技術分野
本願発明は、内燃機関のオイルパン内に配置されるバッフルプレートに関するものであり、特に、車両用内燃機関のバッフルプレートを好適な対象にしている。
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】コンロッドによるオイル叩き現象、及び、オイルパン内での気泡の発生を防止できるバッフルプレートを提供する。 【解決手段】シリンダブロックのオイル落とし穴から流下したオイルは、メイン流路18を経由してメインオイル逃がし穴19に流れ込む。メインオイル逃がし穴19の下方には、オイルの流れを横向きに変えてから下方に流す流れ制御段部30が設けられている。オイルの流速が流れ制御段部30で減殺されることにより、オイル槽37での気泡の発生を防止できる。メインオイル逃がし穴19はコンロッド移動域7からずれているため、コンロッド移動域7をバッフルプレート3に近づけても、オイル叩き現象は発生せずにトルク低減を防止できる。流れ制御段部30からのオイルの流れの向きをオイルストレーナ13と反対方向に向けると、オイルがオイルストレーナ13に流入するまでの距離を長くできるため、オイルをまんべんなく循環させることができる。 【選択図】図4
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
さて、オイルパンの深さやバッフルプレートの配置高さは内燃機関の構造によってまちまちであり、内燃機関の全体の高さ寸法の制限により、バッフルプレートがコンロッドの移動域に近づくことがある。すると、バッフルプレートの上面に溜まったオイルをコンロッドの端部(エンドキャップ)で叩く現象が生じて、これが回転に対する抵抗となって内燃機関のトルク低下をもたらしたり、オイルを飛散させて気泡を発生させたりすることがある。
そして、特許文献1ではバッフルプレートの左右両端部にオイル落とし孔を設けているが、この構成では、バッフルプレートに流下したオイルの逃げ(オイルパン内への流れ込み)が悪くてバッフルプレートの上面にオイルが溜まりやすくなるため、したオイル叩き現象が生じやすくなるという問題が懸念される。
また、オイルは、バッフルプレートのオイル落とし孔からオイルパンの内部のオイル槽に流下するが、バッフルプレートと油面との間にはある程度の距離(高さ)があるため、滝壺に泡が生じるのと同様の原理でオイル槽に気泡が生じやすくなるという問題がある。特に、油温が高くなったり、オイルの量が少なくなってバッフルプレートから油面までの高低差が高くなったりすると気泡が発生しやすく、気泡がそのままストレーナに吸引されて潤滑系に悪影響を及ぼすことが懸念される。
更に、特許文献1では、バッフルプレートのオイル落とし孔は上下に開口しただけの態様であるため、シリンダブロックから落下したオイルの一部がバッフルプレートで受けられることなくオイル落とし孔に直接流入することも想定されるが、この場合は、オイルは加速がついた状態で流下して油面に当たるため、少量であっても気泡が発生しやすくなっており、この面においても気泡の問題が懸念される。
本願発明は、このような現状を改善しようとするものである。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本願発明は、シリンダブロックの底面に固定されたオイルパンの内部に配置されるバッフルプレートに係るもので、このバッフルプレートは、
「前記シリンダブロックに設けたオイル落とし穴からオイルが流下するオイル受け部と、流下したオイルをオイルパンの内部に流し込むオイル逃がし穴とを有しており、前記オイル受け部及びオイル逃がし穴は、コンロッドの移動域からクランク軸心方向にずれた部位に位置し、クランク軸心方・・・ 続きを
知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
内燃機関では、オイルパンに戻るオイルは、シリンダブロックに設けたオイル落とし穴から流下する量が最も多いと云えるが、本願発明では、オイル落とし穴から流下したオイルは、コンロッド及びクランクアームの回転域からずれた箇所に位置するオイル逃がし穴に流入するため、バッフルプレートのうちコンロッド及びクランクアームの回転域の下方にオイルが溜まることは殆どない。このため、コンロッド及びクランクアームの移動域とバッフルプレートとが近接していても、オイル叩き現象は発生せず、その結果、内燃機関のトルク低減を防止できる。
また、本願発明では、バッフルプレートで受けられたオイルは、オイル逃がし穴を経由してオイル槽に流下するが、流れ制御段部でいったん受けられてから横向きに方向変換するため、オイルの流速が低下し、オイル槽に落ち込んだ際の気泡の発生を防止又は著しく抑制できる。特に、油温が高くなると粘度が低くなって流速も高くなりがちであり、しかも気泡が発生すると問題が顕著に現れるが、本願発明ではオイルの流速を確実に減殺できるため、気泡の発生に起因した問題を防止又は著しく抑制できる。
更に、例えばピストン冷却用オイルなどがオイル逃がし穴に直接落ち込むことがあったとしても、オイルは流れ制御段部で受けられて流速が殆どゼロになるため、オイル逃がし穴に流下したオイルに起因してオイル槽に気泡が発生することも的確に防止できる。この面からも、気泡の発生による問題を防止できる。
既述のように、流れ制御段部からオイルが流れる方向は様々に選択できるが、ストレーナと反対方向に向けて流す構成を採用すると、オイル落とし穴から流下したオイルがストレーナに吸引されるまでの距離を長くして、バッフルプレートに戻ったオイルが速やかにストレーナに吸引されることを抑制できるため、オイルをまんべんなく循環させることができる。その結果、オイルの一部が過剰に昇温することを抑制して機関の加熱を抑制できると共に、オイルの劣化も抑制できる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)
この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 実施形態の平面図である。
【図2】 図1のII-II 視断面図である。
【図3】 (A)は図1のIIIA-IIIA 視断面図、(B)は図1のIIIB-IIIB 視断面図、(C)は図1のIIIC-IIIC 視断面図である。
【図4】 (A)は図1の IVA-IVA視断面図、(B)はメインオイル逃がし穴の別例図である。
1 オイルパン
2 クランク軸心
3 バッフルプレート
4 後部切り欠き部
5 突出部
6〜8 コンロッド移動域
12 前側切り欠き部
13 オイルストレーナ
16 シリンダブロック
17 オイル受け部(オイル落とし穴)
18 メイン流路
19 メインオイル逃がし穴(請求項のオイル逃がし穴)
20 補助流路
25〜28 補助オイル逃がし穴
30 流れ制御段部
30a 底板
32 コンロッド
33 本体部
34 エンドキャップ
35 クランクピン
36 クランク軸
全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録