技術分野
腐食による鋼材の体積膨張率を測定する技術
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】光ファイバセンサを用いて腐食による鋼材の体積膨張率を測定する測定方法を提供する。 【解決手段】鋼材12の表面に光ファイバセンサ14を固定させる工程と、光ファイバセンサ中を伝搬する光波の特性変化を検出することによって、腐食生成物の発生による鋼材のひずみを検出する工程と、検出したひずみに基づいて、鋼材が腐食した後の鋼材の径を算出し、腐食前の鋼材の体積に対し、腐食による体積の増加量ΔV1 を算出する工程と、腐食生成物を除去した後の鋼材の径に基づいて、腐食前の鋼材の体積に対し、腐食による鋼材の体積の減少量ΔV2 を算出する工程と、を含み、これらを用いて鋼材の腐食による体積膨張率βを算出する。 【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
鉄筋コンクリート構造物内の腐食を検知する方法として、従来から、自然電位法が知られているが、この方法は、コンクリート表面を十分湿潤状態にしないと計測ができないといった課題が存在する。さらに、構造物の表面が樹脂系塗料やタイル仕上げなどの場合は、計測することができない。
従来から知られている電気的腐食センサでは、伝送損失、電磁干渉の影響などがあり、さらに常時モニタリングとした場合は、計測時に電流が流れるのでセンサ自体の腐食を促進してしまうなどの欠点がある。また、これら鉄線や鉄箔の腐食断線等による検出では、電気的特性を経時的に捕らえることはできず、腐食環境になったことを検知するのみで、その後の進行度を評価するのは困難である。
また、腐食に伴う鋼材のひずみを計測するために、直接鋼材にひずみゲージを貼付したり、近傍に設置する場合、鉄筋の腐食環境を事前に検知することができない。あるいはその計測器や接着剤などが鋼材を覆ってしまうため、腐食の発生に影響を及ぼし、正確な腐食の検出ができない恐れがある。さらに、その部分に腐食が発生すると、ひずみゲージが剥がれてしまって、計測ができなくなったり、あるいは計測はできても正しい結果が得られなくなったりする場合もある。
一方、直接、構造物内の鉄筋に光ファイバを巻きつける手法は、構造物全体に光ファイバを配置し、構造物の損傷や変形を検知するものであり、腐食環境を検知するものでない。たとえ、腐食によるひずみを検知したとしても、鉄筋が腐食損傷してから検知することとなる。
非特許文献1記載の技術は、腐食生成物の体積膨張率を推定するものであるが、腐食生成物の種類やその割合は、環境によって大きく異なると共に、拘束条件によっても大きく異なる。従って、実際のコンクリート中における鋼材(鉄筋)の体積膨張率が測定できれば、精緻な解析を行なうことが可能となり、その結果、構造物の耐用年数の推定を高い精度で行なうことが可能となる。このため、鋼材(鉄筋)の体積膨張率の測定は、構造物の適切な維持・管理を実施する上で、有効である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバセンサを用いて、腐食による鋼材の体積膨張率を測定することができる測定方法および推定方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
(1)の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の測定方法は、腐食による鋼材の体積膨張率の測定方法であって、前記鋼材の表面に光ファイバセンサを固定させる工程と、前記光ファイバセンサ中を伝搬する光波の特性変化を検出することによって、腐食生成物の発生による前記鋼材のひずみを検出する工程と、前記検出したひずみに基づいて、前記鋼材が腐食した後の前記鋼材の径を算出・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、数式(1)を使って体積膨張率βを算出するので、環境によって異なる腐食生成物の種類や割合に対応する体積膨張率を得ることが可能となり、また、拘束条件に応じた体積膨張率を得ることが可能となる。その結果、耐用年数の推定を高い精度で行なうことが可能となり、構造物の適切な維持管理を行なうことが可能となる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本腐食センサの概略構成を示す図である。
【図2】 みがき棒鋼に対する光ファイバセンサの巻き方を示す図である。
【図3】 本実施例に係る試験体の概略構成を示す図である。
【図4】 本腐食センサの検出例を示す図である。
【図5】 電気腐食試験の概要を示す図である。
【図6】 光ファイバセンサ61を巻き付けたみがき棒鋼60の概要を示す図である。
【図7】 みがき棒鋼60が腐食した後、除錆した状態を示す概念図である。
【図8】 電気腐食試験の経過時間と腐食生成物によるみがき棒鋼60の体積膨張率を示す図である。
【図9】 電気腐食試験の結果と腐食生成物によるみがき棒鋼60の体積膨張率を示す表である。
【図10】 大気腐食試験の経過時間とみがき棒鋼の体積膨張ひずみを示す図である。
【図11】 大気腐食試験の結果と腐食生成物によるみがき棒鋼の体積膨張率を示す表である。
11 腐食センサ
12 みがき棒鋼
13 検知部
14 光ファイバセンサ
15 被覆部
21 鉄筋コンクリート構造物
23 鉄筋
25 ダミーセンサ
26 腐食センサ
40 試験体
41 みがき棒鋼
42 光ファイバセンサ
60 みがき棒鋼
61 光ファイバセンサ
62 ケーブル
64 コンクリート
66 供試体
68 銅板電極
69 容器
70 ケーブル
72 防水型ゲージ
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