技術分野
うねり等のある試験体の内部を超音波探傷検査するためのTOFD探傷法による超音波探傷装置と方法
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】試験体の表面にうねり等がある場合でも、強い音圧を試験体に入射でき、これにより得られるSN比に優れた探傷波形により、試験体内部の微細なきずを高い精度で検出することができるTOFD探傷法による超音波探傷装置と方法を提供する。 【解決手段】1対のくさび12を互いに平行な回転軸a−aを中心に揺動可能に支持するホルダー14と、一方のくさび12の対向面12bに固定されそのくさび12の接触面12aに向けて超音波ビームSを発信する送信側探触子16と、他方のくさび12の対向面12bに固定されそのくさび12の接触面12aから超音波ビームSを受信する受信側探触子18と、を備える。1対のくさび12の接触面12aは、試験体表面1に沿って位置するときに、試験体表面1の起伏に密着可能に形成されており、回転軸a−aは、接触面12aの法線上に位置し、かつ接触面12aに平行に位置する。 【選択図】図8
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
超音波探傷試験には超音波探触子(以下単に、「探触子」と呼ぶ)が使用され、接触媒質と呼ばれる液体を介して超音波ビームを試験体の内部に送受信する。この際、適切に超音波ビームを試験体の内部に送受信するためには、試験体表面は平滑な平面であることが好ましい。
図1は、ドレッシングされた溶接表面部など、試験体TPの表面が平面ではなく、うねりがある場合の模式図である。うねりとは、試験体表面1における平面以外の曲面を意味する。なお、本発明の対象とする試験体表面1は、うねりに限定されず、凸状又は凹状の曲面、またはこれらと平面が混在してもよい。以下、これらを「うねり等」と総称する。
図1において、(A)は大型の探触子Pを、(B)は小型の探触子Pを示している。
図1(B)に示すように、試験体表面1が平滑な平面でない場合、すなわち試験体表面1にうねり等を有する場合には、小型(ミニチュアサイズ)の探触子Pが用いられることがある。
小型の探触子Pは、超音波ビームSを送信及び受信させるために用いられる振動子(図示せず)を小さくし、かつ小さいケースに収納して小型化したものである。かかる小型の探触子Pは、試験体TPとの隙間が小さくなるため、試験体表面1にうねり等があっても大型の探触子Pよりも良好な超音波ビームSの送受信が可能になる。しかしその反面、振動子が小さいために送受信される超音波ビームSの音圧が小さく、また、振動子が小さいため超音波ビームSの広がり(拡散)が助長され、微細なきず(微細きず)を検出できない問題がある。
そこでSN比を改善して、微細きずの検出性能やサイジング能力を向上させる手段として、TOFD探傷法が知られている。
図2は、TOFD探傷法による超音波探傷試験の模式図である。
TOFD探傷法では、2つの探触子Pを間隔を隔てて配置し超音波ビームSを試験体TPの内部に送受信する。試験体TPの内部にき裂Fがない場合には、表面を伝搬するラテラル波Aと裏面で反射する底面エコーCのみが得られる。一方、き裂Fが存在すると、き裂端部での回折波Bが受信される。この回折波Bの伝搬時間より幾何学的にき裂端部の深さを求めることができる。
上述したように、TOFD探傷法は、2つの探触子Pを対向させて超音波ビームを送受信させるものである。2つの探触子Pを用いることで、試験体TP内で発生するノイズが受信側の探触子Pに伝搬しないのでノイズが低減することや、超音波ビームSの伝搬時間からきずの深さを正確に測定できるなどのメリットがある。
しかし、うねり等のある探傷面(試験体表面)では、2つの探触子Pを試験体TPの表面に安定に接触させることが困難になる。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ドレッシングされた溶接部表面など、試験体の表面にうねり等がある場合でも、強い音圧を試験体に入射でき、これにより得られるSN比に優れた探傷波形により、試験体内部の微細なきずを高い精度で検出することができるTOFD探傷法による超音波探傷装置と方法を提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明によれば、試験体と接触する接触面と、該接触面の反対側に接触面と対向して位置する対向面とを有する1対のくさびと、
1対のくさびを対称面に対して対称に保持し、互いに平行な1対の回転軸を中心にそれぞれ揺動可能に支持するホルダーと、
一方のくさびの対向面に固定され、該くさびの接触面に向けて超音波ビームを発信する送信側探触子と、
他方のくさびの対向面に固定され、該くさびの接触面から超・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明の装置と方法によれば、1対のくさびの回転軸が、各接触面の法線上に位置し、かつ該接触面に平行に位置する。この回転軸が試験体表面に沿って位置するように、ホルダーを位置決めし、ホルダーを試験体表面に押し付ける。この押し付けにより、1対のくさびの接触面を試験体表面の法線に直交する位置に揺動させ、かつ試験体表面の起伏に密着させることができる。
従って、ドレッシングされた溶接部表面など、試験体表面にうねり等がある場合でも、1対のくさびの接触面を試験体表面に超音波ビームの入射及び出射が可能な状態に密着して接触させることができる。これにより、試験体表面にうねり等がある場合でも、強い音圧を試験体に入射でき、SN比に優れた探傷波形が得られる。
また、1対のくさびを介して送信側探触子と受信側探触子を対向させて超音波ビームを送受信させるので、TOFD探傷法により試験体内部の微細なきずを高い精度で検出することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 ドレッシングされた溶接表面部など、試験体の表面が平面ではなく、うねりや凹凸の曲面がある場合の模式図である。
【図2】 TOFD探傷法による超音波探傷の模式図である。
【図3】 本発明による超音波探傷装置の構成図である。
【図4】 図3(B)のA−A矢視図である。
【図5】 超音波探傷装置の作動説明図である。
【図6】 本発明の第1実施形態の超音波探傷装置の全体構成図である。
【図7】 本発明の第1実施形態の超音波探傷装置の実施例を示す図である。
【図8】 本発明の第2実施形態の超音波探傷装置の全体構成図である。
【図9】 本発明の第2実施形態の超音波探傷装置の実施例を示す図である。
【図10】 平板振動子と集束用振動子の超音波ビーム幅の比較図である。
a−a 回転軸、A ラテラル波、B 回折波、C 底面エコー、
b 接触面の幅、c 接触面の長さ、P 探触子、S 超音波ビーム、
TP 試験体、1 試験体表面、2 対称面、10 超音波探傷装置、
12 くさび、12a 接触面、12b 対向面、12c 円筒穴、
12d 側面、13 支持金具、14 ホルダー、14a 側板、
14b 天板、16 送信側探触子、18 受信側探触子、
20 制御装置、22 表示装置、24 画像処理装置
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