特許5933763IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

請求項1の前段部に記載された、流体を調量する弁に関し、この場合流動する媒体に対する上位の概念である流体という表現は、気体及び液体の両方を含む概念である。 公知の燃料噴射弁(独国特許出願公開第102004002134号明細書)は、弁ハウジング内に収容された弁構成群内に配置されている液圧式のカプラを有している。この弁構成群は、噴射開口を制御する弁ニードルと、この弁ニードルを操作する圧電式又は磁歪式のアクチュエータとから成っている。カプラはまた、各1つのカルダン式の支持部を介して弁ニードル及びアクチュエータに摩擦力接続式に支持されている。液圧式のカプラは、温度変化に起因する弁ハウジング又は弁ニードルとアクチュエータとの伸びの差によって生ぜしめられる長さの差異を補償するために用いられる。カプラによる補償作用によって、弁ニードルとアクチュエータとの間に間隙が形成され得なくなり、かつアクチュエータの全行程を弁ニードルに対して1:1の比で伝達することが保証される。液圧式のカプラは、ポット底部、ポット周壁及びポット開口を備えたハウジングポットと、このハウジングポット内において軸方向摺動可能に案内されているピストンとを有しており、このピストンとポット底部との間には、液体を満たされたカプラ間隙が設けられ、かつピストンとポット周壁との間には、リング間隙が設けられている。リング形状の第1のダイヤフラムは、そのダイヤフラム外縁部でポット周壁に固定され、かつそのダイヤフラム内縁部でピストンに固定されており、かつポット開口においてポット周壁とピストンとの間におけるリング間隙を、液体を満たされた第1の補償室を閉鎖しながらシールしている。ポット底部の、ピストンとは反対の側に配置された第2のダイヤフラムが、ハウジングポットと共働して、液体が満たされた第2の補償室を閉鎖しており、この第2の補償室は、一方では絞り孔を介してカプラ間隙に接続され、かつ他方ではピストンを貫通する接続通路を介して第1の補償室に接続されている。例えばハイドロリックオイルである液体によってカプラ間隙及び両補償室を満たすことは、気密に閉鎖可能な充填通路を介して行われ、この充填通路は、例えば、ポット周壁に設けられた半径方向孔によって形成されており、この半径方向孔は、第1の補償室と第2の補償室との間の接続通路に開口している。 発明の開示
請求項1に記載された特徴的な構成を有する本発明による調量弁は、次のような利点を有している。すなわち本発明による調量弁では、ポット壁を少なくとも部分的に覆っている、ダイヤフラムのキャップ周壁は、その弾性的な変形領域に基づいて、圧力下において大きく変形することができる。これによって、ダイヤフラムとハウジングポットとの間に閉じ込められた補償室が、ピストンの押圧負荷時にカプラ間隙から押し出されたカプラ液を収容するのに十分な大きさの容積を有するようになる。ピストンの押圧負荷時に、ダイヤフラムの弾性変形されたカプラ周壁によって生ぜしめられる押圧力は、補償室内に貯えられた液体容量をリング間隙を介してカプラ間隙に押し戻し、かつカプラ間隙を再び増大させるのに、十分な大きさを有している。 本発明の好適な態様では、弾性的な変形領域は、周方向において互いに連続していて半径方向内側に向かって凹んだ軸方向に延びる凹部によって形成されている。これによって、必要な大きさの補償容積を備えた弾性的な変形領域を、製造技術的に簡単に実現することができる。 カプラ周壁における弾性的な変形領域によって得られる、ダイヤフラムとハウジングポットとの間における補償容積に基づいて、公知の燃料噴射弁における冒頭に述べたカプラとは異なり、ポット底部と第2のダイヤフラムとの間における第2の補償室を備えた、通常鋼から製造された第2のダイヤフラムを、省くことができる。このことは、調量弁に対する製造コストの大幅な低減を意味する。ハウジングポットのポット底部における第2のダイヤフラムを省くことによって、さらに、弁の技術的な改善や簡単化に対するさらなる構造的な可能性が得られる。 本発明の好適な態様によれば、例えばハイドロリックオイルである液体によってカプラ間隙を満たすために必要な充填開口は、単純な軸方向孔として、好ましくは段付孔として、ハウジングポットのポット底部に設けることができる。軸方向孔への、好ましくは段付孔の大径の孔部分への閉鎖体の圧入によって、充填開口は、カプラ間隙の充填後に確実に閉鎖することができる。 本発明の別の好適な態様によれば、弁構成群とハウジング部分との間又は弁構成群の2つの弁部材の間におけるカプラのカルダン式の支持は、ハウジングポットのポット底部において直に行うことができ、これによって支持部の構造的及び製造技術的な構成が、著しく単純になる。 そのために本発明の好適な態様によれば、ハウジングポットは、弁ハウジングを密閉する接続部材における端面側の中空室内に収容されており、かつポット底部と有底孔の底部との間に形成されたカルダン式の支持部を介して、接続部材に支持されており、これに対してピストンは弁構成群に堅く結合されている。 本発明の別の好適な態様によれば、カプラは、弁構成群の内部に配置されていて、各1つのカルダン式の支持部を介して弁構成群の構成エレメントに支持されており、ハウジングポットは、ポット底部と、1つの構成エレメントを形成するアクチュエータとの間に形成された第1のカルダン式の支持部を介して、アクチュエータに支持され、さらにピストンは第2のカルダン式の支持部を介して、他の構成エレメントを形成する弁ニードルに支持されている。弁構成群の2つの構成エレメントの間に、つまり弁ニードルとこの弁ニードルを操作するアクチュエータとの間に、カプラを配置する構成には、さらに次のような利点がある。すなわちこのような配置構成では、アクチュエータの電気的な接続路、つまり接続部材の領域において弁ハウジングに形成された電気的なコネクタに通じている電気的な接続路を、カプラを越えて導く必要がなくなる。これによって、カプラの外径を大きくすることができ、ひいてはダイヤフラムのキャップ周壁による圧力に起因する容積変化を、さらに著しく改善することができる。 本発明の別の好適な態様によれば、ポット底部を覆う第2のダイヤフラムがないことによって、ハウジングポットは、弁ハウジングを密閉する接続部材に堅く結合されること、好ましくは接続部材に一体に成形されることができ、これによって、弁の全体構成が製造技術的に簡単になる。この場合ピストンは、カルダン式の支持部を介して弁構成群に支持されている。 次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】流体を調量する弁を示す縦断面図である。

【図2】図1のIIで示した部分の拡大図である。

【図3】図1に示した調量弁におけるカプラのダイヤフラムを示す側面図である。

【図4】図3の矢印IVの方向からダイヤフラムを見た正面図である。

【図5】図3のV−V線に沿ったダイヤフラムの断面図である。

【図6】変化態様による液圧式のカプラを示す、図2に対応する図である。

【図7】第2実施形態による調量弁を部分的に示す側面図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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