特許6439729IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

人間の睡眠状態を推定する装置に係り、より詳細には、被検者の呼吸波形の計測データ等に基づいて被検者の睡眠段階を推定する装置に係る。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

の如きウェアラブルセンサを用いた技術によれば、PSGによらずに、人の呼吸状態や体動についての計測データに基づいて、或る程度の精度にて、人の睡眠状態を推定することが可能となっている。しかしながら、圧力センサで得られる被検者の呼吸運動に伴う体表面の変位による圧力変化の時系列データに於ける波形(以下、「呼吸波形」と称する。)や加速度センサ等で得られる被検者の体動に伴う加速度と、睡眠状態及び/又は睡眠段階との対応関係は、複雑であり、或る一つの呼吸波形又は体動に於ける特徴量が所定の閾値を超えたか否かなどによって、睡眠状態又は睡眠段階を精度良く推定することは困難である。例えば、被検者に於いて、大きな体動の出現或いは大きな体動の所定時間以上に亘る継続が検出された場合、被検者が覚醒状態にある可能性は高いが、睡眠状態にあってもそのような体動が出現することもあり、逆に、そのような大きな体動が無くても被検者が覚醒状態にあることもある。また、同様に、被検者の状態が睡眠状態に於ける複数の睡眠段階のうちのいずれの段階に在るかを判定する場合に於いても、計測データから抽出される或る一つの特徴量の値と所定の閾値との大小関係によって精度良く被検者の睡眠段階を特定することは困難である。更に、ウェアラブルセンサにより得られる計測データ(信号)には、ノイズが比較的多く、計測データから抽出される特徴量が少数である場合、ノイズによる影響を受けて、判定結果(推定結果)が安定しない場合が起き得る。 かくして、本発明の一つの課題は、の如き従前の技術の状況を鑑み、ウェアラブルセンサを用いて計測される人の呼吸運動や体動についての計測データから抽出される特徴量に基づいて、人の睡眠状態及び/又は睡眠段階を推定する装置に於いて、更に精度の良い睡眠状態及び/又は睡眠段階の推定結果の得られる装置を提供することである。なお、既に述べた如く、睡眠段階の判定は、国際判定基準に基づき、PSGの計測を通じて為されるので、呼吸運動や体動に基づく睡眠段階の判定は、睡眠段階の推定となる。従って、本発明の装置の説明に於いて、「睡眠段階の判定」という場合には、特に断らない限り、「睡眠段階の推定」と同義である。また、「睡眠状態」、「睡眠段階」という場合、特に断らない限り、被検者が覚醒している状態(覚醒状態、覚醒段階)も含むものとする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明によれば、の課題は、睡眠状態推定装置であって、被検者の呼吸運動状態を表す呼吸運動指標値を時系列に計測する呼吸運動計測手段と、呼吸運動状態の計測と伴に被検者の体動状態を表す体動指標値を時系列に計測する体動計測手段と、計測された呼吸運動指標値の時系列データから呼吸運動特徴量を抽出する呼吸運動特徴量抽出手段と、計測された体動指標値の時系列データから体動特徴量を抽出する体動特徴量抽出手段と・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
かくして、の本発明によれば、既に触れた如く、呼吸運動特徴量と体動特徴量とを変数として算出される睡眠状態値を参照して睡眠段階の判定が実行されることとなるので、被検者の呼吸運動状態と体動状態とに於いて、或る有意な変化があったというだけで、或る一つの睡眠段階に特定するのではなく(例えば、単に有意な体動が検出されたというだけで、覚醒段階と推定するのではなく)、その他の状態を総合的に或いは統合的に評価して睡眠段階の判定が為されることとなる。従って、例えば、従前のいくつかの装置の如く、呼吸運動特徴量と体動特徴量とを別々に参照して、順番に、被検者の睡眠状態が複数の睡眠段階のうちのいずれの段階に属するかを判定していく構成に比して、睡眠段階の推定結果がより的確となること(誤判定が低減されること)が期待される。本発明の装置は、被計測者の胸部又は腹部に装着される構成にて達成可能であるので、大規模に設備を要せず、家庭用又は車内用の装置として利用可能である。 本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1(A)は、被検者の胸部又は腹部に装着される本発明による睡眠状態推定装置の実施形態を模式的に表した図であり、同右図は、睡眠状態推定装置の内部の構成をブロック図の形式で表した図である。図1(B)は、本発明による睡眠状態推定装置の別の実施形態を模式的に表した図であり、睡眠状態の判定のため演算処理の一部を外部のコンピュータ装置で実行する場合を示している。

【図2】図2(A)は、本発明による睡眠状態推定装置の実施形態に於ける信号処理のタイミングを説明する図である。図2(B)は、本発明による睡眠状態推定装置の実施形態に於いて得られる呼吸波形データ(呼吸運動指標値の時系列データ)であり、睡眠状態の判定に使用される呼吸運動特徴量の定義を説明する図である。図2(C)は、本発明による睡眠状態推定装置の実施形態に於いて得られる加速度値(体動指標値)から算出される加速度差分ノルムの時系列データである。

【図3】図3(A)は、本発明による睡眠状態推定装置の実施形態に於ける睡眠状態の判定に使用される睡眠状態関数の原理を説明する模式図であり、教師用データのデータ点(教師用データ点xti)に対して設定される分布関数(任意の点(特徴量xai)状態と教師用データ点の状態の近似の度合を表す関数)が描かれている。図3(B)は、或る特徴量ベクトル(呼吸運動特徴量と体動特徴量との組)が与えられた場合に算出される睡眠状態に於ける複数の睡眠段階の各々の出現確率を示しており、最も高い確率が所定の閾値を超えている状態を示している。図3(C)は、図3(B)と同様の図であって、最も高い確率の値も所定の閾値を超えず、睡眠段階が不明と判定される場合を示している。

【図4】図4(A)は、本発明による睡眠状態推定装置の実施形態に於ける計測から睡眠状態の判定までの処理過程をフローチャートの形式にて表した図である。図4(B)は、図4(A)のステップ22の睡眠段階の判定の処理過程をフローチャートの形式にて表した図である。

【図5】図5は、或る被検者に対して行われた睡眠状態の判定の結果の例を示した図であり、(A)は、PSGを用いた睡眠状態の判定結果であり、(B)は、本発明による睡眠状態推定装置の実施形態による睡眠状態の判定結果である。(C)は、比較例であり、睡眠状態の判定に於いて、体動特徴量を用いずに、呼吸特徴量のみを用いて睡眠状態の判定を行った結果である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1…睡眠状態推定装置   2…コンピュータ端末   3…モニター   4…キーボード、マウス(入力装置)   5…通信器

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