特許5653116IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

溶接中に定電力制御を行うことによってチリの発生を抑制しながら適正ナゲット径を形成することができるメッキ鋼板の抵抗溶接制御方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

メッキ鋼板の抵抗溶接に対して上述した従来技術2を適用すると、良好な溶接品質を得ることができる。しかし、上述したように、電極磨耗の進行に伴いナゲット径が次第に小さくなるのを改善するためには、従来技術1のステッパー機能を使用する必要がある。このステッパー機能では、溶接回数が増加するのに伴い溶接電流値を予め定めた増加パターンに従って増加させる。したがって、電極磨耗の進行に対応した増加パターンを実験によって求める必要がある。しかしながら、電極磨耗の進行状態にはバラツキがあるために、そのバラツキを考慮して溶接電流値が適正ナゲット径を形成することができるように裕度を持たせて増加パターンを作成することになる。このようにすると、ナゲット径は電極磨耗の進行状態が変動しても適正範囲内に形成されるが、他方、入熱過剰になるためにチリが発生することになり、溶接品質が悪くなる場合も生じる。さらに、図4に示す先行通電期間Tm、メッキ除去電流値Im及び通電休止期間Tkの溶接条件パラメータを電極磨耗の進行状態に応じて適正化するためのパターンを作成する必要があり、実験によってこのパターンを作成するには多くの工数が必要となる。 また、メッキ鋼板の抵抗溶接に対して従来技術3を適用した場合、メッキ層の除去ができないために良好な溶接品質を得ることができない。ここで、定電力制御による本通電の前に、従来技術2のように先行通電を行うことも考えられる。このようにすれば、メッキ層を除去することができる。しかし、電極磨耗の進行に伴って、先行通電期間Tm、メッキ除去電流値Im及び通電休止期間Tkの溶接条件パラメータを適正化するためのパターンが必要となり、このパターンを実験によって作成するのに多くの工数が必要になる。 そこで、本発明では、メッキ鋼板の抵抗溶接において、電極磨耗が進行してもチリの発生しない状態で適正なナゲット径を形成することができ、かつ、電極磨耗の進行に伴って溶接条件パラメータを変化させる必要もないメッキ鋼板の抵抗溶接制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

上述した課題を解決するために、第1の発明は、 メッキ鋼板から成る複数枚の被溶接材を一対の電極によって加圧し、溶接部へ入力される瞬時電力値が予め定めた電力設定値と等しくなるように定電力制御しながら溶接するメッキ鋼板の抵抗溶接制御方法において、 前記電力設定値は、予め定めた電力目標パターンに従って溶接経過時間に伴って変化する値であり、 前記電力目標パターンが、溶接開始時点で予め定めた初期・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、メッキ鋼板から成る被溶接材を抵抗溶接する場合において以下のような効果を奏する。第1ピーク値によって初期的に大きな電力(入熱)を供給して、被溶接材表面のメッキ層を除去することができる。これによって、被溶接材間の接触状態を安定化することができる。また、その後は電力設定値を一旦0まで小さくすることによって、被溶接材の温度を高温状態から低下させる。これにより、過剰な入熱を抑制することができる。そして、メッキ層を除去し、かつ、被溶接材の温度を低下させた上で、電力設定値を大きくして本通電を行うことにより、チリの発生しない状態で適正なナゲット径を形成することができる。さらに、本発明は電力目標パターンに従った定電力制御であるために、電極の磨耗が進行しても被溶接材へ供給される電力値が一定であるので、入熱量が一定となり、ナゲット径は適正なままでほとんど変化しない。この結果、高い溶接品質を維持することができる。また、電極の磨耗によって電力目標パターンを変化させる必要がないので、生産準備の工数を低減することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の実施の形態に係るメッキ鋼板の抵抗溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。

【図2】図1の電力設定回路PRに内蔵されている電力目標パターンの基本的なパターンを示す、本発明の参考のための図である。

【図3】本発明に係る電力目標パターンを示す図である。

【図4】従来技術において、被溶接材がメッキ鋼板であるときのナゲット形成状態を改善するための電流通電パターン図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1a、1B 電極   2 被溶接材   AC 商用交流電源   DR 2次整流回路   DV 駆動回路   Dv 駆動信号   EI 電流誤差増幅回路   Ei 電流誤差増幅信号   EP 電力誤差増幅回路   Ep 電力誤差増幅信号   Ic 定常溶接電流   ID 電流検出回路   Id 電流検出信号   Im メッキ除去電流   INV インバータ回路   IR 電流設定回路   Ir 電流設定信号   Iw 溶接電流   ON 起動回路   On 起動信号   PD 瞬時電力値算出回路   Pd 瞬時電力値信号   Pp ピーク値   Pp1 第1ピーク値   Pp2 第2ピーク値   PR 電力設定回路   Pr 電力設定(値/信号)   Ps 初期値   ST 溶接開始回路   St 溶接開始信号   t 溶接経過時間   T1 第1溶接経過時間   T2 第2溶接経過時間   T3 第3溶接経過時間   Tc 冷却期間   Te 溶接終了時間   Tk 通電休止期間   Tm 先行通電期間   TR 高周波変圧器   Tw 溶接期間   TWR 溶接時間設定回路   Twr 溶接時間設定信号   VD 電圧検出回路   Vd 電圧検出信号   Vw 溶接電圧    

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