特開2017-213941IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

この発明は、ステアリング装置

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】異音の発生を抑制し、かつピニオン軸とラック軸との間の摩擦を低減することができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】付勢部材30は、ラック軸方向Xにラック軸3を摺動可能に支持するラックガイド20を介してラック軸3をピニオン軸5へ向けて付勢する。固定壁40は、付勢部材30の付勢方向F1の逆方向F2側に設けられ、ラックガイド20に対向する。弾性変形部材100は、ラックガイド20と固定壁40との間に配置され、付勢部材30の付勢力Fに抗してラックガイド20に入力される入力荷重Gに対する反発力Hを発生させる。クリアランスCが所定の距離よりも大きいときには反発力Hが小荷重であり、クリアランスCが所定の距離以下であるときには反発力Hが大荷重である。クリアランスCの変化量に対する反発力Hの変化量の割合は、反発力Hが小荷重であるときよりも反発力Hが大荷重であるときの方が大きい。
【選択図】図2

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

車両が悪路を走行する際や、車両が旋回する際には、車輪からラック軸に荷重が入力されることによって、ラック軸とピニオン軸との接触部分に僅かに隙間が発生することがある。ラック軸は、スプリングに付勢されてピニオン軸に追従するので、ピニオン軸と接触する。これにより、異音が発生する。この異音の発生を抑制するために、スプリングの付勢力を大きくしてピニオン軸に対するラック軸の追従性を高め、ラック軸とピニオン軸との接触部分に隙間ができないようにすることが考え得る。 一方、異音の発生を抑制できる程度にスプリングの付勢力を大きくすると、ラック軸をピニオン軸に押し付ける力が大きくなるので、ラック軸とピニオン軸との間の摩擦が大きくなる。これにより、ステアリングホイールの操舵フィーリングが悪化する虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、異音の発生を抑制し、かつピニオン軸とラック軸との間の摩擦を低減することができるステアリング装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

請求項1に記載の発明は、ピニオン軸(5)に噛み合うラック軸(3)と、前記ラック軸が延びるラック軸方向(X)に前記ラック軸を摺動可能に支持するラックガイド(20)と、前記ラックガイドを介して前記ラック軸を前記ピニオン軸へ向けて付勢する付勢部材(30)と、前記付勢部材の付勢方向(F1)の逆方向(F2)側に設けられ、前記ラックガイドと対向する固定壁(40)と、前記ラックガイドと前記固定壁との間に配・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ラックガイドと固定壁との間に配置された弾性変形部材は、ラックガイドに入力される入力荷重に対する反発力を発生させる。ラック軸は、この反発力と、付勢部材の付勢力とによって、ラックガイドを介してピニオン軸に押し付けられる。ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離よりも大きいときには反発力が小荷重であるため、ピニオン軸に対するラック軸の過度な押し付けを防止でき、ラック軸とピニオン軸との間の摩擦を低減できる。 一方、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離以下であるときには、入力荷重に対する反発力が大荷重である。また、ラックガイドと固定壁との間の距離の変化量に対する反発力の変化量の割合は、反発力が小荷重であるときよりも反発力が大荷重であるときの方が大きい。そのため、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離以下であるときには、ラックガイドと固定壁との間の距離の変化、ひいてはピニオン軸に対するラック軸の変位を抑えることができるので、ピニオン軸に対するラック軸の追従性を高め、異音の発生を抑制することができる。 よって、異音の発生を抑制し、かつ、ピニオン軸とラック軸との間の摩擦を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、弾性変形部材は、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離以下であるときに、受入部を埋めるように弾性変形する。そのため、弾性変形部材が広がらずに受入部内で圧縮される。したがって、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離以下であるときの反発力を一層大きくすることができる。よって、ピニオン軸に対するラック軸の追従性を一層高め、異音の発生を一層抑制することができる
請求項3に記載の発明によれば、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離以下であるときに、受入部内への充填率が99%以上となるように弾性変形部材が弾性変形することによって、反発力を急激に大きくすることができる。 請求項4に記載の発明によれば、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離よりも大きいときに付加変形部が弾性変形し、ラックガイドと固定壁との間の距離が所定の距離以下であるときに本体部が弾性変形する。このように、弾性変形部材では、ラックガイドと固定壁との間の距離に応じて、弾性変形する部位が異なる。そのため、本体部および付加変形部のそれぞれを個別に設計することができる。したがって、弾性変形部材の設計の自由度が向上する。 請求項5に記載の発明のように、ラック軸方向におけるラック軸のどの位置にピニオン軸が噛合しているかによって、ピニオン軸の回転量に対するラック軸方向へのラック軸の移動量が異なる構成では、ピニオン軸がラック軸に噛合する位置によって、入力荷重が異なる場合がある。この場合においても、弾性変形部材が入力荷重に対して適切な反発力を発生させることによって、異音の発生を抑制し、かつピニオン軸とラック軸との間の摩擦を低減することができる。 請求項6に記載の発明によれば、第1外輪軌道面、第2外輪軌道面、第1内輪軌道面および第2内輪軌道面のそれぞれは、ピニオン軸方向に対して傾斜している。また、各転動体は、第1外輪軌道面、第2外輪軌道面、第1内輪軌道面および第2内輪軌道面のそれぞれに予圧が加えられた状態で接触している。そのため、ピニオン軸方向における各転動体と内輪および外輪との間のがたが低減されるので、ハウジングに対してピニオン軸がピニオン軸方向へ移動するのを抑制できる。したがって、ハウジングに対するピニオン軸の移動に起因してピニオン軸とラック軸とが当接するのを抑制できるので、異音の発生を抑制することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、本発明の一ステアリング装置の概略正面図である。

【図2】図2は、ラック軸支持装置の周辺の概略断面図である。

【図3】図3は、図2において二点鎖線で囲った部分を拡大した図であり、ラックガイドが付勢方向の逆方向に変位することによって弾性変形する弾性変形部材の状態変化を示した図である。

【図4】図4は、ラックガイドと固定壁との間の距離と、反発力との関係を示すグラフ図である。

【図5】図5は、寸法が異なる4種類の受入部内に配置されたOリングが発生させる反発力を測定した実験結果を示すグラフ図である。

【図6】図6は、本実施形態の第1変形例に係る弾性変形部材の周辺を拡大した断面図である。

【図7】図7は、本実施形態の第2変形例に係る弾性変形部材の周辺を拡大した断面図である。

【図8】図8は、本実施形態の第3変形例に係る弾性変形部材の周辺を拡大した断面図である。

【図9】図9は、図2におけるピニオン軸を支持する軸受の周辺を拡大した模式図である。

【図10】図10は、図1における第1ブッシュの周辺を拡大した模式図である。

【図11】図11は、第1ブッシュの模式的な斜視図である。

【図12】図12は、図10のXII−XII線に沿った断面の模式図である。

選択図 図2出願人が指定した本件の代表的な図

1…ステアリング装置、3…ラック軸、5…ピニオン軸、8…ハウジング、20…ラックガイド、30…付勢部材、40…固定壁、80…第1軸受、81…外輪、81A…第1外輪軌道面、81B…第2外輪軌道面、82…内輪、82A…第1内輪軌道面、82B…第2内輪軌道面、83…転動体、100;100P;100Q;100R…弾性変形部材、110;110P;110R…付加変形部、120;120Q;120R…本体部、C…クリアランス、C2…所定の距離、C3…所定の距離、F…付勢力、F1…付勢方向、F2…逆方向、G…入力荷重、H…反発力、P…ピニオン軸方向、X…ラック軸方向

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