技術分野
この発明は、先尾端板幅制御装置に関する。特に、エッジャを備えた可逆圧延機を制御する先尾端板幅制御装置
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ところで、エッジャロールギャップを一定として幅圧延を行った場合、被圧延材の先尾端部の板幅が、可逆圧延機の出側において非定常な形状に変形することが知られている。被圧延材の先尾端部に生じた非定常な形状が顕著な場合、仕上圧延で通板しにくく、トラブルの原因になることがある。また、仕上圧延後もこの形状が残り、被圧延材の先尾端部の板幅が板幅目標値を大きく下回るため、製品精度を確保するために切り落とすこととなる。そのため、被圧延材の先尾端部における板幅変化の発生は、歩留りの著しい低下につながる。
エッジャロールによる幅圧延において、被圧延材の先尾端部のみを対象としてエッジャロールギャップを先尾端部以外の定常部に比して広くする板幅制御(エッジャの先尾端開度変更制御)が行われている。図6に示すように、従来のエッジャの先尾端開度変更制御におけるエッジャロールギャップの開閉操作量(エッジャの先尾端開度変更量)は、エッジャ正パス先尾端開度変更パターン生成手段16により、数式、あるいは数表として格納されたパターン(エッジャの先尾端開度変更パターン)に基づいて設定される。数表として格納されたパターンに基づいて設定する場合、鋼種、板幅、幅圧下量、板厚などを検索キーとして格納されたパターンが検索される。数表は試行錯誤により決定されることが一般的である。
従来、連続鋳造機では、要求される製品寸法に応じて、鋳造する金属スラブの幅寸法を変更する作業が行われていた。変更期間中は金属スラブの鋳造が停止するため、幅寸法の変更回数が多いほど生産性が悪化することとなる。
近年、鉄鋼産業では、連続鋳造機の生産能力の向上のため、鋳造する金属スラブの幅寸法の集約化と幅寸法の拡大が進められてきた。これに伴い、熱間圧延において金属スラブを幅方向へ圧下して所望の幅寸法を得る金属スラブの大幅圧下が必要となってきた。
熱間圧延における幅圧下の方法には、エッジャロールによる幅圧延の他に、1対のプレス工具により幅圧下を行うサイジングプレスによる幅圧下がある。サイジングプレスによる幅圧下は、幅圧下時に被圧延材との接触長さを大きくとれるため圧下効率が良く、大きな幅圧下が望めるという特徴と、近年の鉄鋼業界の需要から、採用が増えている。しかしながら、サイジングプレスの導入と設置には、空間的、資金的余裕が必要であるため、エッジャロールによる幅圧延のみで大幅圧下を実現する需要がある。
エッジャロールによる幅圧延で大幅圧下を実現するには、正パスのみならず、逆パスでも幅圧延を行う必要がある。例えば、特許文献1は、水平ロールを挟んで竪型ロール2基を配置する構成の可逆圧延機列において、正パスおよび逆パスで幅圧延を繰り返すことで大幅圧下を実現することを開示している。しかしながら、特許文献1は、被圧延材の先尾端部が魚の尾状となるフィッシュテールの発生を抑制するための技術であり、先尾端部板幅の精度向上については言及されていない。また、特許文献1は、水平ロールを挟んで竪型ロール2基を必要とするものであって、竪型ロール1基のみによる正パスおよび逆パスでの幅圧延には対応していない。
また、従来、逆パスでの幅圧延、正パスでの幅圧延、正パスでの水平圧延の順で圧延する場合(すなわち、逆パスおよび正パスで連続して幅圧延を行った後に水平圧延を行う場合)、正パスでの幅圧延でのみエッジャの先尾端開度変更制御を適用し、逆パスでの幅圧延では、エッジャの先尾端開度変更制御を適用しない。エッジャの先尾端開度変更制御を適用しない逆パスでの幅圧延後の尾端部板幅は、定常部の板幅とほぼ等しいが、先端部板幅は、定常部に比して狭くなる(これを幅落ちと称する)。即ち、被圧延材の先端板幅は、不均一に形成されてしまう。さらに、逆パス後の正パスでは、逆パスでの幅圧延によって形成されたドッグボーンと、先端部の幅落ちが残存したまま幅圧延を行うことになる。ここで、さらに従来のエッジャの先尾端開度変更パターンを適用して幅圧延を行うことになるので、被圧延材の先尾端部板幅は、より不均一に形成されてしまう。即ち、逆パスおよび正パスで連続して幅圧延を行う場合には、エッジャの先尾端開度変更パターンに何らかの補正を施す必要がある。
上述のように、逆パスおよび正パスで連続して幅圧延を行う場合には、その先尾端の変形現象が複雑なため、エッジャの先尾端開度変更パターンを試行錯誤して調整していた。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、逆パス後の正パスでの幅圧延において、エッジャの先尾端開度変更パターンを合理的に決定し、最適なエッジャの先尾端開度変更パターンによる幅制御を行うことのできる先尾端板幅制御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
目的の達成のため、本発明に係る先尾端板幅制御装置は以下のように構成される。
【発明の効果】
本発明によれば、水平ロールの上流にのみ垂直ロールを備えた可逆圧延機において、逆パス後の正パスでの幅圧延について、エッジャの先尾端開度変更パターンを合理的に決定でき、最適なエッジャの先尾端開度変更パターンによる幅制御を行うことができる。その結果、逆パスおよび正パスでの連続した幅圧延における板幅制御の精度が向上し、大幅圧下が可能となり、様々な目標寸法の製品を、製品寸法精度よく製造することが可能である。また、連続鋳造機で鋳造される金属スラブの幅寸法の変更回数を削減でき、連続鋳造機の生産性を高めることもできる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】熱間圧延ラインの可逆圧延機の概略と、エッジャロールギャップを制御する先尾端板幅制御装置の構成を説明するための図である。
【図2】エッジャ正パス先尾端開度変更パターン補正手段19について説明するための図である。
【図3】逆パスでの幅圧延時に、エッジャ逆パス先尾端開度変更パターンを適用した例を説明するための上面図である。
【図4】逆パスの次の正パスでの幅圧延時に、補正後のエッジャ正パス先尾端開度変更パターンを適用した例を説明するための上面図である。
【図5】先尾端板幅制御装置21のハードウェア構成を示す図である。
【図6】従来の先尾端幅制御について説明するための図である。
1 可逆圧延機
2 エッジャ
3 水平ミル
5 被圧延材
6 搬送方向
7 正パス
8 逆パス
9 ローラテーブル速度検出器
10 熱片検出器
11 回転速度検出器
12 トラッキング手段
13 板幅計
14 パススケジュール算出手段
15 熱延命令情報
16 エッジャ正パス先尾端開度変更パターン生成手段
16a エッジャ正パス先尾端開度変更パターン生成手段
16b エッジャ逆パス先尾端開度変更パターン生成手段
17 エッジャ先尾端開度制御手段
18 逆パス配分比算出手段
19 エッジャ正パス先尾端開度変更パターン補正手段
20 学習手段
21 先尾端板幅制御装置
50 プロセッサ
51 メモリ
191 逆・正パス判別処理
192 逆・正パス合計幅圧下量計算処理
193 エッジャ正パス先尾端開度変更パターン補正比計算処理
194 エッジャ正パス先尾端開度変更パターン補正量計算処理
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