技術分野
パケット通信装置及びシステムに関し、例えば、複数の経路やインタフェースを用いて1つのTCP(Transmission Control Protocol)セッションの通信を行う場合に適用し得るものである。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、上述した4つのリンク選択方法は、以下のような課題を有するものであった。
第1の課題は、各内側送信用TCP機能部13−1〜13−5や各内側受信用TCP機能部22−1〜22−5へのCPU資源(処理能力)やメモリ資源(記憶能力)の不適切な分配により生じる課題である。
第2〜第4のリンク選択方式では、単数又は複数のCPUが、複数のTCPのプロセスを同時に処理している。各TCPのプロセスにかけるCPUやメモリの資源が完全に平等ならば、従来のリンク選択方式は有効に働くことが期待される。しかし、実際にはそうとは限らない。例えば、より大きな負荷のプロセスに、大きなCPU資源やメモリ資源(これら2つをまとめて計算機資源と呼ぶこともある)を分配する仕様になっていると、早くパケットが届いた内側TCPセッションが、大きなCPU資源やメモリ資源を有し、後から届いた内側TCPセッションは少ない資源しか割当てられず、後にパケットが届いた内側TCPセッションは、処理能力が小さいために、他より少ないパケットしか処理されないことになる。一方、多くの資源が与えられた内側TCPセッションは、より多くの処理が可能になり、より多くのトラヒックが流れ、その結果、さらに大きな資源が割当てられるフィードバックがかかり、その差が益々広がっていくことになる。
これは、送受信側の両方で生じることである。つまり、送信側で、パケットを送信するのに使える計算機資源が小さいサブフローは、計算機資源が大きいサブフローより送信処理に使えるCPU時間が小さく、送信可能なパケット数が少なくなる可能性がある。受信側に関しても、受信処理やAck信号を送信側に返す処理に使えるCPU時間が小さいサブフローは、CPU時間の大きなサブフロー送信できるパケット数が少なくなる可能性がある。
第2の課題は、省電力リンクがある場合に生じる課題である。
近年、トラヒック量に応じて物理リンクの利用可能帯域を変化させ、トラヒックが少ないときは、帯域を小さくすることで、消費電力を抑える技術が開発されている。しかし、送受信共にTCP機能部は、そのことを認知できず、かつ、残り帯域が小さくなると、送信レートを上げない実装になっているものがある。その結果、物理リンクが帯域を増加させる閾値以下で運用され、物理リンクは、利用者が本当はもっと送りたい要求があるのを知らずに、帯域を小さなままで運用し、TCP機能部側が本当はもっと送れるのに、これ以上送ると輻輳が生じるかもしれないと、送信レートを上げないで運用される可能性がある。その結果、MPTCP適用システムが、省電力リンクをサブフローのリンクとして含む内側TCPセッションにパケットを送る量を、最適値より小さくしてしまう可能性がある。
第3の課題は、内側TCPセッションに係るリンクの伝搬遅延時間の差(以下、遅延差と略することもある)が大きい場合に生じる課題である。
第2〜第4のリンク選択方式では、遅延差が大きいと、伝搬遅延時間の大きなリンクは幾ら余剰帯域があっても使われず、スループットが伸びないという課題がある。例えば、大きなトラヒックを流しても、廃棄がほとんど生じないが到着までの遅延時間が大きなリンクLAと、遅延時間は小さいが入力されるトラヒックがある程度大きくなると廃棄が生じ易いリンクLBがあった場合、アプリソフトの要求条件と、確保できるキュー長の見合いで、リンクLAを積極的に使用した方が良い場合がある。第2〜第4のリンク選択方式では、このような場合への対応ができない。
第4の課題は、要求品質に応じた資源選択への対応に関する課題である。
パケット送信装置及びパケット受信装置間にリンクLCとリンクLDの2種類のリンクが存在し、リンクLCはリンクLDよりも利用コストが高い場合を想定する。ここで、利用するアプリソフトは幾つかの種類が存在し、アプリソフトAP1は0.1秒でも早く送りたい要求があり、アプリソフトAP2は、数ビット/secの速度で十分な要求条件であり、アプリソフトAP3は、ある一定の時間内に遅れれば良いとする。
アプリソフトAP1は、リンクLCとリンクLDの両方を使い、最小時間で送信できるように、リンクLCとリンクLDにトラヒックを振り分ける制御が好適と思われる。アプリソフトAP2は、リンクLDだけを使ってコストを最小化するのが好適だと思われる。アプリソフトAP3は、要求条件を満たす範囲で、なるべくリンクLDを用い、要求条件を満たすためにやむを得ない範囲でリンクLCを用い、利用コストの最小化を目指すのが好適であると考えられる。
すなわち、パケット通信に供するアプリソフトが複数種類あり、要求品質が異なる場合においても、あるリンク選択方法しか適用できず、その方法では不満足なアプリソフトも生じてしまう。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、1以上の観点から見て好適なリンクにパケットを振り分けて転送することができるパケット通信装置及びシステムを提供しようとしたものである。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
第1の本発明は、パケット送信装置及びパケット受信装置間にパケット転送に供する複数のリンクが介在し、リンク毎に、パケットロス時のパケット再送に対応できるパケット通信システムにおけるパケット送信装置が該当するパケット通信装置において、(1)送信しようとするパケットを、いずれかのリンクへ振り分けるスイッチ機能部と、(2)少なくとも当該パケット送信装置における計算資源が各リンクへの転・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、1以上の観点から見て好適なリンクにパケットを振り分けて転送することができるパケット通信装置及びシステムを提供できる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 実施形態のMPTCP適用システムを構成するパケット送信装置及びパケット受信装置のネットワーク上の位置関係の一例を示すブロック図である。
【図2】 実施形態のMPTCP適用システムの構成を示すブロック図である。
【図3】 実施形態のMPTCP適用システムにおけるMPTCP最適化機能部が行う動作を示すフローチャートである。
【図4】 従来のMPTCP適用システムの構成を示すブロック図である。
1A…パケット送信装置、2A…パケット受信装置、3A…MPTCP適用システム、
10…外側送信用TCP機能部、11…スイッチ機能部、12−1〜12−5…送信側リンク別キュー、13−1〜13−5…内側送信用TCP機能部、14−1〜14−5…送信インタフェース部、16…送信側MPTCP最適化機能部、16a…通信機能部、16b…計算資源割当把握機能部、16c…リンク特性把握機能部、16d…最適切替指示機能部、17…送信側計算資源管理機能部、
20−1〜20−5…受信インタフェース部、21−1〜21−5…受信側リンク別キュー、22−1〜22−5…内側受信用TCP機能部、23…統合キュー、24…外側受信用TCP機能部、26…受信側MPTCP最適化機能部、26a…通信機能部、26b…計算資源割当把握機能部、26c…リンク特性把握機能部、27…受信側計算資源管理機能部。
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