と共働するように構成される。
【0030】
本発明は、以下のように機能するように意図される。上記装置がユーザに送達される際、プランジャロッド42は
図2に示されるように、その最も遠位の位置にある。さらに、アクチュエータ84はその最も近位位置に存在しており、遠位押しボタン部分98の短い部分のみが薬剤送達装置の遠位端を通って延在している。アクチュエータ84は、
図11に示されるように、アクティベータスリーブ148の突出部150がアクチュエータのレッジ90
VIIの遠位面に接することによってその位置にロックされる。これにより、トグルスリーブ70とアクチュエータ84との間で引っ張られるトグルスリーブばね76の付勢力に反する、遠位方向におけるアクチュエータ84の動きが防止される。アクティベータ104は、近位部分116の弾力性のある腕部136の端部がロックリング126の内面上のくさび形の突出部のレッジ138に対して静置している初期位置にある。
【0031】
薬剤送達装置は、薬剤容器16が近位ハウジング部分12に既にマウントされしたがって使用する準備ができている状態でユーザに送達され得るか、または、薬剤容器がマウントされておらず、恐らく近位ハウジング部分12が遠位ハウジング部分10に接続されていない状態で送達され得、ユーザが近位ハウジング部分12内に薬剤容器16を配置し、その後、薬剤送達装置の遠位ハウジング部分10に近位ハウジング部分12を取り付けることをしなければならないかのいずれかである。ここで、ばね31を有する容器固定具30は、近位方向に薬剤容器を押しており、これにより、薬剤容器がガタガタと動くリスクを低減する。
【0032】
いずれの態様においても、薬剤送達装置が使用される際に、保護キャップ14が除去され、薬剤送達部材が近位ハウジング部分12の首部分26に取り付けられる。薬剤送達部材が注入針である場合、この取り付けによって、注入針の遠位に向けられた端部が薬剤容器の中隔24を貫通し、これにより、薬剤容器16の内部から針を通る流路が作り出される。
【0033】
薬剤送達装置をロック解除し稼働するために、ユーザは、グリップ部分106を、示される実施形態では反時計回りに回転する。ロックリング126のくさび形の突出部のレッジ138に係合する近位部分116の腕部136によって反対方向の如何なる回転も防止される。示される実施形態において、ロックリング126の内周に沿ったくさび形の突出部の3つのレッジ138が存在しており、したがってレッジ138間には120度の変位があり、その結果、以下により詳細に記載されるように、アクティベータ104はステップごとに120度回転される。
【0034】
近位部分116およびアクティベータスリーブ148の初期の相互位置が
図11に示される。この位置において、近位部分116の少なくとも1つのくさび形の突出部144は、アクティベータスリーブ148の突出部146同士間のスペースと完全に接触しており、これにより当該2つの構成要素間の回転ロックが得られる。近位部分116を有するグリップ部分106が回転されると、アクティベータスリーブ148が従動し、それによって、突出部150は、
図11に示されるように、突出部150が急勾配のレッジ90
Iに至るまでアクチュエータ84のレッジ90
VIIに沿って摺動することになる。これにより、アクチュエータ84は、トグルスリーブばね76がドライバ52の遠位端とトグルスリーブ70との間で作用することによって遠位方向に移動されることが可能になり、トグルスリーブ70はアクチュエータ84の遠位端表面に当接し、これにより、アクチュエータ84の押しボタン部分が薬剤送達装置の遠位端を通って遠位方向に延在する。アクティベータスリーブ148の回転中、ストップリング158のレッジ156はアクティベータスリーブ148の螺旋状溝152において摺動することになる。
【0035】
ここで、ユーザはアクティベータ104を回転することをやめるが、アクティベータスリーブの突出部150がアクチュエータ84の急勾配に傾斜したレッジ90
Iに接触しているので、アクティベータスリーブ148は回転し続ける。アクチュエータ84は、遠位ハウジング部分10のレッジ88と共働するレッジ86によってハウジングに回転ロックされているからである。ここで、近位部分116が静止していておりアクティベータスリーブ148が回転している場合、アクティベータスリーブ148の少なくとも1つのくさび形の突出部146の傾斜面は、近位部分116のくさび形の突出部144の傾斜面と共働し、それによって、アクティベータスリーブ148は近位方向に力が加えられる。突出部150がアクチュエータ84の周辺レッジ90
IIに接して動かされる場合、アクティベータスリーブ148の回転が停止され、これにより、
図12に示されるように、アクチュエータ84の遠位方向の動きが停止される。アクチュエータ84の押しボタン部分98は、
図12に示されるように、薬剤送達装置の遠位端から突出している。アクチュエータ84が遠位方向に動かされると、アクチュエータの外面上のレッジ96は、アクティベータ104の近位部分116のガイドレッジ142と平行に位置決めされ、これにより、アクティベータ104の如何なる回転も防止する。
【0036】
アクチュエータ84が上述したように遠位方向に移動している際、トグルスリーブ70も、互いに接しているので、遠位方向に移動している。トグルばねがトグルスリーブ70に作用し、アクチュエータ84に作用しているからである。初期位置では、ドライバ52の突出部64は、
図13に示されるように、縁面66の第1のセクション66
Iと第2のセクション66
IIとの間の接合部に位置決めされる。ここで、トグルスリーブ70がアクチュエータ84と一緒に遠位方向に移動している場合、突出部64は
図14に示されるように第1のセクション66
Iに沿って摺動し、また、トグルスリーブ70は、長手方向に関して傾きβを有するので、ドライバ52に関して回転する。ドライバ52は、ドライバ52のレッジ58がハウジングの端壁32のレッジ60と共働することにより、反時計回り方向に回転することが防止される。トグルスリーブ70の回転により、
図15に示されるように、トグルスリーブ70の傾斜されたカットアウト74とアクチュエータ84のくさび形の突出部102との間の協働によって、アクチュエータ84に関して若干近位方向に移動することになる。遠位方向でのトグルスリーブ70の継続的な動きの間、ドライバ52の突出部64は第1のセクション66
Iとの接触が外れ、それによって、
図16に示されるように、傾斜されたカットアウト74とくさび形の突出部102との間の協働によりトグルスリーブ70は初期位置へ戻される。
【0037】
ここで、装置は稼働され、ある投与量の薬物を送達するための準備ができている。薬剤送達部材が以前に取り付けられていなければ、ここで、薬剤送達装置の近位端へ取り付けられ得る。ここで、薬剤送達装置の近位端は投与量送達部位に配置され、薬剤送達部材が注入針である場合、投与量送達部位にて貫通が実行される。次のステップはある投与量の薬剤を送達することである。その後、ユーザは、アクチュエータ84の押しボタン部分98を近位方向に動くように押す。これにより、
図17に示されるように、アクチュエータ84の傾斜レッジ90
IVがアクティベータスリーブ148の突出部150に接して動かされることになる。これにより、アクティベータスリーブ148が近位方向に動くことになり、それによって、アクティベータスリーブ148のくさび形の突出部146は、近位部分のくさび形の突出部144との接触から外れるように動かされる。したがって、アクティベータ104の如何なる回転も薬剤送達装置に影響しない。同時に、アクティベータスリーブはレッジ90
IVの傾きにより回転される。
【0038】
アクチュエータ84が近位方向に動かされると、トグルスリーブ70も近位方向に動かされる。この動きにより、
図18に示されるように、カットアウト68の第1のセクション66
Iがドライバの突出部64に接触することになるとともに、トグルスリーブ70の連続的な動きによって、
図19に示されるように、傾斜した第1のセクション60
Iに沿って突出部64が摺動することになり、それによって、ドライバ52は時計回り方向に回転される。この回転は、ドライバ52のレッジ56およびハウジングの端壁32のレッジ62によって妨げられない。ドライバ52の回転によってプランジャロッド42の回転が、それらの間の回転ロックにより引き起こされ、また、プランジャロッド42がハウジング10の端壁32の通路48にねじ山により接続されるので、プランジャロッド42は
図18に示されるように近位方向に動かされることになり、それによって、薬剤送達部材を通じてある投与量の薬剤を放出するためにストッパ18に作用する。
【0039】
アクチュエータの近位方向における動きの間、アクティベータスリーブ148の突出部150は傾斜部分に入り、アクチュエータ84の動きの終わりに、レッジ94を通過し、
図20に示されるように、押下位置にアクチュエータ84がロックされる。突出部150によるレッジ94の通過はカットアウト151によって得られる屈曲によって促進される。近位方向にアクチュエータ84を押している間のユーザが突然、投与量送達シーケンスを完了する前にアクチュエータ84を解放する場合の安全機能がさらに存在する。この場合、薬剤の量の一部のみが送達される。その後、トグルスリーブばね76は、遠位方向にアクチュエータ84に力を加えようとする。しかしながら、これは、
図21に示されるように突出部150が円周方向に延在するレッジ90
Vに接して動かされるので防止され、これによりさらなる動きを防止する。停止されなければ、アクチュエータ84が完全延在位置に再び移動されることになり、それによって新しい完全な量の薬剤が送達することが可能になったことになる。ここで、これはレッジ90
Vによって防止される。ここで、ユーザは、薬剤の投与量の残りを送達するために、部分的に延在している押しボタン部分98を押し得、その後、アクチュエータ84は上述したようにロックされる。
【0040】
ここで、薬剤送達装置は投与量送達部位から除去され得、薬剤送達部材は除去され安全容器に廃棄され、保護キャップ14は薬剤送達装置の近位端に再度接続される。上記の投与量セッティングおよび投与量送達のシーケンスは薬剤容器16が空になるまで繰り返され、また、上述したように、各投与量セッティング動作ごとに、ストップリング158のレッジ156はアクティベータスリーブ148の螺旋状溝152に沿った距離を動かされ、それによって、ストップリング158は近位方向に動かされる。薬剤容器の残りの投与量より大きい投与量をセットすることを防止するために、アクティベータスリーブ148の円周のまわりの螺旋状溝152の長さは、薬剤容器における薬剤の合計量に対応する。したがって、最後の投与量のセッティングは、
図22および
図23に示されるように、ストップリング158のレッジ156が溝152の端壁154に当接することによって制限され得、アクティベータ104およびアクティベータスリーブ148のさらなる回転を防止する。これは、薬剤容器16における残量より大きな投与量をセットすることができないことを意味する。
【0041】
上記および図面に示される実施形態は、単に非限定的な例としてみなされるべきであり、本発明は、請求の範囲の範囲内で多くの態様に修正され得るということが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2018年11月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達装置とともに使用される作動機構(40)であって、前記作動機構は、
−薬剤容器(16)のストッパ(18)に作用するように構成されるプランジャロッド(42)と、
−摺動可能に構成されるアクチュエータ(84)とを含み、前記アクチュエータ(84)は、前記アクチュエータ(84)が前記作動機構(40)の長手方向に変位することにより動作されると前記ストッパ(18)に作用するために前記プランジャロッド(42)に接続され、前記作動機構はさらに、
−前記作動機構を稼働し、かつ、投与量をセットするために回転可能に構成されるアクティベータ(104)を含み、
−前記アクティベータ(104)は、その外面上に螺旋状に延在する溝(152)が設けられる概して管状のアクティベータスリーブ(148)を含み、
−前記溝(152)は、前記薬剤容器(16)に含有されている投与量の数で送達されるべき薬剤の合計量に対応する長さを有するように構成され、
−前記溝(152)には端壁(154)が設けられ、前記作動機構はさらに、
−前記アクティベータスリーブ(148)と共軸になるように構成されるストップリング(158)を含み、
−前記アクティベータスリーブ(148)は、前記溝(152)に位置決めされる従動部(156)を有するように構成され、前記合計量が送達された場合、前記従動部(156)は前記溝(152)の前記端壁(154)に当接するように構成される、作動機構。
【請求項2】
前記ストップリング(158)は回転不可能に構成されるが、前記作動機構(40)の長手方向に移動可能に構成される、請求項1に記載の作動機構。
【請求項3】
前記アクティベータ(104)は、前記アクティベータスリーブ(148)に解放可能に接続されるように構成されるグリップ部分(106)を含む、請求項1または2に記載の作動機構。
【請求項4】
前記アクティベータスリーブ(148)は、前記アクチュエータ(84)が動作されると前記アクティベータスリーブ(148)が回転されるように、前記アクチュエータ(84)と相互作用するように構成される突出部(150)を含む、請求項1に記載の作動機構。
【請求項5】
前記アクチュエータ(84)は前記突出部(150)と共働するレッジ(90)を有するように構成され、前記レッジ(90)は前記長手方向に関して傾斜するように構成される、請求項4に記載の作動機構。
【請求項6】
前記アクチュエータ(84)は、ある投与量の薬剤を送達するための動作の後に前記アクチュエータ(84)をロックするよう、前記アクティベータスリーブ(148)の前記突出部(150)と共働するように構成されるロック要素(92,94)を有するように構成される、請求項5に記載の作動機構。
【請求項7】
前記ロック要素は、前記長手方向を概して横断するように構成されるレッジ(94)を含む、請求項6に記載の作動機構。
【請求項8】
横断する前記レッジ(94)は、前記アクティベータスリーブの回転によって前記突出部(150)が前記アクチュエータ(84)のロック位置から解放位置まで動くように、傾斜した前記レッジ(90)に相互接続される、請求項7に記載の作動機構。
【請求項9】
前記アクチュエータ(84)が解放されると、前記作動機構(40)の遠位方向に付勢するために前記アクチュエータ(84)に作用する駆動部材(76)をさらに含む、請求項8に記載の作動機構。
【請求項10】
前記アクチュエータ(84)と前記プランジャロッド(42)との間に動作可能に配される、前記アクチュエータ(84)の動作の間に近位方向に前記プランジャロッド(42)を付勢するためのトグルスリーブ(70)をさらに含む、請求項9に記載の作動機構。
【請求項11】
前記プランジャロッド(42)はねじ山(44)を有するように構成され、前記プランジャロッド(42)にはドライバ(52)が回転不可能に接続され、前記ドライバ(52)はその外面上に突出部(64)を有するように構成され、前記トグルスリーブ(70)は、前記長手方向に関して傾斜した表面(66)を有するように構成され、前記アクチュエータ(84)および前記トグルスリーブ(70)が前記近位方向に動かされると前記プランジャロッド(42)の回転を引き起こす、請求項10に記載の作動機構。
【請求項12】
作動機構を含み、前記作動機構は、
−薬剤容器(16)のストッパ(18)に作用するように構成されるプランジャロッド(42)と、
−摺動可能に構成されるアクチュエータ(84)とを有し、前記アクチュエータ(84)は、前記アクチュエータ(84)が前記作動機構(40)の長手方向に変位することにより動作されると前記ストッパ(18)に作用するために前記プランジャロッド(42)に接続され、前記作動機構はさらに、
−前記作動機構を稼働し、かつ、投与量をセットするために回転可能に構成されるアクティベータ(104)を含み、
−前記アクティベータ(104)は、その外面上に螺旋状に延在する溝(152)が設けられる概して管状のアクティベータスリーブ(148)を含み、
−前記溝(152)は、前記薬剤容器(16)に含有されている投与量の数で送達されるべき薬剤の合計量に対応する長さを有するように構成され、
−前記溝(152)には端壁(154)が設けられ、前記作動機構はさらに、
−前記アクティベータスリーブ(148)と共軸になるように構成されるストップリング(158)を有し、
−前記アクティベータスリーブ(148)は、前記溝(152)に位置決めされる従動部(156)を有するように構成され、前記合計量が送達された場合、前記従動部(156)は前記溝(152)の前記端壁(154)に当接するように構成される、薬剤送達装置。
【請求項13】
前記薬剤送達装置はペン注射器タイプの装置である、請求項12に記載の薬剤送達装置。
【請求項14】
前記薬剤送達装置は、前記薬剤容器(16)から複数の投与量を送達している、請求項12に記載の薬剤送達装置。
【請求項15】
前記薬剤送達装置は、前記薬剤容器(16)の残りの投与量より大きな投与量がセットまたは送達可能でないことが確認可能である、請求項12に記載の薬剤送達装置。
【国際調査報告】