技術分野
樹脂組成物、リフレクター、リフレクター付きリードフレーム、半導体発光装置、架橋剤用イソシアヌレート化合物、及び架橋剤用グリコールウリル化合物に関する。
半導体発光装置の一つであるLED素子は、小型で長寿命であり、省電力性に優れることから、表示灯等の光源として広く利用されている。そして近年では、より輝度の高いLED素子が比較的安価に製造されるようになったことから、蛍光ランプ及び白熱電球に替わる光源としての利用が検討されている。このような光源に適用する場合、大きな照度を得るために、表面実装型LEDパッケージを形成する方式、即ち、アルミニウム等の金属製の基板(LED実装用基板)上に複数のLED素子を配置し、各LED素子の周りに光を所定方向に反射させる反射体(以下、リフレクターという)を配設する方式が多用されている。
LED素子は発光時に発熱を伴うため、このような方式のLED照明装置では、LED素子の発光時の温度上昇により、リフレクターの劣化が早まることがあった。リフレクターの劣化は、反射率の低下を招き、LED素子の短寿命化に繋がる。このため、リフレクターには、LED素子の発熱に対する耐熱性が求められている。また、リフレクターに生ずる反りや寸法変化もまた、リフレクターの反射率の低下を引き起こすため、リフレクターには、寸法安定性も要求されている。
こうした要求に対し、特許文献1には、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化触媒、無機充填剤、白色顔料、添加剤及び離型剤を含む熱硬化性光反射用樹脂組成物であって、樹脂組成物をトランスファー成形して成形金型から離型することで得られる成形品の離型面における表面自由エネルギーを特定し、樹脂組成物の硬化後の光波長400nmにおける光拡散反射率を特定した光反射用樹脂組成物、及びその組成物を用いて製造した光半導体素子搭載用基板等が提案されている。この技術によれば、光半導体素子搭載用基板に必要とされる光学特性及び耐熱着色性等の各種特性に優れるとともに、トランスファー成形法等による成形加工性に優れる熱硬化性光反射用樹脂組成物を提供できるとされている。
また、特許文献2には、炭素−水素結合を有するフッ素樹脂と、所定量の酸化チタンとを含有する樹脂組成物からなる成形体に、電子線を特定量照射してなる白色樹脂成形体及びLED用リフレクターが提案されている。この技術によれば、150℃以上の高温の環境や光に長時間曝露されても変色しにくい高い耐熱劣化性と耐光劣化性を有し、さらに加工しやすく生産性に優れる等、リフレクター部を構成する材料として好適な特性を有する白色樹脂成形体及びLED用リフレクターを提供することができるとされている。
また、特許文献3には、熱可塑性樹脂と充填材と溶融粘度低下剤とを含み、その溶融粘度低下剤は、所定量含有する多官能アルキル化合物又は所定量含有するダイマー酸ベース熱可塑性樹脂である樹脂組成物及びそれからなる成形体が提案されている。この技術によれば、加工時の溶融流動性に優れた樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供することができるとされている。
特に、最近は、LED素子の発光強度をより高めるために、LED素子により大きな電流が印加されて使用される。そのため、LED素子が発熱しやすく、リフレクターには、更に高いレベルの耐熱性及び寸法安定性が要求されている。
そこで、耐熱性の観点から、熱重量減少温度が特定の値よりも高い架橋剤を用いることが提案されている(特許文献4参照)。特許文献4では、169℃以上の架橋剤を用いれば高い耐熱性を付与できて、かつ成形性よく製造できることが開示されている。
通常、耐熱性を高めるためには、架橋剤の添加量を増量することがよいとされている。しかし、耐熱性向上に効果のある熱重量減少温度の高い化合物は、分子量が高いため、増量すると、相溶性がさらに低下する。また、熱重量減少温度の高い化合物は、芳香環構造を含むことが多い。
特許文献4に開示された架橋剤は、芳香環構造を含むことから、熱重量減少温度は高いものの、透明性に優れるポリオレフィン樹脂との相溶性が低下する。
このように、ポリオレフィン樹脂を用いた場合には、樹脂組成物内での架橋剤の分布が不均一となり、得られる樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形体の特性のばらつきが大きくなる。このため、高い透明性が要求される用途には適用することが難しいという課題があった。このため、熱重量減少温度が高く、相溶性の良好な架橋剤を選択することは困難性が高かった。
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】耐熱性及び成形性に優れ、かつ安定した耐熱性及び成形性を発揮するリフレクターを形成可能な樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂と、架橋剤と、補強性充填材とを含有し、該架橋剤が化学式(1)で示されるイソシアヌレート化合物である。
(式中、Rは、炭素数1〜16のアルキレン基、又は炭素数1〜16のアルキレン基であって、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミノ結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合及びカーボネート結合のいずれかを単独、複数又はこれらを組み合せて含むものから選ばれる。)
【選択図】なし
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
課題に鑑み、本発明は、耐熱性及び成形性に優れ、かつ安定した耐熱性及び成形性を発揮するリフレクターを形成可能な樹脂組成物、該樹脂組成物から成形されるリフレクター、リフレクター付きリードフレーム、半導体発光装置の提供を目的とする。また、該リフレクターを形成可能な樹脂組成物に用いることができ、耐熱性に優れ、且つ、ポリオレフィン樹脂との相溶性が良好な架橋剤用イソシアヌレート化合物、及び架橋剤用グリコールウリル化合物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明者等は、ポリオレフィン樹脂と特定の構造を有するイソシアヌレート化合物、又はポリオレフィン樹脂と特定の構造を有するグリコールウリル化合物を架橋剤として用いることにより、前記課題を解決した。すなわち、本発明は、
[1]ポリオレフィン樹脂と、架橋剤と、補強性充填材とを含有し、該架橋剤が化学式(1)で示されるイソシアヌレート化合物である樹脂組成物。
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性及び成形性に優れ、かつ安定した耐熱性及び成形性を発揮するリフレクターを形成可能な樹脂組成物、該樹脂組成物から成形されるリフレクター、リフレクター付きリードフレーム、半導体発光装置を提供できる。また、該リフレクターを形成可能な樹脂組成物に用いることができ、耐熱性に優れ、且つ、ポリオレフィン樹脂との相溶性が良好な架橋剤用イソシアヌレート化合物、及び架橋剤用グリコールウリル化合物を提供できる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。
10…光半導体素子、 12…リフレクター、 12a…部材、 12b…光反射層、 14…基板、 16…リード線、 18…レンズ
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