技術分野
部分合金鋼粉を用いたNiを含まない粉末冶金用合金鋼粉に関し、自動車用高強度焼結部品の製造に好適な粉末冶金用合金鋼粉であって、焼結したときに焼結密度が上がりやすく、浸炭・焼入れ・焼戻しの処理の後の引張強さと靭性(衝撃値)、さらには疲労強度が従来よりも向上しやすい粉末冶金用合金鋼粉およびそれを用いた焼結体に関する。特に、浸炭・焼入れ・焼戻し処理後の引張強さで1000MPa以上が得られる焼結体を対象とする。
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】Niを含まない成分系でありながら、その粉末のプレス成形品を焼結し、さらに浸炭・焼入れ・焼戻しした部品の機械的特性がNi添加品と同等以上の引張強さや靭性、焼結密度をもつ粉末冶金用合金鋼粉を提供する。 【解決手段】Fe−Mo−Cu−C系の粉末冶金用合金鋼粉とし、Mo:0.2〜1.5mass%、Cu:0.5〜4.0mass%、C:0.1〜1.0mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鉄基粉末の平均粒径を30〜120μmとし、かつCu粉の平均粒径を10μm以下とする。 【選択図】なし
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、発明者らの考察の結果、した特許文献1に記載の混合粉を使用した焼結材料や特許文献2に記載の方法により得られる焼結材料は、いずれにおいても次のような問題点があることが分かった。
すなわち、特許文献1に記載の焼結材料では、最低でも1.5mass%のNiを含んでおり、その実施例から分かるとおり、実質的には3mass%以上のNiを含んでいる。それ故、特許文献1に記載の焼結材料で800MPa以上の高強度を得るためには、このように3mass%以上といった多量のNiが必要となることを意味する。
さらに、浸炭・焼入れ・焼戻し処理後で1000MPa以上の高強度材を得ようとした場合にも同様に3mass%あるいは4mass%といった多量のNiが必要であると考えられる。しかしながら、Niは、近年の環境対応やリサイクル性の観点からは不利な元素であり、できるだけ使用を避けることが望ましい。そればかりか、数mass%のNiの添加はコストの点でも極めて不利である。
さらに、Niを合金元素として使用すると、鉄粉や鋼粉にNiを十分に拡散させるために長時間の焼結が必要となり、金属組織の不均一を生じる原因となるという問題がある。
他方、特許文献2に記載の焼結材料では、Niの添加はないものの、使用している鉄系粉末の平均粒径が1〜18μmと通常よりも小さい。このように粒径が小さいと、粉末の流動性が悪くなり、プレス成型に際して、粉末を金型充填するときの作業効率が低くなるといった問題がある。
さらに、近年では、安全性向上の観点から、高い疲労強度が求められてきている。しかしながら、した従来技術では、十分な疲労強度を得ることが難しい。
本発明では、した現状に鑑み、金属組織の不均一を生じる原因となるNiを一切使用しないNiを含まない成分系でありながら、その粉末のプレス成形品を焼結し、さらに浸炭・焼入れ・焼戻しした部品の機械的特性がNi添加品と同等以上の引張強さや靭性、疲労強度、焼結密度をもつ粉末冶金用合金鋼粉を、その合金鋼粉を用いた焼結体と共に提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
さて、発明者等は、の目的を達成するために、Niを含まない粉末冶金用合金鋼粉の合金成分およびその添加手段について種々検討を重ねた。その結果、以下に述べる知見を得た。
すなわち、粉末冶金用合金鋼粉を、Niを一切使用しない代わりに、Moを部分合金化した鉄粉を使用するとともに、平均粒径等を制御したCu粉を黒鉛粉と共に混合した粉末冶金用合金鋼粉とした。すると、その合金鋼粉のプレス成形品を焼結し・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、Niを一切使用しない成分系でありながら、その粉末のプレス成形品を焼結し、さらに浸炭・焼入れ・焼戻しした部品の機械的特性が、Ni添加品と同等以上の引張強さや靭性、疲労強度、さらには焼結密度をもつ焼結体を製造できる、粉末冶金用合金鋼粉が得られる。
また、本発明によれば、通常の焼結法であっても安価で高強度と高靭性を兼ね備えた焼結体(鉄基焼結体)を得ることができる。
さらに、本発明によれば、合金鋼粉の流動性に優れるので、プレス成型に際して、粉末を金型充填するときの作業効率が向上するという効果が得られる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明に従う扁平形状Cu粉末を模式的に示した図である。
1 長径:L
2 厚さ:d
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