技術分野
燃料を空気と混合しつつ自着火させる予混合圧縮着火燃焼(HCCI燃焼)が可能なエンジン
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ただし、特許文献2の技術は、点火プラグを用いて混合気を強制着火させる火花点火式エンジンを対象にしたものであり、予混合圧縮着火式エンジンは対象とされていない。予混合圧縮着火式エンジンに同様の水噴射を適用することも考えられるが、仮にそうした場合には、次のような問題が生じると考えられる。
すなわち、特許文献2のように、エンジンの高負荷運転時に燃焼室中央部に向けて水を噴射した場合、燃焼室の外周部よりも高温になり易い中央部が噴射水により冷却される結果、燃焼室の温度分布が均一化されて、混合気の多くが同等のタイミングで自着火する可能性がある。この場合、多くの燃料が短期間の間に燃焼することになるので、やはり急激な圧力上昇が起きて燃焼騒音が増大することが懸念される。
また、特許文献2では、エンジンの低負荷運転時の水噴射により冷却損失が低減するとされているが、水噴射だけでは十分な効果が得られない可能性がある。
具体的に、特許文献2では、エンジンの低負荷運転時に噴射された水がピストンのキャビティ底面に付着して水膜が形成される結果、燃焼熱のピストンへの伝達(伝熱)が抑制され、冷却損失が低減するとされている。しかしながら、特許文献2では、燃焼室の全体で混合気が燃焼する(つまりキャビティの外側でも燃焼が起きる)ので、のようにキャビティの底面に水膜を形成したところで、ピストンへの伝熱を抑制する効果はあくまで限定的なものに留まる。もちろん、キャビティの内部に燃料を集中させて燃焼領域を小範囲に限定すれば、上述した伝熱の抑制効果は高まると考えられるが、むやみに燃焼領域を限定すると、局所的に非常に燃料リッチな混合気が形成されてしまい、スートの発生量が増大するという問題がある。
本発明は、のような事情に鑑みてなされたものであり、スートの発生量および燃焼騒音がともに抑制された適正なHCCI燃焼を幅広い負荷域で実現可能な圧縮着火式エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、気筒に往復動可能に収容されたピストンと、気筒の壁面とピストンとにより画成された燃焼室にガソリンを含有する燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室に水を噴射する水噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁から噴射された燃料を空気と混合しつつ自着火により燃焼させる予混合圧縮着火燃焼が可能なエンジンを制御する装置であって、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射量および噴射タイミ・・・ 続きを
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【発明の効果】
以上説明したように、本発明の圧縮着火式エンジンの制御装置によれば、スートの発生量および燃焼騒音がともに抑制された適正なHCCI燃焼を幅広い負荷域で実現することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の一実施形態にかかる予混合圧縮着火式エンジンの全体構成を示す図である。
【図2】 エンジン本体の断面図である。
【図3】 エンジンの制御系統を示すブロック図である。
【図4】 エンジンの運転条件に応じた制御の相違を示すマップ図である。
【図5】 低速・高負荷域(第1運転領域)での燃料噴射および水噴射の態様を説明するためのタイムチャートである。
【図6】 低速・低負荷域(第2運転領域)での燃料噴射および水噴射の態様を説明するためのタイムチャートである。
【図7】 高速・高負荷域(第3運転領域)での燃料噴射および水噴射の態様を説明するためのタイムチャートである。
【図8】 第1運転領域での水噴射による作用を説明するための動作説明図である。
【図9】 第2運転領域での水噴射による作用を説明するための動作説明図である。
【図10】 第3運転領域での水噴射による作用を説明するための動作説明図である。
【図11】 超臨界水および亜臨界水の性質について説明するための水の状態変化図である。
2 気筒
5 ピストン
10 燃焼室
11 燃料噴射弁
57 水噴射弁
101 燃料噴射制御部
102 水噴射制御部
A1 第1運転領域
A2 第2運転領域
Lx (負荷の)所定値
Rx (回転速度の)所定値
If1 (第1運転領域での)燃料噴射
If2 (第2運転領域での)燃料噴射
Iw1 (第1運転領域での)水噴射
Iw2 (第2運転領域での)水噴射
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