特開2016-166350IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

電力用機器に使用可能なエポキシ樹脂組成物に関するものであり、より詳細には、植物由来エポキシ樹脂を使用し、環境負荷を低減可能であると共に、耐クラック性及び耐サーマルショック性に優れた絶縁性成形体を成形可能なエポキシ樹脂組成物

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】植物由来のエポキシ樹脂を使用し、環境性に優れると共に、従来の石油由来のエポキシ樹脂と同等の成形条件で硬化可能であり、成形終了時の耐クラック性、及び成形体としたときの耐サーマルショック性にも優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】電力用機器に用いられるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ化亜麻仁油、ノボラック型フェノール樹脂から成る硬化剤、3級アミン化合物から成る硬化促進剤、及び溶融石英を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献2及び特許文献3に記載された絶縁性組成物は、主剤となるエポキシ樹脂として、植物由来のエポキシ化植物油を用いることにより、環境性が改善されていると共に、優れた絶縁性能を発現している。
しかしながら、特許文献2においては、硬化促進剤として用いる有機過酸化物の種類にもよるが、170℃という高温条件下での硬化が必要であり、このような高温の成形条件では、コイル等の内蔵物の耐熱性の点で成形物の用途が限定的になるという問題がある。
また特許文献3においては、充填剤として火力発電所の副産物として生成されるフライアッシュ等の石炭灰を用いることにより、地球環境保全に貢献可能であるが、このような石炭灰は成形物の表面抵抗及び耐アーク性を低下させるおそれがあり、成形体表面に高電圧が負荷されるような製品に適用することが困難であり、やはり成形物の用途が限定的になるという問題がある。 従って本発明の目的は、植物由来のエポキシ樹脂を使用し、環境性に優れていると共に、従来のエポキシ樹脂と同等の成形条件で硬化可能であり、成形終了時の耐クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、優れた機械的特性及び耐熱性を有すると共に、耐サーマルショック性にも優れた絶縁性成形体を提供することである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明によれば、エポキシ化亜麻仁油、ノボラック型フェノール樹脂から成る硬化剤、3級アミン化合物から成る硬化促進剤、及び溶融石英を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。 本発明のエポキシ樹脂組成物においては、 1.前記エポキシ化亜麻仁油100重量部に対して、前記ノボラック型フェノール樹脂が55〜70重量部、前記3級アミン化合物が1〜4重量部、前記溶融石英が300〜500重・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、主剤として植物由来のエポキシ化亜麻仁油を使用することにより環境負荷を低減することが可能である。また、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂、及び硬化促進剤として3級アミン化合物を使用することにより、硬化物の架橋密度が高まり、機械的強度や耐熱性を向上することができると共に、硬化剤の配合量を、従来のエポキシ化亜麻仁油に用いられていた硬化剤の配合量に比して低減することが可能になり、エポキシ樹脂組成物全体のバイオマス比率が向上されている。
また本発明のエポキシ樹脂組成物においては成形条件を、従来の電力用機器に用いられていた植物由来でないエポキシ樹脂組成物と同程度の温度で硬化することが可能であり、その結果、硬化物のコイルなどの内蔵物との熱収縮差による内部応力を低減することが可能になり、硬化後のクラックの発生を抑制することができ、耐クラック性に優れている。また、コイル等の内蔵物の耐熱特性に応じた温度条件で成形可能であることから、種々の電力用機器に対応することができる。
更に本発明においては、充填剤として、線膨張係数が低く、耐クラック性に優れた溶融石英を用いることにより、硬化剤及び硬化促進剤の使用と相俟って、耐サーマルショック性、すなわち急激な温度変化に対してもクラックを発生することがない性質を向上することができ、成形物表面に高電圧が負荷されるような電力用機器においても表面抵抗や耐アーク性が低下することもない。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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