技術分野
主としてディーゼルエンジンの予熱に使用するグロープラグ及びそのグロープラグの製造方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
グロープラグ100の発熱源である抵抗線コイル300cは、近年、コイルピッチを小さくする傾向にある。そうすることによりグロープラグ100の昇温時間が短縮され、ディーゼルエンジンの始動性が向上するためである。
一方、抵抗線コイル300cのコイルピッチを小さくすると、図6の拡大図及び図7(c)に示したように、抵抗線コイル300cのコイル同士が接触する場合がある。抵抗線コイル300cのコイル同士の接触は、短絡により抵抗値が下がって設計上の昇温性能が得られないおそれがあるため好ましくない。
このような抵抗線コイル300cのコイル同士の接触は、シースヒータ300を製造する際、特にシースチューブ300aの閉じた先端部で生じやすい。
すなわち、シースヒータ300の一般的な製造方法は、抵抗線コイル300cを装填したシースチューブ300aを垂直に支持して後端開口を上に向け、その状態で該シースチューブ300a内に絶縁粉末300dを充填した後、後端開口に封止部材300eを装着して封止し、その後、シースチューブ300aを中の絶縁粉末300dや抵抗線コイル300cごとスウェージングで絞って所定径に縮径する、というものである。
斯かる製造方法では、先ず、図7(a)に示したように垂直に立てたシースチューブ300a内において抵抗線コイル300cも垂直に支持されるため、該抵抗線コイル300cのコイルピッチが抵抗線コイル300cの自重と通電端子軸300bの重量とを受けて減少する。自重等によるコイルピッチの減少の度合いは、全自重が加わる抵抗線コイル300cのコイル先端部300fで最も大きく、場合によってはコイル同士が接触する。
一方、抵抗線コイル300cの自重等によるコイルピッチの減少は、シースヒータ300の製造の最終段階で行われるシースチューブ300aのスウェージングでほぼ解消される。スウェージングによりシースチューブ300aと一緒に抵抗線コイル300cが軸方向に伸びてコイルピッチが広がるためである。
しかし、シースチューブ300aの先端は、略半球状または略円錐状のように漸次縮径して最終的に閉じた形状であってスウェージング後のチューブ径より細い部分が大半であるため、スウェージングの作用を受けにくい。したがって、シースチューブ300aの先端部分にある抵抗線コイル300cのコイルピッチは狭くなった状態のまま残る。
また、前記シースチューブ300aのスウェージングが、後端から先端方向に行われる場合(以下、「逆方向スウェージング」ともいう。)、スウェージング方向の圧力を受けた絶縁粉末300dがシースチューブ300aの先端部分にある抵抗線コイル300cを押し込むため、その部分にある抵抗線コイル300cのコイル先端部300fのコイルピッチがさらに減少する。
よって、抵抗線コイル300cのコイル同士の接触は、シースチューブ300aの先端部分(即ち、抵抗線コイル300cのコイル先端部300f)で生じやすい。
なお、以上のような抵抗線コイル300cのコイル同士の接触を防止するため、従来は、シースチューブ300a内に絶縁粉末300dを充填する際、抵抗線コイル300cを引き上げてコイルピッチが狭くならないようにしている。しかし、そのための余分な機構や制御が必要になるため、ハードとソフトの両面で余分なコストが掛かる。
また、前記したスウェージング時における抵抗線コイル300cのコイルピッチの減少に対して従来は、シースチューブ300aのスウェージングを先端から後端方向に行う(以下、「正方向スウェージング」ともいう。)ようにしている。しかしながら正方向スウェージングは、シースチューブ300aに軸方向の圧縮力が作用するため曲がりやすい問題があり、そのためスウェージングの加工時間を長くするか或は少しずつ複数回に分けて行う必要があって効率が悪い。
本発明はに鑑みなされたもので、その目的は、シースチューブ内における抵抗線コイルのコイル同士の接触を防止可能なグロープラグ及びグロープラグの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
の目的を達成するため本発明は、
筒状の主体金具と、
該主体金具の内側に装着したシースヒータと、を備え、
該シースヒータは、
後端が開口し先端が閉じた筒状をなす金属製のシースチューブと、
そのシースチューブの後端側から当該シースチューブ内に自己の先端側を臨ませた柱状の通電端子軸と、
その通電端子軸に自己の後端が接続されると共に先端が前記シースチューブの先端内面に接続・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明では、シースヒータの抵抗線コイルが、シースチューブに装填する前の状態で、先端部のコイルピッチを該先端部に連続する主要部のコイルピッチより大きく設定したため、抵抗線コイルを垂直に支持した場合に自重等でコイルピッチが縮小したとしても接触に至るおそれが殆どない。よって、シースヒータの製造に際して、垂直に支持した抵抗線コイルを上に引き上げる機構や制御が不要になる。
また、本発明の抵抗線コイルは、前記のように先端部のコイルピッチが大きいため、シースチューブのスウェージング時に絶縁粉末で押されても接触に至る可能性が低い。よって、本発明のグロープラグの製造方法によってシースチューブを、正方向スウェージング又は逆方向スウェージング又はそれらを交互に行うことにより、品質の安定したグロープラグが効率よく製造できる。
また、本発明のグロープラグの製造方法において、シースチューブのスウェージングの方向を逆方向スウェージングにした場合には、スウェージング時に絶縁粉末で押されても抵抗線コイルが接触し難い、という請求項1のグロープラグの特徴によって、逆方向スウェージングに存する、スウェージング時に絶縁粉末で押されて抵抗線コイルが接触しやすい、というマイナス面が打ち消され、逆に、シースチューブを曲げずに短い加工時間で縮径できる、という逆方向スウェージングのプラス面が活きる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】一部拡大図を含むグロープラグの縦断面図である。
【図2】(a),(b)は製造方法を説明するシースヒータの縦断面図である。
【図3】スウェージング前の状態を示すシースヒータの縦断面図である。
【図4】(a)は絶縁粉末材を充填する前の状態を示すシースチューブの先端部の断面図、(b)は絶縁粉末を充填した後の状態を示すシースチューブの先端部の断面図、(c)はスウェージング後の状態を示すシースチューブの先端部の断面図である。
【図5】他の形態を示すもので、(a)は絶縁粉末材を充填する前の状態を示すシースチューブの先端部の断面図、(b)は絶縁粉末を充填した後の状態を示すシースチューブの先端部の断面図、(c)はスウェージング後の状態を示すシースチューブの先端部の断面図である。
【図6】一部拡大図を含む従来のグロープラグの縦断面図である。
【図7】従来技術を示すもので、(a)は絶縁粉末材を充填する前の状態を示すシースチューブの先端部の断面図、(b)は絶縁粉末を充填した後の状態を示すシースチューブの先端部の断面図、(c)はスウェージング後の状態を示すシースチューブの先端部の断面図である。
1 …グロープラグ
2 …主体金具
3 …シースヒータ
7 …シースチューブ
7L …縮径境界部
8 …通電端子軸
9 …抵抗線コイル
9t …コイル先端部
P1 …主要部のコイルピッチ
P2 …先端部のコイルピッチ
10 …絶縁粉末
11 …封止部材
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