特開2019-54022IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

電子機器や通信機器における余分な放射電波(ノイズ)を抑制するために使用される近傍界用ノイズ抑制シート

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】μ”分散の立ち上がり周波数が1〜10MHzに存在し、かつ、μ”分散がGHz帯域まで分布する難燃性の近傍界用ノイズ抑制シートを提供する。
【解決手段】有機物からなる基材と、基材中に担持された偏平状の合金粉末と、基材中に分散した難燃剤と、を含み、前記合金粉末は、Fe100-X1-Y1(Si,P,C)X1CuY1の合金粉末(但し、16≦X1+Y1≦24、14.5≦X1≦24、及び0≦Y1≦1.5)及び/又はFe100-X2-Y2(Si,B,C)X2CuY2の合金粉末(但し、16≦X2+Y2≦24、14.5≦X2≦24、及び0≦Y2≦1.5)であって、その相構造は、非晶質相のみからなり、又は非晶質相とα-Fe主体の結晶相とが混在する相からなり、難燃剤の平均粒径が10μm以下であり、密度が2.5g/cm3以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

近年、電子機器や通信機器の電子回路設計の高性能化および多様化が急速に進んでおり、電子回路内部のノイズの周波数も高周波化かつ広帯域化している。例えば、パソコンでは更なる高速化が求められ、CPUの駆動周波数はMHz〜GHz帯域に差し掛かっている。また、無線LANなどの通信機器では扱うデジタルコンテンツの容量は増大しており、通信周波数もGHz帯が中心になってきている。加えて、デジタルTV放送や道路交通情報システムなどの衛星通信も急速に拡大し、ユビキタスネットワーク時代が実現されつつある。このような情報通信機器の多機能化や融合が進む一方で、電子機器や通信機器から放射される余分な電波ノイズの周波数も高くなり、その電波ノイズによる機能干渉や誤動作も従来に増して心配される。そのため、従来のノイズ抑制シートは、対象帯域がkHz〜MHz帯であったのに対し、近年では、対象帯域がMHz〜GHz帯のノイズ抑制シートが求められている。 ところが、特許文献1,2に記載のノイズ抑制シートでは、GHz帯においては、磁性損失ではなく、誘電損失のみが作用するので、GHz帯の電界ノイズを抑制することができたとしても、GHz帯の磁界ノイズを抑制することはできない。電子回路では、電流回路の相互的な作用により、電界ノイズをよりも、磁界ノイズを抑制することが重要である。 また、特許文献3に記載のノイズ抑制シートでは、μ”分散の立ち上がり周波数が10MHzを超えたところに存在するため、1MHz〜10MHzのノイズ抑制効果を発揮することができず、MHzからGHzの広帯域に対応するノイズ抑制シートとして適していない。 さらに、ノイズ抑制シートの透磁率は、合金粉末の組成の他に、ノイズ抑制シートにおける偏平状の合金粉末の配向度や充填率にも影響される。すなわち、偏平状の合金粉末は、その面内方向に磁気的異方性を有するので、ノイズ抑制シートの透磁率を高めるには、シートの面内方向における合金粉末の配向度を高める必要がある。また、ノイズ抑制シートの透磁率は、シートに含まれる合金粉末の充填率にも影響され、ノイズ抑制シートの透磁率を高めるためには、ノイズ抑制シートの密度を高める必要がある。加えて、近年、ノイズ抑制シートを使用する対象機器の性質上、難燃性のノイズ抑制シートが求められており、この対策として難燃剤を添加することが一般的である。しかしながら、難燃剤を添加すると、偏平状の合金粉末の配向度が低下してしまい、その結果、ノイズ抑制シートの透磁率が低下することによって、その周波数特性も影響を受ける。 ところが、特許文献4,5では、軟磁性合金の成分組成や組織を最適化することによって軟磁気特性に優れた軟磁性合金を得ることを目的としているものの、ノイズ抑制シートにおける合金粉末の配向度や、ノイズ抑制シートの密度や難燃性については記載されていない。したがって、特許文献4,5に記載の軟磁性合金を用いて、ノイズ抑制シートを作製しても、対象帯域がMHz〜GHz帯であることに加え、難燃性も併せ持つノイズ抑制シートの実現には至っていないのが現状である。 そこで本発明は、課題に鑑み、MHz〜GHz帯の広帯域における磁界ノイズに対応することができ、かつ難燃性も併せ持つ近傍界用ノイズ抑制シートを提供することを目的とする。すなわち、本発明は、μ”分散の立ち上がり周波数が1〜10MHzの帯域に存在し、かつ、μ”分散がGHz帯域まで分布していることを特徴とする難燃性の近傍界用ノイズ抑制シートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

課題を解決する本発明の要旨構成は以下のとおりである。 (1)有機物からなる基材と、前記基材中に担持された偏平状の合金粉末と、前記基材中に分散した難燃剤と、を含む近傍界用ノイズ抑制シートであって、 前記合金粉末は、原子%で、組成式:Fe100-X1-Y1(Si,P,C)X1CuY1(但し、16≦X1+Y1≦24、14.5≦X1≦24、及び0≦Y1≦1.5)で表わされる合金粉末および・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、MHz〜GHz帯の広帯域における磁界ノイズに対応することができ、かつ難燃性を併せ持つ近傍界用ノイズ抑制シートを得ることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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