特開2017-166960IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

回転機器の軸受部に生じる振動の計測結果に基づいて軸受部の異常の有無を診断する計測診断装置、及び計測診断方法

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】簡易な操作で回転機器の振動を測定でき、軸受部振動に関する指標化されたパラメータ値が表示され、最適な振動監視ができ、収集データについての管理を行う最適な計測結果を得ることができ、回転機の簡易的な軸受振動監視に特化する。
【解決手段】A/D変換器44は、回転機器の振動を検出する加速度ピックアップ14aからの加速度信号を量子化する。FFTアナライザ部54は、量子化後の加速度データを高速フーリエ変換する。デジタルBPF処理部85、87は、FFTアナライザ部により生成されたレベルデータのうち、回転機器の回転速度に依存しない4kHz〜6kHz、又は8kHz〜10kHzの周波数帯域のレベルデータを通過させる。単純平均演算処理部86、88は、デジタルBPF処理部を通過した周波数帯域のレベルデータに対して、周波数帯域内の各周波数において平均値を算出して測定値とする。
【選択図】図2

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

上述したように、プラント機器の日常管理において、回転機器の振動測定及び状態監視が重要である。
市販の振動計測器にあっては、あらゆる振動モードの測定を行うため、一般に多彩な機能を搭載している。しかし、一般作業員が使用するには測定器の取扱いやデータ採取について熟練が必要であり、必ずしも簡易なものではなかった。
現状市販されている計測器や振動計測診断方法では、以下の問題点がある。
(1)従来の振動計測業務では、振動計について十分な知識を持ち、振動計測の力量を持った専門の作業員が労力をかけて振動計測を行い、データ採取を行っている。振動計測業務は、専門性が高く、データの収集及び評価に時間がかかるという欠点がある。なお、専門的な知識例として、以下のことに習熟する必要がある。
(例1)軸受部の振動計測を行うためには適切な加速度ピックアップを選択しなくてはならない。目的に応じた感度や振動周波数帯レンジのピックアップについて選択することについては相応の学習が必要である。
(例2)市販の振動計測器は多機能すぎるため、プラントで使用するような回転機の軸受監視用に計測器の設定を調整する必要があり、機器に精通する必要がある。
(例3)簡易診断、精密診断の方法は確立しているが、振動計測器でデータ収集しても結果の判定は力量のある要員で判断しなくてはならず、データ意味合いについても習熟する必要がある。 (2)振動計測器で振動を測定する際、入力ゲイン値は人間がピークメータを目視して手動で調整を行っている。入力値を大きくとりすぎて、ピークメータが最大値を超えると(入力ゲインが大きすぎると)採取したデータは不正値となり、以降測定したデータ値は信頼性がなくなる。誤って入力ゲインが超過した状態でデータを採取した場合、データ採取が無駄となる。
(3)運転員は軸受部の状態を一般的に聴診棒による聴診で行うため、軸受部の音色や音量についての表現については個人差が生じやすく、一定の基準がない。軸受部から発するグリス切音についても同様に音量の強弱の表現でしか表しておらず、軸受管理記録でも定量値にできない。
そのため、グリスアップが必要な振動値や、グリスアップ後の振動低下量の感知についても運転員や保修員の感覚に頼っており、客観的な指標がない。
(4)簡易診断における傾向管理で使用されるデータは振動の速度モードによる振幅値、もしくは波形のピーク値と実効値の比であるクレストファクタによるものである。その他に、軸受部の故障モードは文献にあるように、振動の周波数分析から高い周波数帯領域から振動値が出始め、故障・劣化が進むにつれ、高周波帯域から低周波帯域へと振動モードが移行する傾向にある。簡易診断では振動速度の実効値の大きさで劣化を判断しているが(ISO10816−1「振動評価基準(振動速度の実効値))、早期の劣化兆候である高周波領域の振動数増加を定量的に評価する手段は、高速フーリエ変換による周波数解析結果を出力し、高調波やノイズの増加量は人間がFFTの出力値を観察することで確認するほかなく、高調波やノイズの増加量を示す簡単な指標についてはなかった。 (5)振動計測に回転速度入力がない。電動機の回転速度は電源周波数と極数で決定されるが、負荷変動によるすべり分を考慮すると、実測での回転速度入力が望ましい。
(6)圧電式加速度ピックアップの周波数帯ごとの感度は完全なフラットではない。また、高い周波数帯にあるピックアップ自体の共振領域や中間帯の感度誤差があるため、振動周波数解析の精度に少なからず影響を及ぼしている。
(7)使用中にピックアップ感度が低下、または故障した場合、正確なデータとならない。ピックアップの故障はピックアップ内部で発生した場合はわかりづらく、知らずに誤ったデータを採取してしまう恐れがある。 本発明は、に鑑みてなされたもので、その目的としては、簡易な操作で回転機器の振動を測定でき、軸受部振動に関する指標化されたパラメータ値が表示され、最適な振動監視ができ、収集データについての管理を行う最適な計測結果を得ることができ、回転機の簡易的な軸受振動監視に特化した計測診断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

請求項1記載の発明は、課題を解決するため、回転機器の軸受部に生じる振動の計測結果に基づいて前記軸受部の異常の有無を診断する計測診断装置であって、前記回転機器の振動を検出する加速度検出手段からの加速度信号を量子化するA/D変換器と、前記量子化後の加速度データを高速フーリエ変換する高速フーリエ変換手段と、前記高速フーリエ変換手段により生成されたレベルデータのうち、前記回転機器の回転速度に依存・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、簡易な操作で回転機器の振動を測定でき、軸受部振動に関する指標化されたパラメータ値が表示され、最適な振動監視ができ、収集データについての管理を行う最適な計測結果を得ることができ、回転機の簡易的な軸受振動監視に特化することができる。
請求項4記載の発明によれば、簡易な操作で回転機器の振動を測定でき、軸受部振動に関する指標化されたパラメータ値が表示され、最適な振動監視ができ、収集データについての管理を行う最適な計測結果を得ることができ、回転機の簡易的な軸受振動監視に特化することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】(a)は本発明の計測システムの概要を示す図であり、(b)は計測診断装置に接続されている機器を示す図である。

【図2】本発明の計測診断装置のブロック構成を示す図である。

【図3】本発明の計測診断装置において動作する軸受部簡易診断測定部のソフトウエアモジュール構成を示す図である。

【図4】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部の動作を示すメインフローチャート(その1)である。

【図5】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部の動作を示すメインフローチャート(その2)である。

【図6】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部の動作を示すメインフローチャート(その3)である。

【図7】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部の動作を示すメインフローチャート(その4)である。

【図8】基本設定モードの選択を行うための画面を示す図である。

【図9】前回の測定時に使用された設定画面を示す図である。

【図10】加速度ピックアップの選択画面を示す図である。

【図11】回転速度手動入力選択画面を示す図である。

【図12】温度センサ使用選択画面を示す図である。

【図13】加速度ピックアップ取付方法選択画面を示す図である。

【図14】プロセス表示画面を示す図である。

【図15】測定機器・測定部位選択画面を示す図である。

【図16】測定開始確認画面を示す図である。

【図17】測定開始キャンセル画面を示す図である。

【図18】測定実行プロセス進行画面を示す図である。

【図19】測定結果表示画面を示す図である。

【図20】保存完了・次測定機器・測定部位選択画面を示す図である。

【図21】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による補正・校正モード選択処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図22】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部によるピックアップ校正モード条件成立処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図23】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による送受信モード選択処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図24】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による加速度ピックアップ選択処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図25】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による回転速度手動入力モード処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図26】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による温度センサ使用選択処理及び温度センサ不使用選択処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図27】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による加速度ピックアップ取付け方法選択処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図28】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による、(a)FFT演算結果ストア実行処理のサブルーチン、(b)波形出力・ストア実行処理のサブルーチン、(c)回転速度データ入力処理実行処理のサブルーチン、(d)温度データ入力処理実行処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図29】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による全高調波歪+N演算実行_THD(n)X処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図30】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部によるグリス切音演算実行P(gr)処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図31】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部によるキシリ音演算実行P(ks)処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図32】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部によるクレストファクタ演算・判定実行f(Cr)処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図33】本発明の計測診断装置に設けられた軸受部簡易診断測定部による、(a)回転速度データストア実行(r)処理のサブルーチン、(b)温度センサデータストア値表示・演算実行(t)処理のサブルーチンのフローチャートである。

【図34】ピックアップ補正モード画面を示す図である。

【図35】ピックアップ補正モード画面を示す図である。

【図36】データ送受信画面を示す図である。

【図37】ピックアップ校正モード画面を示す図である。

【図38】(a)〜(c)は感度補正回路部56による校正の具体例を示すグラフ図である。

【図39】(a)は加速度ピックアップを6種類の方法で取り付けた場合に生じる接触共振点の周波数特性を示すグラフ図、(b)は(a)に示す6つの接触共振点を発生させる取り付け方法を示す図である。

【図40】(a)〜(d)は転がり軸受部の損傷進行状態を段階的に示すグラフ図である。

【図41】(a)はグリスアップ前の周波数分析結果を示すグラフ図であり、(b)はグリスアップ後の周波数分析結果を示すグラフ図である。

【図42】(a)はキシリ音声発生中の加速度スペクトルを示すグラフ図であり、(b)はグリスアップ直後の加速度スペクトルを示すグラフ図である。

選択図 図2出願人が指定した本件の代表的な図

12…発電機、11a…軸受部、14a…加速度ピックアップ、14b…温度センサ、14c…回転速度計、16…温度センサ、17a…操作入力部、17a…入力部、17b…機器回転速度データベース、18…回転速度入力部、18a…データセレクタ、19…温度入力部、19a…D変換器、19b…D変換器、20…計測診断装置、25…振動データサーバ、30…自動利得調整部、32…チャージアンプ、34…LPF、36…利得調整器、37…比較器、38…ピーク検波器、40…ピークランプ、44…A/D変換器、50…信号処理部、52…LPF、54…FFTアナライザ部、54a…実効値変換器、54b…ハニング窓関数演算器、54c…FFT演算器、56…感度補正回路部、56a…感度補正演算器、56b…比較演算器、56c…フラッシュメモリ、56d…校正モード判定部、56e…補正値入力部、60…I/Oブリッジ部、62…CPU、64…メインメモリ部、66…フラッシュメモリ部、68…LCD表示部、82…軸受簡易診断測定部、82…軸受簡易測定部、82…軸受部簡易診断測定部、83…校正比較演算表示処理部、84…周波数解析表示処理部、85…デジタルBPF処理部、85、87…デジタルBPF処理部、86…単純平均演算処理部、86、88…単純平均演算処理部、87…デジタルBPF処理部、88…単純平均演算処理部、89…全高調波歪演算処理部、90…加速度クレストファクタ処理部、91…加速度振幅演算処理部、92…温度表示処理部、93…回転速度表示処理部

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