【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のものによれば、把手の操作により、把手杆及び連動機構を介してラッチを解錠すると共に、アシスト杆の押動部を枠側の当接部に当接して蹴り出し、少しでも軽く開扉できるようにしたものであるが、完全なものではない。しかも、本願発明の目的である室内外の気圧差を解消するものではない。また、この特許文献1のものは前述したように、ラッチ、連動機構、把手杆及びアシスト杆等の構成部材を必要とするものであるため、高価となる。さらに、把手のデザインが制約(制限)されるという問題がある。さらにまた、前述のような構成であるため、この扉錠を既設の扉に採用することはできないという問題があった。
【0007】
因みに、扉の内外気圧差を解消するものとしては、従来から周知のように、扉の下部に予め通気孔を形成したものもあるが、これでは気密性が保持されないし、既設の扉に設けられない等の問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来例や周知技術の問題点を解消するために、本願発明者が実験と苦心を積み重ねて案出した全く新規な発明である。
【0009】
すなわち、閉鎖体である扉の内外に気圧差が発生した場合には、その気圧差を常時解消して、扉錠の把手等の操作部材も通常と変わらず軽快に操作でき、扉の開閉も通常と変わらず軽くできる。しかも、本発明品を扉に取り付ける場合には、扉に小さな丸穴等の取付穴を穿設するだけでよいため、扉のデザインを損なうこともないばかりか、扉錠の把手等の操作部材のデザインも何ら制約を受けることなく自由に選定することができる。また、従来例の如き構成部材は不要で簡単な部品でよいため、扉への取り付けが簡単である上に、コストも安価となる。さらに、既設の扉にも、前述したように小さな取付穴を穿設するだけで簡単に取り付けできる、等の閉鎖体用の内外気圧差解消装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1の閉鎖体用の内外気圧差解消装置は、閉鎖体たる扉の開放端側の一部に、把手やノブ等の操作部材で操作される扉錠を設けた扉
であって、室外側と室内側の気圧差の負圧となる少なくとも室内側の扉の適所には、移動体を設けた内外気圧差解消装置を設け、この内外気圧差解消装置の移動体は、扉の室外側と室内側との気圧差が殆ど0に近いときには、扉の内外気圧差解消装置の外気導入通路を密閉するとともに、前記気圧差が大きな状態になったときには、前記移動体が外気により室内側に押されて移動し、該内外気圧差解消装置に形成された外気導入通路から外気が室内側へ流入され、扉の室内外の気圧差が解消されるように構成してある
閉鎖体用の内外気圧差解消装置において、
この閉鎖体用の内外気圧差解消装置は、実施例1で詳述するように、室内外の気圧差が大きな状態になったときには、室内側中椀と室内側筒体とが室内側方向に移動し、該内外気圧差解消装置に形成された外気導入通路から外気が室内側へ流入され、扉の室内外の気圧差が解消されるように構成したものである。
すなわち、この請求項
1は、扉の内外側壁に取付穴を貫設し、室外側の取付穴には底板部中央位置にネジ穴を形成した椀状の室外側取付部材を嵌装するとともに、この室外側取付部材と前記取付穴とは外蓋で密閉する一方、
室内側の取付穴には、底板部の中央位置にネジ挿通穴を形成した椀状の室内側中椀を嵌装するとともに、この室内側中椀には底板部の外周縁近傍に外気導入通路を形成するとともに、胴体部にも外気導入通路を形成してあり、
前記室内側中椀のネジ挿通穴の室内側前方には室内側取付部材を設け、この室内側取付部材に形成したネジ挿通穴より取付ネジを嵌挿して、室内側中椀の前記ネジ挿通穴へ通して室外側取付部材の前記ネジ穴に螺合するとともに、該室内側取付部材と前記室内側中椀の底板部との間には、常に室内側中椀を室外側方向へ付勢するバネを設けてあり、
また、前記室内側取付部材には室内側筒体が嵌合してあり、内外気圧差が殆ど0に近い状態時には、この室内側筒体と室内側取付部材とが内外気圧差解消装置の外気導入通路を密閉し、
前記室内側中椀と室内側筒体とは内外気圧差解消装置の移動体となり、扉の室内外の気圧差が殆ど0に近いときには、上記移動体と室内側取付部材とが外気導入通路を密閉するとともに、前記気圧差が大きな状態になったときには、前記バネの付勢力に抗して移動体たる室内側中椀と室内側筒体とは外気により室内側に押されて移動し、室内側中椀の外気導入通路から外気が室内側へ流入され、扉の室内外の気圧差が解消されるように構成してあることを特徴とする。
【0011】
ここで、「把手やノブ等の操作部材」とは、扉錠を施解錠して扉を開閉操作するための一般的なレバーハンドルやプッシュ・プル式ハンドル等の把手、又はノブ(握り玉)などをいう。
【0012】
また、扉の室外側と室内側との気圧差が「殆ど0に近い」とは、本明細書では、気圧差が完全に0であるのを含むことは勿論のこと、略0に近い場合も含む意味である。
【0013】
請求項
2の閉鎖体用の内外気圧差解消装置は、
閉鎖体たる扉の開放端側の一部に、把手やノブ等の操作部材で操作される扉錠を設けた扉であって、室外側と室内側の気圧差の負圧となる少なくとも室内側の扉の適所には、移動体を設けた内外気圧差解消装置を設け、この内外気圧差解消装置の移動体は、扉の室外側と室内側との気圧差が殆ど0に近いときには、扉の内外気圧差解消装置の外気導入通路を密閉するとともに、前記気圧差が大きな状態になったときには、前記移動体が外気により室内側に押されて移動し、内外気圧差解消装置に形成された外気導入通路から外気が室内側へ流入され、扉の室内外の気圧差が解消されるように構成してある閉鎖体用の内外気圧差解消装置において、
扉の室内側側壁部に取り付けるだけでよく、実施例2で詳述するように、気圧差によって室内側へ移動する移動体は、取付部材に嵌装されると共に、該取付部材は室内側の扉の表面にネジ等で固定するものである。
すなわち、この請求項
2は、扉の室内側側壁に取付穴を貫設し、この室内側の取付穴には、底板部の中央部に外気導入通路を形成した椀状の取付部材を嵌装するとともに、該取付部材の鍔部を取付部材の取付ネジを覆うカバー体で被蓋した状態で扉の室内側側壁にネジや圧入嵌合や圧着等で固定する一方、
前記取付部材の中空部には、外気導入通路を形成した移動体が嵌装してあるとともに、該移動体と前記カバー体との間には、常に移動体を室外側方向へ付勢するバネを設けて、室内外の気圧差が殆ど0に近いときには、取付部材と移動体の外気導入通路を密閉するとともに、前記気圧差が大きな状態になったときには、前記バネの付勢力に抗して前記移動体は外気により室内側に押されて移動し、取付部材及び移動体の外気導入通路から外気が室内側に流入され、扉の室内外の気圧差が解消されるように構成してあることを特徴とする。
【0014】
請求項
3の閉鎖体用の内外気圧差解消装置は、
閉鎖体たる扉の開放端側の一部に、把手やノブ等の操作部材で操作される扉錠を設けた扉であって、室外側と室内側の気圧差の負圧となる少なくとも室内側の扉の適所には、移動体を設けた内外気圧差解消装置を設け、この内外気圧差解消装置の移動体は、扉の室外側と室内側との気圧差が殆ど0に近いときには、扉の内外気圧差解消装置の外気導入通路を密閉するとともに、前記気圧差が大きな状態になったときには、前記移動体が外気により室内側に押されて移動し、内外気圧差解消装置に形成された外気導入通路から外気が室内側へ流入され、扉の室内外の気圧差が解消されるように構成してある閉鎖体用の内外気圧差解消装置において、
実施例3で詳述するように、気圧差によって室内側へ移動する移動体は、室外側移動体と室内側移動体との一対の移動体で構成してあるものである。
すなわち、この請求項
3は、扉の室内側側壁から室外側側壁までの水平方向に取付穴を貫設し、この取付穴の長手方向には、両端部にねじ部を形成した筒状の本体を嵌挿するとともに、
前記取付穴の室外側には、前記筒状の本体の一端部のねじ部に螺合した椀状の室外側取付部材を嵌装し、この室外側取付部材の開口部には、バネにより常に室外方向へ付勢されると共に、一部に外気導入通路を形成した室外側移動体を嵌装するとともに、室外側取付部材の開口部と室外側移動体の外気導入通路とは外蓋で密閉する一方、
前記取付穴の室内側には、筒状の本体の他端部のねじ部に螺合した椀状の室内側取付部材を嵌装し、この室内側取付部材の開口部には、バネにより常に室外方向へ付勢されると共に、一部に外気導入通路を形成した室内側移動体を嵌装するとともに、室内側取付部材の開口部と室内側移動体の外気導入通路とは室内側移動体で密閉し、
扉の室内外の気圧差が殆ど0に近いときには、室外側移動体は、そのバネの付勢力により室外側方向に押されて外蓋に圧着して、該外蓋と室外側移動体とで室外側移動体の外気導入通路が閉塞されるととも、室内側移動体はそのバネの付勢力により室外側に押されて室内側取付部材に圧着して該室内側取付部材で室内側移動体の外気導入通路が閉塞される一方、
扉の室内外の気圧差が大きな状態になったときには、室外側の外気が室外側移動体をそのバネの付勢力に抗して室内側方向へ押して移動体が移動し、該室外側移動体の外気導入路より外気が送られ、その送られた外気は筒状の本体内を経て、室内側移動体をバネの付勢力に抗して室内側方向へ押して、該室内側移動体の外気導入通路より外気が室内側へ送られて、室内外の気圧差が解消されるように構成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1の閉鎖体用の内外気圧差解消装置によれば、閉鎖体である扉の内外に気圧差が発生した場合には、その気圧差を常時解消して、扉錠の把手等の操作部材も通常と変わらず軽快に操作でき、扉の開閉も通常と変わらず軽くできる。しかも、本発明品を扉に取り付ける場合には、扉に小さな丸穴等の取付穴を穿設するだけでよいため、扉のデザインを損なうこともないばかりか、扉錠の把手等の操作部材のデザインも何ら制約を受けることなく自由に選定することができる。また、従来例の如き構成部材は不要で簡単な部品でよいため、扉への取り付けが簡単である上に、コストも安価となる。さらに、既設の扉にも、前述したように小さな取付穴を穿設するだけで簡単に取り付けできる等の閉鎖体用の内外気圧差解消装置を提供することができる。
この請求項
1の閉鎖体用の内外気圧差解消装置によれば
、室外側取付部材と室内側中椀及び室内側取付部材とを取付ネジで固定するだけでよく、取付作業が極めて簡単である。しかも該取付ネジは扉の取付穴の内部に埋設されているので、外観的に見苦しくないなどの利点がある。
【0016】
請求項
2の閉鎖体用の内外気圧差解消装置によれば、上記請求項1の効果を奏するだけでなく、前
記の如き室外側の取付穴の加工も不要で、室外側取付部材や外蓋及び取付ネジは不要であるから取付穴の加工が容易であり、また構成部品が少なくなるとともに、室内側中椀の鍔部を室内側筒体で被蓋した状態で扉の室内側側壁にネジで固定するだけでよいから扉への取り付けが簡単である。
【0017】
請求項
3の閉鎖体用の内外気圧差解消装置によれば、上記請求項1の効果を奏するだけでなく、本発明に係る内外気圧差解消装置を取付ける扉(又は扉框)が、中空でない場合には、外気が扉内の中空部を介さずに直接室外側から室内側に流入されると共に、前記構成部品を当該扉(又は扉框)に強固に取り付けられる等の利点がある。