特許5980098IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

筒状編地の軸方向に延びて同編地の内外に分岐した重ね部を有する筒状編地の編成方法及び筒状編地

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献1の技術では、V字状の衿刳りを形成する際、編幅を減らしながら引返し編みを行っているため衿刳りのV字状の開き角度がある程度大きいものに限られるという制約がある。例えばポロシャツの前立てのように筒状編地の軸方向に延びて同編地の内外に重なる重ね部を有し、開き角度が実質的に零度となる編地を編成することができない。 前立てを有する編地は、前立ての前後一方の編地部(内側前立て)と他方の編地部(外側前立て)、及び後身頃(第2身頃)によって三層となる箇所を備える。この三層構造の部分を、特許文献1のように一本置きの針を使用した針抜き編成で行うと、編目を係止する編針と空針の関係から、三層部分では裏目を編成できない場合がある。二本置きの針を使用した針抜き編成とすることで、余分に空針を確保することができ、外側前立てに裏目を編成することは可能である。しかし、二本置きの針抜きを行う箇所は一本置きの針抜きに比べて編目が粗くなるため、前立てによる重ね部と重ね部以外(筒状編地部分)とは風合いが異なる虞がある。 本発明は事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、筒状部分を有する主ベース部の一部から主ベース部の内外に分岐した重ね部を有する筒状編地において、主ベース部と同様の風合いの重ね部を有する筒状編地の編成方法及び筒状編地を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の筒状編地の編成方法は、少なくとも前後一対の針床を備え、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、筒状部分を有する主ベース部と、その軸方向に連続して形成され、周方向に開き部を有する開口ベース部と、この開き部に隣接すると共に主ベース部の端部から互いに重なるように分岐される内側重ね部及び外側重ね部とを編成する。この筒状編地の開き部の形成される側を中央側、開き部から編幅方向の両端部に・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明の筒状編地の編成方法によれば、例えばポロシャツの前立てのように筒状編地の軸方向に延びて同編地の内外に重なる重ね部を有し、その重ね部の開き角度が実質的に零度となる筒状編地を編成することができる。 本発明の筒状編地の編成方法によれば、表目及び裏目を有する組織の重ね部を編成することができるため、ガーター組織やリブ組織などの組織柄の選択の自由度が高い。また、各ベース部と各重ね部とを共通する針抜き状態で編成できるため、編地の全体に亘って風合い(見栄え)を揃えることができる。 工程(α1)において、主ベース部につながる開口ベース部のコース方向の編目の数について、主ベース部の筒状部分の軸方向に向かって一定に保持することで、両重ね部が全長にわたって重なり合い、その開き角度が実質的に零度の筒状編地を編成できる。一方、編目の数が主ベース部の端部から離れるほど少なくなるように、往復編成の折返し位置を主ベース部の端部から離れるほど外縁側に変えながら開口ベース部を形成することで、例えばV字状の衿刳りのように筒状編地の一部に重ね部を有した状態で開き部に角度を設けることができる。特に、ある程度大きい開き角度でしか編成できなかった従来の編成方法と比較して、小さい開き角度の衿刳りを編成することができる。 前後の針床の各々に係止される各編地部おいて両端部の編目同士が繋がっている場合、一方の針床に係止される編地部における中央側端部の編目の移動に伴い、外縁側端部の編目も外縁側に移動させると、前後の編地部を両端で繋ぐ渡り糸が切断することがある。工程(α2)の回し込みにより、この渡り糸の切断を防止できる。この回し込みを行えば、一方の針床に係止される編地部と他方の針床に係止される編地部との境界位置が変わるため、例えばセーターの場合、前身頃と後身頃の境界位置が変わってしまう。回し戻し工程(ε)を行うことで、変わってしまった境界位置を元に戻すことができるため、その状態で前身頃と後身頃の上端部同士を接合して肩部を形成すれば、前後の身頃のバランスが適切なセーターを編成することができる。 本発明の筒状編地は、各ベース部の編成に用いる編針の間隔と、各重ね部の編成に用いる編針の間隔とを同一としているため、編地の全体に亘って風合い(見栄え)が揃っており、高品質である。表目及び裏目を有する組織の各重ね部を有することができるため、組織柄の選択の自由度が高い。また、このような組織柄を有することで、巻き癖が生じ難く、強度の高い各重ね部とすることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施形態1に示すセーターの概略図である。

【図2】実施形態1に示す重ね部を編成する手順を示す編成工程イメージ図である。

【図3】実施形態1に示す重ね部の編成工程を示す編成工程図である。

【図4】実施形態2に示すセーターの概略図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

100 セーター(編地)   10R 右袖 10L 左袖 10C 衿   1 ベース編地部   11 主ベース部   12 開口ベース部   120 開き部   121 内側用掛け目 122 外側用掛け目   2 重ね部   21 内側重ね部 211 内側重ね部の編出し部 212 内側接合部   22 外側重ね部 221 外側重ね部の編出し部 222 外側接合部   3 掛け目接続領域 4 一連編成領域   8 左外縁側 9 右外縁側

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