特許5835997IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

磁気共鳴イメージング方法及び磁気共鳴イメージングシステム

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

以下で説明する実施形態において、データ収集の処理及び磁気共鳴画像の生成表示の両方又は一方を改善するための磁気共鳴イメージング方法及び磁気共鳴イメージングシステムを提供する。 送信信号および受信信号の両方に対して、撮像された組織内における不均一RF磁場に起因する撮像対象であるMRI画像内の不均一性を補正することが求められている。現在の手法は、RF−TX(送信磁場)及びRF−RX(受信磁場)の両方のRF磁場の空間的不均一性に起因する画像不均一性(例えば、シェーディング)を減ずる。これらの不均一性の原因は、1.5T(テスラ)より3.0T(テスラ)においてより重大である。これは、例えば、3.0TのMRIシステムにおいて適用される比較的短いRF波長が、撮像される被検体の空洞及び組織の両方又は一方内で建設的な干渉及び破壊的な干渉の両方又は一方を招く可能性があるからである。RF磁場の不均一性の影響については、多くの文献がある。表面コイルのRF受信磁場の不均一性補正に対する多くの方法が知られている。多くの方法によって、RF送信磁場の不均一性に起因する画像不均一性は、少なくとも部分的に補正される。 従来のアルゴリズムでは、RF受信モードにおけるアレイコイル(AC)と、RF受信モードにおける全身コイル(WBC)との両方による更なる参照用スキャン(プレスキャン)により画像が収集される。なお、プレスキャンでは、RF送信モードにおける全身コイル(WBC)によりRFパルスが送信される。画像の比率は、ピクセルごとに形成される。従って、対象画像(本撮像のMRI画像)は、この比率を乗ずることによって補正できる。この補正によって、AC画像は、WBC画像の均一性に略等しい空間的均一性を有することになる。 例えば、従来の輝度補正工程では、2つのボリュームを収集するシングルショットのFE(Field Echo)を用いた感度マップ(MAP)用のプレスキャンによるデータ収集が行われる。収集は、モーションアーチファクトの差を最小にするために交互に(interleave)される。1つのボリュームには、受信コイルとしてWBCを使用し、1つのボリュームには、受信コイルとしてACを使用する。診断用の収集は、補正対象となるスキャン(対象スキャン)として実行される。対象スキャンにより収集されたデータは、通常のスキャン動作の一部として画像の再構成処理に用いられる(或いは、対象スキャンにより収集されたデータの再処理は、後処理モードで後に実施しても良い)。オペレータは、輝度補正を選択して、補正の百分率として数字、例えば、おそらく、0≦(百分率補正)≦100)を入力する。 2つのMAPボリューム(感度マップボリューム)は、比率がピクセル個々ベースで形成されるように除算される。その比率においては、TXの影響及び信号密度は、その比率の両係数に対して当然同等であり、従って、その比率にはRXの影響のみが残る。 WBCのRF磁場が空間的に均一であるという仮説を立てた場合、比率を撮像ボリュームのピクセル(ボクセル)ごとに割り振ったデータである「R」は、アレイコイルの受信RF磁場の空間的パターンである「AC RX空間的パターン(RX ACパターン)」(及び、おそらく、一定のゲイン係数)のみに依存する。スライスは、当該スライスが対象画像と同じピクセル位置を有するように、MPR(Multi-Planar Reformatting)等と同様の処理により、のR(R撮像ボリューム)から抽出される。対象画像にスライス比を乗ずることで、対象スライスの「RX ACパターン」は、相殺される。或いは、「RX ACパターン」が空間的に均一でない場合、対象画像にスライス比を乗ずることで、対象スライスの「RX ACパターン」は、WBCの受信RF磁場の空間的パターンである「RX WBCパターン」に置き換えられる。かかる処理による輝度補正は、AC画像の局所SNRを有する画像を生成するはずである。しかし、3.0TのMRIシステムにおいて生成される画像は、WBCのRF送信ムラに起因するWBC画像の空間的不均一性を有する。 従来のアプローチでは、スキャナは、画像から特徴(例えば、人体断面図の幅、又は、幅と高さとの比)を決める。そして、補正マップ(感度マップ)は、おそらく、保存データベースから、複数の保存された補正マップの中から選択される。かかる選択は、画像の特徴に依存する。従って、選択されたマップは、画像の不均一性を補正するために使用される。 被検体のRF−TX磁場(送信RF磁場)を効率的に補正するためのマップ(感度マップ)の生成には、多くの技法が知られている。そのようなマップが得られた場合、様々な補正方法が存在し、かかる補正方法により、RF−TX不均一性アーチファクトに対して、画像を補正できる。 純粋な画像処理方式では、キャリブレーションデータ又はプレスキャンマップ(感度マップ)を使用せずに画像に平坦な輝度特性を持たせようとしているものもある。 しかし、参照画像としてWBCを使用して、更に、WBCからの改善された均一性を前提とすると、1.5T画像には小さい誤差しか生じないといえる(これは、受容可能である)。これに対して、不均一性によって、3.0T画像には非常に大きい誤差が引き起こされ、この誤差は受容不可である。 磁気共鳴輝度補正を行うための従来の試みとしては、以下の試みが挙げられる。すなわち、「B1シミング等のハードウェアの改良」や、「TX RFレベルに影響されにくいように改良されたMRIシーケンス(パルスシーケンス)」、「画像処理のみの補正」、「被検体ごとに加えられるキャリブレーション測定用のスキャン」、「小型低均一コイルを補正するための大型均一コイル(直交WBC)の使用」「電磁場モデルに基づくRF磁場の計算」、「“一般的な被検体”のために予め生成された所定の補正マップ」等である。1.5Tの(及び、1.5T以下の)MRIシステムに適用される従来の補正工程は、一般に、1.5Tより高い磁場(例えば、3.0TのMRIシステム)では、受容不可である。例えば、腹部の画像は、補正不足になる一方で、頭部の画像は、補正過剰になる可能性がある。 全身コイル(WBC)は、参照(reference)として使用される。それは、全身コイル(WBC)では、アレイ受信コイル(AC)よりも、解剖学的組織に関係のある構造及び空間的変化が少ないからである。3.0TのMRIシステムにより撮像される頭部では、TX及びRXの磁場(送信RF磁場及び受信RF磁場)は、中心部でより強くなる(縁端部周りに対して中心部でより強くなる高くなる)。腹部では、特に大きい被検体に対しては、腹部の中心部におけるWBCのTX及びRXの磁場は、低くなりすぎる(縁端部に比べて中心部でより低くなる)。標準の再構成方法の場合、再構成された画像の輝度は、WBCのRX磁場不均一性の影響で、局所的により高いRXが局所的により高輝度のピクセルを与えるといったように、単純な線形関係に従って変化することとなる。TX空間的不均一性の場合、RF磁場不均一性と画像輝度との関係は、はるかにより複雑である。TX不均一性による影響は、パルスシーケンス、シーケンスパラメータ、組織のT1及びT2、RFキャリブレーション等の様々な要素に依存する。これらの要素に依存して、RF不均一性のTXの影響は、RXの影響より強い場合もあり、弱い場合もあり、或いは、ほとんど影響が無い場合もある。 単純に固定された補正モデルが、常に正確であるとは限らない。例えば、RF磁場が、人体寸法に基づいた格納モデルから選択された場合、それらは、より体液が多いまたはより脂肪が多い等の異なる人体組織構成要素をもつ被検体にとっては非常によくないであろう。しかも、RF−TX磁場への依存は、パルスシーケンスのパラメータが変化すると、異なるであろう。広範囲の収集シーケンス及びパラメータに対する補正を格納することは、問題を含むことになる。 明確なRF−TXマップ(送信RF磁場の感度マップ)によるRF−TX補正(送信RF磁場の補正)は、一般に、ボリューム3D補正データのために、遅い、又は、不正確である追加のスキャンを必要とする。特に、高速の3次元撮像方法が要求され、人間の電気的特性及び磁気共鳴組織特性において従来の確定された仮定が、殆ど或いは全く要求されない場合、人体内部の純粋かつ正確なRF−RXマップを直接的に取得する良い方法は、全く知られていない。RF送信磁場および受信磁場の両方は、特に、3.0T以上の場合、空間的に不均一である。必要とされる均一性補正パターンは、個々の被検体で一様ではない。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

実施形態の磁気共鳴イメージング方法は、以下の工程を含む。所定の撮像対象のボリュームである撮像対象ボリュームから磁気共鳴イメージングの感度マップデータを取得する。そして、撮像対象の形状に応じた3次元幾何学的モデルに基づいて、取得された前記感度マップデータを、撮像対象ボリュームにおける送信RF磁場不均一性マップ及び受信RF磁場不均一性マップに分解する。そして、送信RF磁場不均一性マップ及び受信R・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)

この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、TX及びRXの不均一RF磁場においてMRI対象画像データを収集、輝度補正処理することに適合された磁気共鳴イメージングシステム(MRIシステム)の高水準概略ブロック図である。

【図2】図2は、輝度補正工程の実施形態を例示する概略図である。

【図3A】図3Aは、RXおよびTXの輝度補正工程の概略を例示するフローチャート(1)である。

【図3B】図3Bは、RXおよびTXの輝度補正工程の概略を例示するフローチャート(2)である。

【図4】図4は、図3Aおよび3Bで例示した実施形態にてMAPスキャンデータが適合する頭部の幾何学的形状モデルの概略図である。

【図5】図5は、図3Aおよび3Bで例示した実施形態にてMAPスキャンデータが適合する腹部の幾何学的形状モデルの概略図である。

【図6】図6は、各水平面位置でB1 TXを平均化するための6次多項式適合を示す図である。

【図7A】図7Aは、未補正の画像を示す図である。

【図7B】図7Bは、ゲインまたはノイズが制限されていない補正画像を示す図である。

【図7C】図7Cは、ゲインおよびノイズが制限されている補正画像を示す図である。

【図8】図8は、実施形態による腰椎画像に対するRX補正係数の等高線プロットである。

【図9】図9は、RX補正係数のカットオフレベルパラメータのグラフ描出を示す図である。

【図10A】図10Aは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(1)である。

【図10B】図10Bは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(2)である。

【図10C】図10Cは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(3)である。

【図10D】図10Dは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(4)である。

【図10E】図10Eは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(5)である。

【図10F】図10Fは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(6)である。

【図10G】図10Gは、実施形態による正則化閾値関数、および結果として生じる背景パターン抑制のグラフ描出を示す図(7)である。

【図11A】図11Aは、未補正の頸椎画像を示す図である。

【図11B】図11Bは、補正された頸椎画像を示す図である。

【図12】図12は、TXまたはRX補正MAPの等高線プロットである。

【図13】図13は、WBC感度プレスキャンMAPのコロナルMIPの左右の境界線のグラフ描出を示す図である。

【図14】図14は、頭部および肩部のカットオフ幅を示す図である。

【図15】図15は、最良の頭部/肩部カットオフ位置を示すプロットを示す図である。

【図16A】図16Aは、未補正のWBC_RX事例画像を示す図である。

【図16B】図16Bは、補正されたWBC_RX事例画像を示す図である。

【図17】図17は、第1コードの一例を示す図である。

【図18】図18は、第2コードの一例を示す図である。

【図19】図19は、第3コードの一例を示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

9 被検体   10 架台   11 被検体テーブル   12 静磁場磁石(B0磁石)   14 Gx、Gy、Gz傾斜磁場コイルセット   16 全身RFコイル(WBC:Whole Body Coil)アセンブリ   18 撮像対象ボリューム   19 アレイRFコイル(AC:Array Coil)   20 互いに整合された様々な関連システム構成要素   22 MRIシステム制御部   24 表示部   26 キーボード   28 プリンタ   30 MRIシーケンス制御部   32 Gx、Gy、Gz傾斜磁気コイルドライバ   34 RF送信部   36 送信/受信スイッチ   38 MAP/MRIデータ収集プログラムコード構造   40 RF受信部   42 MRIデータ処理部   44 RX/TX輝度補正画像再構成プログラムコード構造   46 MAP/MRI画像メモリ   50 プログラム格納部

全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録

[広告欄]

ログインすれば広告は減ります

ログインすれば広告は減ります