原子力発電所の近隣に火山が存在する場合、放射性物質のみならず、火山灰も放射性物質除去システムに取り込まれる可能性がある。火山灰が送風機に取り込まれると、損傷等により送風機の性能が低下する可能性がある。また、火山灰が空気浄化フィルタユニットに取り込まれると、目詰まり等により空気浄化フィルタユニットの性能が低下する可能性がある。そのため、原子力発電所における重大事故の対策においては、放射性物質のみならず、近隣の火山から発生する火山灰についても考慮する必要がある。火山灰フィルタは、火山灰の粒径分布は様々であることから、近隣の火山から発生する火山灰の粒径に応じて捕集可能とするべく、流入する火山灰の60〜80[%]程度を除去可能な中性能のフィルタを火山灰フィルタとして用いているため、火山灰の除去は完全ではない。
送風機に取り込まれる火山灰を抑制する方策として、火山灰を除去可能な火山灰フィルタを送風機の上流側に設置することが考えられる。送風機が作動すると送風機の上流側の流路は負圧となるため、上流側の流路を形成する配管又は継手に漏洩部が存在すると、その漏洩部を介して、火山灰フィルタを通過していない外気が、送風機及び空気浄化フィルタユニットに流入する可能性がある。火山灰フィルタでは火山灰に加えて放射性微粒子も除去可能であるが、の通り火山灰フィルタでの火山灰及びあるいは放射性微粒子の除去性能は60〜80[%]程度と高くないことに加えて、漏洩部を介しての流入によりさらに火山灰及びあるいは放射性微粒子の除去性能は低下する。
本発明は、従来の中性能の除去性能を有する火山灰フィルタに替えて高性能な微粒子フィルタ(以下、HEPAフィルタと称する、HEPA:High Efficiency Particulate Air Filter)を用いるとともに、火山灰フィルタを通過していない外気(外気は火山灰や微粒子状の放射性物質及びあるいはガス状の放射性ヨウ素及びあるいは放射性よう化メチル等)が送風機及び空気浄化フィルタユニットに流入することを防止するとともに、火山灰及びあるいは放射性微粒子の除去性能の大幅な増加を可能とする放射性物質除去システムを提供することを目的とする。
なお、HEPAフィルタは、微粒子の粒径のうち、最も捕捉しにくい0.15[μm]の微小粒子においても99.97[%]以上の高性能で除去が可能であり、1[μm]前後の粒子径を有する火山灰についても、当然のことながら99.97[%]以上の高性能な除去性能を有するものである(詳細はJIS Z4812参照)。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明は、内部空間を有するチャンバと、前記チャンバの外部空間の空気が流入可能な給気管と、前記内部空間に配置され、前記給気管から供給された前記空気に含まれる火山灰及びあるいは放射性微粒子を除去可能な高性能なHEPAフィルタを火山灰フィルタとして用いる火山灰フィルタユニットと、前記内部空間に配置され、前記外部空間の空気が前記給気管に流入するように前記火山灰フィルタユニットを介して前記空気を吸引す・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る