技術分野
アンモニア制御装置およびアンモニア制御方法に関し、特に、培養槽内のアンモニア濃度を制御するアンモニア制御装置およびアンモニア制御方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、上述の従来技術では、発酵液中のアンモニア濃度を直接的にコントロールすること、すなわち、培養中において培養槽内のアンモニア濃度を直接的に測定または制御することが困難であるという問題点を有していた。
すなわち、図9(従来のアンモニア濃度制御の処理の一例を示すフローチャート)に示すように、培養液中の総アンモニア濃度(NH
3 とNH
4 + の合計濃度)を知るためには、培養槽内から培養液をサンプリングし(ステップSA−1)、そのサンプリングした培養液を強アルカリ性の反応液(例えば、NaOH)に混合して(ステップSA−2)、存在するアンモニアを非イオン化アンモニア(NH
3 )にした状態で、培養槽外で連続的に測定する(ステップSA−3)という一連の作業が必要となるという問題点がある。すなわち、培養槽外でこのサンプリングした培養液を測定する一連の作業を無菌的に行うことは困難であり、また測定に使用した培養液は強アルカリ性の反応液(例えば、NaOH)に混合してあるため培養槽内に戻すことができないので廃棄しなければならず、測定頻度を高めるほど培養液を無駄にすることとなるため、実際に測定できる回数が限られてしまっていた(ステップSA−4)。
また、培養槽内ではアンモニアは連続的に消費されており、またアンモニア消費速度が一定でないため、図9に示すように、上述のサンプリング作業によって間隔を空けてアンモニア濃度を測定しても(ステップSA−5)、短い時間における傾向(トレンド)が分からないため、培養液中のアンモニア濃度を一定にコントロールできない(ステップSA−6)という問題点がある。
さらに、従来の問題点を鑑み、イオン電極により培養液中に一部存在する非イオン化アンモニア(NH
3 )を測定するとしても、培養中に発生する誤差を修正するために校正することが容易ではないという問題がある。これは、校正するために現在の正しいアンモニア濃度を知るためには培養液をサンプリングして強アルカリ性の反応液に混合して、培養液中のアンモニアを非イオン化アンモニア(NH
3 )にした状態で、総アンモニア濃度を測定する必要があるからである。
すなわち、一般的な発酵において、培養液中のpH値は、弱酸性から弱アルカリ性(pH5〜9程度)であり、培養液中に存在するアンモニアのうち一部またはほぼ全てがイオン化した状態のアンモニウムイオン(NH
4 + )として存在しているため、上述のイオン電極による非イオン化アンモニア(NH
3 )の濃度の測定のみでは、培養液中の総アンモニア濃度(NH
3 とNH
4 + の合計濃度)を求めることが困難であるからである。そのため、総アンモニア濃度を正しく制御することができない。
本発明は、に鑑みてなされたもので、培養液中のアンモニア濃度を連続的に任意にコントロールしながら培養することができるアンモニア制御装置およびアンモニア制御方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
このような目的を達成するため、本発明は、下記の方法および装置を提供する。
(1)培養槽内の培養液のアンモニア濃度を制御するアンモニア制御方法であって、当該培養槽にアンモニアを供給するアンモニア供給器と、当該培養槽内の培養液の非解離型のアンモニアに応答するアンモニアセンサと、当該アンモニア供給器及び当該アンモニアセンサに接続された、制御部を少なくとも備えたアンモニア制御装置を用いて当該培養槽内・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、培養槽内の非イオン化アンモニア濃度とアンモニアセンサの信号(例えば電圧)との関係を表す検量線を作成し、アンモニアセンサの信号から検量線に基づいて培養槽内の非イオン化アンモニア濃度を算出し、算出された非イオン化アンモニア濃度が所定の濃度を下回る場合、アンモニア供給器に培養槽内へアンモニアを供給するよう指示するので、培養槽内で一連の測定の作業を無菌的に行うことが可能になり、かつ、培養液を無駄にすることなく、培養液中のアンモニア濃度を連続的に任意にコントロールしながら培養することができるという効果を奏する。
また、本発明の一実施態様によれば、培養槽内の非イオン化アンモニア濃度を算出し、pHセンサにより培養槽内のpH値を測定し、算出された非イオン化アンモニア濃度および測定されたpH値から、記憶部に記憶されたアンモニア解離曲線に基づいて、総アンモニア濃度を算出し、算出された総アンモニア濃度が所定の濃度を下回る場合、アンモニア供給器に培養槽内へアンモニアを供給するよう指示するので、pH値と非イオン化アンモニア(NH
3 )濃度からアンモニア解離曲線に基づいて、直接培養液中の総アンモニア濃度(NH
3 とNH
4 + の合計濃度)を測定することができ、これにより、一層正確にアンモニア濃度をコントロールしながら培養することができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、培養槽から採取し強アルカリ反応液に懸濁してアンモニウムイオンを非イオン化アンモニアにした培養液の総アンモニア濃度を外部の一般的なアンモニア測定機を用いて調べ、その値をアンモニア解離式に代入し、pH値測定ステップにて記憶された培養液中のpH値を用いて培養液中の非イオン化アンモニア濃度を算出し、それをもって非イオン化アンモニア濃度とセンサ出力(電圧)との関係式を示す検量線を校正することが可能であり、培養中に発生する誤差を修正することが出来る。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1A】 本発明のアンモニア濃度制御の処理の一例を示すフローチャートである。
【図1B】 本発明のアンモニア濃度制御の処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の基本構成を示す原理構成図である。
【図3】 本発明に用いられるアンモニア解離曲線の一例を示すグラフである。
【図4】 本発明が適用される本アンモニア制御装置100の構成の一例を示す論理ブロック図である。
【図5】 本実施の形態における本アンモニア制御装置100の基本動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】 本実施の形態における本アンモニア制御装置100の処理の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図7】 実施例の装置を用いたアルギニン(Arg)生産におけるアンモニア濃度の制御結果を示す。
【図8】 実施例の装置を用いたArg生産におけるArg蓄積を示す。
【図9】 従来のアンモニア濃度制御の処理の一例を示すフローチャートである。
100 アンモニア制御装置
102 制御部
102a 検量線作成部
102b 非イオン化アンモニア濃度算出部
102c pH値測定部
102d 総アンモニア濃度計算部
102e アンモニア供給指示部
102f 校正用電圧測定部
102g 校正部
104 制御出力部
106 記憶部
106a アンモニア解離曲線ファイル
106b 検量線ファイル
106c 非イオン化アンモニア濃度ファイル
106d pH値ファイル
106e 総アンモニア濃度ファイル
108 信号入力部
10 アンモニアセンサ
11、13 NH3アンプ
12 外付けアンモニアセンサ
20 pHセンサ
21 pHアンプ
200 培養槽
300 アンモニア供給器
30 アンモニアタンク
31 スイッチ
32 弁
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