技術分野
最適解探索問題の解を量子ドットからなるナノスケールの回路を利用して探索する量子ドットによる解探索システムに関するものである。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
上述した特許文献1、2の開示技術を始めとした量子ドットによる演算回路により、光の回折限界に支配されることなく演算処理が可能となり、将来の大容量情報処理への要求に応えることも可能となった。
ところで、上述した量子ドットによる演算処理では、何れも一又は複数の入力に対して一の結果を出力するものである。これに対して、図13(a)でいうところの一の出力Yが決まっている場合にそれを満たすことができる複数の入力A、Bを逆に探索することが可能な量子ドットによる演算回路は今まで特に提案されてきていなかった。
特に、解が予め与えられた場合にこれを満たす入力を探索する技法として、与えられた命題論理式の全体を“真”とするために、それに含まれる変数の値を探索する、いわゆる充足可能性問題(Satisfiability Problem, SAT)がある。この充足可能性問題は、ソフトウェアおよびハードウェア検証、ならびにコンピュータ支援設計を含む、多くのアプリケーションで使用される。特にこの充足可能性問題は、巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problem/TSPと同じクラスに属する計算複雑性をもつ代表的な組み合わせ最適化問題の解を探索するものであり、今後の情報化社会において特にその重要性が高まっている。この充足可能性問題を解く場合には、しらみつぶし法等の方法が従来より知られている。しかしながら、かかる充足可能性問題を光の回折限界に支配されることなくナノスケールのデバイスで、かつ超高速で低エネルギー消費量で解く技術は今まで特段提案されていない。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、予め入力された探索問題情報として命題論理式が与えられた場合に、量子ドットを利用してその命題論理式に含まれる変数を探索して求めることが可能な量子ドットによる解探索システムを提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明を適用した量子ドットによる解探索システムは、上述した課題を解決するために、供給される入力光に応じて励起子が励起されるエネルギー準位を有するエネルギー供給用の量子ドットと、エネルギー供給用の量子ドットより大体積で構成されてなるとともに、エネルギー供給用の量子ドットにおけるエネルギー準位から励起子が注入される共鳴準位を有し、当該共鳴準位から下位準位へ遷移させた励起子のエネルギー・・・ 続きを
知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
上述した構成からなる本発明によれば、与えられた命題論理式を満たす変数の割り当てを探索する、いわゆる充足可能性問題等を始めとした問題を量子ドットに探索させて解を導くことが可能となる。しかも本発明では、その探索解を光の回折限界に支配されることなくナノスケールのデバイスで解くことが可能となる。また、量子ドットにおける励起子の移動は超高速であることから、解の探索を行わせる量子ドットデバイス側が律速になることが無くなり、より高速に探索解を導き出すことが可能となる。また励起子の移動にエネルギー損失を伴わないため、より低エネルギー消費量で解探索を実現することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)
この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明を適用した解探索システムの全体構成を示す図である。
【図2】 量子ドットデバイスの構成について説明するための図である。
【図3】 量子ドットデバイスを構成する各量子ドットのエネルギー準位図である。
【図4】 各量子ドットに対する制御光の供給制御について説明するための図である。
【図5】 Nビットのデジタル信号を表現する場合に、2N個の量子ドットを形成してこれを割り当てる例を示す図である。
【図6】 図5に示す量子ドットデバイスにおける制御光の供給制御について説明するための図である。
【図7】 N個の変数に対してN個の量子ドットを割り当てる量子ドットデバイスについてNOR問題の解を探索させる例を示す図である。
【図8】 N個の変数に対して2N個の量子ドットを割り当てる量子ドットデバイスについてNOR問題の解を探索させる例を示す図である。
【図9】 与えられたブール式F11〜F16の論理積を1(“真”)にするための命題論理式を示す図である。
【図10】 本発明を適用した解探索システムの他の実施形態について説明するための図である。
【図11】 図10の実施形態において用いられる量子ドットデバイスを構成する量子ドットのエネルギー準位図である。
【図12】 従来における量子ドットを利用した加算回路の例を示す図である。
【図13】 (a)は、入力A、Bに対して、いわゆる信号強度の論理和Yを出力とする演算回路図であり、(b)は否定演算回路図である。
【図14】 従来における量子ドットを利用した否定演算回路の例を示す図である。
1 解探索システム
2 基板
3、5 量子ドットデバイス
12、42 光供給部
13 光検出部
21 演算回路
31、32、33 量子ドット
40 選択対象物
60 共鳴準位
61 当注入用共鳴準位
全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録