技術分野
マスクブランク、そのマスクブランクを用いた製造された位相シフトマスクおよびその製造方法に関するものである。また、本発明は、の位相シフトマスクを用いた半導体デバイスの製造方法に関するものである。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ArFエキシマレーザー光(波長193nm)を露光光に適用したフォトリソグラフィーで用いられるハーフトーン型位相シフトマスクにおいて、ハーフトーン位相シフト膜(以下、単に「位相シフト膜」という。)は、ArF露光光を所定の透過率で透過する機能と、かつ位相シフト膜を透過するArF露光光に対し、その位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した光との間で所定の位相差(位相シフト量)を生じさせる機能を同時に備える必要がある。これまでは、ArF露光光に対する透過率が10%よりも低い特性を有する位相シフト膜が広く用いられてきていた。また、位相シフト効果を大きくするために、位相シフト膜が有する位相シフト量については180度前後とすることが一般的である。単層構造(表層の酸化が避けられない領域を含んでいる単層構造。以下、特に表層の酸化領域について言及している場合を除き、単層構造は、表層に酸化領域を含んでいるものとする。)の位相シフト膜であり、のようなArF露光光に対する透過率と位相シフト量の条件を同時に満たしつつ、より薄い厚さで形成することが可能な材料は、比較的限られている。モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)からなる材料は、これらの条件を満たすものであり、これまで広く用いられてきている。
近年、ハーフトーン型位相シフトマスクにおいて、パターンエッジ近傍を透過する透過光に対してより高い位相シフト効果を得ることなどを狙って、透過率の高い位相シフト膜(透過率が10%以上の位相シフト膜)への要求が高まってきている。従来のMoSiNからなる単層構造の位相シフト膜の場合、所定の位相差を確保しつつ透過率を10%以上となるようにするには、位相シフト膜のモリブデンの含有量を少なくする、例えば、位相シフト膜中のモリブデンの含有量[原子%]をモリブデンとケイ素の合計含有量[原子%]で除した比率[%](以下、この比率を「Mo/[Mo+Si]比率」という。)を4%以下とする必要がある。しかし、位相シフト膜のモリブデンの含有量を少なくすると、膜の導電性が低下するという問題が生じる。また、位相シフト膜のモリブデンの含有量が少なくなると、位相シフト膜の黒欠陥に対して前記のEB欠陥修正を行うときのエッチングレートが低下するという問題もある。
位相シフト膜に用いられる材料として、モリブデンシリサイド酸窒化物(MoSiON)がある。このMoSiONからなる単層構造の位相シフト膜は、MoSiNからなる単層構造の位相シフト膜よりも厚くはなるが、モリブデン含有量を比較的多くしても(例えば、Mo/[Mo+Si]比率が5%以上)、所定の位相差を確保しつつ透過率を10%以上とすることができる。しかし、MoSiONからなる単層構造の位相シフト膜を備えるマスクブランクの場合、以下の問題があることが明らかとなった。マスクブランクから位相シフトマスクを作製したときのマスク検査で位相シフト膜に黒欠陥が見つかった場合、EB欠陥修正で修正することが多い。MoSiONからなる単層構造の位相シフト膜の黒欠陥に対し、EB欠陥修正で修正を行う場合、位相シフト膜と透光性基板との境界を検出するためのエッチング終点の検出が、MoSiNからなる単層構造の位相シフト膜に比べて難しくなるということが新たに判明した。
そこで、本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクにおいて、その位相シフト膜が所定の位相差を確保しつつ透過率を10%以上である光学特性を有するものであっても、EB欠陥修正時における位相シフト膜と透光性基板との境界を検出するためのエッチング終点の検出が比較的容易であるマスクブランクを提供することを目的としている。また、このマスクブランクを用いて製造される位相シフトマスクを提供することを目的としている。さらに、このような位相シフトマスクを製造する方法を提供することを目的としている。そして、本発明は、このような位相シフトマスクを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
前記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクであって、
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を10%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上190度以下の位相差を生じさせる機能とを有・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明のマスクブランクは、透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクであって、位相シフト膜を前記透光性基板側から下層と上層が積層した構造を含むものとし、下層を金属、ケイ素および窒素を含有し、酸素を含有しない材料で形成し、上層を金属、ケイ素、窒素および酸素を含有する材料で形成し、下層の厚さを位相シフト膜の全体の厚さの1/3以下とし、上層および下層を、金属およびケイ素の合計含有量に対する金属の含有量の比率がともに5%以上であるようにすることを特徴としている。このような構造のマスクブランクとすることにより、この位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を10%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した露光光に対して位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で150度以上190度以下の位相差を生じさせる機能とを同時に確保することができる。それに加え、この位相シフト膜は、EB欠陥修正を行ったときに位相シフト膜と透光性基板との境界を検出するためのエッチング終点の検出を容易とすることができ、欠陥修正が不十分な状態となることや、透光性基板を意図せず掘り込んでしまうことを回避することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の実施形態におけるマスクブランクの構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態における位相シフトマスクの製造工程を示す断面模式図である。
1 透光性基板
2 位相シフト膜
21 下層
22 上層
2a 位相シフトパターン
3 遮光膜
3a,3b 遮光パターン
4 ハードマスク膜
4a ハードマスクパターン
5a 第1のレジストパターン
6b 第2のレジストパターン
100 マスクブランク
200 位相シフトマスク
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