特許6242249IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

太陽追尾装置及びそれを備える太陽光利用システム

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献1及び2に記載の太陽追尾装置においては、太陽追尾のための駆動力を得るために、液体媒体又は気体媒体の温度上昇時の体積膨張を利用している。具体的には、これらの装置は、太陽電池モジュール等の駆動対象物の太陽光受光部の向きが太陽からずれると、媒体に照射される太陽光の量が増加するような構成を有している。そして、媒体の温度が上昇すると媒体の体積が膨張し、この膨張に伴う圧力によって、太陽光受光部が太陽追尾するようにアクチュエータを作動させている。 しかしながら、液体媒体及び気体媒体の温度上昇に伴う体積膨張率はそれ程大きくないため、駆動力が不足する場合があり、十分な太陽追尾を実現することが難しい場合がある。 それに対して、特許文献3に記載の太陽追尾装置においては、駆動力を得るためのアクチュエータとして、金属水素化物(水素吸蔵合金)と、これを収容する容器とを有する金属水素化物アクチュエータが利用されている。具体的には、この装置は、駆動対象物の太陽光受光部の向きが太陽からずれると、集光レンズによって集光された太陽光が、金属水素化物(水素吸蔵合金)アクチュエータに照射されるような構成を有している。そして、金属水素化物アクチュエータ内部の金属水素化物の温度が上昇すると、金属水素化物から水素が放出され、容器内の圧力が増加する。この増加した圧力によって、太陽光受光部が太陽追尾するように金属水素化物アクチュエータの動力伝達部品を作動させている。 水素吸蔵合金は、一般的に、それ自身の体積の1000倍程度の水素を吸蔵することができる。そのため、特許文献3のような水素吸蔵合金を利用した金属水素化物アクチュエータは、特許文献1及び2に記載の液体媒体又は気体媒体を利用したアクチュエータよりも、はるかに大きな駆動力を生み出すことができる。 しかしながら、特許文献3に記載の金属水素化物(水素吸蔵合金)アクチュエータを用いた太陽追尾装置においては、以下のような問題点が存在する。 即ち、金属水素化物から放出される水素の量は、温度上昇量に依存する。そのため、太陽光の強度が低い場合には金属水素化物アクチュエータによって十分な駆動力が得られず、十分な太陽追尾を実現することが難しい。 さらに、特許文献3に記載の太陽追尾装置においては、原理的に、受熱面を駆動するために移動可能な複数の部材であって、金属水素化物を収容する容器の内部の圧力変化に直接対応して非動作状態から動作状態に可逆的に変化する互いに独立した複数の部材(動力伝達部品)が必要であるため、複数の金属水素化物アクチュエータを、太陽追尾させる受熱面と台座との間に平行に設けている。そのため、装置構成が複雑になるため、太陽追尾の角度範囲を広くする(例えば、太陽の日周運動を追尾するために、太陽追尾の角度範囲を180度以上にする)ことを試みると、複数の金属水素化物アクチュエータ間の干渉などの複数の部品間の物理的な干渉が生じ易い。そのため、太陽追尾の角度範囲を広くすることが難しい場合がある。 さらに、特許文献3に記載の太陽追尾装置においては、集光レンズによって集光された太陽光が、金属水素化物アクチュエータに照射される構成を有している。そのため、装置に直接太陽光が照射される状態であっても、この集光レンズの集光可能範囲外からの太陽光を金属水素化物アクチュエータに照射することができない。そのため、太陽追尾させる受熱面の方向が太陽から大きくずれた場合(例えば、受熱面を太陽の日周運動に1日追尾させ、翌日太陽の日周運動への追尾を開始する場合)、装置自体に太陽光が照射されている状態であっても、金属水素化物アクチュエータの駆動力のみで受熱面を再び太陽に追尾させられず、太陽追尾の続行が難しい場合がある。(この点について、特許文献3に記載の太陽追尾装置においては、加熱装置を別途設けることにより受熱面の位置の補正を行っている。) 上述の特許文献3に記載の装置に係る問題点は、当該装置を太陽光発電システム以外の、太陽光を受光する要素を備える装置においても、同様に当てはまる。 本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、水素吸蔵合金を利用した太陽追尾装置であって、太陽光の強度が低い場合であっても安定して太陽追尾を行うこと、追尾させる部材の方向が太陽から大きくずれた場合であっても太陽追尾を続行すること、及び、太陽追尾の角度範囲を広くすることが可能な太陽追尾装置、及び、このような太陽追尾装置を利用した太陽光利用システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

上述の課題を解決するため、本発明に係る太陽追尾装置は、太陽光受光要素を固定することが可能な太陽追尾部と、太陽追尾部を、第1方向に沿って延びる揺動軸の周りに揺動可能に支持する支持部と、太陽追尾部と支持部との間に介在する連動部と、を備える。太陽追尾部は、第1水素吸蔵合金を収容する第1容器と、第2水素吸蔵合金を収容し、第1方向と直交する第2方向に沿って第1容器と離間する第2容器と、第1容器と連通する第・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、水素吸蔵合金を利用した太陽追尾装置であって、太陽光の強度が低い場合であっても安定して太陽追尾を行うこと、追尾させる部材の方向が太陽から大きくずれた場合であっても太陽追尾を続行すること、及び、太陽追尾の角度範囲を広くすることが可能な太陽追尾装置、及び、このような太陽追尾装置を利用した太陽光利用システムが提供される。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】太陽追尾装置、及び、当該装置を備える太陽光利用システムの模式的な構成を示す図である。

【図2】図1のII−II線に沿った太陽追尾装置及び太陽光利用システムの断面の構成を示す図である。

【図3】図3(A)は、+Z軸方向から見た太陽追尾装置の平面図であり、図3(B)は、図1のIIIB−IIIB線に沿った太陽追尾装置の断面の構成を示す図である。

【図4】水素吸蔵合金の平衡水素圧力−合金中水素濃度−合金温度の状態図の典型例を示す図である。

【図5】移動部及びシリンダーの詳細な構成例を示す断面図である。

【図6】図3に示す状態における第1水素吸蔵合金のPC曲線及び第2水素吸蔵合金のPCT状態図を示す図である。

【図7】図7は(A)は、図3(A)に示す状態から太陽が移動した場合の+Z軸方向から見た太陽追尾装置の平面図であり、図7(B)は、図7(A)に示す状態における第1水素吸蔵合金と第2水素吸蔵合金のPCT状態図を示す図である。

【図8】図8(A)は、+Z軸方向から見た太陽追尾装置の平面図であり、図8(B)は、図1のIIIB−IIIB線に沿った太陽追尾装置の断面図である。

【図9】図8に示す状態における第1水素吸蔵合金及び第2水素吸蔵合金のPCT状態図を示す図である。

【図10】PC曲線におけるヒステリシスを有する水素吸蔵合金の、ある温度におけるPCT状態図の例を示す図である。

【図11】第1圧力室、第2圧力室、及び、移動部を構成する他の例を説明するための図である。

【図12】第1圧力室、第2圧力室、及び、移動部を構成する他の例を説明するための図である。

【図13】変形例に係る連動部を備える太陽追尾装置、及び、当該装置を備える太陽光利用システムの模式的な構成を示す図である。

【図14】2つの太陽追尾装置の組み合わせに係る例を示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1…太陽追尾装置、3…支持部、10…太陽追尾部、21…第1水素吸蔵合金、22…第2水素吸蔵合金、31…第1容器、32…第2容器、41…壁部、41S…壁部の先端、50…移動部、61…第1圧力室、62…第2圧力室、70…連動部、100…太陽光利用システム、S…太陽光発電装置(太陽光受光要素)。

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