特許6012928IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

植物栽培方法及び体内時計最適化植物栽培装置に関する。より具体的には栽培光の光源ないし光量制御方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

これまでの栽培方法における点灯制御は特許文献1に記載されたように明暗周期を24時間とし、24時間の中で明期と暗期の期間を調整する方法である。また、特許文献2に記載されたような短日栽培は一時的に日照時間を短くして刺激を与える時期を設ける栽培方法であるが、この栽培方法においても24時間の明暗周期で制御している。また、植物の概日リズムを考慮した栽培方法としてサーカディアン共鳴法が知られているが、この方法は植物固有の概日リズムに明暗周期を一致させる栽培方法であって、この方法でも明期の長さと暗期の長さが等しくなるように明暗周期が定められている。 しかしながら、栽培光を明期の長さと暗期の長さを等しくした明暗周期で制御した場合、光源からの発熱量の変化にともない明期と暗期における温度差が大きくなる場合がある。このため、栽培室内の明暗期の温度差を少なくするように管理しなければならず、温度管理に要する空調機の高い処理能力とそれに伴う余剰の消費電力が発生するという問題がある。 一方、連続照明下で作物を栽培する場合、温度管理が単純化され、照明機器や空調機器の制御に対する負荷が少なくなる。また、作物が行なう光合成の総量は照射した光の総量にほぼ比例することから、連続照明によって栽培開始から収穫までの期間を短縮できる可能性がある。しかしながら、連続照明は概日リズムを減衰させ、生育不良を引き起こす。つまり、連続照明は明暗照明と比べ同じ栽培期間では通常2倍の光量を照射しているので、光合成量は同じ栽培期間であれば連続照明の方が2倍近く多いことになるが、光合成効率や形状や色などの品質が連続照明では低下する。このように、連続照明下においても、作物の品質や投下エネルギーあたりの成長量(コストパフォーマンス)を考慮すると最適であるとは言えない。 のように、これまでの点灯制御は、空調機への負荷や投下エネルギーあたりの作物の成長量(コストパフォーマンス)において最適なものであるとは言えず、空調機器を含むシステム全体の消費電力や作物の生理代謝を考慮した効率的かつ最適な栽培方法が求められていた。 本発明はの背景技術に基づいてなされたものであって、植物固有の概日リズムの研究に基づき、さらに効率的な栽培を可能にした植物栽培装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本願発明者らは、短時間の暗期間によるダークパルスが植物の概日リズムを調整できるという知見に基づきさらに研究を進めたところ、暗期若しくは明期を特定のアルゴリズムに従って設定すると、植物栽培装置におけるコストパフォーマンスを向上させることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【発明の効果】
本発明によれば、光合成活性が低い時間帯に暗期が設定され、または光合成活性が高い時間帯に明期が設定される。例えば、明暗サイクルの周期を連続照明下において観察される植物固有のフリーラン周期よりも短くし、前記暗期の終期を前記植物の概日リズムにおける夜明け時刻から1〜3時間前に設定することによって達成できる。光合成活性が低い時間帯に暗期が設定されることにより、同じ照射時間で栽培した場合に比べて光合成の総量が増大し、これによって出荷可能な大きさになるまでの栽培期間が短くなり、投下エネルギー当たりのコストパフォーマンスをあげることができる。 また、ほぼ連続した照明下では、暗期を光合成活性の低い時期に設定、あるいは、明期を光合成活性の高い時期に設定することができる。暗期を光合成活性の低い時期に設定した場合では、連続した照明下で1日あたりの植物の成長度を高めるだけでなく、光の利用性が悪い時期における無駄な点灯が防止される。この結果、同じ明るさで連続点灯する場合に比べて消費電力が削減される。一方、明期を光合成活性の高い時期に設定した場合であれば、光合成活性が相対的に低くなる時期には光量を抑えることができ、光合成活性が高い時期に光量を高めることで1日当たりの栽培光の利用効率を高めることができる。また、いずれの場合においても、連続照射による概日リズムの消失を防止し、連続した照明下での植物成長が良好に維持される。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は本発明の一態様である栽培光制御方法を示す概念図である。

【図2】図2は連続照明下において単回のダークパルスを与えた場合における概日リズムの位相シフトを表した図である。

【図3】図3は2時間のダークパルスを与えた場合の位相応答曲線の一例を示す図である。

【図4】図4は2時間のライトパルスを与えた場合の位相応答曲線の一例を示す図である。

【図5】図5は明暗周期調整期間を設けた栽培方法を示す概念図である。

【図6】図6は本発明の一実施例である植物栽培装置の模式図である。

【図7】図7は本発明の別の実施例である植物栽培装置の模式図である。

【図8】図8は概日リズムの光質依存性を示すグラフである。

【図9】図9は明暗サイクルの相違が植物の生育に与える影響を示す図であって、成長率r(1日当たりの生重量増加率)と栽培効率q(照明時間当たりの生重量増加率)に対する影響を示す。

【図10】図10は明暗サイクルの相違が植物の生育に与える影響を示す図であって、地上部重量(mg)と根の割合(%)に対する影響を示す。

【図11】図11は明暗サイクルの相違が植物の生育に与える影響を示す図であって、乾重量(mg)と含水率(%)に対する影響を示す。

【図12】図12は明暗サイクルの相違が植物の生育に与える影響を示す図であって、クロロフィル量(μgChl/生重量mg)に対する影響を示す。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

11 筐体   12 光源   13 栽培空間   20 光源制御手段を構成するコンピュータ   40 ディスプレイ

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