技術分野
Tダイ、その製造方法およびTダイ内部の溶融樹脂流路の内壁面およびリップ部の表面に対する溶融樹脂の離型性を向上させる方法に関する。本発明におけるTダイとして、例えば、熱可塑性樹脂材料から構成されるフィルムやシートを製造するために用いられる、スリット状の吐出口を有するTダイが挙げられる。
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】ダイラインを発生させないTダイの製造方法の提供。 【解決手段】内部に溶融樹脂流路を有し、その吐出口にリップ部を有する、プラスチック成形用のステンレス鋼系Tダイの製造方法であって、未処理Tダイにプラズマ窒化処理を施して、前記溶融樹脂流路の内壁面および前記リップ部の表面に窒素系金属間化合物からなる層を形成する工程を備える、溶融樹脂の離型性に優れ、硬度が高いTダイの製造方法。 【選択図】なし
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、硬質クロムメッキは、母材との線膨張率の差により、微小亀裂(ヘアークラック)を生ずる場合がある。この場合、特許文献1に記載のTダイのように、その溶融樹脂流路の内壁面に設けられた硬質クロムめっき層の微小亀裂に徐々に溶融樹脂が堆積する。また、表面の樹脂の一部が脱落した場合は、その脱落部分にも、同様に徐々に溶融樹脂が堆積する。そして、堆積した溶融樹脂が炭化または酸化を起こし、これがダイラインを発生させていた。
また、特許文献2に記載のTダイの場合、必ずしも樹脂との付着性が低いとは言えず、付着した樹脂がダイラインを発生させていた。
さらに、特許文献3に記載のように、溶融樹脂流路の内壁面が硬質クロムめっき層や炭化タングステン等の超鋼合金コートでない場合であっても、リップ部に10nm以上の微細な凹凸を有していると、溶融樹脂が浸入し、付着し、大気に触れて酸化劣化することで、これがダイラインを発生させると考えられる。
すなわち、従来、ダイラインを発生させないTダイは提供されていなかった。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明者は、のような課題を解決することを目的として鋭意検討を重ねた。そして、従来のステンレス鋼系のTダイについて、それが有する溶融樹脂流路の内壁面および前記リップ部の表面にプラズマ窒化処理法等によって窒素原子を注入し、窒素原子をそのTダイを構成している元素(例えば鉄やクロム等)と結合させて、その表面に窒素系金属間化合物からなる層を形成すると、その層は溶融樹脂の離型性に極めて優れ、硬度も高・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、溶融樹脂流路の内壁面およびリップ部の表面に対する溶融樹脂の離型性が極めて高く、硬度も高く、表面粗さも低位に保持されているため、それを用いて樹脂フィルムを成形した場合に、長期にわたってダイラインが極めて形成され難いTダイおよびその製造方法を提供することができる。また、Tダイ内部の溶融樹脂流路の内壁面およびリップ部の表面に対する溶融樹脂の離型性を向上させる方法を提供することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 好適例である本発明のTダイの縦断面図(概略図)である。
【図2】 図1に示すTダイのダイ本体の内壁面を示す側面図(概略図)である。
【図3】 固液間接触角測定装置の内部および測定例を表す写真である。
【図4】 プラズマ窒化処理したときの温度と、295℃におけるCOP樹脂の接触角の測定結果との関係を表すグラフである。
【図5】 実施例にて得られた、プラズマ窒化処理時の温度と、表面粗さRa(μm)および硬度(HV Kgf/mm2 )との関係図である。
【図6】 実施例にて得られた、バイアス電圧値と、表面粗さRa(μm)および硬度(HV Kgf/mm2 )との関係図である。
【図7】 ブラズマ窒化処理の好ましい処理条件の範囲を示す図である。
1 Tダイ
2 ダイ本体
3、4 ダイ部材
5 溶融樹脂流路
8 吐出部
9 リップ部
20 めっき層
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