特許6060102IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

インクジェットプリンタに適したインク、とりわけ可食性の材料を用いたインクジェットインク及びその作製方法並びにインクジェットインクを用いた印字方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

これらの可食性インクジェットインクは、液体成分、顔料及び当該顔料を液体成分に良好に分散させるための分散剤を含む。当該顔料は、一般に、インクジェットで吐出可能な大きさに粉砕され、かつ凝集の無いよう分散処理され、時間が経っても分散の安定性が損なわれないよう調整されている。 そして、このように色材として顔料を含むインクジェットインクを製造する場合における分散処理では、一般的に、ビーズミルと呼ばれる分散機を用いる。ビーズミルとは、ビーズと呼ばれる球体の媒体(「分散メディア」ともいう。)を用いて、粉体を細かく粉砕し分散させる装置であり、粉体を細かに粉砕し、安定して分散させるためには、比重が大きく小さくても重く、硬度があり表面が硬いジルコニア(酸化ジルコニウム)のビーズが用いられることが多い。 分散機としてビーズミルを使用すると、分散メディアであるビーズと分散させる粉体とが接触するため、当該粉体内に、微量ながらビーズの材料であるジルコニアが混入することは避けられない。同様に、インクジェットインクの分散処理に、分散メディアとしてジルコニアビーズを用いたビーズミルを用いた場合にも、微量ではあるが当該インクジェットインクにはジルコニアが混入している。ジルコニアやジルコニウムは、人体への経口摂取に対して安全性に問題がないと考えられているが、とりわけ安全性を規制する規定値等は定められていないため、逆に、インクジェットインクへの混入を避けた方が好ましいと考えられる。 したがって、インクジェットインクを製造するための分散処理においては、例えば、高圧ホモジナイザーに代表されるメディアレスの分散機を用いる場合もある。しかし、粉体を細かく粉砕し、安定して分散させる方法としては、ビーズミルに代表される分散メディアを用いる分散機の方が使いやすく分散効率も良いため、生産性が高くなる。 以上より、本発明は、インクジェットインクの製造において分散メディアを用いた分散機により分散処理を行い、かつ、ジルコニアやジルコニウムの混入がないインクジェットインク及びその作製方法を提供し、さらに当該インクジェットインクを用いて長期の連続した印字が可能な印字方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

発明者らはの課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジルコニアビーズを使用しない分散方法にて、可食性の材料を含むインクジェットインク及びその作製方法を開発した。
【発明の効果】
本発明は、水、水溶性有機溶剤、高分子分散剤及び可食性の顔料を含有するドロップオンデマンド用のインクジェットインクとして調製するので、ジルコニアビーズを使用せずとも分散性を損なうことなく、印字が良好で、印字対象物への定着性に優れ、保存安定性にも優れたインクジェットインクが製造できる。したがって、ジルコニアやジルコニウムの混入がないか、少なくともジルコニウムの混入量が50ppm以下であるドロップオンデマンド用のインクジェットインクを提供することができる。 また、本発明の印字方法は、インクジェットインクを、前記ドロップオンデマンドインクジェット装置のインクジェットヘッドとインクタンク筐体との間で循環させるので、顔料を分散させたインクジェットインクでの印字であっても、経時的に発生する顔料沈降を当該循環により防止し、長時間安定して印字することができる。
また、当該循環の際には、温度調整、脱気、消泡を行うことにより、インクジェット装置中を循環するインクジェットインクの物性の変化や劣化を防ぐことができる。さらに、インクへの振動や圧力変動等に伴う、泡の発生や、気泡の発生を制御できるので、インクの吐出を安定化することができる。
さらに、ドロップオンデマンドインクジェット装置としてインクジェットヘッドを少なくとも2台備えたものを用い、前記インクジェットヘッドの少なくとも1台をインクジェットインクの吐出に供している間、他の少なくとも1台は印字を行わせずにインクジェットインクの吐出に適した状態で待機させておくこととし、印字させるインクジェットヘッドと、印字させずに待機させるインクジェットヘッドとを所定の時間ごとに変更することで、吐出不良や飛び曲りを回避し、印字品質を保ち、さらに長期の連続した印字が可能となる。 以上のようにして、規制量が規定されていないジルコニアやジルコニウムが検出されない本発明のインクジェットインクは、より安全性の高い可食性インクジェットインクを提供し、さらに、本発明の印字方法を用いることで長時間高い印字精度で安定した印字が可能となるため、当該インクジェットインクを使用する使用者は、安心してその印字対象物や、印字の応用用途を拡大することができる。これにより、錠剤への印字方法としても対応可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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