技術分野
銅箔表面にクロム成分を含有する層を形成しなくても引き剥がし強さ及び長期防錆性を備え、粉落ちしない表面処理銅箔及び当該表面処理銅箔を使用したプリント配線板
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
特許文献1及び特許文献2は、表面に粗化処理を施し表面粗さを上昇させて、投錨効果による接着強度を得ながらクロメート皮膜に代わる引き剥がし強さを確保しようとしている。
粗化処理によって表面粗さが上がれば、投錨効果により樹脂基材とより強固に接着して引き剥がし強さが上昇することはよく知られており、クロメート皮膜に代わる引き剥がし強さを得るには表面粗さは上げた方が良い。
しかしながら、最近のプリント配線板は、電子機器の小型化に伴って回路が極端に狭ピッチ化しており、表面粗さが上がると狭ピッチの回路を正確に形成できないという問題がある。
また、表面粗さが上がるとエッチングファクターが低下したり、基板上にエッチング残渣や粉落ちが生じるという問題がある。
したがって、基板上に残渣等を発生させず、狭ピッチの回路を正確に形成するには表面粗さは上げない方が好ましく、粗化処理を施さない場合も増えている。しかしながら、粗化処理を施さない場合には、十分な投錨効果が得られず接着強度が下がるため引き剥がし強さも低下するという問題が生じる。
本発明者らは、前記諸問題点を解決することを技術的課題とし、試行錯誤的な数多くの試作・実験を重ねた結果、銅箔の一方の面に
粗化処理層と0.3μm以下の銅粒子、銅-ニッケル粒子、銅-コバルト粒子若しくは銅-ニッケル-コバルト粒子からなる微細粒子層とニッケル又はニッケル-リンからなる層とアルカリ金属ケイ酸塩及びシランカップリング剤からなる層とを
この順に形成すれば、常態引き剥がし強さだけではなく、高温環境や吸湿後、或いは、プリント配線板の製造工程で使用される様々な薬品に浸漬しても引き剥がし強さが維持されると共に長期に亘る防錆性が得られ、かつ、狭ピッチの回路も正確に形成でき、加えて、前記微細粒子層を形成することによって増加する表面積を177μm
2の領域当り60μm
2〜900μm
2の範囲にすれば粉落ちしない表面処理銅箔になるという刮目すべき知見を得て前記技術的課題を達成したものである。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
前記技術的課題は本発明によって解決できる。
【発明の効果】
本発明によれば、クロム成分を含む層を形成しなくても、エッチング性を損なわずに常態の引き剥がし強さが得られ、また、高温環境や吸湿後においても、或いは、プリント配線板の製造工程で使用される様々な薬品に浸漬しても引き剥がし強さを維持できることに加えて、粉落ちせず、長期防錆性があるので、プリント配線板に使用する銅箔に求められる特性を備えた表面処理銅箔になる。
本発明の表面処理銅箔に形成される微細粒子層を構成する微細粒子の粒子径は0.3μm以下(但し0μmは含まない)なので、表面粗さの上昇を抑制して表面積を上昇させることができるため、樹脂基材と強固に固着させることができ、クロム成分を含む層を形成しなくても十分な引き剥がし強さを得ることができる。
また、表面粗さの上昇が少ないので、エッチング残渣や粉落ちの発生頻度が低下し、かつ、狭ピッチの回路も正確に形成することができるため、小型化した電子機器のプリント配線板にも好適に用いることができる表面処理銅箔になる。
加えて、微細粒子層を形成することによる表面積の増加
が、177μm
2の領域当り60μm
2〜900μm
2なので、引き剥がし強さを確保できるが粉落ちやエッチング残渣は発生しないというプリント配線板に使用する上で好ましい性質を兼ね備えた表面処理銅箔になる。
本発明における表面処理銅箔にはニッケル又はニッケル-リン層が形成されているので、高温環境でも、或いは、プリント配線板の製造工程に使用される様々な薬品に浸漬したとしても引き剥がし強さを維持できる。
また、ニッケル-リン層は選択エッチング性のあるアルカリエッチング液にも可溶であるため、汎用性が高い。
本発明における表面処理銅箔にはアルカリ金属ケイ酸塩及びシランカップリング剤からなる層が形成されているので、樹脂基材と強固に固着して常態引き剥がし強さが向上し、また、吸湿後であっても劣化が抑制されて引き剥がし強さが維持されると共に防錆性も向上する。
特に、M
2O・xSiO
2・nH
2O(M=Na又はK, x=2〜4)で表される水ガラスとアミノ基含有、エポキシ基含有若しくはビニル基含有のシランカップリング剤とを使用すれば吸湿後の劣化がより抑制され、防錆性もより向上する。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】本発明における表面処理銅箔の断面の模式図である。
1 銅箔
2 微細粒子層
3 ニッケル又はニッケル−リン層
4 アルカリ金属ケイ酸塩及びシランカップリング剤層 5 粗化処理層
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