技術分野
腐食によって金属内部に侵入する水素量(侵入水素量)を電気化学的水素透過法により測定する侵入水素量測定方法に関し、特に、温度が変化する腐食環境(変温環境)においても、温度によって変動するバックグラウンドとしての不働態保持電流の影響を取り除いて、正確に侵入水素量を測定することができる侵入水素量測定方法に関する。また本発明は、前記侵入水素量測定方法を実施するための侵入水素量測定装置
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】温度が変化する腐食環境においても、不働態保持電流の影響を取り除いて正確かつ連続的に侵入水素量を測定することができる侵入水素量測定方法を提供する。
【解決手段】金属材料からなる試験片の一方の面を腐食環境に晒して水素侵入面とし、前記試験片の他方の面を、めっき皮膜を備える水素検出面とし、前記水素検出面に設置した電気化学セルでアノード電流密度:iaを測定し、試験環境の温度:Tを測定し、予め求めた、下記(1)式で表される不働態保持電流密度:ipと試験環境の温度:T(K)との関係に基づいて、前記試験環境の温度:Tから不働態保持電流密度:ipを算出し、前記アノード電流密度:iaから前記不働態保持電流密度:ipを差し引くことによって、水素透過電流密度:iHを求め、侵入水素量を算出する、侵入水素量測定方法。ip=A×e−B/T…(1)
【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
特許文献1に記載された方法によれば、侵入水素量の測定精度を向上させることができる。しかし、本発明者らの検討の結果、同一の試験片であっても、位置によって不働態保持電流が異なり、その結果、特許文献1記載の方法ではバックグラウンドの補正が困難となる場合があることが分かった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、温度が変化する腐食環境においても、不働態保持電流の影響を取り除いて正確かつ連続的に侵入水素量を測定することができる侵入水素量測定方法およびそのための測定装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明者らは、目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、予めバックグラウンド電流である不働態保持電流の温度依存性を数式化しておき、測定の際に、前記数式を用いて試験環境の温度から不働態保持電流値を算出して補正を行うことで、温度が変動する環境においても正確に侵入水素量を測定できることを見出した。
【発明の効果】
本発明によれば、温度が変化する腐食環境においても、不働態保持電流の影響を取り除いて正確かつ連続的に侵入水素量を測定することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】本発明の一実施形態における侵入水素量測定装置を示す模式図である。
【図2】測定セルと基準セルにおける不働態保持電流の温度依存性を示すグラフである。
【図3】測定セルと基準セルにおけるアノード電流と試験片温度の経時変化を示すグラフである。
【図4】実施例および比較例の方法で得られた水素透過電流密度の経時変化を示すグラフである。
1 侵入水素量測定装置
10 試験片
11 水素侵入面
12 水素検出面
20 電気化学セル
21 電解液
22 収容体
23 参照電極
24 対極
30 ポテンショスタット
40 熱電対(温度測定手段)
50 温度ロガー
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