(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
(実施の形態1)
<LEDディスプレイ装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係るLEDディスプレイ装置の構成の一例を示す平面図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る表示部の構成の一例を拡大して示す平面図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係るLEDディスプレイ装置の構成の一例を示す断面図である。
図1、
図2では、LEDディスプレイ装置100の表示部20の一部が示されたものである。また、
図1では、LED素子30が配置された面とは異なる面に設けられたデータ線40、50については点線で表示されている。
図3では、一部のLED素子30とその周囲の断面形状が模式的に示されている。なお、
図3では、配線間の接続構造を明示するため、簡略化して表示されている。
【0018】
LEDディスプレイ装置100は、例えば
図1〜
図3に示すように、LED基板10、表示部20、データ線40、電源線50、LED保護層60、接着層70、保護層80等を備えている。
【0019】
LED基板10は、例えば、平板状にされた透明な基板である。平面視におけるLED基板10の形状は、例えば矩形、円形、楕円形等であるが、これらの形状に限定されるものではない。例えば、LED基板10の形状は、LEDディスプレイ装置100の設置場所等を考慮した任意の形状であってもよい。
【0020】
LED基板10は、高耐熱性を有する材質で構成されている。本明細書において「高耐熱性を有する」とは、LED基板10の温度が、例えば160℃に達しても、LED基板10が変質せず、LEDディスプレイ装置100が正常に動作していることをいう。また、LED基板10は可撓性を有する材質で構成されていることが好ましい。これにより、LED基板10は、LEDディスプレイ装置100の設置場所に応じて任意の形状に変形することができる。
【0021】
LED基板10は、これらの特性を満たす材質として、例えば、PCB(Poly Chlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)、PET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタラート)、PEN(Poly Ethylene Naphthalate:ポリエチレンナフタレート)、PI(polyimide:ポリイミド)等の樹脂で構成されている。
【0022】
LED基板10の第1の主面10aには、表示部20等が設けられている。表示部20には、
図1、
図2に示すように、複数の画素25がX軸方向(行方向)、Y軸方向(列方向)のそれぞれに沿ってマトリクス状に配置されている。
【0023】
それぞれの画素25は、異なる色を発する複数のLED素子30からなる。具体的には、画素25は、
図2に示すように、赤色を発するLED素子30Rと、緑色を発するLED素子30Gと、青色を発するLED素子30Bと、LED素子30Xとからなる。ここで、LED素子30Xは、これらの色とは異なる色を発するLED素子であってもよいし、これらの色のいずれかと同一の色を発するLED素子であってもよい。すなわち、表示部20は、
図2に示すように、複数のLED素子30がX軸方向(行方向)、Y軸方向(列方向)のそれぞれに沿ってマトリクス状に配置されて構成されている。
【0024】
1つの画素25内では、
図2示すように、LED素子30R、30Gが、X軸方向に沿って隣接して配置され、LED素子30X、30Bが、X軸方向に沿って隣接して配置されている。また、LED素子30R、30Xが、Y軸方向に沿って隣接して配置され、LED素子30G、30Bが、Y軸方向に沿って隣接して配置されている。なお、
図1では、LED素子30の色配置の一例が示されているが、画素25内におけるLED素子30の色配置は、これに限定されるものではない。また、画素25ごとに、LED素子30の色配置が変更されていても構わない。
【0025】
LED基板10の第1の主面10aには、LED素子30ごとにリード線45、55が設けられている。それぞれのLED素子30は、
図3に示すように、ワイヤー46、56を介してリード線45、55とそれぞれ接続されている。ワイヤー46の材質には、例えば金が用いられる。
【0026】
LED基板10には、例えば
図3に示すように、第1の主面10aと第1の主面とは反対側の第2の主面10bとを貫通する貫通孔(第1の貫通孔)15、貫通孔(第2の貫通孔)16が形成されている。貫通孔15、16は、LED素子30ごとに設けられている。例えば、貫通孔15は、対応するLED素子30と接続されたリード線45の配線領域に開口部が設けられるように形成されている。また、貫通孔16は、対応するLED素子30と接続されたリード線55の配線領域に開口部が設けられるように形成されている。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態1に係るLEDディスプレイ装置の構成のその他の例を示す断面図である。貫通孔15の端部には、例えば
図4に示すように、面取り部15a、15bが形成されてもよい。第1の主面10a側における貫通孔15の端部には、面取り部15aが形成されている。第2の主面10b側における貫通孔15の端部には、面取り部15bが形成されている。貫通孔16の端部には、例えば
図4に示すように、面取り部16a、16bが形成されてもよい。第1の主面10a側における貫通孔16の端部には、面取り部16aが形成されている。第2の主面10b側における貫通孔16の端部には、面取り部16bが形成されている。面取り部15a、15b、16a、16bは、貫通孔15、16と、第1の主面10a、第2の主面10bとが、なだらかに接続されるように形成されている。貫通孔15、16、面取り部15a、15b、16a、16bの側壁には、図示しない金属層が設けられている。
【0028】
LED基板10の第1の主面10aと反対側の第2の主面10bには、
図1、
図2に示すように、複数のデータ線40及び複数の電源線50が設けられている。データ線40及び電源線50は、
図1、
図2に示すように、平面視で複数のLED素子30と交差し、並行して延在している。具体的には、平面視で表示部20の周縁部から表示部20内へ向けて、表示部20内で同一方向に延在するように設けられている。詳しくは、データ線40及び電源線50は、
図1、
図2に示すように、表示部20において、複数のLED素子30により構成されたマトリクスの列方向に沿ってそれぞれ延在している。さらに詳しくは、データ線40及び電源線50は、例えば
図1に示すように、Y軸の負側から表示部20へ進入し、表示部20内ではY軸の正側に向けて延在するように設けられている。
【0029】
例えば、LED素子30R、30Xが配置された列には、
図2に示すように、データ線40(40R、40X)及び電源線50が、平面視でLED素子30R、30Xと交差し、並行して延在している。また、LED素子30G、30Bが配置された列には、
図2に示すように、データ線40(40G、40B)及び電源線50が、平面視でLED素子30G、30Bと交差し、並行して延在している。
【0030】
データ線40は、例えば、LED素子30ごとに設けられている。一方、電源線50は、
図1、
図2に示すように、複数のLED素子30と接続されている。具体的には、電源線50は、
図1、
図2に示すように、表示部20におけるLED素子30のマトリクスの列ごとに設けられ、それぞれの電源線50は、一列に並んだ全てのLED素子30と接続されている。このように、1つの画素25には、2本の電源線50が接続されている。
【0031】
また、
図2に示すLED素子30G、30Bが配置された列には、この列の他のLED素子30と接続されるデータ線40が設けられている。このように、各LED素子30には、最大で、同じ列に配置されLED素子30の数と同数のデータ線40が平面視で交差し、並行して延在している。
【0032】
データ線40は、貫通孔15を介してLED素子30と接続されている。具体的には、データ線40は、
図3に示すように、貫通孔15の図示しない金属層、リード線45、ワイヤー46を介してLED素子30と接続されている。一方、電源線50は、
図3に示すように、貫通孔16を介してLED素子30と接続されている。具体的には、電源線50は、貫通孔16の図示しない金属層、リード線55、ワイヤー56を介してLED素子30と接続されている。
【0033】
データ線40、電源線50、リード線45、55、貫通孔15、16の図示しない金属層は、例えば、銅を主成分して構成されている。ここで、「銅を主成分」とは、これらの配線等を構成する材質がほとんど銅であるが、不純物が混入された場合も含まれることを意味する。
【0034】
データ線40(40R、40G、40B、40X)、電源線50は、図示しない制御部(コントローラ)と接続されている。データ線40(40R、40G、40B、40X)、電源線50には、制御部から所定の信号(例えば電位)が出力される。それぞれのLED素子30は、データ線40(40R、40G、40B、40X)、電源線50から供給される信号(例えば電位)に基づいてオン・オフが切り替えられる。それぞれのLED素子30のオン・オフ状態が切り替えられることにより、表示部20には、静止画像や動画像が表示される。
【0035】
なお、LEDディスプレイ装置100の透明度とは、平面視におけるLED基板10の面積から、LED基板10に設けられたLED素子30、データ線40、電源線50等の構成要素の平面視における面積を除いた面積の、平面視におけるLED基板10の面積に対する割合のことをいう。
【0036】
以下に、貫通孔15、16、データ線40、リード線45、55、電源線50を形成する工程の概略について説明する。まず、LED基板10に対して、例えばレーザーを照射することにより、貫通孔15、16が形成される。貫通孔15は、LED素子30が配置される位置と、リード線45が形成される位置とを考慮して決定された所定の位置に形成される。貫通孔16は、LED素子30が配置される位置と、リード線55が形成される位置とを考慮して決定された所定の位置に形成される。貫通孔15、16に対し、必要に応じて面取り部15a、15b、16a、16bを形成する工程が設けられてもよい。
【0037】
次に、例えばメッキ工程により、貫通孔15、16の側壁に例えば銅を主成分とする金属層が形成される。メッキ工程では、側壁だけでなく、貫通孔15、16の全体が埋まるように金属層が形成されても構わない。
【0038】
次に、第1の主面10aに、リード線45、55が形成される。例えば、第1の主面10aにスパッタリング等の成膜工程により、例えば銅を主成分とする金属層が形成される。その後、あらかじめ規定した配線パターンに基づいて金属層をパターニングすることにより、リード線45、55が形成される。
【0039】
次に、第2の主面10bに対して、データ線40、電源線50が形成される。データ線40、電源線50は、第1の主面10aに対して行ったものと同一の工程で形成されるので、詳細な説明は省略する。なお、第2の主面10bに対しデータ線40、電源線50を形成する工程を行った後に、第1の主面10aに対しリード線45、55を形成する工程を行っても構わない。
【0040】
LED基板10の第1の主面10a側には、
図3に示すように、LED素子30を覆うLED保護層60が設けられている。例えば、LED保護層60は、LED素子30及びワイヤー46、56を覆うように設けられている。LED保護層60は、透明性、絶縁性、延性を備えた材質(例えば、シリコンエポキシ樹脂等)で構成される。
【0041】
LED保護層60は、例えば、画素25ごとに設けられてもよいし、LED素子30ごとに設けられてもよい。あるいは、LED保護膜60は、複数の画素25にわたって設けられてもよい。
【0042】
また、LED基板10の第1の主面10a側には、
図3に示すように、接着層70が設けられている。接着層70も、透明性、延性を有する材質で構成されていることが好ましい。接着層70は、隣接するLED保護層60の間の空間に設けられている。LED保護層60及び接着層70は、例えば、LED基板10の第1の主面10aから同じ高さとなるように構成されている。
【0043】
LED基板10の第2の主面10b側には、
図2に示すように、保護層80が設けられている。保護層80は、データ線40、電源線50、LED基板10等を保護するために設けられている。保護層80は、例えば、透明性、延性を有する材質で構成されていることが好ましい。
【0044】
<本実施の形態による効果>
本実施の形態によれば、データ線40及び電源線50が、LED基板10の第2の主面10bに設けられ、平面視でLED素子30と交差し、並行して延在している。
【0045】
この構成によれば、平面視におけるデータ線40、電源線50、LED素子30を合わせた面積が低減されるので、画素数が増加しても透明度の低下を抑えたLEDディスプレイ装置100が提供される。これにより、透明度の低下を抑えつつ、高品質な映像を表示することが可能なLEDディスプレイ装置100が提供される。また、これにより、LEDディスプレイ装置100が、例えば窓ガラスに設置された場合であっても、映像を表示する面とは反対側の面からLEDディスプレイ装置100を介して窓外の景色を見る際の視認性の低下が抑えられる。すなわち、LEDディスプレイ装置100による高品質な映像を表示しつつ、窓外の景色の視認性の低下が抑えられる。
【0046】
また、本実施の形態によれば、表示部20は、複数のLED素子30からなる画素25がマトリクス状に複数配置されて構成され、データ線40及び電源線50が、マトリクスの列方向にそれぞれ延在している。
【0047】
この構成によれば、データ線40は隣接する画素25と最短距離で交差させることができるので、データ線40の長さが抑えられ、配線負荷が低減される。また、これにより、LEDディスプレイ装置100の消費電力が抑えられる。また、この構成によれば、表示部20では、一定の間隔で画素25が配置されることとなるので、表示される映像の品質を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、電源線50は、複数のLED素子30と接続されている。この構成によれば、LED素子30ごとに電源線50を設けなくてもよいので、電源線50の本数が抑えられ、配線領域が低減される。
【0049】
また、本実施の形態によれば、データ線40、電源線50、リード線45、46、貫通孔15、16の金属層は、銅を主成分として構成されている。この構成によれば、これらの配線に安価な材料が利用されるので、製造コストが低減される。
【0050】
また、本実施の形態によれば、LED基板10は、高耐熱性を有する材質で構成されている。この構成によれば、LED素子30が高温状態となった場合でもLED基板10が変質しないので、動作性能を向上させたLEDディスプレイ装置100が提供される。
【0051】
また、本実施の形態によれば、LED基板10が可撓性を有する材質で構成されている。
【0052】
この構成によれば、設置場所に合わせて任意に変形されるので、設置場所の自由度を向上させたLEDディスプレイ装置が提供される。
【0053】
また、本実施の形態によれば、LED基板10は、PCBで構成されている。この構成によれば、安価な材料を利用することとなるので、製造コストが低減される。
【0054】
また、本実施の形態によれば、貫通孔15、16の端部には、面取り部15a、15b、16a、16bが形成されている。
【0055】
この構成によれば、貫通孔15、16の端部がなだらかな形状となるので、貫通孔15とリード線45及びデータ線40との断線、貫通孔16とリード線55及び電源線50との断線が抑えられる。これにより、信頼線を向上させたLEDディスプレイ装置100が提供される。
【0056】
また、本実施の形態によれば、画素25は、異なる色を発する複数のLED素子30で構成されている。
【0057】
この構成によれば、それぞれの画素25にさまざまな色を表示させることが可能となるので、表示品質を向上させたLEDディスプレイ装置100が提供される。
【0058】
また、本実施の形態によれば、LED基板10の第1の主面10a側には、LED素子30、ワイヤー46、56を覆うLED保護層60が設けられている。
【0059】
この構成によれば、LED素子30、ワイヤー46、56に対する衝撃が緩和されるので、ワイヤー46、56の断線を防止し、信頼性を向上させたLEDディスプレイ装置100が提供される。
【0060】
また、本実施の形態によれば、隣接するLED保護層60の間の空間に、接着層70が設けられている。
【0061】
この構成によれば、LEDディスプレイ装置100が任意の場所に固定されるので、設置場所の自由度を向上させたLEDディスプレイ装置100が提供される。
【0062】
また、本実施の形態によれば、LED保護層60及び接着層70が、LED基板10の第1の主面10aから同じ高さとなるように設けられている。
【0063】
この構成によれば、LEDディスプレイ装置100を設置場所に密着させることができるので、安定して設置場所に固定されるLEDディスプレイ装置100が提供される。
【0064】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、複数の基板が積層された場合について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1と重複する内容については、原則として説明を省略する。
【0065】
図5は、本発明の実施の形態2に係るLEDディスプレイ装置の構成の一例を示す断面図である。本実施の形態に係るLEDディスプレイ装置200は、実施の形態1のLEDディスプレイ装置100に、配線基板110が積層されて構成されている。具体的には、LEDディスプレイ装置200は、LED基板10の第2の主面10b側に、透明な配線基板110が積層されて構成されている。
【0066】
配線基板110は、上述の実施の形態で説明したLED基板10と同様の性質を備えているので、材質等の詳細な説明は省略する。LED基板10の第2の主面10bと対向する配線基板110の第1の主面110aには、データ線140及び電源線150が設けられている。このように、本実施の形態では、データ線及び電源線は、複数の面、複数の基板に設けられ、階層化されている。
【0067】
LED基板10の第2の主面10bには、
図5に示すように、貫通孔15と接続されたリード線145、貫通孔16と接続されたリード線155が設けられている。また、LED基板10の第2の主面10b側には、リード線145、155が露出されるように保護層80が設けられている。一方、LED基板10及び配線基板110は、
図5に示すように、データ線140及びリード線145が接するように、電源線150及びリード線155が接するように貼り合されている。このように、データ線140はリード線145と接続され、電源線150はリード線155と接続されている。
【0068】
データ線140は、LED基板10の貫通孔15を介してLED素子30と接続されている。具体的には、データ線140は、
図5に示すように、リード線145、貫通孔15の図示しない金属層、リード線45、ワイヤー46を介してLED素子30と接続されている。一方、電源線150は、LED基板10の貫通孔16を介してLED素子30と接続されている。具体的には、電源線150は、リード線155、貫通孔16の図示しない金属層、リード線55、ワイヤー56を介してLED素子30と接続されている。
【0069】
なお、本実施の形態における保護層80は、LED基板10の第2の主面10bに設けられた配線と、配線基板110の第1の主面110aに設けられた配線との間の電気的ショートを防止する絶縁層として機能する。
【0070】
表示部20において、配線基板110の第1の主面110aに設けられたデータ線140及び電源線150は、
図1に示すように、平面視でLED素子30と交差し、並行して延在している。また、データ線140及び電源線150は、LED基板10に設けられたデータ線40及び電源線50に対しても並行して延在している。その際、データ線140及び電源線150は、平面視でデータ線40及び電源線50と重なるように配置されても構わない。
【0071】
なお、ここでは、配線基板110の第1の主面110aにデータ線140及び電源線150が設けられた場合について説明したが、本実施の形態に係るLEDディスプレイ装置200は、このような構成に限定されるものではない。例えば、配線基板110の第1の主面110aには、データ線140、電源線150のいずれかのみが設けられていても構わない。この場合には、LED素子30は、例えば、データ線140及び電源線50と接続されてもよいし、例えば、データ線40及び電源線150と接続されてもよい。
【0072】
また、配線基板110の第1の主面110aにデータ線140及び電源線150の両方が設けられた場合でも、LED素子30は、データ線140及び電源線50と接続されてもよいし、データ線40及び電源線150と接続されてもよい。
【0073】
図6は、本発明の実施の形態2に係るLEDディスプレイ装置の構成のその他の例を示す断面図である。以下では、
図5と重複する内容についても、原則として詳細な説明を省略する。配線基板110の第1の主面110aと反対側の第2の主面110bには、配線基板110の第1の主面110aと第2の主面110bとを貫通する貫通孔(第3の貫通孔)115、貫通孔(第4の貫通孔)116が形成されている。貫通孔115、116については、実施の形態1の貫通孔15、16と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0074】
配線基板110の第1の主面110aには、貫通孔115と接続されたリード線245、貫通孔116と接続されたリード線255が設けられている。配線基板110の第1の主面110aと反対側の第2の主面110bには、貫通孔115と接続されたデータ線240、貫通孔116と接続された電源線250が設けられている。LED基板10及び配線基板110は、
図6に示すように、リード線145及びリード線245が接するように、リード線155及びリード線255が接するように貼り合されている。このように、リード線245はリード線145と接続され、リード線255はリード線155と接続されている。
【0075】
データ線240は、配線基板110の貫通孔115と、LED基板10の貫通孔15とを介してLED素子30と接続されている。具体的には、データ線240は、
図6に示すように、貫通孔115の図示しない金属層、リード線245、リード線145、貫通孔15の図示しない金属層、リード線45、ワイヤー46を介してLED素子30と接続されている。一方、電源線250は、配線基板110の貫通孔116と、LED基板10の貫通孔16とを介してLED素子30と接続されている。具体的には、電源線250は、貫通孔116の図示しない金属層、リード線255、リード線155、貫通孔16の図示しない金属層、リード線55、ワイヤー56を介してLED素子30と接続されている。
【0076】
表示部20において、配線基板110の第2の主面110bに設けられたデータ線240及び電源線250は、
図1に示すように、平面視でLED素子30と交差し、並行して延在している。また、データ線240及び電源線250は、LED基板10に設けられたデータ線40及び電源線50、配線基板110の第1の主面110aに設けられたデータ線140及び電源線150に対しても並行して延在している。その際、データ線240及び電源線250は、平面視でデータ線40及び電源線50、データ線140及び電源線150と重なるように配置されても構わない。
【0077】
配線基板110の第2の主面110b側には、保護層180が設けられている。保護層180の材質等については、上述した保護層80と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0078】
なお、LED基板10の第2の主面10bには、リード線145、155、データ線40、電源線50が混在していても構わない。また、配線基板110の第1の主面110aには、リード線245、255、データ線140、電源線150が混在していても構わない。
【0079】
また、ここでは、配線基板110の第2の主面110bにデータ線240及び電源線250が設けられた場合について説明したが、本実施の形態に係るLEDディスプレイ装置200は、このような構成に限定されるものではない。例えば、配線基板110の第2の主面110bには、データ線240、電源線250のいずれかのみが設けられていても構わない。この場合には、LED素子30は、上述した組み合わせ以外にも、例えば、データ線240及び電源線50、150と接続されてもよいし、例えば、データ線40、140及び電源線250と接続されてもよい。
【0080】
また、配線基板110の第2の主面110bにデータ線240及び電源線250の両方が設けられた場合でも、LED素子30は、それぞれ異なる階層に設けられたデータ線40、140、240及び電源線50、150、250と接続されてもよい。
【0081】
図7は、本発明の実施の形態2に係る配線構造の一例を示す図である。なお、
図7では、階層化された配線構造を明示するため、基板ごとの詳細な構成については省略されている。
【0082】
本実施の形態のように、データ線が階層化されている場合には、データ線40(140、240)の延在方向の先端側に設けられたLED素子30は、配線基板110の積層方向(+Z軸方向)の先端側に設けられたデータ線(例えばデータ線140、240)と接続されていることが好ましい。
【0083】
具体的には、LED素子30から最も遠い配線基板110の第2の主面110bに設けられたデータ線240は、例えば
図7に示すように、マトリクスにおけるY軸の正側に設けられたグループAのLED素子30と接続されるよう、+Y軸方向に表示部20のほぼ全域にわたって延在させる。また、配線基板110の第1の主面110aに設けられたデータ線140は、例えば、
図7に示すように、マトリクスにおける列の中段に設けられたグループBのLED素子30と接続されるよう延在させる。また、LED基板10の第2の主面10bに設けられたデータ線40は、例えば
図7に示すように、マトリクスにおけるY軸の負側に設けられたグループCのLED素子30と接続されるよう延在させる。
【0084】
<本実施の形態による効果>
本実施の形態によれば、実施の形態1で説明した効果に加え、以下の効果を奏する。
【0085】
本実施の形態によれば、LED基板10の第2の主面10b側に積層された透明な配線基板110の第1の主面110aに、LED素子30と接続されたデータ線140が設けられ、表示部20において、配線基板110のデータ線140及び電源線150は、平面視でLED素子30と交差し、並行して延在している。
【0086】
この構成によれば、データ線及び電源線が階層化されるので、平面視における配線領域を拡大させることなく、データ線及び電源線の配線本数を増やすことができる。これにより、画素数が増加した場合でも、透明度の低下が抑えられる。したがって、高品質な映像が表示されつつ、透明度の低下が抑えられたLEDディスプレイ装置が提供される。
【0087】
また、本実施の形態によれば、配線基板110の第2の主面110bにもLED素子30と接続されたデータ線150が設けられ、表示部20において、配線基板110のデータ線150は、平面視でLED素子30と交差し、並行して延在している。
【0088】
この構成によれば、データ線及び電源線がさらに階層化されるので、平面視における配線領域を拡大させることなく、データ線及び電源線の配線本数をさらに増やすことができる。これにより、画素数がさらに増加した場合でも、透明度の低下が抑えられる。したがって、さらに高品質な映像が表示されつつ、透明度の低下が抑えられたLEDディスプレイ装置が提供される。
【0089】
また、本実施の形態によれば、データ線40、140、240は、平面視で表示部20の周縁部から表示部20内へ向けて、表示部20内で同一方向に延在するように設けられ、データ線40、140、240の延在方向(+Y軸方向)の先端側に設けられたLED素子30は、配線基板110の積層方向(+Z軸方向)の先端側に設けられたデータ線240(140)と接続されている。
【0090】
この構成によれば、異なる階層のデータ線と接続された配線が同一階層で重なり合わないので、データ線の配線が効率的に行われる。これにより、平面視における配線領域を増やすことなく、データ線の配線本数をさらに増やすことができ、画素数がさらに増加した場合でも透明度の低下が抑えられる。したがって、さらに高品質な映像が表示されつつ、透明度の低下が抑えられたLEDディスプレイ装置が提供される。
【0091】
(その他の実施の形態)
本発明のLEDディスプレイ装置は、これら以外の実施の形態であってもよい。例えば、LEDディスプレイ装置は、LED基板10の第1の主面10aから第2の主面10bに向かう方向に複数の配線基板110が積層されて構成されてもよい。
【0092】
この構成によれば、データ線及び電源線がより一層階層化されるので、平面視における配線領域を拡大させることなく、データ線及び電源線の配線本数をより一層増やすことができる。これにより、画素数がより一層増加した場合でも、透明度の低下が抑えられる。したがって、より一層高品質な映像が表示されつつ、透明度の低下が抑えられたLEDディスプレイ装置が提供される。
【0093】
また、本実施の形態においても、データ線は、例えば
図7に示すような配線構造で設けられることが好ましい。前述の実施の形態では、階層の段数に応じてLED素子30が3つのグループに分けられた。一方、本実施の形態では、配線基板110の積層数が増えるごとに階層の段数が増えるので、LED素子30が、新たな段数に応じてグループ分けされるとよい。
【0094】
この構成によれば、配線基板110を増やしても、平面視における配線領域を増やすことなく、データ線の配線本数をより一層増やすことができ、画素数がより一層増加した場合でも透明度の低下が抑えられる。したがって、より一層高品質な映像が表示されつつ、透明度の低下が抑えられたLEDディスプレイ装置が提供される。
【0095】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明はこれまで記載した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。