特許6022974IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

この発明は、地中に埋設している既設管の内周部に引き込み、新たに敷設された新設管のうちの特定部位に、分岐継手を割り込ませて接続するのに、既設管からこの特定部位を覆う部分を取り除く既設管の除去方法に関するものである。詳しくは、既設管が、その軸方向に沿って一つの切断部で切断され、略U字型形状に拡径された拡径後の既設管の内周部に敷設された新設管の場合でも、特定部位の範囲に及んで覆われている既設管の一部を取り除くことができる既設管の除去方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、特許文献1には、以下のような問題があった。特許文献1の技術は、非開削管入替工法のうちの第1の工法を前提とした技術であり、第2の工法によって新設管を敷設した現場では利用できず、新設管に分岐継手を接続しようとする特定部位において、この特定部位の範囲に及んで覆っている既設管の一部を取り除くことができない。その理由として、
(1)第2の工法では、既設管の内周部に新設管を引き込むのに、既設管を、その軸方向に沿い1つの切断部で切断し、切断後の既設管を略U字型形状に拡径させており、第1の工法とは異なり、切断後の既設管の断面形状が、切断部を含む略円環形状になっていない。そのため、特許文献1では、鋳鉄管抱持部材101,101にある二つ割りのホルダ103,103の半円弧状の凹部103a,103aと、鋳鉄管切断部材102にある二つ割りのホルダ109,109の半円弧状の凹部109a,109aとが、略U字型形状に拡径した既設管の外周を囲い込んで保持することができない。よって、特許文献1の切断装置を用いて、鋳鉄管切断機構114の回転刃111で略U字型形状に拡径した既設管を輪切りにして、既設管の一部を取り除くことはできない。
(2)その上、第2の工法では、既設管は、その軸方向に沿って1箇所だけで切断されており、特許文献1の切断装置は、既設管を輪切りするだけで、その既設管の軸方向に沿った切断を全く行っていない。そのため、新設管の特定部位の範囲に及んで覆っている既設管の一部に対し、その軸方向両側を輪切りするだけでは、この既設管の一部を取り除くことはできない。 本発明は、問題点を解決するためになされたものであり、既設管内に引き込まれて敷設されている新設管の特定部位に、継手を接続する場合、新設管を覆う既設管の形状に因らず、この特定部位の範囲に及んで覆う既設管の一部を、簡単に取り除くことができる既設管の除去方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

の問題点を解決するために、本発明の既設管の除去方法は、次の構成を有している。 (1)地中に埋設されている既設管の内周部に敷設された新設管のうち、継手を割り込ませて接続しようとする接続予定部に対し、既設管のうち、接続予定部を覆う接続予定包囲部を取り除く既設管の除去方法において、第1切断刃が既設管の周方向に沿って移動可能な第1切断装置により、接続予定部に対応する位置に対し、既設管を周方向に沿・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
構成を有する本発明の既設管の除去方法の作用・効果について説明する。
(1)地中に埋設されている既設管の内周部に敷設された新設管のうち、継手を割り込ませて接続しようとする接続予定部に対し、既設管のうち、接続予定部を覆う接続予定包囲部を取り除く既設管の除去方法において、第1切断刃が既設管の周方向に沿って移動可能な第1切断装置により、接続予定部に対応する位置に対し、既設管を周方向に沿う周側切断部で切断して、接続予定包囲部を挟む軸方向両側で既設管を分断する周方向切断工程を備え、周方向切断工程では、既設管の外周を、既設管の形状に対応して既設管を覆設可能なガイド部材で包み込み、第1切断装置を、ガイド部材を介して既設管に保持させた状態で、第1切断刃を既設管の周りに移動させること、接続予定部に対応する位置に対し、既設管が、その軸方向に沿う軸側切断部で少なくとも2箇所切断された状態で、既設管の周方向に複数に分割され、接続予定包囲部が、軸側切断部と周側切断部とが交差して切断された状態になった後、取り除かれること、を特徴とするので、新設管が、非開削管入替工法により先に埋設されていた既設管の内周部に引き込まれて敷設されたとき、この既設管の形状が新設管敷設前の形状から大きく変化してしまうことがあるが、このような場合でも、新設管敷設後の既設管の形状に拘わらず、周方向切断工程で、第1切断装置の第1切断刃が既設管の周りを移動して、周側切断部を切断することができる。 すなわち、非開削管入替工法により、新設管が内周部に敷設された既設管の中に、従来技術で挙げた特許文献1のように、既設管が、予め軸方向に沿って2つ以上の切断部で切断され、3つ以上に分割された分割片となっているものがあり、隣り合う分割片同士の間隔が比較的狭く、切断後の既設管の形状が切断前の形状と左程大きく変わっていない。特許文献1の切断装置では、既設管が4つに分割された分割片となっていても、4つの分割片の周りが保持され、切断刃は、隣り合う分割片同士の間を通過して、4つの分割片全体を輪切りできている。しかしながら、非開削管入替工法により、新設管が内周部に敷設された既設管の中には、既設管が、例えば、その軸方向に沿って1つの切断部で切断され、切断後の既設管が略U字型形状に拡径されてから、新設管が、拡径後の既設管の内周部に引き込まれている場合等がある。このような場合、既設管は、切断部で切断された切断箇所を挟んで、拡径により2つに分割されて離間してしまい、互いに離間した分割部同士の間隔は大きくなり、新設管敷設後の既設管の形状が敷設前と大きく変化しまう。特許文献1の切断装置は、切断後の既設管の断面形状が切断部を含む略円環形状になっていないと用いることができず、略U字型形状に拡径された既設管を輪切りすることはできない。 これに対し、本発明の既設管の除去方法は、例えば、第1切断刃の移動経路に隣接する位置等において、既設管の外周をガイド部材で包み込む。これにより、先に例示したように、略U字型形状に拡径された既設管等、新設管の入替え時に軸方向に沿う切断部で切断され、この切断箇所を挟んで、拡径により互いに離間した分割部同士の間隔が大きくなって、新設管敷設後の既設管の形状が敷設前と大きく変化しまっている既設管でも、第1切断装置は、このガイド部材を介して既設管の周りに沿って移動可能に保持でき設置することができる。よって、第1切断装置が、既設管の形状に拘わらず、既設管の周りを移動可能に設置できることから、第1切断刃により、既設管の周側切断部を切断することができる。勿論、特許文献1のように、予め軸方向に沿って2つ以上の切断部で切断され、3つ以上に分割された分割片となっている略円環型形状の既設管についても、第1切断装置を、この既設管の周りに移動させて、第1切断刃により、既設管の周側切断部を切断することができる。 ところで、先に例示したように、既設管が、その軸方向に沿って1つの切断部で切断され、切断後の既設管が略U字型形状に拡径されている場合、周方向切断工程において、既設管が、接続予定包囲部を挟む軸方向両側で分断されても、拡径により2つに分割して離間した離間部1つだけでは、接続予定包囲部は、新設管を横切って取り除くことができない。本発明の既設管の除去方法は、このような離間部を含み、軸側切断部で切断された切断箇所が、少なくとも2箇所に存在することで、接続予定部に対応する位置に対し、既設管のうちの接続予定包囲部が、周方向に複数に分割可能になる。その上で、前述の離間部を含み、軸側切断部で切断された切断箇所と、既設管を、接続予定包囲部を挟む軸方向両側で分断した切断箇所とが、交差した状態になれば、接続予定包囲部は、新設管を横切ることなく、既設管のうち、新設管の接続予定部に対応する位置から簡単に取り除くことができる。 従って、本発明の既設管の除去方法によれば、既設管内に引き込まれて敷設されている新設管の接続予定部(特定部位)に、継手を接続する場合でも、新設管を覆う既設管の形状に因らず、この特定部位の範囲に及んで覆う既設管の一部(接続予定包囲部)を、簡単に取り除くことができる、という優れた効果を奏する。 勿論、既設管の径より径小な新設管が、地中に埋設されている既設管の形状のままの状態で、この既設管の内周部に引き込まれて敷設される場合でも、本発明の既設管の除去方法によって、接続予定包囲部は簡単に取り除くことができる。 (2)(1)に記載する既設管の除去方法において、既設管は、新設管の敷設時に、少なくとも2箇所のうちの1つの軸側切断部で切断された後、拡径されたことにより、軸側切断部で切断されて互いに離間した両側の切断端部の間に、幅広な離間部を有した形状に変形されていること、を特徴とするので、拡径された既設管の軸方向の断面形状として、例えば、U字型形状、馬蹄型形状等のように、既設管が幅広な離間部を有した形状に変形している場合でも、ガイド部材が既設管の外周り全周に被覆されることにより、第1切断装置の第1切断刃の移動経路が、既設管に覆設したガイド部材の外周り全周に途切れることなく確保できる。これにより、第1切断装置は、既設管の外周り全周を移動することができ、既設管の形状に拘わらず、既設管の周側切断部を、第1切断刃で切断することができる。 (3)(1)または(2)に記載する既設管の除去方法において、ガイド部材は、既設管の形状に沿って変形可能な可撓性を有する板状部材であること、を特徴とするので、新設管の敷設時に、既設管が、その軸方向の断面において、新設管敷設前の円環形状から、既設管内周の拡径により、例えば、U字型形状、馬蹄型形状等のような形状に大きく変形した場合でも、ガイド部材は、変形した既設管の外周形状に対応して、既設管の外周りを被覆することができる。これにより、第1切断装置の第1切断刃の移動経路が、既設管の形状に拘わらず、既設管に覆設したガイド部材の外周り全周に途切れることなく確保できる。また、実際の現場では、土砂や錆び等の異物が、埋設されている既設管の外周面に付着している場合もある。この場合、既設管の形状に拘わらず、ガイド部材が既設管の外周面に覆設されていること、第1切断装置がガイド部材の外周面上に沿って移動できるため、第1切断装置は、既設管の周りをスムーズに移動することができる。 (4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する既設管の除去方法において、第1切断装置は、第1切断刃が配設された装置本体部と、ガイド部材の周りに掛け回して装置本体部を既設管に保持させる長尺状の保持部材と、を有し、周方向切断工程では、保持部材が既設管の周方向に沿ってガイド部材と相対的に移動することにより、装置本体部が既設管の周方向に沿って移動して、第1切断刃が周側切断部を切断すること、を特徴とするので、保持部材は、新設管を覆っている既設管の形状に因らず、ガイド部材の周りを掛け回しできるため、この保持部材が移動することで、装置本体部は、既設管の周りを包み込んでいるガイド部材に沿って自在に移動できる。よって、ガイド部材を介して既設管の周りに、保持部材を掛け回ることができれば、周方向切断工程は、既設管の変形状態に関係なく、既設管切断に係る自由度をより大きくして実施することができる。 (5)(4)に記載する既設管の除去方法において、保持部材がチェーンであること、を特徴とするので、ガイド部材を介して既設管の周りに沿って掛け回されたチェーンにより、第1切断装置の装置本体部が、既設管の周りを自在に移動可能に保持できる。また、例えば、チェーンと噛合い可能なスプロケットが第1切断装置の装置本体部に回動可能に軸支されている場合には、チェーンが、このスプロケットに噛み合わせた状態で、既設管の周囲を包み込んでいるガイド部材に掛け回されていれば、第1切断刃による周側切断部の切断時に、装置本体部が既設管周方向に移動すると、スプロケットがチェーンと噛み合いながら回転する。このとき、チェーンは、ガイド部材と相対的に移動するものの、移動に伴うテンションの変化は比較的小さく、装置本体部は、既設管に対し、ぐらつきが少なく安定したポジションで取り付けられた状態を維持して、既設管の周方向を移動することができる。そのため、周側切断部の切断時に、切断に伴う負荷が第1切断刃に過大に作用することなく、第1切断刃は既設管をスムーズに切断することができる。 (6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する既設管の除去方法において、第1切断刃は第1回転軸を中心に回転する円盤状の刃であり、円筒状の第1外周面が形成された第1切込み深さ制限部材を有し、第1切込み深さ制限部材の第1外周面の軸心と、第1切断刃の第1回転軸とが、同軸上に配置されていること、第1切断刃の半径である第1切断刃半径と、第1切込み深さ制限部材の半径である第1制限部材半径との差である第1径差が、既設管の径方向の肉厚と同等の大きさ、または第1径差が、肉厚より許容誤差の範囲内で大きく設定されていること、を特徴とするので、第1切断装置の第1切断刃が、周側切断部を、既設管の内周部側に向けて切り込んで切断しているときに、第1切断刃の刃先が、新設管と接触する前に、第1切込み深さ制限部材の第1外周面が既設管の外周面と当接する。これにより、第1切込み深さ制限部材は、第1切断刃の刃先が既設管の外周面との当接状態よりもさらに深く既設管の内周部側に位置することを、阻止することができ、新設管が第1切断刃によって損傷や破損を受けるのを抑制することができる。 (7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する既設管の除去方法において、軸側切断部を切断するための第2切断刃を有する第2切断装置が用いられ、第2切断刃は第2回転軸を中心に回転する円盤状の刃であり、円筒状の第2外周面が形成された第2切込み深さ制限部材を有し、第2切込み深さ制限部材の第2外周面の軸心と、第2切断刃の第2回転軸とが、同軸上に配置されていること、第2切断刃の半径である第2切断刃半径と、第2切込み深さ制限部材の半径である第2制限部材半径との差である第2径差が、既設管の径方向の肉厚と、同等の大きさ、または第2径差が、肉厚より許容誤差の範囲内で大きく設定されていること、を特徴とするので、第2切断装置の第2切断刃が、軸側切断部を、既設管の内周部側に向けて切り込んで切断しているときに、第2切断刃の刃先が、新設管と接触する前に、第2切込み深さ制限部材の第2外周面が既設管の外周面と当接する。これにより、第2切込み深さ制限部材は、第2切断刃の刃先が既設管の外周面との当接状態よりもさらに深く既設管の内周部側に位置することを、阻止することができ、新設管が第2切断刃によって損傷や破損を受けるのを抑制することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施形態及び変形形態に係る既設管の除去方法を説明する図であり、地中に埋設されている既設管からその接続予定包囲部を取り除く前の状態を示す側面図である。

【図2】実施形態及び変形形態に係る既設管の除去方法を説明する図であり、地中に埋設されている既設管からその接続予定包囲部を取り除いた後の状態を示す図である。

【図3】実施形態及び変形形態に係る既設管の除去方法のうちの軸方向切断工程を説明する図であり、図1に示す既設管の側面図である。

【図4】図1中、A−A矢視からの断面で示した軸方向切断工程の説明図である。

【図5】既設管の除去方法のうちの周方向切断工程を説明する図であり、図1に示す既設管の側面図である。

【図6】第1切断装置を既設管に取り付けた状態を示す説明図であり、図5中、左側から見た図である。

【図7】図1中、B−B矢視及びC−C矢視からの断面で示した周方向切断工程の説明図であり、図5中、右側から見た図である。

【図8】既設管の除去方法で用いる第1切断装置を概略的に示す側面図である。

【図9】図8とは反対側から見た第1切断装置の側面図である。

【図10】第1切断装置に構成されたチェーンを示す平面図である。

【図11】図10に示すチェーンの正面図である。

【図12】変形形態に係る第1切断装置の構成を説明する図である。

【図13】変形形態に係る第1切断装置のうち、圧縮バネと連結したチェーンを示す平面図である。

【図14】図13に示すチェーンの正面図である。

【図15】特許文献1に開示された切断装置全体を示す説明図である。

【図16】図15に示す切断装置の鋳鉄管抱持部材を説明する図である。

【図17】図15に示す切断装置の鋳鉄管切断部材を説明する図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1 既設管   2 接続予定包囲部   3 軸側切断部   4 周側切断部,(第1切断刃の)移動経路   5 内周部   6a (既設管の)外周面   A (既設管の)軸方向   C (既設管の)周方向   R (既設管の)径方向   t (既設管の)肉厚   11 新設管   12 接続予定部   20 ガイド部材   30,130 第1切断装置   31,131 装置本体部   32 第1切断刃   Cr1 (第1切断刃の)第1切断刃半径   33 第1回転軸   41,141 チェーン(保持部材)   60 第1切込み深さ制限板(第1切込み深さ制限部材)   61a 第1外周面   63 (第1外周面の)軸心   Dr1 (第1切込み深さ制限板の)第1制限板半径   Fr1 第1径差   70 第2切断装置   72 第2切断刃   Cr2 (第2切断刃の)第2切断刃半径   73 第2回転軸   80 第2切込み深さ制限板(第2切込み深さ制限部材)   81a 第2外周面   83 (第2外周面の)軸心   Dr2 (第2切込み深さ制限板の)第2制限板半径   Fr2 第2径差

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