特許6488186IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

車両用バックドアの改良に関する。詳しくは、樹脂製パネルからなるドア本体を備えた車両用バックドアの車両衝突時におけるパネルの飛散対策

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献1のバックドアでは、ワイヤーは、その両端部がサイド補強ブラケット及びラッチ取付ブラケットを介して車体に連結されているものの、これら両端部を除いてはインナパネルにもアウタパネルにも留まっていないし、しかも、インナパネルの外周縁部に沿って架設されている。このため、ドア本体のロア部における中央部分には、車両の後面衝突時に同部分を構成するパネルが飛散してドア本体に大きな穴が開くおそれがあり、そのことからパネルの飛散対策を施すことが望まれる。 そこで、パネルの飛散対策として、ドア本体のロア部における内部空間に、延伸性を有する補強シート状物をアウタパネルに接着して広げた状態に設けることで、当該ロア部における中央部分を構成するパネルが飛散しても、そのパネルの飛散部分に対応する箇所に補強シート状物を残すようにすることが考えられる。 しかし、補強シート状物の接着部分を例えば上下両縁部のみとすると、車両の後面衝突の具合やその激しさの程度によっては、補強シート状物に負荷がかかったときにそれによる応力が局所的に集中しやすく、その応力集中箇所から補強シート状物が裂開してしまうおそれがある。そうなると、せっかく補強シート状物を設けていても、ドア本体のロア部に大きな穴が開いてしまい兼ねない。 本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の後面衝突時においてドア本体のロア部を構成するインナパネル及びアウタパネルが飛散しても、このロア部に大きな穴が開くことを防止できる車両用バックドアを提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

の目的を達成するために、この発明では、ドア本体のロア部に上述の如く延伸性を有する補強シート状物を設け、アウタパネルに対する補強シート状物の接着の仕方を工夫するようにした。
【発明の効果】
第1の発明によれば、ドア本体のロア部における内部空間に補強シート状物をアウタパネルの裏面に対応させて広げた状態に設け、その補強シート状物をアウタパネルに対し筋状の横断接着部及び連結接着部を組み合わせたパターンで接着するようにしたから、車両が後面衝突などの衝突事故に見舞われたときに、補強シート状物にかかる衝撃がロア部全体に分散され、それによって補強シート状物に局所的な応力集中が生じるのを防止できる。そして、この補強シート状物は、延伸性を有するので、ドア本体のロア部が大きく変形してもその変形に応じて延伸し、車両の後面衝突時の衝撃にも耐え得て裂開し難い。したがって、車両の衝突事故によってドア本体のロア部を構成する両パネルが飛散しても、当該ロア部には補強シート状物を残すことができるので、当該ロア部に大きな穴が開くことを防止できる。 また、第1の発明によれば、補強シート状物の開口周辺部を枠状接着部とするようにしたので、当該開口周辺部の剛性を向上させることができる。補強シート状物が開口を有していると、車両の衝突事故によって補強シート状物に負荷がかかったときにその開口周辺部から開裂が生じやすいが、枠状接着部による剛性向上効果を以て、補強シート状物が当該開口周辺部から開裂するのを防止できる。 第2の発明によれば、車両が後面衝突などの衝突事故に見舞われたときに、補強シート状物にかかる衝撃をロア部全体によりいっそう効果的に分散させることができる。 第3の発明によれば、アウタパネルを枠状接着部で補強シート状物に加えインナパネルとも接着するようにしたから、補強シート状物の開口周辺部の剛性をさらに高めることができ、それによって補強シート状物が当該開口周辺部から開裂するのをよりいっそう確実に防止できる。 第4の発明によれば、第1の発明と同様に、車両の衝突事故によってドア本体のロア部を構成する両パネルが飛散しても、当該ロア部には補強シート状物を残すことができるので、当該ロア部に大きな穴が開くことを防止できる。 また、第4の発明によれば、ネット状の部材である補強シート状物を接着剤により部分的に覆ってアウタパネルに接着するようにしたから、補強シート状物が接着剤を通す網目などの隙間や孔のない織物又は編物であってその補強シート状物を接着剤によりアウタパネルに接着する場合と比べて、アウタパネルに対する補強シート状物の接着強度を高めることができる。 また、第4の発明によれば、アウタパネルの裏面側に配置させた補強シート状物に対し、筋状接着部の接着剤を押圧シートを用いて押圧して、その押圧シートを補強シート状物と共にアウタパネルに貼り付けたままの状態にすることとしたので、押圧シートを剥離する作業を行わなくて済み、補強シート状物をアウタパネルに容易に接着できて、当該第4の発明に係るバックドアを簡単に実現することができる。 また、第4の発明によれば、押圧シートとして、接着剤を押圧する用途とは別に断熱性、防音性及び電磁波シールド性のうち少なくとも1つの機能性を有するシートを採用するようにしたから、バックドアに押圧シートが有する機能性を付加することができる。これにより、バックドアの断熱性能や防音性能を向上させたり、バックドアに電磁波シールド性を持たせたりすることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアを後側から見た全体斜視図である。

【図2】図2は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアの分解斜視図である。

【図3】図3は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアを構成するアウタロアパネルをインナパネル側から見た裏面図である。

【図4】図4は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアのアウタロアパネルとそれに接着された補強シート状物とをインナパネル側から見た図である。

【図5】図5は、図4のV−V線に対応する箇所におけるバックドアのロア部の断面図である。

【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアの組立て方法において、アウタロアパネルに補強シート状物を貼り付ける作業を示す工程図である。

【図7】図7(a),(b)は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアの組立て方法において、アウタロアパネルをインナパネルに組み付ける作業を示す工程図である。

【図8】図8は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアの後面衝突時におけるロア部の様子について一例を示す断面図である。

【図9】図9は、本発明の実施形態2に係る車両用バックドアのアウタロアパネルとそれに貼り付けられる補強シート状物及び押圧シートとを示す分解斜視図である。

【図10】図10は、本発明の実施形態2に係る車両用バックドアのアウタロアパネルとそれに接着される補強シート状物及び押圧シートとをインナパネル側から見た図である。

【図11】図11は、図10のXI−XI線に対応する箇所におけるバックドアのロア部の断面図である。

【図12】図12(a)は、図10のXIIa−XIIa線におけるアウタロアパネルと補強シート状物及び押圧シートとの拡大断面図である。図12(b)は、本発明の実施形態2の変形例1に係る車両用バックドアの図12(a)相当図である。図12(c)は、本発明の実施形態2の変形例2に係る車両用バックドアの図12(a)相当図である。図12(d)は、本発明の実施形態2の変形例3に係る車両用バックドアの図12(a)相当図である。

【図13】図13は、本発明の実施形態3に係る車両用バックドアのアウタロアパネルとそれに接着された補強シート状物及び押圧シートをインナパネル側から見た図である。

【図14】図14は、図13のXIV−XIV線に対応する箇所における車両用バックドアの断面図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1…バックドア、3…ドア本体、3a…アッパ部、3b…ロア部、3x…上縁接着部、   3y…下縁接着部、3z…側縁接着部、5…窓パネル、5a…窓領域、5b…隠蔽領域、   7…窓部、9…プレート取付部、11…リヤランプ、13…インナパネル、   15…アウタパネル、17…本体部、19…窓用開口、21…内側立ち壁、   23…内側フランジ、25…外側立ち壁、27…外側フランジ、29…インナピラー部、   29a…外側壁、29b…内側壁、31…橋絡片、33…位置決め孔、35…締結孔、   37…収納ユニット、37A…下側収納部、37B…上側収納部、   39…プレート締結面部、41…縦壁部、43…ラッチ取付部、45…作業用開口、   47…部品取付凹部、49…ランプ設置部、51…開口、53…枠状立ち壁、   55…フランジ片、57…インナ側ランプ用開口、58…カバーパネル、   59…ヒンジ取付部、61…アウタアッパパネル、63…アウタロアパネル、   65…アッパ段差部、67…アッパ延出片、68…位置決め凸部、69…挿通孔、   70…接着剤(弾性接着剤)、71…ロア段差部、73…ロア延出片、   77…プレート取付座、78…側壁部、79…上壁部、81…プレート取付孔、   83…ノブ用開口、85…投光用開口、87…アウタ側ランプ用開口、89…突出壁、   90…接着剤(弾性接着剤)、91…補強シート状物、91a…撚糸、93…網目、   95…センター開口、97…サイド開口、99…筋状接着部、   99a…センター枠状接着部、99b…サイド枠状接着部、101…横断接着部、   103…連結接着部、101a…第1横断接着部、101b…第2横断接着部、   101c…第3横断接着部、101d…第4横断接着部、105…縦断接着部、   105a…第1縦断接着部、105b…第2縦断接着部、105c…第3縦断接着部、   105d…第4縦断接着部、105e…第5縦断接着部、105f…第6縦断接着部、   107…斜交い接着部、107a…第1斜交い接着部、107b…第2斜交い接着部、   107c…第3斜交い接着部、107x…第1斜線部、107y…第2斜線部、   109…非接着部、111…接着剤(弾性接着剤)、113…押圧シート、   115,117…開口、119…アルミ箔、121…樹脂シート、201…車体本体、   203…バックドア開口、301…ノズル、303…押圧ローラ、305…ノズル、   307…押圧治具  

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