特開2019-219278IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

放射線治療装置等に好適な光ファイバ式の放射線モニタとそれを備えた放射線治療装置、および放射線のモニタ方法に関するものである。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】小型で侵襲性が小さく、光ファイバ内で発生する放射線誘起光の影響を低減し、体内でのリアルタイムな線量測定を可能とする。
【解決手段】放射線モニタ1は、入射した放射線量に依存した強度の光を発生する放射線発光部10、放射線発光部10で発生したフォトンを伝送する光ファイバ20、伝送されたフォトン1個に対して1個の電気パルスを発信する光電変換器30、放射線誘起光を含む光ファイバ20からの発光を計測し放射線の照射タイミングを検知する照射タイミング検知装置80、光電変換器30で増幅された電気パルスを計数し、計測した電気パルスの計数値を放射線の線量に換算する線量演算装置40および表示装置50等から構成される。
【選択図】 図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

日本において死亡原因の第一位はがんであり、死亡者数は増加の一途を辿っている。医療の質(Quality Of Life:QOL)の向上が求められる近年の日本では、その治療法として放射線がん治療が注目を集めている。ニーズとしてのQOL向上に、シーズである放射線がん治療技術の高精度化があいまって、日本においても広く放射線がん治療が普及し始めている。 治療に用いられる放射線には、X線、電子線、陽子線、重粒子線、中性子線等の各種放射線があるが、特に近年、陽子線や重粒子線を用いる治療装置の開発が目覚ましい。 これら陽子線や重粒子線は、止まる直前に集中的にエネルギーを与えて線量のピーク(ブラッグピーク)を作る性質を有している。従って、この性質を利用することによってがん部分に集中して線量を付与することができ、低侵襲で高精度な治療が期待できる。 また、X線治療においてもIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy:強度変調放射線治療)やIGRT (Image Guided RadioTherapy:画像誘導放射線治療)等が開発されており、線量をがん部分に集中させる努力が進んでいる。 放射線治療装置の高度化が進むのに伴い、治療計画の精度や患者位置決めの精度、治療計画や装置のQA(Quality Assurance:質保証)用の線量率計測に至るまで、放射線治療に関わるトータルでの精度向上が求められている。 放射線治療における線量計測には、その安定性や再現性が良好な電離箱が広く使用されている。しかし、電離箱はその検出原理から小型化には限界がある。 この代わりに小型化が比較的容易な半導体検出器を用いた線量分布測定が実施されている。しかしながら、信号処理系まで含めると半導体検出器でも小型化には限界がある。 また、これらの検出器は、計測の為に高電圧を印加する必要があり、体内に挿入して線量を測定することは困難である、との課題がある。更に、これらの検出器は一般的に高密度であり、体内物質や水と比べると放射線との相互作用が大きく、検出器自体の影響が無視できない、との課題がある。 上述のように、実際の体内の吸収線量が把握できない状況においては、治療計画における線量分布は体動等を考慮したマージンを持ったものになっており、放射線照射精度の更なる向上の妨げとなっている。また、放射線に敏感な正常部位が治療対象部位の近くに存在する場合には、放射線治療が困難となっており、体内の吸収線量の把握が望まれている。 そこで、体内に線量計を設置し、放射線の照射中に直接体内の線量を測定することが望まれており、浸襲性が低い小型でコンパクトなファイバ式の線量計が有望である。 しかしながら、放射線の照射による光ファイバ自体の発光が課題となっている。特に、高エネルギー放射線の照射により発生した高速電子が光ファイバ内に入ると放射線誘起光が発生し、線量測定上のノイズとなっている。以下においては、光ファイバからの発光である放射線誘起光をチェレンコフ光と総称している。 このような課題に対し、体内に小線源を挿入して治療する小線源治療における技術として、上述した特許文献1に記載の技術がある。 一方、特に高エネルギーのX線や電子線治療、更には粒子線治療では、短時間で高強度の放射線が照射されるため、発生するチェレンコフ光も膨大となる。従って、この様な加速器を用いる放射線治療においては、上述の特許文献1に記載された光フィルタによるノイズ低減方法では効果が必ずしも十分でなく、更なるチェレンコフ光の低減が望まれる。 このように、体内での線量測定のためには、上述のように、線量計は小型で侵襲性が小さいこと、更には光ファイバ内で発生するチェレンコフ光の影響をいかに低減するかが非常に重要である。 そこで、本発明の課題は、小型で侵襲性が小さく、光ファイバ内で発生するチェレンコフ光の影響を低減し、体内でのリアルタイムな線量測定を可能とする放射線モニタとそれを備えた放射線治療装置、および放射線のモニタ方法を提供することである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、入射した放射線の量に依存した強度の光を発生する放射線発光部と、前記放射線発光部で発生したフォトンを伝送する光ファイバと、前記光ファイバが伝送した前記フォトンを電気信号に変換する光電変換器と、前記放射線の照射中にモニタ内で発生する放射線誘起光を計測することで前記放射線の照射タイミングを検知する照射タイミング検知装置と、・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、小型で侵襲性が小さく、光ファイバ内で発生する放射線誘起光の影響を低減し、体内でのリアルタイムな線量測定が可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)

この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】第1放射線モニタの構成図である。

【図2】第1線量(線量率)とフォトン計数(計数率)との関係を示す図である。

【図3】第1放射線照射タイミングとチェレンコフ光や放射線発光部の発光状態等のタイムチャートである。

【図4】第110MVのX線を照射してスローカウンターで計測したフォトン計数の時間変動を示す図である。

【図5】第110MVのX線を照射してファストカウンターで計測したフォトン計数の時間変動を示す図である。

【図6】第2放射線モニタを備えた放射線治療装置の構成図である。

【図7】第2放射線モニタを備えた放射線治療装置の他の構成図である。

【図8】第3Nd:YAGの放射線発光部に入射した放射線によるフォトンの生成過程を示す概念図である。

【図9】第3放射線モニタの構成図である。

【図10】第4放射線治療装置の構成図である。

【図11】第5放射線モニタの放射線計測制御フロー図である。

【図12】第6放射線モニタの放射線計測制御フロー図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1,1a,1a1,1b,1c…放射線モニタ   2…放射線治療装置   10…放射線発光部   10a…照射タイミング検知用放射線発光部   20…光ファイバ   20a…照射タイミング検知用光ファイバ   22…分岐部   30…光電変換器   40,40a…線量演算装置   42…記憶装置   50…表示装置   60,60a…放射線照射装置   70a,70b,70c…光フィルタ   80,80a…照射タイミング検知装置

全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録

[広告欄]

ログインすれば広告は減ります

ログインすれば広告は減ります