技術分野
高度な表面模様の確保を要求される軽量な表皮材付発泡成形体及びその製造方法
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】高度な意匠性表面が得られるパウダースラッシュ成形による熱可塑性樹脂シートを表皮材として、表面の意匠性が損なわれることのない表皮材付発泡成形体を提供すること。
【解決手段】加熱された成形型を用いて熱可塑性樹脂パウダーをパウダースラッシュ成形することにより形成された表皮材1と、該表皮材の裏面に対応する形状に予め成形された熱可塑性樹脂発泡成形体2とが、該成形型内において、該表皮材裏面1bと該発泡成形体の外表面とが接着可能な温度条件下で、該表皮材の裏面に該発泡成形体を押圧することにより接着されてなる表皮材付発泡成形体10である。
【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、特許文献1に記載の表皮材付発泡成形体の製造方法においては、表皮材が、表皮層と架橋発泡シートからなるクッション材層とをホットメルト接着剤で熱接着する工程を要するし、またクッション材層を有していても、当該表皮材を発泡成形体用金型の内面にセットした状態で、発泡粒子を充填してスチームにより加熱して型内成形する工程において、そのスチーム圧力(成形圧)による表皮材の表面加飾への影響を十分に回避することはできていない。
また、特許文献2に記載の発明においても、表皮を得るため、外側被膜の成形、及び降温後の発泡ビーズ層の形成と、2回のスラッシュパウダー成形型を用いての成形が必要であること、得られた表皮を発泡成形体と一体化するため、表皮を発泡成形の成形型面に配置して発泡ビーズを充填し、スチーム加熱により型内成形して表皮が一体化した表皮(材)付発泡成形品とするので、スチーム圧(成形圧)による表皮の表面加飾への影響を十分に回避することはできていない。
そこで、本発明者らは、高度な意匠性表面が得られるパウダースラッシュ成形による成形体を表皮材として、表面の意匠性が損なわれることのない表皮材付発泡成形体を得ることを目的として鋭意検討した結果、スラッシュ成形により形成された表皮材の内面に、予め成形した樹脂発泡成形体を挿入し、熱融着することによって達成できることを知得して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔3〕に記載の発明を提供する。
〔1〕熱可塑性樹脂からなる表皮材と熱可塑性樹脂発泡成形体とが接着一体化した表皮材付発泡成形体の製造方法であって、
該製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする表皮材付発泡成形体の製造方法。
(1)所望とする表皮材の意匠の型面を有する加熱された成形型を用いて、可塑性樹脂パウダーをパウダースラッシュ成形して、該成形型の型面に所要厚みの表皮材を形成する表皮材形成工程、
(2)前記形成工程後、次工程の発泡成形体との接着に適する温度迄、該表皮材の裏面側の温度を降温する降温工程、
(3)前記降温工程後、成形型内で、該表皮材の裏面に、該表皮材の裏面に対応する形状に予め成形された熱可塑性樹脂発泡成形体を押圧して、該表皮材の裏面と該発泡成形体の外表面を接着させて表皮材付発泡成形体を形成する一体化工程、
(4)次いで、一体化された表皮材付発泡成形体を冷却する冷却工程、及び
(5)前記冷却工程後、成形型から表皮材付発泡成形体を離型する離型工程。
〔2〕熱可塑性樹脂からなるパウダースラッシュ成形表皮材と熱可塑性樹脂発泡成形体とが接着一体化した表皮材付発泡成形体であって、加熱された成形型を用いて熱可塑性樹脂パウダーをパウダースラッシュ成形することにより形成された表皮材と、該表皮材の裏面に対応する形状に予め成形された熱可塑性樹脂発泡成形体とが、該成形型内において、該表皮材裏面と該発泡成形体の外表面とが接着可能な温度条件下で、該表皮材の裏面に該発泡成形体を押圧することにより接着されてなる、表皮材付発泡成形体。
〔3〕熱可塑性樹脂からなるパウダースラッシュ成形表皮材と熱可塑性樹脂発泡成形体とが接着一体化した表皮材付発泡成形体であって、前記表皮材と前記熱可塑性樹脂発泡成形体とを剥離した際に、熱可塑性樹脂発泡成形体の材料破壊率が20%以上であり、かつ、剥離された表皮材の裏面には、完全に溶融していない熱可塑性樹脂パウダーが10個/cm
2以上残留している、表皮材付発泡成形体。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
【発明の効果】
本発明の表皮材付発泡成形体は、パウダースラッシュ成形により得られた表皮材の表面の意匠性を損なうことがないように発泡成形体と一体化されているので、表皮材の高度な意匠性を有する表皮材付発泡成形体を提供できる。
また、本発明の表皮材付発泡成形体の製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、少ない工程数や、装置でパウダースラッシュ成形により得られた表皮材と発泡成形体とを一体化でき、表皮材付発泡成形体を経済的に製造できる有効な製造方法を提供できる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)
この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】本発明の表皮材付発泡成形体の一実施例に係る層構成の模式断面拡大図である。
【図2】本発明の表皮材付発泡成形体の製造方法による製造工程の説明図である。(a)パウダースラッシュ成形型の加熱工程、(b)成形型と熱可塑性樹脂パウダー収納容器との型締め工程、(c)型締めされた成形型及び収納容器を所定回数正逆回転させながら成形型の型面に溶融した熱可塑性樹脂パウダーによる被膜(表皮材)を形成する工程、(d)型締めされた成形型等の回転を停止し、型締めを解除する前の状態、(e)成形型と熱可塑性樹脂パウダー収納容器を分離し、成形型等を降温した後、成形型内面に形成された表皮材の裏面内周部に予め成形された発泡成形体を押圧して挿入し、表皮材と接着一体化する工程、(f)選択的(オプション)な手法として、発泡成形体が薄肉状である等のために、その側壁が倒れて変形する等の弊害を防止するため発泡成形体の内壁側に入れ子を挿入する工程、(g)表皮材と一体化された表皮材付発泡成形体を成形型ごと冷却する工程、(h)成形型より表皮材付発泡成形体を離型する工程、及び(i)表皮材付発泡成形体の乾燥、養生工程の状況を示す説明図である。
【図3】パウダースラッシュ成形型に形成された表皮材(スラッシュシート)及びこれに接着された発泡成形体の状態を模式的に示す説明図である。
1 表皮材
1a 表皮材表面
1b 表皮材裏面
2 発泡成形体
3 入れ子
10 表皮材付発泡成形体
20 枠
21 成形型
22 型面
23 空間部
24 型締めボルト
30 枠
31 熱可塑性樹脂パウダー収納容器(バケット)
40 加熱装置(成形型用)
41 冷却装置
42 乾燥、養生装置
P 熱可塑性樹脂コンパウンド
全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録