技術分野
所定の領域の土壌を凍結する凍結工法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、発錆その他の原因により凍結管が破損しても冷却液が施工現場の地盤中に漏出することがなく、冷却液が凍結管から漏出していることを迅速且つ正確に検出することができる凍結工法と、それを施工するための施工システムの提供を目的としている。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明の凍結工法は、
施工領域の地盤中にケーシング(2)を設置する工程(図2)と、
ケーシング(2)内に凍結管(9)を配置する工程(図5)と、
ケーシング内壁面(2i)と凍結管外壁面(9ao)の間の空間に、ケイ酸アルカリ水溶液(200A:ケイ酸を包含し、pHが7よりも大きい水溶液)或いは固化材と粘土を包含する混合物(200B)を充填する工程(図6)を備え、
前記ケーシング(2)の地上側・・・ 続きを
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【発明の効果】
上述した構成を具備する本発明によれば、ケーシング(2)は熱伝導性が良い金属製(鋼製)であり、凍結管(9)とケーシング(2)の間の隙間には熱伝導性が良好なケイ酸アルカリ水溶液(200A)或いは固化材と粘土を包含する混合物(200B)が充填されている。そのため、凍結管(9)内を流れる冷却液(BL)が保有する冷熱が、ケイ酸アルカリ水溶液(200A)或いは固化材と粘土を包含する混合物(200B)、ケーシング(2)を経由して、施工領域の土壌(G)に確実に伝達され、施工領域の土壌(G)を凍結することが出来る。
そして、凍結した土壌(FG)を連結することにより容易に止水壁を造壁することが出来て、当該止水壁により、例えば放射性物質で汚染された地下水等を遮断して、放射性物質の拡散を抑制することが出来る。
そして本発明によれば、仮に凍結管(9)が破損しても、凍結管(9)内の冷却液(BL)は、ケーシング内壁面(2i)と凍結管外壁面(9ao)の間の空間(E)に充填されているケイ酸アルカリ水溶液(200A)或いは固化材と粘土を包含する混合物(200B)に接触するのみであり、当該ケイ酸アルカリ水溶液(200A)或いは固化材と粘土を包含する混合物(200B)とケーシング(2)を透過して土壌中に漏出することはない。凍結管(9)から冷却液(BL)が漏洩したとしても、漏洩した冷却液(BL)は施工領域周辺の土壌(G)に浸透せず、そのため、施工領域の環境に悪影響を及ぼすこともない。
ここで、ケイ酸アルカリ水溶液(200A)は、冷却液(BL)の低温(例えば−20℃〜−30℃)に起因して固化し、固化材と粘土を包含する混合物(200B)は時間が経過すると共に固化する。
すなわち本発明によれば、長期間に亘る運転管理の間に、冷却液(BL)が施工領域周辺の土壌(G)に漏出する事態が防止される。
凍結管外管(9A)が破損して冷却液(BL)が凍結管(9)外に漏洩した場合には、当該冷却液(凍結管外に漏洩した冷却液BL)には、冷却液圧が作用しているため、破損箇所から凍結管外管(9A)の外側に漏出した冷却液(BL)は、凍結管外管(9A)表面と円環状空間(E)内部で固化したケイ酸アルカリ(200A)との境界、ケーシング内壁面(2i)と円環状空間(E)内部で固化したケイ酸アルカリ(200A)との境界、円環状空間(E)内部で固化したケイ酸アルカリ(200A)に形成された亀裂等を介して地上まで上昇し、円環状空間(E)に連通した冷却液(BL)の溜り部(TL)に滞留する。当該溜り部(TL)には漏出した冷却液(BL)を検出する検出手段(温度センサ10T)が配置されており、当該検出手段(10T)に低温の冷却液(BL)が接触することで冷却液(BL)の凍結管外管(9A)外への漏出、すなわち、凍結管外管(9A)の破損を正確に検知することができる。
そして、冷却液(BL)が漏洩していることを正確に検知することが出来れば、直ちに凍結管(9)を交換する等の対策を講じることが出来るので、作業の効率が向上し、施工領域の環境に及ぼす悪影響が小さくなる。
ケーシング内壁面(2i)と凍結管外壁面(9ao)の間の空間(E)に固化材と粘土を包含する混合物(200B)が充填されている場合は、ケイ酸アルカリ(200A)の場合と同様に、凍結管(9)外に漏洩した冷却液(BL)は、凍結管外管(9A)表面と円環状空間(E)内部で固化した固化材と粘土を包含する混合物(200B)との境界、ケーシング内壁面(2i)と円環状空間(E)内部で固化した固化材と粘土を包含する混合物(200B)との境界、円環状空間(E)内部で固化した固化材と粘土を包含する混合物(200B)に形成された亀裂等を介して地上まで上昇し、円環状空間(E)に連通した冷却液(BL)の溜り部(TL)に滞留する。
当該溜り部(TL)には漏出した冷却液(BL)を検出する検出手段(レベルセンサ10L)が配置されており、当該検出手段(10L)を冷却液(BL)が押し上げることで冷却液(BL)の凍結管外管(9A)外への漏出、すなわち、凍結管外管(9A)の破損を正確に検知することができる。
仮に凍結管(9)とケーシング(2)の双方に損傷が発生したとしても、凍結管(9)とケーシング(2)の間における円環状空間(E)内部のケイ酸アルカリ(200A)或いは固化材と粘土を包含する混合物(200B)は固化しているため、凍結管(9)内の冷却液(BL)は施工領域の土壌(G)中に漏出することは防止される。そのため、凍結管(9)とケーシング(2)の双方に損傷が発生したとしても、凍土(FG:氷)が溶けてしまうことは無く、凍土(FG)による地下水の遮蔽効果が消失してしまうこともない。
本発明において、冷却液(BL)が凍結管(9)から漏出していることが検出され、凍結管(9)を交換する必要がある旨が判明した場合には、当該ケイ酸アルカリ水溶液(200A)を加温する。
本発明で用いられるケイ酸アルカリ水溶液(200A)は、低温下(−20℃〜−30℃)では固化している(凍っている)が、冷却を中止すれば液相になるので、ケイ酸アルカリ水溶液(200A)の冷却を中止して液相とすれば、交換するべき凍結管(9)をケーシング(2)内から容易に引き出すことが出来る。そのため、発錆等の原因により凍結管(9)が破損しても、容易に交換することが出来る。
そして、新しい凍結管(9)をケーシング(2)内に配置して、当該新しい凍結管(9)内に冷却液(BL)を循環させることができる。
本発明において、前記ケーシング(2)が削孔用ケーシングであり、凍結管(9)を地中に配置するためのボーリング孔(Hb)を削孔した際に、削孔用ケーシング(2)を施工領域に埋め殺す様に構成すれば、凍土(FG)により遮蔽するべき地下水が例えば、放射性物質で汚染されていたとしても、地下水に接触した削孔用ケーシング(2)は施工領域中に埋め殺され、地上側に回収しないので、好都合である。
そして、削孔用ケーシング(2)を埋め殺すことにより、施工領域の地盤中から削孔用ケーシング(2)を撤収する手間が省けて、ケーシング撤収工程の廃止による労力とコストを低減するとともに、工期の短縮が可能となる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 第1実施形態における最初の工程を示す図である。
【図3】 地下水の上昇を防止する他の機構を示す縦断面図である。
【図4】 地下水の上昇を防止する更に別の機構を示す縦断面図である。
【図5】 第1実施形態において、図2で示す工程の次工程を示す図である。
【図6】 第1実施形態において、図5で示す工程の次工程を示す図である。
【図7】 第1実施形態において、図6で示す工程の次工程を示す図である。
【図8】 第1実施形態において、凍結管が破損した状態を示す図である。
【図9】 本発明の第1実施形態の変形例を示す縦断面図である。
【図10】 本発明の第2実施形態を示す縦断面図である。
1・・・床版コンクリート
2・・・ケーシング
3・・・排出管
4・・・バルブ
5・・・スラリー排出管
6・・・ゴムパッキン
7・・・シール部材
9・・・凍結管
10T・・・温度センサ
60・・・制御手段
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