技術分野
耐ブリスター性に優れた中空部を有するPFA成形体に関する。
また本発明は、中空部を有するPFA成形体のブリスター発生を抑制する方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明者らは、耐ブリスター性に優れたテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)との共重合体(PFA)の成形体を得る技術の開発に鋭意努力した結果、本発明に到達したものである。
本発明は、耐ブリスター性に優れた中空部を有するPFA成形体を提供する。
本発明は、耐ブリスター性に優れた中空部を有するPFA成形体の製造方法を提供する。
本発明はまた、ブリスターの発生量の少ない中空部を有するPFA成形体を提供する。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明は、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)との共重合体(PFA)であって、PAVEが3〜50重量%、ASTM D1238に準拠して、荷重5kg、測定温度372±0.1℃で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であるPFAを溶融成形して得られる中空部を有する成形体を、融点より130℃低い温度から融点までの温度で加熱処・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明は、溶融流動性を有するPFAを溶融成形して得られる中空部を有するPFA成形体を加熱処理することにより、ブリスター発生が抑制されるという予想外で格段に優れた効果を有するものである。
すなわち、本発明により、耐ブリスター性に優れた中空部を有するPFA成形体が提供される。
また本発明により、中空部を有するPFA成形体のブリスター発生を抑制する方法が提供される。
さらに本発明によりブリスター発生量の少ない中空部を有するPFA成形体が提供される。
フッ素樹脂以外の溶融流動性を有する樹脂材料を射出成形や押出延伸成形して得られる成形体は、冷却固化の過程における成形体内部の部位による結晶化度の違いや、成形時の応力等外力による成形ひずみを有している。成形体内部のひずみは時間経過や加温によって緩和されるが、緩和が急激に進む場合には成形体が変形してしまう等の現象が起こるので、成形加工直後または成形後に成形体をその樹脂材料の使用用途における使用温度+20℃程度、いわゆる常温(室温)付近の温度で加熱するアニール処理が知られている。
また、溶融流動性を有さないフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の成形加工は、PTFE樹脂の粉末(いわゆる、モールディングパウダー)から予備的に加工用素材を形成して、それを切削加工等の機械加工により成形品にする方法で行われている。工業的には、フリーシンター法、ホットコイニング法、フリーベーキング法、ホットモールディング法及びアイソスタティックモールディング法等の成形加工法が用いられる。これらの成形加工法により得られるPTFE成形体も同様にひずみを有しているため、機械加工時の加熱により内部ひずみが緩和し寸法精度不良となる。そのため、PTFEにおいてもひずみ緩和現象による変形を防ぐため、使用温度よりもやや高い温度(120℃〜250℃)でPTFE成形体を加熱するアニール処理を行うことが知られている(非特許文献1の第32頁、非特許文献2)。
加えて、溶融流動性を有するPFAを射出成形して得られる成形品においても、成形時に内部残留ひずみが発生することがある。この内部残留ひずみによって形状精度(寸法精度)不良となる虞があるので、成形体の形状精度(寸法精度)が必要な部分にアニール治具を取り付けて使用温度以下の温度で加熱しアニール処理することが記載されている(特許文献3)。また、PFAやテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の溶融流動性を有する熱可塑性フッ素樹脂を、押出成形等によって筒状の部材を成形した後、成形温度以下の温度で延伸し、延伸後に延伸温度以下でアニール処理をして熱固定した延伸チューブが知られている(特許文献4)。特許文献4では、押出成形したチューブを5〜6倍に延伸し、延伸チューブを220〜230℃でアニールしたことが記載されている。この様にして得られた延伸チューブはPFAやFEPの分子の大半が配向された状態であって、一般的な成形体(分子の一部のみが配向する場合も含む)とは異なった状態のものである。加えて、これらの特許文献には、中空部を有するPFA成形体に発生するブリスターについては何ら記載されてなく、その発生を抑制することについても何ら記載されていない。
なお、PFA成形体を長時間(60000〜120000分)ヒートエージングした場合には、PFAの分解を起こすことが知られているが(非特許文献2の第55頁)、本発明の中空部を有するPFA成形体を特定の条件で加熱処理することは、長時間ヒートエージングした場合とは異なり、PFAの分解を起こすことなく、且つ寸法精度を維持しながら、ブリスターの発生を抑制することができるという予想外の優れた効果を達成するものである。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 PFA成形体に発生したブリスターの断面図
【図2】 ブリスターが発生したPFAチューブの外観
【図3】 本発明により得られた耐ブリスター性に優れたPFAチューブのブリスター発生試験後の外観
【図4】 本発明のブリスター発生試験に用いられる装置を示す概略図
【図5】 本発明のブリスター発生個数の測定で成形体表面の転写に用いられる装置を示す概略図
【図6】 実施例1、2及び比較例1で得られたブリスター測定用成形体表面の転写像図中の(A)(B)(C)は、各々実施例1、実施例2、比較例1の転写像である。
1.加熱処理後のPFAチューブ
2.封止栓
3.35質量%塩酸
4.ガラス瓶
5.純水
6.オーブン
7.PFA板
8.カーボン転写紙
9.コピー用紙
10.ブリスター測定用PFAチューブ
11.ガイド部
12.錘
13.PTFE板
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