特表2019-536051(P2019-536051A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2019-536051複合材料によって作られた計時器用部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-536051(P2019-536051A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】複合材料によって作られた計時器用部品
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/22 20060101AFI20191115BHJP
【FI】
   G04B37/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-529203(P2019-529203)
(86)(22)【出願日】2017年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】EP2017083639
(87)【国際公開番号】WO2018115009
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】16205356.5
(32)【優先日】2016年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】キスリング,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ブルバン,ステュース
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ジュリエット
(72)【発明者】
【氏名】バザン,ジャン−リュック
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの強化材とマトリックスを有する複合材料によって作られた計時器用部品に関する。この強化材は、マトリックスが入れられる複数のセルがある三次元的なハニカム構造を有する。本発明は、さらに、このような計時器用部品を製造する方法に関する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの強化材とマトリックスを有する複合材料によって作られた計時器の外装要素であって、
前記強化材は、前記マトリックスが入れられる複数のセルがある三次元的なハニカム構造を有し、
前記セルの長さは、0.5〜2mmである
計時器の外装要素。
【請求項2】
ハニカム構造を有する前記強化材は、合成繊維、天然繊維、アモルファスの形態の金属を含有する金属、セラミックス及び熱可塑性物質から選ばれた材料を用いて作られる
請求項1に記載の計時器の外装要素。
【請求項3】
前記マトリックスは、ポリエポキシド系、アクリル系又はポリウレタン系の熱硬化性樹脂、又はポリエーテルケトン又はポリアミドのような熱可塑性物質系、ポリウレタン、ポリオレフィン、又はポリシロキサンのようなエラストマー系から選ばれる
請求項1又は2に記載の計時器の外装要素。
【請求項4】
前記マトリックスは、着色剤、リン光性及び/又は蛍光性の顔料、シリカ、カーボンナノチューブフィラー又はナノダイヤモンドフィラーから選ばれる添加剤を含有する
請求項1〜3のいずれかに記載の計時器の外装要素。
【請求項5】
前記マトリックスは、少なくとも2つの添加剤の組み合わせを含有する
請求項4に記載の計時器の外装要素。
【請求項6】
前記セルの形は、六角形である
請求項1〜5のいずれかに記載の計時器の外装要素。
【請求項7】
前記セルの高さは、0.5〜2mmである
請求項1〜6のいずれかに記載の計時器の外装要素。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の計時器の外装要素を製造する方法であって、
請求項1に記載の強化材を形成するステップと、
前記強化材を型内に配置するステップと、
前記型を閉じ、温度Tと圧力Pで前記型内に請求項1に記載のマトリックスを入れるステップと、
圧力Pで前記型を閉じて冷却時に保持するステップと、
形成された部品を前記型から取り除くステップと、
前記部品に対して後処理、例えば、機械加工/研磨、を行うステップと
を備える方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の計時器の外装要素を製造する方法であって、
ハニカム構造を有する強化材を形成するステップと、
複合材料又は金属材料の2つの薄い膜で前記セルを両側から閉じるステップと、
材料の性質に応じて、接着結合、ろう付け、熱溶接又は超音波溶接によって、前記ハニカム構造と前記薄い膜を接続するステップと、
前記薄い膜に接続された前記強化材を前記型内に配置するステップと、
前記型を閉じ、前記型を温度Tと圧力Pとするステップと、
圧力Pで前記型を閉じて冷却時に保持するステップと、
形成された部品を前記型から取り除くステップと、
前記部品に対して後処理、例えば、機械加工/研磨、を行うステップと
を備える方法。
【請求項10】
前記ハニカム構造を有する強化材は、合成繊維、天然繊維、アモルファスの形態の金属を含有する金属、セラミックス及び熱可塑性物質から選ばれた材料を用いて作られる
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記マトリックスは、ポリエポキシド系、アクリル系、ポリウレタン系又はポリシロキサン系の熱硬化性樹脂から選ばれる
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記マトリックスは、着色剤、リン光性又は蛍光性の顔料、シリカ、カーボンナノチューブフィラー又はナノダイヤモンドフィラーから選ばれる添加剤を含有する
請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記マトリックスは、少なくとも2つの添加剤の組み合わせを含有する
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料によって作られた計時器用部品、特に、ケースミドル部、ベゼル又は表盤、に関し、この複合材料にはハニカム状の強化材があり、この中に、例えば、熱硬化性樹脂が入れられる。
【0002】
本発明は、さらに、このような計時器用部品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術、特に、航空産業における技術、によって、複合材料によって作られるサンドイッチパネルから製造される部品が知られている。この複合材料は、通常ハニカム構造によって形成される開いたセルのコアの2つの面のそれぞれに樹脂が充填されたウェブないし織物を配置することによって得られる。
【0004】
複合材料のサンドイッチパネルは、それらの機械的性質が良好であるという特徴があるために、多くの分野において用いられており、特に、軽さと機械的性質が良好であることの組み合わせが非常に評価されるような航空産業において用いられている。
【0005】
しかし、現状の複合材料のサンドイッチパネルは、計時器に適合させることができず、凹凸がある小さな審美的な部品を作るために用いることができない。また、それらは摩耗や引っ掻きに弱い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの既知の技術の様々な課題を解決することを特定の目的とする。
【0007】
本発明は、具体的には、魅力的な美的外観を維持しつつ、満足できるような機械的性質、特に、衝撃、引っ掻き及びスカフィングに対する耐性が良好である性質、を有するような複合材料によって作られた計時器用部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的や以下を読むことによって明確になる他の目的は、本発明にしたがって、複合材料によって作られた計時器用部品によって達成される。この複合材料は、少なくとも1つの強化材とマトリックスを有し、この強化材は、マトリックスが入れられた複数のセルがある三次元的なハニカム構造を有する。
【0009】
本発明の他の好ましい変種は、以下の特徴を有する。
− ハニカム構造を有する前記強化材は、合成繊維、天然繊維、アモルファス又は部分的にアモルファスの形態の金属を含有する金属、セラミックス及び熱可塑性物質から選ばれた材料を用いて作られる。
− 前記マトリックスは、ポリエポキシド系、アクリル系又はポリウレタン系の熱硬化性樹脂、又はポリエーテルケトン又はポリアミドのような熱可塑性物質系、ポリウレタン、ポリオレフィン、又はポリシロキサンのようなエラストマー系から選ばれる。
− 前記マトリックスは、着色剤、リン光性の顔料、シリカ、カーボンナノチューブフィラー又はナノダイヤモンドフィラーから選ばれる添加剤を含有する。
− 前記セルの形は、六角形である。
− 前記セルの高さは、0.5〜2mmである。
− 前記セルの辺の長さは、0.5〜2mmである。
【0010】
本発明は、さらに、少なくとも1つの強化材とマトリックスを有する複合材料でできた部品を作る様々な方法に関し、この強化材は、マトリックスが入れられる複数のセルがある三次元的なハニカム構造を有する。
【0011】
第1の方法には、複合材料の美的外観(有色の強化材と、光透過性又は異なる色の樹脂との組み合わせ)を有するようにハニカムのセルが樹脂で充填された複合材料の構造部品を作るという利点があり、この第1の方法は、
ハニカム構造を有する強化材を形成するステップと、
前記強化材を型内に配置するステップと、
前記型を閉じ、温度Tと圧力Pで前記型内に樹脂を入れるステップと、
圧力Pで前記型を閉じて冷却時に保持するステップと、
形成された部品を前記型から取り除くステップと、
前記部品に対して後処理、例えば、機械加工/研磨、を行うステップと
を備える。
【0012】
第2の方法には、軽量であり、耐久性が高く、魅力的な複合材料の構造を有する部品を作るという利点があり、第2の方法は、
ハニカム構造を有する強化材を形成するステップと、
複合材料又は金属材料の2つの薄い膜で前記セルを閉じるステップと、
材料の性質に応じて、接着結合、ろう付け、熱溶接又は超音波溶接によって、前記ハニカムのセルと前記薄い膜を接続するステップと、
前記強化材を前記型内に配置し樹脂を入れるステップと、
前記型を閉じ、温度Tと圧力Pで樹脂を前記型に入れるステップと、
圧力Pで前記型を閉じて冷却時に保持するステップと、
形成された部品を前記型から取り除くステップと、
前記部品に対して後処理、例えば、機械加工/研磨、を行うステップと
を備える。
【0013】
本発明の方法の他の好ましい変種は、以下の特徴を有する。
− 前記ハニカム構造を有する強化材は、合成繊維、天然繊維、アモルファス又は部分的にアモルファスの形態の金属を含有する金属、セラミックス及び熱可塑性物質から選ばれた材料を用いて作られる。
− 前記マトリックスは、ポリエポキシド系、アクリル系又はポリウレタン系の熱硬化性樹脂、又はポリエーテルケトン又はポリアミドのような熱可塑性物質、ポリウレタン、ポリオレフィン、又はポリシロキサンのようなエラストマー系から選ばれる。
− 前記マトリックスは、着色剤、リン光性の顔料、シリカ、カーボンナノチューブフィラー又はナノダイヤモンドフィラーから選ばれる添加剤を含有する。
− 前記マトリックスは、少なくとも2つの添加剤の組み合わせを含有する。
【0014】
単に説明用の例として与えられる本発明の特定の実施形態についての以下の説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点が明確になるであろう。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1a及び1bは、ハニカム構造を作る過程の斜視図である。
図2図2a及び2bはそれぞれ、本発明に係る複合材料によって作られた腕時計ケースとその裏蓋の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、特定の複合材料によって作られた、ケースミドル部、裏蓋、ベゼル、表盤又は腕輪リンクのような計時器用部品に関する。
【0017】
図2aに示しているように、本発明に係る複合材料で作られた計時器用部品は、少なくとも1つの強化材及びマトリックスを有しており、この強化材は、好ましくは六角形である複数のセルがある三次元的なハニカム構造を有しており、このセル内にマトリックスが入れられる。もちろん、当業者であれば、必要に応じて他のセルの形を考えることができる。
【0018】
本発明によると、強化材を形成するハニカム構造は、合成繊維又は天然繊維から選ばれる材料を用いて作ることができる。
【0019】
種々様々な合成繊維がある。繊維は、本発明の範囲内にて、炭素繊維、ガラス繊維、炭化シリカ繊維、Dyneema(登録商標)のような超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、Vectran(登録商標)繊維、Quartzel(登録商標)のような石英繊維、アラミド繊維、Nicalon(登録商標)のような炭化ケイ素繊維、又はポリエチレンテレフタレート(PET)繊維から選ぶことができる。
【0020】
本発明の代替形態において、繊維は、リネン繊維やセルロース繊維のような天然起源のものであることができる。
【0021】
本発明の別の実施形態において、前記強化材のハニカム構造は、金属材料、セラミックス又は熱可塑性物質を用いて作ることができる。
【0022】
例えば、前記ハニカム構造は、チタンで作ることができる。この金属には、減衰と耐疲労性が優れているという利点がある。得られたハニカム構造は、形成された後に、軽量性、高い耐久性、そして、良好な緩衝特性が組み合わさった性質を有する。
【0023】
もちろん、他の金属や合金を用いることができる。例えば、金、チタン、銅、アルミニウムである。また、アモルファスないし部分的にアモルファスである金属も考えることができる。
【0024】
ハニカム構造を形成するために、コルゲート状のシートを用いることができる。例えば、薄い金属シート又はプレプレグ材である。図1aに示しているように、コルゲート状のシート10は、互いに接するようにそれらのファセット11に沿って、重なり合わさり、接着ないし溶接される。図1bに示しているように、コルゲート状の部分に垂直にシートのブロックを切断することによって、ハニカムパネル20が直接得られる。
【0025】
また、小さな金属又は複合材料のバンドを用いることもでき、これらはスタンピングによってコルゲート加工され、そして、互いに接合される。
【0026】
また、3D印刷(金属粉末焼結技術)によって、又は複合材料/金属のプレートを機械加工すること(ミル処理、レーザー、ウォータージェット)によって、ハニカム構造を作ることもできる。また、ハニカム状の強化材を適切な形状にするハニカム形のダイを用いるプロファイル押出しプロセスを考えることができる。このハニカム状の強化材を再機械加工することができる。
【0027】
本発明によると、ハニカム構造のセルは、高さが0.5〜2mmであり、エッジの長さが、好ましくは、0.5〜2mmであり、より好ましくは、0.5〜0.8mmである。もちろん、六角形のセルの寸法構成は、作る目的の計時器用部品の種類に応じて変わることができる。例えば、ケース裏部を作るためには、ケースミドル部を作るのに必要な高さと比較して、高さが低いことが必要になる。また、セルの所望の密度に応じてセルのエッジの長さを変えることができる。
【0028】
当業者の必要条件に応じて、特に、特定の性質を得るために、異なる材料の繊維の組み合わせによって、ハニカム構造を作ることができる。例えば、炭素繊維及び超高密度ポリエチレン繊維を同じウェブ内で用いて、炭素の高い弾性率と超高密度ポリエチレンの高い靭性を組み合わせることができる。別の例において、ハニカム構造を作るためにアルミニウムを用いることができる。
【0029】
また、Vectran(登録商標)、PET又はガラス繊維のような繊維を特定の美的外観を得るように製造時に大量に染色することができる。例えば、有色の繊維を用いて、セル内に入れられたマトリックスとコントラストを発生させ、したがって、ハニカム構造を注目させることができる。また、同じ繊維ウェブ内で繊維の色を交互構成にすることも考えることができる。
【0030】
ハニカム構造を強化させるために、所望の性質に応じて熱硬化性樹脂タイプのマトリックスが選ばれ、これがハニカム構造のセル内に入れられる。この樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂又はポリシロキサン樹脂であることができる。本発明の好ましい変種において、層を別の層の上に重ね合わせる前にフィラメントに樹脂を適用させることによって、単方向性のウェブをあらかじめ充填する。
【0031】
なお、用語「マトリックス」は、ハニカム状の強化材のすべて又は一部を被覆しカバーする材料を意味する。
【0032】
金属材料によって作られたハニカム構造の場合には、マトリックスの接着性を促進させるために、ハニカム構造を形成するために用いられる金属材料の薄い膜にマイクロ穿孔を形成して、セルに入れられる樹脂がセルを形成する金属材料の薄い膜に浸透し、これによって、アセンブリーの靱性や耐久性を向上させることができる。本発明の変種の1つによると、ショットピーニング、カレンダー掛け、エッチング、又は表面レーザーによって、金属材料の薄い膜をテキスチャー加工して、セルを形成する金属材料の薄い膜に樹脂が良好に接着させることができる。
【0033】
本発明の特定の実施形態において、樹脂が、例えば、カーボンナノチューブフィラー、炭化ケイ素ナノダイヤモンドフィラーを含有して、張力や曲げ率を増加させたり耐引っ掻き性を改善させることができる。例えば、ナノダイヤモンドフィラーを0.5〜1.5%加えると、材料の硬度が高くなり、このことによって、引っ掻きや摩擦に対する計時器用部品の耐性を向上させることができる。
【0034】
また、樹脂は、一又は複数の種類のランタニドでドープされたアルカリ土類の酸化物のような有色及び/又は光輝性のフィラーを含有して、環境光が暗くなったときに、計時器用部品に特定の美的外観を与えることができる。この特に好ましい変種において、繊維材料は、ガラス繊維のように光透過性であり、樹脂と実質的に等しい屈折率を有する。例えば、繊維材料は、理想的には、両方とも屈折率が1.5であるガラス繊維とアクリル樹脂を組み合わせるように選ばれる。
【0035】
別の変種において、異なる日中/夜間の色の対を得るために、リン光性顔料を特定のフルオロフォアと組み合わせることができる。
【0036】
本発明のこれらの様々な態様の結果、特定の美的外観を有することができる堅牢性がある複合材料でできた部品が得られる。
【0037】
本発明は、さらに、少なくとも1つの強化材とマトリックスを有する複合材料から計時器用部品を作る方法に関し、この強化材は、マトリックスが入れられる複数のセルがある三次元的なハニカム構造の形態である。
【0038】
第1のステップにおいて、ハニカム構造を有する強化材が作られ、これを所望の形状、例えば、腕時計ケースの形、に切断することができる。
【0039】
次に、所望の部品の形を有する型内に前記強化材が配置され、この型が閉じられ、この型に温度Tと圧力Pにてマトリックスが入れられ、所定の温度サイクルにおいて圧力の下で樹脂を硬化ないしクロスリンクさせるステップによって、樹脂を構造に固定する。
【0040】
得られた部品は、冷却され圧力Pに維持された後に、機械加工/研磨によって仕上げて、部品の仕上げが良好であることを確実にすることができる。
【0041】
このような方法によって、本発明に適合する複合材料によって計時器を製造することが可能になる。したがって、腕時計ケース、表盤、プレート、ブリッジ、ベゼル又はフランジやリンクを製造することができる。
【0042】
このような材料は、伝統的な複合材料と比べて卓越しているハニカム構造に起因して、とりわけ軽量であり、非常に耐久性があり、また、特定の美的外観を有するような計時器を提供するために特に有利である。
【0043】
説明用の例(これに限定されない)として、図2a及び2bに示している腕時計ケース及びその裏蓋は、1%のナノダイヤモンド強化されたエポキシ樹脂を含有する炭素繊維ハニカム構造によって作ることができ、この腕時計ケースと裏蓋においては、計時器において特に求められる、靱性、衝撃吸収性、耐引っ掻き性及び軽量性の利点が組み合わさって発揮されるであろう。
【0044】
もちろん、本発明は、図示した例に制限されず、当業者が考えることができる様々な変種や改変を行うことができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
【国際調査報告】